Fedora

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Fedora
Fedora logo and wordmark.svg
Fedora 20 GNOME Shell Desktop
Fedora 20 (Heisenbug) と GNOME 3.10.2
開発元企業 / 開発者 Fedora Project
OSの系統 Unix系, Linux
開発状況 開発中
ソースモデル FLOSS
初リリース 2003年11月16日(10年前) (2003-11-16[1][2]
最新安定版リリース 20 / 2013年12月17日(4か月前) (2013-12-17
アップデート方式 Yum
パッケージ管理 RPM
対応プラットフォーム IA-32 x86-64
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のUI GNOME 3
ライセンス 様々なフリーソフトウェアライセンスプロプライエタリ
ウェブサイト fedoraproject.org/ja/

Fedora(フェドラ)は、レッドハットが支援するコミュニティー「Fedora Project」によって開発されている、RPMLinuxディストリビューションである。バージョン6まではFedora Coreと呼ばれていた。特定のバージョンを指す場合は「Fedora 9」のように、バージョン番号を添えて呼ばれることもある。

Fedoraは、UbuntuopenSUSE同様、最新の技術を積極的に取り込むディストリビューションとして知られている。また、Fedoraはその開発目的として「rapid progress of Free and Open Source software(フリー/オープンソースソフトウェアの世界を迅速に発展させること)」を謳っており[3]、フリーソフトウェアを厳格に重視したディストリビューションという一面も持っている。

経緯[編集]

2003年末、開発が終了したRed Hat Linuxの後継を開発するためにFedora Projectが結成された。レッドハットは企業向けのRed Hat Enterprise Linux (RHEL)のみをサポートしていくこととなり、Fedoraはコミュニティ主導のプロジェクトとして進めていくことになった。コミュニティ主導とすることで高度な開発を柔軟に行うことができ、その成果がRHELに取り込まれるといった検証目的としての位置づけがなされている[4]

パッケージ管理ツール[編集]

パッケージ管理ツールにはYellow Dog Linuxで開発されたYellowdog Updater Modified(Yum)が採用されている。Fedora Core 4まではYumに加えて、Red Hat Linuxで使われていたパッケージ更新ツール「up2date」も利用可能であったが、Fedora Core 5で削除されている。Yum以外には、Debianなどが採用しているAPTも使用できるが、APTはAMD64アーキテクチャで必要となる「マルチアーキテクチャ環境」(対象アーキテクチャの異なるパッケージが混在する環境)に対応していないので、使用は推奨されていない。また、Mandriva Linuxなどで採用しているSmartも使用可能である。

リポジトリ[編集]

初めから利用できる公式のリポジトリの他に、RPM FusionやLivnaといったコミュニティによって運営されているリポジトリや、AdobeDropboxなどのサードパーティ製リポジトリも存在し、後で登録して利用可能である。

Fedora Core

Fedora 7以前には、Red Hat社のデベロッパーによって運営されている公式のリポジトリであるFedora Core(ディストリビューション名ではなくリポジトリ名)とは別に、コミュニティベースで運営されるFedora Extrasというリポジトリが存在した。ディストリビューションの中核をなすパッケージはCoreで提供し、Extrasでは「追加パッケージ」を提供する、というような位置づけになっていた。Coreに比べて新規のパッケージが簡単に追加できたため、従来は非公式なリポジトリで提供されていた数多くのパッケージがここに収録された。当初はFedoraのインストールCD/DVDにはリポジトリがCoreしか登録されていなかったが、Fedora Core 3以降ではExtrasも利用可能となり、Fedora Core 4以降はYumの設定ファイルにデフォルトで登録され、インストールすればすぐ利用できるようになっていた。Fedora 7 でメインのリポジトリ(Core)と統合され、同時にFedora Core(リポジトリ名ではなくディストリビューション名)の名は現在のFedoraに変更された。

