Hatten är din

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Hatten är dinIPA/hat:ən æ dɪn/, スウェーデン語で「帽子はお前の物」)は2000年頃にインターネット上で流行したフラッシュアニメーション。 内容はトルコの伝統衣装を着た人々が行うパーティーの様子であり、歌と音楽に合わせて人々の間を帽子が飛びまわる。歌詞に合わせてスウェーデン語による字幕の付けられた作品である。

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[編集] 解説

1984年レバノンミュージシャンであるアーザール・ハビブ( عازار حبيب )はアラビア語による歌曲である「 من ما كنتي تكوني (mīn ma kinty tkūnī)」[1]を発表した。日本ではアラブ歌謡曲、もしくはアラブ演歌と呼ばれるもののひとつであり、こうした歌曲の多くはそれぞれの地域の方言で歌われ、歌詞の内容はラブソングである。この「 من ما كنتي تكوني 」もレバノン方言による歌曲であり、「 حبيتك (habbeitik)」すなわち「お前が好きだった」とも題される、典型的なラブソングであった。

発表から16年の後、パトリック・ニューベリ(Patrik Nyberg)、ユーハン・グレンダール(Johan Gröndahl)、ペート・バッゲ(Pet Bagge)らはこの歌がスウェーデン語に聞こえることに気付いた。彼らはアラビア語をまったく理解しなかったが、スウェーデン語の音韻であると仮定すると、歌詞は帽子を使った酒席でのシュールな遊びを描いたものと解釈することができた。「Hatten är din(ハッテン・ア・ディン)」とは、アラビア語で「 حبيتك (ハッベイティク)」と歌っているものがそのように聞こえたという結果であり、このように他の言葉に聞こえる、もしくは聞かせる、または聞くことを、日本では俗に空耳と呼んでいる。この空耳の解釈によって作られた作品がHatten är dinフラッシュであり、ちょうど日本ではフラッシュがウェブ上で浸透する時期であった為、フラッシュという形式、Hatten är dinという作品両者が波及的に広がっていった。流行した当時は当該作品のウェブサイトがあったが、現在では閉鎖され、そのミラーサイトが存続している。

原詞は「お前が好きだった、愛していた」「私のダーリン」といった意味の言葉が繰り返されるデュエットであったが、この歌に手を加えることなくスウェーデン語の歌詞であると解釈すると「酔っているな、帽子はお前のものだ」「テレビで流れている『Hatten är din』のレコードを借りろ」といった半ば不条理でありながらも意味のある内容となるところに本作のおもしろさがあるといえる。しかし流行した当時、フラッシュ作品を作った者と同様に、世界の多くの人々は原詞を理解することはなかった。

ヨーロッパでブームを起こしたHatten är dinはインターネットを通じて世界へと広がった。英語圏では原詞アラビア語、添詞スウェーデン語ともに精通する者が少なく「Hatt-baby」と称され、さらに日本では、他にもこのようにも聞こえる、といった新たな空耳が行われたほか、さらなるパロディも作られていった。しかし、レバノン訛りのアラビア語を知る者も、スウェーデン語を習得する者も少ない日本にあっては、字幕にミスリードされ、原詞にせまるものは極めて希少であった。一方で、そうしたミスリードされた者の中には、フラッシュ作品の映像が強く印象を残り、字幕の意味について探ろうと試みる者も現れた。一部のスウェーデン語に心得のある者や、辞書を引きつつ字義を調べる者、あるいは英語などの他言語に翻訳されたものをさらに日本語に直そうと試みる者らによって、いわゆる「Hatten är din」としての歌詞に対する日本語訳詞は複数作られた。もともと空耳によって充てられたスウェーデン語であるため、全体としての意味はかならずしも通っているとは言い難い。このため、日本語訳にせよ英訳にせよ、訳詞を行う過程で少しでも意味の通じるものにしようという訳詞者それぞれの思惑や解釈を含んだものとなっている。

当のアラブ地域にあっては、このフラッシュ作品が世界中で人気を博していた頃はインターネット黎明期と呼ばざるをえない情勢であり、原詞歌曲の作詞者であり歌手でもあったアーザール自身も、自らの音楽が世界でブームを起こしていることを知らなかったという。また、原詞本来の意味が理解されていたかどうかはともかく、結果として「 حبيتك 」は世界中へと広まった大流行歌になりはしたが、レバノンもしくはアラブ地域においてはアーザール・ハビブの代表歌曲という位置にはなく、晩年にリリースされた彼のベストアルバムいずれにも収録されていない。

なお、イスラーム文化圏として知られるアラブ地域にあっては、飲酒を禁忌とする印象が強いが、アーザールの祖国であるレバノンはワインの特産があり、また、フラッシュムービーのモチーフとなったトルコのビールは世界的にもよく知られている。しかし、Hatten är dinにあるような酒宴での遊びは架空のものである。

[編集] 脚注

  1. ^ 最近ではインターネットメディアなどの普及もあって情報を文字化することが多くなったために変化しつつあるが、元来アラビア語では口語を文字にあらわすという文化がなかった。そのため、本項で紹介される原題表記はあくまでも一例である。「 من ما كنتي تكوني 」はこのほかに「 مين ماكنت تكون 」などの綴られ方も見られる。

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