FCガンジュ岩手

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FCガンジュ岩手
原語表記 FCガンジュ岩手
愛称 ガンジュ
クラブカラー   オレンジ
創設年 2006年
所属リーグ 東北社会人サッカーリーグ
所属ディビジョン 1部
ホームタウン 岩手県盛岡市八幡平市
ホームスタジアム
岩手県営運動公園
収容人数 30,000
代表者 中西哲也
監督 中西哲也
公式サイト 公式サイト
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

FCガンジュ岩手(エフシーガンジュいわて、F.C. Ganju Iwate)は、岩手県盛岡市八幡平市を本拠地として活動するサッカーのクラブチームである。Jリーグ加盟を目指すクラブの1つである。

クラブ概要[編集]

2006年創設。2016年までの運営会社は株式会社岩鷲エンタープライズ

クラブ名のガンジュとは、岩手県の象徴である岩手山の別名岩鷲山(がんじゅさん)に由来する。エンブレムはチーム名の「ガンジュ(岩鷲)」をモチーフにして鷲が地球儀を鷲掴みしている図柄と背景に残雪の岩手山に現れた鷲の形が描かれている。

歴史[編集]

2006年グルージャ盛岡から分離独立する形で創設。当初は「いこいの村岩手」の支援を受け、八幡平市を練習拠点とした[1]。同年はリーグ未所属ながら第13回全国クラブチームサッカー選手権大会に出場した。

2007年[編集]

岩手県社会人サッカーリーグ4部に参入。ジェフユナイテッド市原などで活躍した武藤真一を中心に元Jリーガーなどのプロ契約選手、外国籍選手など多数擁して、県リーグ4部優勝。

リーグ戦以外では、第57回岩手県サッカー選手権大会を優勝し天皇杯岩手県代表の座を獲得。第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会に岩手県代表として初出場、1回戦で埼玉SC埼玉県代表)と対戦し2-3で敗れた。さらに第14回全国クラブチームサッカー選手権大会では全国優勝を果たした。

2008年[編集]

監督に岩手県遠野市出身で元ジュビロ磐田GKの菊池直喜を招聘。チームは引き続き積極的な補強を行い、元清水エスパルスで元U-18日本代表財津俊一郎や元U-21韓国代表キム・ハンビョルなどを獲得し、圧倒的成績で県リーグ3部優勝を果たす。3年連続出場となった第15回全国クラブチームサッカー選手権大会では初戦で岩見沢FC北蹴会にPK戦の末敗れた。

2009年[編集]

3月、これまで支援を行ってきたいこいの村岩手が活動拠点をめぐる相違から独立し、「アンソメット岩手・八幡平」を設立[2]

岩手県出身で元湘南ベルマーレ照井篤、同じく岩手県出身でFリーグステラミーゴいわて花巻元主将の山谷紘大、元大分トリニータ川田和宏、元韓国代表趙世權など各方面から多彩な選手を獲得し、県リーグ2部優勝。

第16回全国クラブチームサッカー選手権大会に4年連続出場、決勝でHOYO Atletico ELAN大分に勝利して2年ぶり2回目の優勝を果たした。

2010年[編集]

グルージャ盛岡TDKサッカー部などで活躍し東北社会人サッカーリーグ1部得点王の経験もある原田太、カマタマーレ讃岐などで活躍した三ヶ崎伸穂など獲得。シーズン途中には、昨年まで大宮アルディージャに所属していたDFの西村陽毅も補強した。8月29日、チームは3年ぶりに岩手県サッカー選手権大会決勝まで進んだもののグルージャ盛岡に0-2で敗れ3年ぶりの天皇杯岩手県代表とはならなかったが、県リーグではこの年も圧倒的な強さを見せ10戦全勝で優勝。北東北3県チャレンジリーグでも優勝し、岩手県リーグに所属していた4年間リーグ戦無敗(39勝1分0敗)という成績を残し、東北社会人サッカーリーグに昇格を決めた。

2011年[編集]

監督に川崎フロンターレ台湾代表などの監督経験のある今井敏明を招聘。前シーズンの主力選手も大半が残留し、モンテディオ山形から栗原祐樹、元FC岐阜姜曉一などの元Jリーグ所属選手を中心に選手を補強。

開幕前の3月におこった東日本大震災の影響で東北リーグのレギュレーションが変更となり東北リーグ1部への昇格がなくなってしまったため、チームスタッフ・選手のモチベーション維持が難しいシーズンとなったが、リーグ戦2位以内に与えられる来年度の全国社会人サッカー選手権大会東北予選への出場権を獲得した。

2012年[編集]

アルビレックス新潟から長谷部彩翔岩崎陽平を獲得。さらにファジアーノ岡山FCから小寺優輝を獲得。その他外国籍選手など計10人の選手を補強。シーズン途中に2011年から監督を務めていた今井敏明が退任し、ジェフユナイテッド市原でプレイしFC KOREAなどで監督経験のある申在範と交代。JFL横河武蔵野FCでプレイした経験を持つ上田英生もコーチとして迎え体制強化を図った。