RPM Fusion

Core統合後も、Fedoraの「フリーソフトウェア精神」に反する、あるいはアメリカ国内法に違反する恐れがあるためにFedora本体への収録が見送られたコミュニティベースのリポジトリが「Dribble」「Freshrpms」「Livna」などの名で活動していたが、それらが2008年にごく一部のパッケージを残してRPM Fusionとして統合された。RPM FusionはFedora本体とは無関係にメンテナンスされている非公式のリポジトリである。オープンソースの「free」とそれ以外の「nonfree」とに分かれてメンテナンスされており、「nonfree」には主にGPUドライバなどのプロプライエタリソフトウェア、またはMP3や動画再生関連のライブラリなどが収録されている。

非難[編集]

2007年2月、OSIの創設者であるエリック・レイモンドはFedoraの開発メーリングリストに「Goodbye, Fedora」と題するメールを投稿した[5]。そこにはガバナンスがうまくいっていないこと、RPM開発を停滞させておりYumを遅くバグの多いままにしていること、プロプライエタリなフォーマット非対応の問題が処理できていないこと、などといったFedoraへの非難があり、近年台頭してきたUbuntuへの支持が表明されている。

これは大きな議論を引き起こした。レッドハットのグレッグ・デ・コーニグズバーグはFedoraとUbuntuの方向性の違いを指摘し、Ubuntuがプロプライエタリなコードをサポートしていることで多くの犠牲を払っていると反論している。[6]

バージョン履歴[編集]

