Fedora
| 開発元企業 / 開発者 | Fedora Project |
|---|---|
| OSの系統 | Linux |
| 開発状況 | 開発中 |
| ソースモデル | FLOSS |
| 最新安定版リリース | 18 / 2013年1月15日 |
| アップデート方式 | Yum |
| パッケージ管理 | RPM |
| 対応プラットフォーム | IA-32 x86-64, PowerPC |
| カーネル種別 | モノリシックカーネル |
| 既定のUI | GNOME(デフォルト) KDE |
| ライセンス | 多種 |
| ウェブサイト | FedoraProject.org |
Fedora(フェドラ)は、レッドハットが支援するコミュニティー「Fedora Project」によって開発されている、RPM系Linuxディストリビューションである。バージョン6まではFedora Coreと呼ばれていた。特定のバージョンを指す場合は「Fedora 9」のように、バージョン番号を添えて呼ばれることもある。
Fedoraは、UbuntuやopenSUSE同様、最新の技術を積極的に取り込むディストリビューションとして知られている。また、Fedoraはその開発目的として「rapid progress of Free and Open Source software(フリー/オープンソースソフトウェアの世界を迅速に発展させること)」を謳っており[1]、フリーソフトウェアを厳格に重視したディストリビューションという一面も持っている。
目次 |
経緯 [編集]
2003年末、開発が終了したRed Hat Linuxの後継を開発するためにFedora Projectが結成された。レッドハットは企業向けのRed Hat Enterprise Linux (RHEL)のみをサポートしていくこととなり、Fedoraはコミュニティ主導のプロジェクトとして進めていくことになった。コミュニティ主導とすることで高度な開発を柔軟に行うことができ、その成果がRHELに取り込まれるといった検証目的としての位置づけがなされている[2]。
パッケージ管理ツール [編集]
パッケージ管理ツールにはYellow Dog Linuxで開発されたYellowdog Updater Modified(Yum)が採用されている。Fedora Core 4まではYumに加えて、Red Hat Linuxで使われていたパッケージ更新ツール「up2date」も利用可能であったが、Fedora Core 5で削除されている。Yum以外には、Debianなどが採用しているAPTも使用できるが、APTはAMD64アーキテクチャで必要となる「マルチアーキテクチャ環境」(対象アーキテクチャの異なるパッケージが混在する環境)に対応していないので、使用は推奨されていない。また、Mandriva Linuxなどで採用しているSmartも使用可能である。
メンテナンス期間 [編集]
短いサイクルでリリースされているFedoraは、必然的にメンテナンス期間が短くなっている。規程では、2つ先のバージョンがリリースされてから1ヶ月後までメンテナンスされることとなっている。[3][4]。2007年11月現在では、前述のようにほぼ半年ごとにリリースされているため、リリースされてから約13ヶ月後にメンテナンスが終了することとなる。
リポジトリ [編集]
初めから利用できる公式のリポジトリの他に、RPM FusionやLivnaといったコミュニティによって運営されているリポジトリや、AdobeやDropboxなどのサードパーティ製リポジトリも存在し、後で登録して利用可能である。
- Fedora Core
Fedora 7以前には、Red Hat社のデベロッパーによって運営されている公式のリポジトリであるFedora Core(ディストリビューション名ではなくリポジトリ名)とは別に、コミュニティベースで運営されるFedora Extrasというリポジトリが存在した。ディストリビューションの中核をなすパッケージはCoreで提供し、Extrasでは「追加パッケージ」を提供する、というような位置づけになっていた。Coreに比べて新規のパッケージが簡単に追加できたため、従来は非公式なリポジトリで提供されていた数多くのパッケージがここに収録された。当初はFedoraのインストールCD/DVDにはリポジトリがCoreしか登録されていなかったが、Fedora Core 3以降ではExtrasも利用可能となり、Fedora Core 4以降はYumの設定ファイルにデフォルトで登録され、インストールすればすぐ利用できるようになっていた。Fedora 7 でメインのリポジトリ(Core)と統合され、同時にFedora Core(リポジトリ名ではなくディストリビューション名)の名は現在のFedoraに変更された。
- RPM Fusion
Core統合後も、Fedoraの「フリーソフトウェア精神」に反する、あるいはアメリカ国内法に違反する恐れがあるためにFedora本体への収録が見送られたコミュニティベースのリポジトリが「Dribble」「Freshrpms」「Livna」などの名で活動していたが、それらが2008年にごく一部のパッケージを残してRPM Fusionとして統合された。RPM FusionはFedora本体とは無関係にメンテナンスされている非公式のリポジトリである。オープンソースの「free」とそれ以外の「nonfree」とに分かれてメンテナンスされており、「nonfree」には主にGPUドライバなどのプロプライエタリソフトウェア、またはMP3や動画再生関連のライブラリなどが収録されている。
非難 [編集]
2007年2月、OSIの創設者であるエリック・レイモンドはFedoraの開発メーリングリストに「Goodbye, Fedora」と題するメールを投稿した[5]。そこにはガバナンスがうまくいっていないこと、RPM開発を停滞させておりYumを遅くバグの多いままにしていること、プロプライエタリなフォーマット非対応の問題が処理できていないこと、などといったFedoraへの非難があり、近年台頭してきたUbuntuへの支持が表明されている。