第48回全国社会人サッカー選手権大会東北予選の代表決定戦で福島ユナイテッドFCに敗れ全社出場はならなかったが、リーグ戦ではシーズンを通して安定した力を見せつけ優勝、1部昇格を決めた。

2014年[編集]

昇格2年目で東北リーグ1部優勝。シーズンを通じて圧倒的な得点力で他チームの追随を最後まで許さなかった。チームとしては初となる地域決勝(第38回全国地域サッカーリーグ決勝大会)に進出。1次ラウンドでは初戦で十勝フェアスカイFCを9-0で破るも、続く浦安SCFC大阪に破れて1次ラウンド敗退。

2015年[編集]

東北リーグ1部を連覇し地域決勝に進出するも1次ラウンド敗退。天皇杯県予選は決勝戦でグルージャ盛岡に0-1で敗れる。

2016年[編集]

監督に蒋基栄が就任、選手の相次ぐ移籍と引退で先発の11人のみで戦う試合もある中3位を確保。天皇杯県予選は準々決勝で岩手大学に敗れた。

2017年[編集]

運営会社名が「株式会社アズイズ」に変更される。2月にアンソメットの流れを汲み、2015年まで岩手県リーグに所属していたサッカークラブ「八幡平トーレゾール」と統合。アズイズは運営を離れる。クラブの活動拠点は八幡平市に置かれた[3][4]

チーム成績・歴代監督[編集]

年度 所属 順位 勝点 試合 天皇杯 監督
2007 岩手県4部 優勝 30 10 10 0 0 130 0 130 1回戦敗退 武藤真一
2008 岩手県3部 優勝 30 10 10 0 0 100 1 99 県予選敗退 菊池直喜
2009 岩手県2部 優勝 28 10 9 1 0 96 3 93
2010 岩手県1部 優勝 30 10 10 0 0 68 2 66 長谷篤
2011 東北2部 2位 27 10 9 0 1 51 5 46 今井敏明
2012 東北2部北 優勝 39 14 13 0 1 88 13 75 今井敏明/
申在範
2013 東北1部 3位 40 18 13 1 4 67 17 50 申在範
2014 優勝 50 18 16 2 0 129 5 124
2015 優勝 47 18 15 2 1 107 11 96
2016 3位 32 18 9 5 4 48 31 17 蒋基栄
2017 8位 15 18 5 0 13 31 58 -27 予選不参加 的場大治
2018 2位 36 18 11 3 4 71 29 +42 県予選敗退
2019 6位 21 18 6 3 9 42 54 -12
2020 4位 13 9 4 1 4 16 17 -1 中西哲也
2021 新型コロナウイルスの影響により中止[5]
2022 7位 27 16 8 3 5 32 17 15
2023 7位 24 18 7 3 8 26 34 -8
2024

天皇杯[編集]

  • 出場1回
年月日 時期 会場 スコア 対戦相手 観客
87 2007年9月16日 1回戦 盛岡南 2 - 3 埼玉SC (埼玉) 587

タイトル[編集]

リーグ戦[編集]

その他[編集]

個人[編集]

東北社会人サッカーリーグ1部
  • 得点王
  • アシスト王
    • 2014年 日本の旗 大橋康史(18アシスト)
    • 2015年 日本の旗 濱田克大(19アシスト)
    • 2018年 日本の旗 熊谷心真(13アシスト)
東北社会人サッカーリーグ2部
  • 得点王
    • 2011年 大韓民国の旗 姜曉一(17得点)
    • 2012年 日本の旗 原田太(24得点)
  • アシスト王

2023年在籍選手・スタッフ[編集]

スタッフ[編集]

役職 名前 前職 備考
代表/監督 日本の旗 中西哲也 FCガンジュ岩手 選手兼コーチ 選手兼任
コーチ 日本の旗 熊谷紋司 コバルトーレ女川 選手 選手兼任
GKコーチ 日本の旗 三田優 八戸大学 選手 選手兼任

選手[編集]

Pos No. 選手名 前所属 備考
GK 1 日本の旗 吉田裕也 ドイツの旗 ジークブルガーSV 04ドイツ語版
DF 2 日本の旗 寺田智哉 FC徳島
3 日本の旗 橋本純弥 アイン食品
4 日本の旗 平中忠慶 富士大学
9 日本の旗 三田優 八戸大学 GKコーチ兼任
18 日本の旗 和田勇太 FCエコ・プラン
MF 5 日本の旗 八重樫翔太 国士舘大学
7 日本の旗 中西哲也 グルージャ盛岡 代表・監督兼任
8 日本の旗 門脇岳人 仙台大学
14 日本の旗 的場大治 盛岡ゼブラ
16 日本の旗 山元佑哉 コバルトーレ女川
20 日本の旗 謝花佑騎 AC Milan Sakura
FW 10 日本の旗 熊谷心真 富士大学
11 日本の旗 田中雄也 ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 NKイェディンストヴォ・ビハチ
19 日本の旗 藤田優吾 アローレ八王子
22 日本の旗 佐藤拓海 ノースアジア大学明桜高校
32 日本の旗 熊谷紋司 コバルトーレ女川 コーチ兼任

