Intel Core

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Intel Coreは、インテルによるx86マイクロプロセッサのブランド名、及びそのブランドで展開されたマイクロプロセッサ製品群である。これはPentium 4などに採用されたNetBurstマイクロアーキテクチャベースではなく、それらより一世代前のPentium PROに始まるP6マイクロアーキテクチャをベースとしたPentium Mに改良を加え、マルチプロセッサー版を含めたもので、高効率と低電力をめざしたものである。

Coreシリーズはマルチプロセッサを含む製品群として販売された。同様に、全く同じ、またはより高性能なCoreプロセッサは、Xeonプロセッサの名称でサーバワークステーション向け市場に販売された。

Coreプロセッサのラインナップには、最新のIntel Core i7Core i5Core i3プロセッサ(しばしばCore i シリーズ[1]Coreプロセッサ・ファミリ[2]などと称される)と、その前世代のIntel Core 2 Solo、Core 2 Duo、Core 2 Quad、Core 2 Extreme(Intel Core2の項目を参照)が含まれる。

本項では、現在[いつ?]までのIntel Coreのブランド展開と、特にIntel Coreのブランド名で最初に展開されたマイクロプロセッサ製品を扱う。その他のプロセッサの詳細については、各プロセッサの項目を参照のこと。

Intel Core[編集]

Intel Core(インテル コア)は、インテルが2006年1月6日に発売した、32ビットのデュアルコア又はシングルコアのx86マイクロプロセッサである。

初代のIntel Coreは、後継プロセッサとの区別などから、開発コードネームYonahヨナ、後述)の名称で呼ばれることがある。Coreはインテルが初めてデュアルコア化を前提として設計したCPUであり、ラインナップとしてデュアルコアのIntel Core Duo(コア デュオ)、シングルコアのIntel Core Solo(コア ソロ)がある。

Yonahではブレードサーバ向け製品が派生しているが、いわゆるコンシューマ用のデスクトップ向け製品は存在しない。しかし、低発熱のモバイルCPUはデスクトップ機でも静音化や小型化に有利なため、自作パソコン用のマザーボードは数社から発売された。

概要[編集]

Coreはモバイル向けプロセッサで大きな成功を収めたPentium Mをベースに、引き続きイスラエルハイファにあるIntel Design Center(IDC)で開発された。

実際の製品ラインナップにおいてはモバイル向け・デスクトップ向けなどの区分がされていないが、ラインナップはデュアルコア(2000番台)・シングルコア(1000番台)毎に標準電圧版(T)、低電圧版(L)、超低電圧版(U)が準備された。これらの製品は、全て65nmプロセスルールで製造される。

同時期のデスクトップ向けデュアルコア・プロセッサであるPentium Dとは異なり、仮想化技術であるVirtualization Technology(Intel VT-x)や、省電力化を図るため片方のコアを停止させる技術などが盛り込まれている。パフォーマンスは、同じ動作クロックのAMD Athlon 64 X2とほぼ同等とされる。

Yonah は、モバイルインテル 945 Express チップセット(コードネーム:Calistoga)、インテル PRO/Wireless 3945ABG ネットワークコネクション(同:Golan)と共に「Intel Centrino Duo」(同:Napa)を構成する(ただし Intel Core Solo 搭載の場合、「Intel Centrino」となる)。

経緯[編集]

Pentium III 以前のPentiumでは、インテルはデスクトップおよびモバイルに対して単一のアーキテクチャを開発し、その派生製品によってラインナップ展開を行っていたが、Pentium 4の名前で展開されたNetBurstマイクロアーキテクチャはモバイル用途として実用的ではないほど消費電力と発熱が多くなってしまった。そのため、モバイル用にクロックを下げ、省電力低発熱機能であるSpeedStepを搭載したPentium Mを開発し、ラインナップに加えた。

Intel CoreはPentium Mの直接の後継であったが、再び1系統のアーキテクチャの派生製品でCPUラインナップを展開することになった。Intel Coreが発表された2006年1月時点での ラインナップでは、通常電圧版(T系列)のFSBは667MHzのみ、クロックは1.66GHzから2.16GHzまでであったが、同年5月にFSB533MHzの1.6GHz製品、同じく6月にFSB667MHzの2.33GHz製品がそれぞれ追加された。

Intel Coreは、Intelバージョン3としてのコーポレートアイデンティティマークの更新と共に正式発表が行われた。ちなみにバージョン1はDRAMを製造していた時期、バージョン2はCPUなどプロセッサを製造していた時期を指すという。バージョン3を宣言した時点でもIntelはプロセッサの開発と販売が最大の業務であるが、バージョン3ではプロセッサ単体ではなく、それらを中核としてプラットフォームとしての提供を行うという。

Pentium DとPentium 4の後継製品であるCore 2によって、13年続いたPentiumブランドは主力のメインストリームブランドから、Core 2の下位製品となるPentium Dual-Core(現[いつ?]Pentium)として残され、Celeronとの間を埋めるバリューブランドへと変更された。