Fedora Core 1
コードネーム: Yarrow, Cambridge
最初のバージョンのFedoraであり、2003年11月6日にリリースされた。コードネーム"Yarrow"は英語でセイヨウノコギリソウのこと。Red Hat Linux 9から改善されたシステム環境はYumによる自動アップデート、プレリンクによるプログラムの起動時間を短縮、主にノートパソコン用のACPIcpufreqをサポートするなどがあり、NPTLに対応したカーネルを採用している。翌年にはx86 64用もリリースされた。
Fedora Core 2
コードネーム: Tettnang
2004年5月17日にリリースされ、コードネーム"Tettnang"はドイツ南部の町の名前である。Linuxカーネルのバージョンが2.6にあげられ、強制アクセス制御であるSELinuxの実装が施された。このバージョンからデフォルトのインプットメソッドフレームワークにIIIMFが採用された。
Fedora Core 3
コードネーム: Heidelberg
2004年11月8日にリリースされ、コードネーム"Heidelberg"はドイツの都市の名前である。ブートローダLILOからGRUBに切り替えられ、ウェブブラウザMozilla Firefoxを採用した。また、SELinuxが既定で有効になるように設定が改められた。
Fedora Core 4
コードネーム: Stentz
2005年6月13日にリリースされた。準備期間にLinuxカーネルの不具合が発見されたため大幅にリリースが遅れ、2005年4月11日にテスト版を公開、同年6月のリリースとなった。PowerPCに対応しMacintoshにおいても動作が可能になった。
Fedora Core 5
コードネーム: Bordeaux
2006年3月20日にリリースされ、コードネーム"Bordeaux"はフランス南西部の都市の名前である。GCC 4.1, GNOME 2.14が採用されたほか、リリース4で不十分だったXenのサポートが改善されている。また、IIIMFに代わってSCIMがデフォルトのインプットメソッドフレームワークとなり、併せてかな漢字変換エンジンAnthyが採用されて日本語入力環境も大きく改善された。オープンソースの.NET処理系であるMonoも収録されている。その他無線LANサポート、電源管理、ソフトウェアサスペンド、Beagleの追加等様々な改良が加えられた。
Fedora Core 6
コードネーム: Zod
2006年10月24日リリースされた。GNOME 2.16の採用。ウィンドウマネージャCompiz(AIGLX上で動作)を採用し、3Dの画面効果が得られる。また、インストーラAnacondaに大幅な改善がなされた。Intel Macをサポート。
Fedora 7
コードネーム: Moonshine
2007年5月31日リリースされ、コードネーム"Moonshine"は「月光」のこと。Fedora ExtrasがFedora Coreに吸収され、パッケージ分類を一本化した。これに伴いOSの名称はFedoraに変更された。ディスクイメージはDVDのみとなり、CDについてはLiveCDのみが配布された。GNOME 2.18、KDE 3.5.6、Xorg 7.2.0が採用された。
Fedora 8
コードネーム: Werewolf
2007年11月8日リリースされ、コードネーム"Werewolf"は「狼男」のこと。オープンソースのJava開発環境「IcedTea」を収録。GNOME 2.20.1、KDE 3.5.8、Xorg 7.3.0が採用。
Fedora 9
コードネーム: Sulphur
2008年5月14日にリリースされ、コードネーム"Sulphur"は「硫黄」のこと。ext4ファイルシステムのサポート、インストール時のパーティションサイズ変更機能、Gnome 2.21、KDE 4.0が採用された。
Fedora 10
コードネーム: Cambridge
2008年11月25日にリリースされ、コードネーム"Cambridge"はイギリスの都市ケンブリッジのこと。無線LAN接続やモバイルブロードバンド接続を、ほかのユーザーと無線LANで共有できる機能などの新機能を搭載し、仮想化の強化、OS起動の高速化を実現している。Linuxカーネル2.6.27、OpenOffice 3.0、GNOME 2.24.1、GIMP 2.6が採用された。
Fedora 11
コードネーム: Leonidas
2009年6月9日にリリースされ、コードネーム"Leonidas"は古代ギリシアスパルタ王のこと。
Fedora 12
コードネーム: Constantine
2009年11月17日にリリースされた。
PowerPC版はこれが最後のリリースとなった。
Fedora 13
コードネーム: Goddard
2010年5月25日にリリースされ、コードネーム"Goddard"はアメリカのロケット開発者ロバート・ゴダードのこと。
Fedora 14
コードネーム: Laughlin
2010年11月2日にリリースされ、コードネーム"Laughlin"はアメリカの理論物理学者ロバート・B・ラフリンのこと。
Fedora 15
コードネーム: Lovelock
2011年5月24日にリリースされ、コードネーム"Lovelock"はアメリカネバダ州の都市の名前である。Linuxカーネル2.6.38、GNOME 3が採用された。
Fedora 16
コードネーム: Verne
2011年11月8日にリリースされ、コードネーム"Verne"はフランスの小説家ジュール・ヴェルヌのこと。Linuxカーネル3.1、GNOME 3.2が採用された。
Fedora 17
コードネーム: Beefy Miracle
2012年5月29日リリース。コードネーム"Beefy Miracle"は「力強い奇跡」を意味する。Linuxカーネル3.3.4、GNOME 3.4が採用された。
Fedora 18
コードネーム: Spherical Cow
2013年1月15日リリース。コードネーム"Spherical Cow"は「球形の牛」を意味する。Linuxカーネル3.6.10、GNOME 3.6が採用された。
Fedora 19
コードネーム: Schrödinger's Cat
2013年7月2日リリース。コードネーム"Schrödinger's Cat"は量子論の思考実験「シュレーディンガーの猫」より。Linuxカーネル3.9.5、GNOME 3.8が採用された。
Fedora 20
コードネーム: Heisenbug
2013年12月17日リリース。コードネーム"Heisenbug"はソフトウェアバグの一種である「ハイゼンバグ」より。Linuxカーネル3.11.10、GNOME 3.10が採用された。

バージョン・サポート期限の一覧表[編集]

短いサイクルでリリースされているFedoraではバージョンごとのメンテナンス期間も短くなっている。今日の規程では、あるバージョンについて2つ先のバージョンがリリースされてから1ヶ月後までメンテナンスされることとなっている[7]。例えばFedora 12のリリースが2009年11月で、ふたつ前のバージョンであるFedora 10はその1ヶ月後の2009年12月にメンテナンスを終えた。Fedoraのバージョンアップは概ね半年ごとに行われているため、リリースされてから約13ヶ月後にメンテナンスが終了する傾向にある。