歴代所属選手[編集]

GK[編集]

  • 日本の旗 田中賢治(2006年-2007年)
  • 日本の旗 菊池直喜(2008年-2009年)
  • 日本の旗 草下聖人(2018年-2019年)
  • 日本の旗 河野匠哉(2018年-2019年)

DF[編集]

  • 日本の旗 丸山富洋(2006年-2008年)
  • 日本の旗 太田浩二(2007年)
  • 日本の旗 柳原裕(2007年)
  • ブラジルの旗 クリスティアーノ・アキオ・イトウ(2007年-2010年)
  • 日本の旗 照井篤(2009年)
  • 大韓民国の旗 趙世權(2009年)
  • 大韓民国の旗 攘玄圭(2010年)
  • 日本の旗 西村陽毅(2010年)
  • 大韓民国の旗 金度均(2010年-2011年)
  • 日本の旗 栗原祐樹(2011年-2012年)
  • 日本の旗 岩崎陽平(2012年)
  • 日本の旗 斉藤乙(2007年-2013年)
  • 朝鮮民主主義人民共和国の旗 李智星(2013年-2014年)
  • 日本の旗 近石哲平(2014年-2015年)
  • 日本の旗 濱田克大(2014年-2015年)
  • 日本の旗 小森慶太郎(2014年-2015年)
  • 日本の旗 出口捷馬

MF[編集]

  • 日本の旗 武藤真一(2006年-2007年)
  • 日本の旗 松下晋也(2006年)
  • 日本の旗 五十嵐祐二(2006年)
  • 日本の旗 金子恵(2007年)
  • 日本の旗 房哲平(2007年)
  • 日本の旗 吉木健一(2007年)
  • 大韓民国の旗 キム・ハンビョル(2008年)
  • 日本の旗 川田和宏(2009年)
  • 大韓民国の旗 柳炳勲(2009年)
  • 日本の旗 稲垣順(2010年-2011年)
  • 大韓民国の旗 崔文馨(2011年)
  • 日本の旗 西村啓(2013年)
  • 日本の旗 神谷恭平(2012年-2013年)
  • 日本の旗 長谷部彩翔(2012年-2014年)
  • 日本の旗 小寺優輝(2012年-2014年)
  • 日本の旗 石本学(2013年-2015年)
  • 日本の旗 原口大佑(2014年-2015年)
  • 日本の旗 山口優樹(2015年)
  • 日本の旗 山元佑哉(2018年-2019年)
  • 日本の旗 高橋直希(2014年-2020年)
  • 日本の旗 森脇大介(2018年-2019年)
  • 日本の旗 的場大治(2017年‐2019年)
  • 日本の旗 早水亮輔(2019年)
  • 日本の旗 佐藤智也(2021年-2022年)

FW[編集]

ユニフォーム[編集]

ユニフォームの色
カラー シャツ パンツ ストッキング
FP(1st) オレンジ
FP(2nd)
GK(1st) 水色 水色 水色
GK(2nd)
FP 1st
FP 2nd
GK 1st
GK 2nd

チームカラー[編集]

  •   オレンジ

ユニフォームスポンサー[編集]

掲出箇所 スポンサー名 表記 掲出年 備考
なし - -
鎖骨 なし - -
背中上部 なし - -
背中下部 御堂重機 御堂重機有限会社 2022年 -
いこいの村岩手 いこいの村岩手 2022年 -
パンツ前面 オートショップ・カーズ Auto Shop
Cars
オートショップ・カーズ
2022年 -
パンツ背面 なし - -

ユニフォームサプライヤーの遍歴[編集]

歴代ユニフォームスポンサー表記[編集]

年度 箇所 サプライヤー
鎖骨 背中上部 背中下部 パンツ前面 パンツ背面
2011 エバープロテクト 解禁前 kosho 解禁前 株式会社ミチノク - - Kappa
2012 百選市場 株式会社ミチノク -
2013
2014
2015
2016 -
2017
2018 -
2019
2020
2021
2022 - - 御堂重機有限会社 いこいの村岩手 Auto Shop
Cars
オートショップ・カーズ
BELION

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “株式会社でゼロから出発 武藤氏監督にFCガンジュ岩手発足”. 盛岡タイムス. (2006年3月25日). オリジナルの2017年4月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170415013518/http://www.morioka-times.com/news/2006/0603/25/06032511.htm 2022年5月10日閲覧。 
  2. ^ “「アンソメット」設立へ 八幡平市にサッカーチーム”. 岩手日報WebNews. (2009年3月14日). オリジナルの2009年3月17日時点におけるアーカイブ。. https://web-beta.archive.org/web/20090317003433/http://www.iwate-np.co.jp/sports/2009sports/m03/spo0903144.html 2022年5月10日閲覧。 
  3. ^ クラブプロフィール”. FCガンジュ岩手. 2019年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月10日閲覧。
  4. ^ クラブ概要”. 八幡平トーレゾール. 2022年5月10日閲覧。
  5. ^ 中止時点で「4勝1分3敗・得点10・失点7」で暫定3位であった。

外部リンク[編集]