Intel Coreは、アップルコンピュータiMacMac miniMacBook Proに、Intelプロセッサとして初めて採用されている。

プロセッサ・コア[編集]

Kikayon[編集]

Kikayonキカヨン)は、Yonahを前提に開発されているプラットフォームの動作確認用のCPUである[3]。Kikayonは開発・評価用のCPUであるため商品化は行われていない。また具体的な仕様も不明である。

Yonahは前世代のDothanから多くの改良が加えられているが、プラットフォームのうちCPUを除く大部分は既存からの流用が多い。Yonahの早期発売を行うためにはYonahの完成を待ってからプラットフォームの開発を本格化するのではなく、代替のCPUを用いて早めにプラットフォームを策定、開発を進めることが得策であった。

インテルの開発コードネームは開発を担当したデザインセンターの地域にちなんだものが採用される習わしとなっているが、例外的にKikayon旧約聖書に出てくる預言者ヨナを守ってその後枯れてしまった植物のこと。

前述したハイファのIDCには、Yonahや後のCore 2で採用されるMelomなどの名が付けられた会議室もある。

Yonah[編集]

Yonahヨナ)は、実際にIntel Coreとして発表された、65nmプロセスのCPUである。Pentium Mの流れでは第三世代に当たり、モバイル向けとして、初めてデュアルコアが採用された。

FSBはDothanの533MHzから667MHzに向上。2MBの2次キャッシュメモリを2つのCPUコアで共有する「スマート・キャッシュ」(同じデュアルコア製品の Pentium D には搭載されていない)、電力効率を上げるためのディーパー・スリープ機能など、様々な新機能が採用されている。Intel 64 には対応していないが、Virtualization Technology(VT)には対応している。

対応ソケットは通常電圧版と低電圧版はSocket MSocket 479と同形状で、CPUの未使用のピンが一本異なる)であるが、プロセッサ・ナンバが「U」で始まる超低電圧版のみBGA479(479-ball micro-FCBGAパッケージ)となる。

Yonahは、Banias(バニアス)やDothan(ドタン、ドーサン)などのアーキテクチャを踏襲している。比較的低いIPCを高い動作クロックで埋め合わせるNetBurstマイクロアーキテクチャPentium 4などとは異なり、Pentium Mと同じ高IPCのCPUである。Pentium MとIPCに関わる大きな違いは、SSE命令のMicro-OPs Fusionが使えるようになったことである。具体的には、Pentium MまでのSSE命令におけるMicro-OPs Fusionは、[ストアOP+ストアデータOP]のみしか行わなかったが、Coreでは[ロードOP+モデファイOP]でも、Micro-OPs Fusionが行われるようになった。さらに、Core世代のSSE実行ユニットの演算幅は64Bitであるものの、128Bit命令のSSE命令をデコーダーでは分解せず、スケジューラで分解させるようにもなっているため、最大4μOPsのフュージョンが可能になっている。これは、128Bitに演算幅が広がった後のCore 2とほぼ同等の命令分解数である。この改良によって、大半のSSE命令をシンプルデコーダ(即ちすべてのデコーダ)でデコードすることが可能となり、デコードスループットが向上した。また、SSE3に対応させることにより、浮動小数点演算性能も向上している。

Pentium D とは異なり、Core Duoは2つのコアが1つのFSBコントローラを共有している。Athlon 64 X2 との差異として、2MBのL2キャッシュを2つのコアで共有しており、状況に応じてL2キャッシュのそれぞれのコアの占有量をより効果的な量に変えている。同じく、2つのコア間のデータ交換をクロスバースイッチ経由ではなくL2キャッシュ上で行えるため、広帯域かつ短レイテンシで行える。

この他、Intel Coreブランドではないが、Yonahを利用したSossaman(ソッサマン)にて、デュアルプロセッサ対応のブレードサーバ向けの Xeon LVが発売された。それらについてはXeon#ソッサマン (Sossaman)もしくはCeleron#Value Sossamanを参照。

製品一覧[編集]

モデルナンバーのアルファベットは対応電圧、数字の千の位はプロセッサのコア数、通常電圧版(T系列)で十の位が0のものはFSB677MHz、5のものはFSB533MHzを表す。