状況
    サポート終了
    サポート中
    開発中
Fedoraのバージョン・サポート期限一覧表
バージョン コードネーム リリース日 サポート期限
1 Yarrow 2003年11月6日 2004年9月20日まで
2 Tettnang 2004年5月17日 2005年4月11日まで
3 Heidelberg 2004年11月8日 2006年1月16日まで
4 Stentz 2005年6月13日 2006年8月7日まで
5 Bordeaux 2006年3月20日 2007年7月2日まで
6 Zod 2006年10月24日 2007年12月7日まで
7 Moonshine 2007年5月31日 2008年6月13日まで
8 Werewolf 2007年11月8日 2009年1月7日まで
9 Sulphur 2008年5月14日 2009年7月10日まで
10 Cambridge 2008年11月25日 2009年12月17日まで
11 Leonidas 2009年6月9日 2010年6月25日まで
12 Constantine 2009年11月17日 2010年12月2日まで
13 Goddard 2010年5月25日 2011年6月24日まで
14 Laughlin 2010年11月2日 2011年12月9日まで
15 Lovelock 2011年5月24日 2012年6月26日まで
16 Verne 2011年11月8日 2013年2月12日まで
17 Beefy Miracle 2012年5月29日 2013年7月30日まで
18 Spherical Cow 2013年1月15日 2014年1月14日まで
19 Schrödinger's Cat 2013年7月2日
20 Heisenbug 2013年12月17日
EasyTimeline 1.90


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各バージョンのスクリーンショット[編集]

関連プロジェクト[編集]

活動中[編集]

Fedora EPEL
Red Hat Enterprise LinuxでFedoraと同等環境を実現する信頼性の高いパッケージの提供を目的としたRHEL用レポジトリ。まだ目標のFedoraと同等環境にはほど遠いものの、多数の有用なパッケージが収録されている。正式名称はExtra Packages for Enterprise Linux。

活動停止[編集]

Fedora Core
Fedora Projectの成果物のうちディストリビューション本体にあたるものを、かつてFedora Coreと呼んでいた。現在の成果物に対しては、この呼称は使われていない。
Fedora Extras

コミュニティベースでメンテナンスされていたFedoraの非公式リポジトリ。Fedora 7 で、メインのリポジトリ(Core)と統合された。

Fedora Legacy
Fedora Legacyは旧Red Hat Linuxと、メンテナンス期間が終了したFedora Coreのリリースを保守し、セキュリティアップデートを提供していた、他のFedora関係のプロジェクトと同様にボランティアベースのプロジェクトである。プロジェクトは慢性的な人手不足に悩まされ、メンテナンス期間中のFedora Coreに比べてアップデートの提供スピードや頻度は低かった。これらの理由により、2007年2月にプロジェクトは解散した。

参考・注釈[編集]

  1. ^ Red Hat (2003年11月6日). “Announcing Fedora Core 1”. http://www.redhat.com/archives/fedora-announce-list/2003-November/msg00000.html 2007年10月18日閲覧。 
  2. ^ 日経BP社 (2003年11月7日). “米Red HatとFedora Project、一般ユーザー向けLinux「Fedora Core 1」公開”. 2013年6月30日閲覧。
  3. ^ Max Spevack. “Fedora Project Leader Max Spevack Responds”. 2006年12月17日閲覧。
  4. ^ Fedora ProjectとRed Hatがオープンソース・コミュニティに向けた新しいLinuxプラットフォームを発表”. レッドハット (2003年11月7日). 2007年12月15日閲覧。
  5. ^ http://www.redhat.com/archives/fedora-devel-list/2007-February/msg01006.html
  6. ^ Fedora Project、カスタム・ビルド機能を強化した「Fedora 7」をリリース - SourceForge.JP Magazine
  7. ^ Fedora Release Life Cycle - FedoraProject”. 2013年6月30日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]