これは大きな議論を引き起こした。レッドハットのグレッグ・デ・コーニグズバーグはFedoraとUbuntuの方向性の違いを指摘し、Ubuntuがプロプライエタリなコードをサポートしていることで多くの犠牲を払っていると反論している。[6]
バージョン履歴 [編集]
- Fedora Core 1
- コードネーム: Yarrow, Cambridge
- 最初のバージョンのFedoraであり、2003年11月6日にリリースされた。コードネーム"Yarrow"は英語でセイヨウノコギリソウのこと。Red Hat Linux 9から改善されたシステム環境はYumによる自動アップデート、プレリンクによるプログラムの起動時間を短縮、主にノートパソコン用のACPIやcpufreqをサポートするなどがあり、NPTLに対応したカーネルを採用している。翌年にはx86 64用もリリースされた。
- Fedora Core 2
- コードネーム: Tettnang
- 2004年5月17日にリリースされ、コードネーム"Tettnang"はドイツ南部の町の名前である。Linuxカーネルのバージョンが2.6にあげられ、強制アクセス制御であるSELinuxの実装が施された。このバージョンからデフォルトのインプットメソッドフレームワークにIIIMFが採用された。
- Fedora Core 3
- コードネーム: Heidelberg
- 2004年11月8日にリリースされ、コードネーム"Heidelberg"はドイツの都市の名前である。ブートローダがLILOからGRUBに切り替えられ、ウェブブラウザにMozilla Firefoxを採用した。また、SELinuxが既定で有効になるように設定が改められた。
- Fedora Core 4
- コードネーム: Stentz
- 2005年6月13日にリリースされた。準備期間にLinuxカーネルの不具合が発見されたため大幅にリリースが遅れ、2005年4月11日にテスト版を公開、同年6月のリリースとなった。PowerPCに対応しMacintoshにおいても動作が可能になった。
- Fedora Core 5
- コードネーム: Bordeaux
- 2006年3月20日にリリースされ、コードネーム"Bordeaux"はフランス南西部の都市の名前である。GCC 4.1, GNOME 2.14が採用されたほか、リリース4で不十分だったXenのサポートが改善されている。また、IIIMFに代わってSCIMがデフォルトのインプットメソッドフレームワークとなり、併せてかな漢字変換エンジンAnthyが採用されて日本語入力環境も大きく改善された。オープンソースの.NET処理系であるMonoも収録されている。その他無線LANサポート、電源管理、ソフトウェアサスペンド、Beagleの追加等様々な改良が加えられた。
- Fedora Core 6
- コードネーム: Zod
- 2006年10月24日リリースされた。GNOME 2.16の採用。ウィンドウマネージャにCompiz(AIGLX上で動作)を採用し、3Dの画面効果が得られる。また、インストーラAnacondaに大幅な改善がなされた。Intel Macをサポート。
- Fedora 7
- コードネーム: Moonshine
- 2007年5月31日リリースされ、コードネーム"Moonshine"は「月光」のこと。Fedora ExtrasがFedora Coreに吸収され、パッケージ分類を一本化した。これに伴いOSの名称はFedoraに変更された。ディスクイメージはDVDのみとなり、CDについてはLiveCDのみが配布された。GNOME 2.18、KDE 3.5.6、Xorg 7.2.0が採用された。
- Fedora 8
- コードネーム: Werewolf
- 2007年11月8日リリースされ、コードネーム"Werewolf"は「狼男」のこと。オープンソースのJava開発環境「IcedTea」を収録。GNOME 2.20.1、KDE 3.5.8、Xorg 7.3.0が採用。
- Fedora 9
- コードネーム: Sulphur
- 2008年5月14日にリリースされ、コードネーム"Sulphur"は「硫黄」のこと。ext4ファイルシステムのサポート、インストール時のパーティションサイズ変更機能、Gnome 2.21、KDE 4.0が採用された。
- Fedora 10
- コードネーム: Cambridge
- 2008年11月25日にリリースされ、コードネーム"Cambridge"はイギリスの都市ケンブリッジのこと。無線LAN接続やモバイルブロードバンド接続を、ほかのユーザーと無線LANで共有できる機能などの新機能を搭載し、仮想化の強化、OS起動の高速化を実現している。Linuxカーネル2.6.27、OpenOffice 3.0、GNOME 2.24.1、GIMP 2.6が採用された。
- Fedora 11
- コードネーム: Leonidas
- 2009年6月9日にリリースされ、コードネーム"Leonidas"は古代ギリシアのスパルタ王のこと。
- Fedora 12
- コードネーム: Constantine
- 2009年11月17日にリリースされた。
- PowerPC版はこれが最後のリリースとなった。
- Fedora 13
- コードネーム: Goddard
- 2010年5月25日にリリースされ、コードネーム"Goddard"はアメリカのロケット開発者ロバート・ゴダードのこと。
- Fedora 14
- コードネーム: Laughlin
- 2010年11月2日にリリースされ、コードネーム"Laughlin"はアメリカの理論物理学者ロバート・B・ラフリンのこと。
- Fedora 15
- コードネーム: Lovelock
- 2011年5月24日にリリースされ、コードネーム"Lovelock"はアメリカネバダ州の都市の名前である。Linuxカーネル2.6.38、GNOME 3が採用された。
- Fedora 16