プロセッサ・ナンバ 動作周波数 FSB 2次キャッシュ コア数 ソケット VT対応 TDP 発売時期
T2700 2.33GHz (166x14) 667MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
31W '06/6
T2600 2.16GHz (166x13) 667MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
31W '06/1
T2500 2.00GHz (166x12) 667MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
31W '06/1
T2450 2.00GHz (133x15) 533MHz 2MB 2 Socket M × 31W -
T2400 1.83GHz (166x11) 667MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
31W '06/1
T2350 1.86GHz (133x14) 533MHz 2MB 2 Socket M × 31W -
T2300 1.66GHz (166x10) 667MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
31W '06/1
T2300E 1.66GHz (166x10) 667MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
× 31W '06/5
T2250 1.73GHz (133x13) 533MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
× 31W '06/5
T2050 1.60GHz (133x12) 533MHz 2MB 2 Socket M
µFCBGA-479
× 31W '06/5
L2500 1.83GHz (166x11) 667MHz 2MB 2 µFCBGA-479 15W '06/9
L2400 1.66GHz (166x10) 667MHz 2MB 2 µFCBGA-479 15W '06/1
L2300 1.50GHz (166x9) 667MHz 2MB 2 µFCBGA-479 15W '06/1
U2500 1.20GHz (133x9) 533MHz 2MB 2 µFCBGA-479 9W '06/6
U2400 1.06GHz (133x8) 533MHz 2MB 2 µFCBGA-479 9W '06/6
T1400 1.83GHz (166x11) 667MHz 2MB 1 Socket M
µFCBGA-479
× 27W '06/5
T1350 1.86GHz (133x14) 533MHz 2MB 1 Socket M × 31W '06/7
T1300 1.66GHz (166x10) 667MHz 2MB 1 Socket M
µFCBGA-479
× 27W '06/1
T1250 1.73GHz (133x13) 533MHz 2MB 1 Socket M × 31W '06/7
T1200 1.66GHz (166x9) 667MHz 2MB 1 Socket M
µFCBGA-479
× 27W '06/7
U1500 1.33GHz (133x10) 533MHz 2MB 1 µFCBGA-479 5.5W '06/1
U1400 1.20GHz (133x9) 533MHz 2MB 1 µFCBGA-479 5.5W '06/4
U1300 1.06GHz (133x8) 533MHz 2MB 1 µFCBGA-479 5.5W '06/4

Intel Core 2[編集]

Intel Core 2(インテル コア ツー)は、インテルが2006年8月に発売した、64ビットのシングルコア、デュアルコア、またはクアッドコアのx86-64マイクロプロセッサのブランド名である。

65nm(第1世代)または45nm(第2世代)プロセスルールで製造されるマルチコアコアCPUであり、Intel Coreだけでなく、Pentium 4Pentium DPentium Extreme Editionの後継モデルにあたる。開発系統上の前モデルにあたるCoreとのスペック上の差異として、クアッドコア対応、Intel 64(当時はIntel EM64Tと呼称した)、vProテクノロジ、Intel TXTなどの機能面の対応などが挙げられる。

ラインナップ[編集]

Coreはコアの数によって製品を展開していたが、Core 2では対象利用者の分類などから、Core 2 SoloCore 2 DuoCore 2 QuadCore 2 Extremeの名前で、Netburstを完全に引き継ぐラインナップが展開された。

  • Core 2 Soloは、モバイル向けのシングルコア・プロセッサである。Core Soloとは異なり、超低電圧版のみが展開された。
  • Core 2 Duoは、デスクトップまたはモバイル向けのデュアルコア・プロセッサである。CoreにおけるCore DuoまたはNetBurstにおけるPentium Dに相当し、加えてPentium 4を置き換える位置付けの製品である。
  • Core 2 Quadは、デスクトップまたはモバイル向けのクアッドコア・プロセッサである。インテルの一般向け製品において、初めて展開された4コア搭載製品である。
  • Core 2 Extremeは、デスクトップまたはモバイル向けのハイエンドプロセッサである。Pentium Extreme Editionを置き換える位置付けの製品である。
ブランド名 デスクトップ モバイル
開発コードネーム コア リリース日付 開発コードネーム コア リリース日付
Intel Core 2 Duo Conroe
Allendale
Wolfdale
2コア (65 nm)
2コア (65 nm)
2コア (45 nm)
2006年8月
2007年1月
2008年1月
Merom
Penryn
2コア (65 nm)
2コア (45 nm)
2006年7月
2008年1月
Intel Core 2 Extreme Conroe XE
Kentsfield XE
Yorkfield XE
2コア (65 nm)
4コア (65 nm)
4コア (45 nm)
2006年7月
2006年11月
2007年11月
Merom XE
Penryn XE
Penryn XE
2コア (65 nm)
2コア (45 nm)
4コア (45 nm)
2007年7月
2008年1月
2008年8月
Intel Core 2 Quad Kentsfield
Yorkfield
4コア (65 nm)
4コア (45 nm)
2007年1月
2008年3月
Penryn 4コア (45 nm) 2008年8月
Intel Core 2 Solo
デスクトップ版は存在しない
Merom-L
Penryn-L
1コア (65 nm)
1コア (45 nm)
2007年9月
2008年5月

プロセッサ・コア[編集]

Core 2には、Yonahを元に大幅に改良したCoreマイクロアーキテクチャが採用されている。Yonahとその前駆であるPentium Mのマイクロアーキテクチャに対しては名称は付けられていなかったが、2007年9月のIDF 2007のプレゼンテーションにてCore DuoもCoreマイクロアーキテクチャとして追認した。

Core iシリーズ (第1世代)[編集]

Core iシリーズ (第2世代)[編集]

Core iシリーズ (第3世代)[編集]

Core iシリーズ (第4世代)[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]