HAT-P-1b

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HAT-P-1 b
太陽系外惑星 太陽系外惑星の一覧
Exoplanet Comparison HAT-P-1 b.png
木星との比較図
主星
恒星 HAT-P-1 (ADS 16402 B)
星座 とかげ座
赤経 (α) 22h 57m 47s
赤緯 (δ) +38° 40′ 30″
距離 453 ± 65 ly
(139 ± 20 pc)
スペクトル分類 G0V [1]
軌道要素
軌道長半径 (a) 0.0553 ± 0.0014[2] AU
離心率 (e) <0.067[2]
周期 (P) 4.4652934 ± 0.0000093[2] d
    (107.16704 h)
軌道傾斜角 (i) 86.28 ± 0.20[2]°
通過時刻 (Tt) 2,454,363.94656 ± 0.00072[2] JD
準振幅 (K) 59.3 ± 1.4[2] m/s
物理的性質
質量 (m) 0.524 ± 0.031[2] MJ
半径 (r) 1.225 ± 0.059 [2] RJ
発見
発見日 2006年9月14日木曜日
発見者 HATネット
発見方法 トランジット法
視線速度法
観測場所 アリゾナ州
ハワイ
現況 公表

HAT-P-1bは、とかげ座の方向に453光年の位置にある太陽に似た恒星ADS 16402 Bの周りを回る太陽系外惑星である。ADS 16402 B はADS 16402と呼ばれる連星系に属する暗い方の恒星でもある。

発見[編集]

HAT-P-1bは、惑星の通過の観測により発見された。惑星が地球に対して恒星の前面を通過すると、恒星から地球に届く光の一部が隠される。HAT-P-1bは、恒星からの光の0.6%を定期的に遮っていたのが発見され、半径や軌道周期が計算により求められた。アリゾナ州ハワイ州の望遠鏡を用いてHATネットで発見され、2006年9月14日に公表された[3]

軌道と質量[編集]

HAT-P-1bは、恒星から非常に近い軌道をわずか4.47日で公転しており[1]ホットジュピターに分類される。恒星からの距離はわずか827万kmで、他の天体からの摂動がないとすると潮汐力で軌道は円に近いと考えられる[4]軌道離心率は詳しく分かっていないが、0.067を超えないと計算されている。

惑星の質量を求めるために、N2Kコンソーシアムにより惑星の視線速度の変化が測定された。恒星のスペクトルのドップラー効果が観測され、その結果を通過の観測で測定された惑星の軌道傾斜角と組み合わせることで、質量は0.53±0.04木星質量と推定された[1]

2008年8月時点で、直近のHAT-P-1bのロジター・マクラフリン効果はJohnsonによって測定されたものである[5]。恒星の赤道面と惑星の軌道面の傾きは+3.6 ± 2.0度と計算されている[2]

特徴[編集]

HAT-P-1bは、質量と半径から主に水素ヘリウムから構成される木星型惑星だと考えられている。現在の理論では、このような惑星は恒星系の外側で形成され、現在の軌道まで移動してきたと考えられている。

HAT-P-1bの半径は、理論的な予想よりかなり大きい[3]。これは惑星の内側に熱源があることを示唆している。楕円軌道による潮汐熱が可能性の一つとして挙げられるが、現在の観測結果とは一致しない[6]。しかし、やはり大きな半径を持つHD 209458bも円に近い軌道である。

別の可能性としては、HAT-P-1bが太陽系天王星のようにかなり傾いた自転軸を持っていることである。この説明の問題点は、惑星がこの状態になることが難しいことであり、結局まだ合理的な説明は得られていない。

出典[編集]

  1. ^ a b c Bakos et al. (2007). “HAT-P-1b: A Large-Radius, Low-Density Exoplanet Transiting One Member of a Stellar Binary”. The Astrophysical Journal 656 (1): 552–559. doi:10.1086/509874. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/656/1/552/70075.html. 
  2. ^ a b c d e f g h i Johnson, John Asher; Winn, Joshua N.; Narita, Norio; Enya, Keigo; Williams, Peter K. G.; Marcy, Geoffrey W.; Sato, Bun'ei; Ohta, Yasuhiro; Taruya, Atsushi; Suto, Yasushi; Turner, Edwin L.; Bakos, Gaspar; Butler, R. Paul; Vogt, Steven S.; Aoki, Wako; Tamura, Motohide; Yamada, Toru; Yoshii, Yuzuru; Hidas, Marton (2008). “Measurement of the Spin-Orbit Angle of Exoplanet HAT-P-1b”. The Astrophysical Journal 686 (1): 649–657. Bibcode 2008ApJ...686..649J. doi:10.1086/591078. 
  3. ^ a b Oversize Orb: Puffy planet poses puzzle”. Science News Online. 2007年10月14日閲覧。
  4. ^ A HAT trick”. 2007年10月14日閲覧。
  5. ^ Winn, Joshua N. (2008年). “Measuring accurate transit parameters”. arXiv:0807.4929v2 [astro-ph]. 
  6. ^ Jackson, Brian; Richard Greenberg, Rory Barnes (2008). “Tidal Heating of Extra-Solar Planets”. ApJ 681: 1631. doi:10.1086/587641. 

外部リンク[編集]