Electric Island, Acoustic Sea

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松本孝弘 > Electric Island, Acoustic Sea
Electric Island, Acoustic Sea
Tak Matsumoto & Daniel Hoスタジオ・アルバム
リリース
録音 2016年
ジャンル インストゥルメンタル
ロック
ジャズ
レーベル VERMILLION RECORDS
プロデュース Tak Matsumoto
ダニエル・ホー
チャート最高順位
ダニエル・ホー 年表
Aukahi (Flowing Harmony)
(2015年)
Electric Island, Acoustic Sea
(2017年)
Between The Sky And Prairie
(2017年)
松本孝弘 年表
enigma
(2016年)
Electric Island, Acoustic Sea
(2017年)
Bluesman
(2020年)
ミュージックビデオ
「Soaring on Dreams」 - YouTube
「Faithfully」 - YouTube
「Sunny Tuesday」 - YouTube
「Island of peace」 - YouTube
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Electric Island, Acoustic Sea』(エレクトリック・アイランド,アコースティック・シー)は、日本音楽ユニットB'zギタリストである松本孝弘ハワイ州出身のギタリストであるダニエル・ホーが「Tak Matsumoto & Daniel Ho」名義で発表したアルバム。2017年2月8日発売[1][2]

概要[編集]

松本が他のミュージシャンとコラボレーションしてアルバムを出すのはラリー・カールトンと共作した『TAKE YOUR PICK』以来7年ぶりである。通常版CDとアナログレコードLP2枚組の2種類のパッケージリリースとなった。 また購入特典として抽選で20名に『Tak Matsumoto & Daniel Ho Live! 2017 -Electric Island, Acoustic Sea-』のハワイ公演にライブ特派員[3]として参加できるファーストチャンス、そしてファーストチャンス落選者から抽選で100名にTak Matsumoto&Daniel Hoの直筆サイン色紙 + ギターピック セット、500名にオリジナル・スリップマットが当たるセカンドチャンスに応募できる応募抽選カードが封入されている(2017年2月13日締切)。

タイトルはダニエルのアイデアであり、松本のメロディーが"Electric Island"という中心にある島、そしてそれを囲む”Acoustic Sea”というダニエルの多彩なサウンドを意味している[4]。また松本も自身のエレキギターとダニエルのいろいろなアコースティックな楽器の融合がこのユニットのカラーだと語っている[5]

制作[編集]

2015年に松本がLAのキャピトル・レコードでアナログレコードのカッティングを行っているエンジニアの作業を見に行った際、共通の知人から紹介されたのが二人の出会いである[6][7]。 その際にいつか一緒にやりましょうと軽い感じで話をしていたが、その後前作の『enigma』が完成した時期にダニエルの方から今作にも収録されている「Soaring on Dreams」のデモを渡され、2016年1月ダニエルのスタジオでギターを弾き、面白いものができると直感した松本からアルバムを作りませんかと提案をしアルバム制作に入った[8][9]

しかしどのようなものができるか松本自身はまだイメージが沸かなかったので、ダニエルがどんな曲を作ってくるか彼の出方を見てから考えることにした[6]。松本はわりとゆっくりとした感じの普段のROCK系やJAZZY系とは違うダニエル寄りの曲をイメージ[6]しており唯一アルバム制作時に持って行った曲も「Sunny Tuesday」とメロウな曲であった[5]が、「Soaring on Dreams」とアルバム制作開始時にダニエルが持ってきた3曲(「Infinite Escapade」「Magokoro (True Heart)」「Faithfully」)のデモを聴き、彼の過去の作品とは違うことをやりたいんだと感じたという[7]。その後ダニエルが次に作った「Adrenaline UP!」を聴き、松本の得意分野な所も出せる雰囲気になってきたのでその後ROCK、BLUES寄りの楽曲制作になっていった[6][5]
また本作はセルフカバーを含めカバー曲が4曲あり、全てダニエルからのリクエストである[5]
松本のギター録りに関しては『Tak Matsumoto Tour 2016 -The Voyage-』ツアー終了後の5月と6月にTAKUROのソロアルバム『Journey without a map』のプロデュース作業が行われた為、終了後の7月と2回行われた[7]

収録曲[編集]

