FBIアメリカ連邦警察

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FBIアメリカ連邦警察』(エフビーアイ アメリカれんぽうけいさつ、 The F.B.I. )は、1965年から1974年までアメリカABC系で、9シーズンに渡り240話が放送された60分枠のテレビ映画。日本では、1965年から1975年にかけて、238話がTBS系で放送された。[1]

概要

アメリカ連邦捜査局(FBI)の国家的な犯罪やスパイ事件に関する捜査を過去の記録に基づいてドラマ化したもので、主人公の ルイス・アースキン(エフレム・ジンバリストJr.)捜査官を中心に捜査活動を描いており、あくまで事件の捜査過程の描写に重きが置かれている。

本シリーズは、FBI及び当時のジョン・エドガー・フーヴァー長官の全面協力の下、連邦捜査局が実際に扱った事件に基づいて作られたドラマである。毎回のオープニングでは、事件の発端が描写された後、ファイル・ナンバーと犯人の名前、その罪状がクレジットされ、テーマ曲が始まるという形式を取っていた。アメリカ本国の放送では、視聴者に対し最重要指名手配者の情報提供を呼びかけることも行われた。

製作は『逃亡者』などで知られるクイン・マーチンプロダクションと、ワーナー・ブラザーズによる共同製作。シリーズを通しフォード・モーター社が提供したため、捜査官の車両は同社のものが使用された。

放送

アメリカでは1965年9月から合計9シーズンに渡って放送されたが、日本ではTBS系で1965年12月5日から翌1966年4月10日まで毎週日曜日午後8時から放映されて、その後は野球中継のためお休みとなった[2]。その後しばらく放送されなかったが、1968年4月から当時日曜日10時30分から放送していた「サンセット77」の後番組として1971年6月まで放送され、その後「インターン」を挟んで1971年12月から1972年3月まで同じ時間帯で放送された。

そして1972年10月に毎週火曜日10時台に移り1973年6月まで放送された後、鬼警部アイアンサイドを挟んで1974年8月から1975年1月まで放送されている。 シリーズ終了後、TBSでは再放送はされなかったが、1976年(昭和51年)6月26日土曜日から日本テレビで放送された。時間は午後4時から。前後の番組の編成の都合上、午後2時30分~3時30分と放送時間の繰り上げもあった。しかし、土曜午後という枠はスポーツ中継や特別番組が多く、放送休止が相次ぎ、1981年12月26日までに195話放送して終了した。尚、当時音声多重放送の推進役的立場だった日本テレビは再放送である FBI を二ヵ国語放送対象番組に指定して、1978年10月7日放送分から二ヶ国語放送を開始した。[3]

キャスト

シリーズ全238話の日本語吹き替え制作に関った声優陣は延べ2000人以上。専門の声優はもちろん、女優、男優やその後の日本声優界を担う多くの若手が起用された。近年、放送に使用されている配給版には、その声優データが端役にいたるまで、ほぼ完全な形で付属している。

スタッフ

その他

  • 邦題は「FBIアメリカ連邦警察」とされている場合が多いが、当時の資料や日本語版台本、テーマ曲を収録したLPレコードなど多くのものが「アメリカ連邦警察 FBI」としている。近年、CS放送で再放送されるようになり、「THE FBI」というオリジナルタイトルが使用されるようになった。発音は「ジ・エフ・ビー・アイ」。現在ミステリチャンネルにて放送中である。放送は当初、第1~第8シーズン計215回を予定していたが、その後174回まで短縮された(2007年12月終了)。
  • 1967年に放送された前後編のエピソード "The Executioners" は、日本では放送されなかったが、再編集され "Cosa Nostra,An Arch Enemy of the FBI" (邦題「FBIの敵No.1」)のタイトルで米国で制作されたものが劇場公開されている。
  • ロング・ヒット・シリーズ『サンセット77』の主演でスターとなった、エフレム・ジンバリストJr.が主役ルイス・アースキン捜査官を演じており、日本では、『サンセット77』でジンバリストの声を担当した黒沢良が、再び吹き替えを務めた。
  • アースキン主任捜査官は妻と死別、バーバラ(リン・ローリング)という娘がいる。彼女はアースキンの後輩捜査官ジム・ローズ(スティーブン・ブルックス)の婚約者でもあったが、初期の数回に登場したのみで姿を消した。以後はアースキンの私生活が描かれることはほとんどなくなり、事件の捜査過程の描写に重きが置かれるようになった。
  • ナレーションを担当した芥川隆行は、当初冒頭のナレーションのみの担当であったが、後に事件の概要を語るナレーションや事件解決のナレーションも担当するようになった(第2シーズン分より)。アメリカのドラマであるにも関らず、時代劇のような語り口、「廉(かど)」や「まふいや(マフィア)」(シカゴのまふいやジャックの2の子分…)など、芥川節が十二分に発揮された。

注釈

  1. ^ TBSはシリーズ放送中に再放送をしているため、通算放送回数は261回。再放送23回中、第1シリーズ(1965.12.5 - 1966.4.10)に放送された19話の中から15話を選び、サブタイトルを変更して第2シリーズ(1968.4.7 - 1971.6.20)で放送した。
  2. ^ この時間帯はもともと「サンセット77」が放送されて野球シーズンの開幕とともに番組はお休みして、また秋から再開するパターンであった。1963年秋に「サンセット77」が午後10時台に移動して、8時台は「ペリー・メイスン」を放送し、その翌々年にこの番組を放映した。
  3. ^ この時、NTVが二ヶ国語放送に指定した海外ドラマは、「チャーリーズ・エンジェル」「ポリス・ストーリー」と「FBI」の3番組だったとする資料が、後に発刊された「TVガイド」誌の創刊2000号記念増刊号に掲載された。「テレビ50年 in TVガイド」東京ニュース通信社刊  ISBN:4-924566-10-1

関連項目

外部リンク

TBS 日曜20時枠(当番組よりドラマ枠
前番組 番組名 次番組
ナイター中継&86分単発特番
(1965.4.18 - 1965.10.3)
※20:00 - 21:26

56分単発特番
(1965.10.10 - 1965.11.28)
FBIアメリカ連邦警察(第1シーズン)
(1965.12.5 - 1966.4.10)
泣いてたまるか
(1966.4.17 - 1968.3.31)
TBS系 日曜22:30 - 23:26枠
サンセット77(第2シーズン)
FBIアメリカ連邦警察(第2シーズン)
(1968.4.7 - 1971.6.20)
インターン
(1971.7.4 - 1971.12.19)
インターン
(1971.7.4 - 1971.12.19)
FBIアメリカ連邦警察(第3シーズン)
(1971.12.26 - 1972.3.26)
蝶々・雄二の夫婦善哉
(22:30 - 23:00)
※金曜22:30枠より移動、ABC制作
エキサイトゴルフ
(23:00 - 23:00)
TBS系 火曜22時枠
秘密捜査官オハラ
(1972.6.6 - 1972.10.3)
FBIアメリカ連邦警察(第4シーズン)
(1972.10.10 - 1973.6.23)
鬼警部アイアンサイド
(1973.7.31 - 1974.8.6)
鬼警部アイアンサイド(第3シリーズ)
(1973.7.31 - 1974.8.6)
FBIアメリカ連邦警察(第5シーズン)
(1974.8.13 - 1975.1.21)
鬼警部アイアンサイド(第4シリーズ)
(1975.1.28 - 1975.9.23)