- コードネーム: Verne
- 2011年11月8日にリリースされ、コードネーム"Verne"はフランスの小説家ジュール・ヴェルヌのこと。Linuxカーネル3.1、GNOME 3.2が採用された。
- Fedora 17
- コードネーム: Beefy Miracle
- 2012年5月29日リリース。コードネーム"Beefy Miracle"は「力強い奇跡」を意味する。Linuxカーネル3.3.4、GNOME 3.4が採用された。
- Fedora 18
- コードネーム: Spherical Cow
- 2013年1月15日リリース。コードネーム"Spherical Cow"は「球形の牛」を意味する。Linuxカーネル3.6.10、GNOME 3.6が採用された。
バージョン・サポート期限の一覧表 [編集]
2010年現在のサポート期間は当該バージョンから二つ後のバージョンがリリースされた月の翌月までとなっている[7]。例えばバージョン6においてはバージョン8のリリース日が2007年11月であるため、サポートはその翌月の2007年12月まで行われた。
| 色 | 状況 |
|---|---|
| サポート終了 | |
| サポート中 | |
| 開発中 |
| バージョン | コードネーム | リリース日 | サポート期限 |
|---|---|---|---|
| 1 | Yarrow | 2003年11月6日 | 2004年9月20日まで |
| 2 | Tettnang | 2004年5月17日 | 2005年4月11日まで |
| 3 | Heidelberg | 2004年11月8日 | 2006年1月16日まで |
| 4 | Stentz | 2005年6月13日 | 2006年8月7日まで |
| 5 | Bordeaux | 2006年3月20日 | 2007年7月2日まで |
| 6 | Zod | 2006年10月24日 | 2007年12月7日まで |
| 7 | Moonshine | 2007年5月31日 | 2008年6月13日まで |
| 8 | Werewolf | 2007年11月8日 | 2008年12月まで |
| 9 | Sulphur | 2008年5月14日 | 2009年6月まで |
| 10 | Cambridge | 2008年11月25日 | 2009年12月まで |
| 11 | Leonidas | 2009年6月9日 | 2010年6月まで |
| 12 | Constantine | 2009年11月17日 | 2010年12月まで |
| 13 | Goddard | 2010年5月25日 | 2011年6月まで |
| 14 | Laughlin | 2010年11月2日 | 2011年12月まで |
| 15 | Lovelock | 2011年5月24日 | 2012年6月まで |
| 16 | Verne | 2011年11月8日 | |
| 17 | Beefy Miracle | 2012年5月29日 | |
| 18 | Spherical Cow | 2013年1月15日 | |
| 19 | Schrödinger's Cat |

各バージョンのスクリーンショット [編集]
関連プロジェクト [編集]
活動中 [編集]
- Fedora EPEL
- Red Hat Enterprise LinuxでFedoraと同等環境を実現する信頼性の高いパッケージの提供を目的としたRHEL用レポジトリ。まだ目標のFedoraと同等環境にはほど遠いものの、多数の有用なパッケージが収録されている。正式名称はExtra Packages for Enterprise Linux。
活動停止 [編集]
- Fedora Core
- Fedora Projectの成果物のうちディストリビューション本体にあたるものを、かつてFedora Coreと呼んでいた。現在の成果物に対しては、この呼称は使われていない。
- Fedora Extras
コミュニティベースでメンテナンスされていたFedoraの非公式リポジトリ。Fedora 7 で、メインのリポジトリ(Core)と統合された。
- Fedora Legacy
- Fedora Legacyは旧Red Hat Linuxと、メンテナンス期間が終了したFedora Coreのリリースを保守し、セキュリティアップデートを提供していた、他のFedora関係のプロジェクトと同様にボランティアベースのプロジェクトである。プロジェクトは慢性的な人手不足に悩まされ、メンテナンス期間中のFedora Coreに比べてアップデートの提供スピードや頻度は低かった。これらの理由により、2007年2月にプロジェクトは解散した。
参考・注釈 [編集]
- ^ Max Spevack. “Fedora Project Leader Max Spevack Responds”. 2006年12月17日閲覧。
- ^ “Fedora ProjectとRed Hatがオープンソース・コミュニティに向けた新しいLinuxプラットフォームを発表”. レッドハット (2003年11月7日). 2007年12月15日閲覧。
- ^ LifeCycle - Fedora Project Wiki
- ^ 例えばFedora 8はFedora 10リリースの1ヶ月後にメンテナンスが終了する予定である。
- ^ http://www.redhat.com/archives/fedora-devel-list/2007-February/msg01006.html
- ^ Fedora Project、カスタム・ビルド機能を強化した「Fedora 7」をリリース - SourceForge.JP Magazine
- ^ Release Life Cycle Fedora Release Life Cycle
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
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