  1. Soaring on Dreams
    前述の通り、ダニエルが松本に最初に持ってきた曲であり、松本とのコラボレーションを行う上でオーディションの気持ちで作曲したと語っている。ダニエルはこの曲を「お互いが持っているエレメンツが鼓舞し合い、上昇していくようなイメージがありました」と語っている[7]。デモの段階ではダニエルがギターを弾いており、その後松本のエレキギターで弾いたメロディを聴いた時にはダニエル自身の12弦ギターとは全く次元の違う音になっており、「Amazing!」と絶賛している[7]
  2. Fujiyama Highway
    ギターと三味線のソロの掛け合いがある曲でありアルバム制作ではM-7と終盤に制作された曲である。この曲に使われてる三味線はウクレレの形に三味線の弦を張った特別仕様の物であり、クレジットにも"Sanshin Ukulele"と表記してある[5]
    松本はこの曲の三線の音からフジヤマを想像し、タイトルを「Fujiyama Highway」か「Fujiyama Freeway」どちらがいいか悩んでいたという[9]
  3. Magokoro (True Heart)
    ダニエルはこの曲で孤独や想い、寂しさといった感情を出したかったと語っており、後半からチェロが入ってくるのはチェロとギターが語り合ってることで独りじゃないということを表現したかったと語っている[7]
    タイトルは松本とダニエルを紹介した共通の知人のアイデアであり[7]、"True Heart"は松本のアイデアである[5]
  4. Infinite Escapade
    ダニエルはピアノのトラッキングからスタートし、それに合う形でベースを入れている。その後松本のギターが入りそこからまたイメージが沸き琴を足していったという[7][5]
  5. Faithfully
    ジャーニーのカバー。ジャーニーはダニエルが10代のころから好きなバンドであり[7]、また歌詞の内容が松本を連想させるとダニエルは語っている[5]
    松本とダニエル二人だけで演奏しているがダニエルはアルバムを通してたくさんの楽器を使った楽曲が多いのでバランスを考えた為と語っている[7]
    この楽曲はMVが制作されているがその際にダニエルから「Takさんがアコギで私がエレキをギューンと弾く真似をしたら絶対面白いから、お互いの楽器を交換しましょうよ」と提案したら松本から「ダニエル、「Faithfully」はとてもシリアスで良質な楽曲。だから楽器の交換はしないよ」と松本からたしなめられたエピソードがある[7]
  6. Sunny Tuesday
    松本が最初のアルバム制作で唯一事前に制作した曲。
    タイトルは松本が大変お世話になった人物の亡くなった曜日が火曜日だった為冥福の意味も込めているという[5]
  7. Wander Blues
    ハードなロックナンバーであり「Fujiyama Highway」同様終盤に制作された楽曲である。アコースティックギターのソロはダニエルが演奏しているが松本のアイデアであり、デモは松本が演奏していた[7]
  8. Adrenaline UP!
    松本とダニエルの共作だが元はダニエルが作ったデモであり、デモにはメロディーがないセクションがありそこに松本が考えたメロディーを入れた為お互いにメロディーを作ったパートがあったから共作になっている[5]
    この曲をきっかけに松本はよりロックな部分も出していいと確信し「Fujiyama Highway」と「Wander Blues」を作曲している[7]
  9. Omotesando
    夜から朝方に移り行く表参道をイメージした楽曲、アルバム制作で松本が最後に作曲した曲である[5]
    松本にとって表参道とはビーイングのスタッフと初めて会ったラフォーレがある場所でもあり、20代前半の頃は当時の仕事仲間と表参道のカフェバーによく行ってたと語っている[5]
  10. Island of peace
    松本のソロアルバム『New Horizon』からのセルフカバー[5]
    元々のトラックを基に制作している為、ギターの音は原曲のままである。元々ハワイをイメージして作った楽曲だった為、松本はダニエルの音が入ったことに「また新しい、タイトル通りの曲になった」と評している[7]
  11. Rain
    「Island of peace」同様『New Horizon』からのセルフカバー[5]
    原曲からドラムの音は抜き、リズムはパーカッションのみとなっており、ピアノもダニエルが演奏したものに変わっている[7]。松本のギターとバリー・スパークスのベースは原曲のトラックをそのまま使用しており、バリーのベースが生かされていて原曲より面白くて好きと松本は評している[5]
  12. Lia
    ダニエルの代表曲のセルフカバー。
    「Faithfully」同様、松本とダニエルだけで演奏しており、アルバムの最後の曲ということでダニエルからの提案だった[5]

参加ミュージシャン[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “B'z松本孝弘のソロプロジェクト、アコースティック楽器と融合したフルアルバム発売”. 音楽ナタリー (natalie). (2016年12月22日). https://natalie.mu/music/news/214294 2016年12月24日閲覧。 
  2. ^ “B'z松本孝弘のソロプロジェクト“Tak Matsumoto & Daniel Ho”、2月アルバム発売決定”. 音楽ニュース (BARKS). (2016年12月22日). https://www.barks.jp/news/?id=1000136368 2016年12月24日閲覧。 
  3. ^ 通常の招待制ライブとは違いスタッフとしての参加の為、会場での現地スタッフとしてフライヤー配り等の手伝い及び後日ハワイ公演及びスタッフとして参加した感想等のレポート提出が必須になっており、レポートは公式サイトに掲載されている。スタッフ扱いの為、旅費交通費(成田or羽田~ホノルル間往復エアチケット代、現地ホテル宿泊代、現地ホテルとライブ会場移動代)はビーイングが負担となっている。
  4. ^ “【インタビュー】Tak Matsumoto & Daniel Ho、ダニエル・ホーが語る「Takさんをもっと見て学びたい」”. 音楽ニュース (BARKS). (2017年2月6日). https://www.barks.jp/news/?id=1000137834 2017年2月25日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『be with!』第112巻、B'z Party、2016年12月。 
  6. ^ a b c d 『be with!』第111巻、B'z Party、2016年9月。 
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『Player』2017年3月号、プレイヤーコーポレーション、2017年2月25日、14-25頁。 
  8. ^ “松本孝弘、2017公演直前スペシャルインタビュー”. News&Features (BLUE NOTE JAPAN). (2017年2月10日). http://www.bluenote.co.jp/jp/news/features/7881/ 2017年2月25日閲覧。 
  9. ^ a b “【インタビュー】Tak Matsumoto & Daniel Ho、松本孝弘が語る「このユニットじゃないとこういう音にはならない」”. 音楽ニュース (BARKS). (2017年2月6日). https://www.barks.jp/news/?id=1000137832 2017年2月25日閲覧。