DuckDuckGo

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DuckDuckGo
URL duckduckgo.com
営利性 商用
タイプ 検索エンジン
登録 無し
運営者 DuckDuckGo, Inc.
設立者 ガブリエル・ワインバーグ
設立日 2008年9月25日
アレクサ
ランキング
ネガティブな増加 2,012 (2013年2月)[1]
現状 現行

DuckDuckGo(ダックダックゴー)は、インターネット検索エンジンプライバシー英語版の保護とユーザーの情報を記録しないことを検索エンジンとしてのスタンスとしている[2]。理由はユーザーがプロファイルされておらず、検索語句を出した全てのユーザーに対して同じ検索結果を提供するためフィルターバブル英語版を回避することができるためである。また、ウィキペディアのようなクラウドソーシングウェブサイトからの情報を検索結果と一緒に表示している。

DuckDuckGoの一部のコードはPerl 5 licenseの下GitHubにてフリーソフトウェアとして提供されている[3]

本社はアメリカ合衆国ペンシルベニア州パオリ英語版にある[4]

歴史[編集]

DuckDuckGoはThe Names Database(2006年にユナイテッド・オンライン英語版に1000万ドルで買収された)を経営していた起業家のガブリエル・ワインバーグが立ち上げた[5]。当初ワインバーグによる自己資金だったが、現在は時々広告で資金を賄っている[6]。検索エンジンはPerlで書かれ、nginxFreeBSDで動作している[2][7][8]

主に複数のベンダー(Yahoo! Search BOSSなど)から出ている検索APIで構築されているが、これはTechCrunchによれば「ハイブリッド」検索エンジンサービスとするためとされている[9][10]。同時に自身のコンテンツページを表示しており、MahaloKosmixSearchMeと同様である[11]

Read Write Webのフレデリック・ラードノイズによって検索エンジンのことを「silly」と呼ばれるようになった[12]。またワインバーグは名の由来に関して「本当に1日で頭に思い浮かんで気に入ったが、確かにduck duck gooseの影響を受けたのかもしれないが関連はない。メタファーのようなものだ。」と述べている[13]

DuckDuckGoはTechCrunchのElevator Pitch Fridayに登場し[14]BOSS Mashable Challengeのファイナリストになった[15]

我々は当初Googleを打ち負かすのではないかと思って投資しなかったが、プライベートな検索エンジンの需要があることから投資することにした。インターネット無政府主義者やRedditHacker Newsに常駐する人たちのためだったんだ。

Fred Wilson英語版, 2012 TechCrunch Disrupt Conference in New York[16]

2010年7月、ワインバーグは「DuckDuckGoコミュニティ」という問題の報告、検索エンジンの使用を広げる手段の議論、機能の要望、コードのオープンソース化に関する議論を目的とした誰でも参加できるウェブサイトを立ち上げた[17]

2011年9月、ケイン・タイという初めての社員が雇われた[18]。次月にはユニオン・スクウェア・ベンチャーズの投資を受けた。ユニオン・スクウェアのブラッド・バーンハムは「我々がDuckDuckGoに投資したのは検索において競争の根幹を変えるしか無く今がその時と確信したためだ。」と述べている[19]。また、11月にはLinux Mintと独占的な契約を締結し、Linux Mint 12のデフォルト検索エンジンとなった[20]。さらにTrisquel英語版Midoriといったウェブブラウザのデフォルト検索エンジンにDuckDuckGoが採用されるようになった[21]

2012年5月、1日辺りの検索件数が1500万に上るようになった。ワインバーグは3人の従業員にいくつかの小規模なコンストラクタといった規模で2011年は11万5千ドルの売り上げを出したと発表した[22]

Compete.comの推定で2012年8月のアクセス数は277,512だったが[23]、2011年4月12日にAlexaが3ヶ月で51%の伸びを示したと発表した[24]。DuckDuckGoのトラフィック統計によれば2010年4月(データが参照可能な最も古い日付)時点の1日平均のアクセス数は39,406だったが2012年8月での1日辺りのアクセス数は1,393,644まで増加したという[25]

2012年11月、ワシントン・ポストが2012年10月時点でDuckDuckGoでの検索件数は月平均4500万まで増加していると示している。記事では「ワインバーグの野心無き目標はオンライン上で特記に値するほど奇妙で危険な競争相手になる。彼にできてGoogleBingが出来ないこと全てはGoogleやBingのビジネスモデルにダメージを与え、ユーザーがDuckDuckGoを使うほうがいいと認識するようになったら、ワインバーグが本当にしようとしなくてもビッグボーイにダメージを負わせることが出来てしまう。これは非対称的なデジタル戦争であり、彼の背後にいるユニオン・スクウェア・ベンチャーズはGoogleはスキだらけと述べている。」と締めくくっている[26]

機能[編集]

DuckDuckGoの検索結果はYahoo! Search BOSS、ウィキペディア、Wolfram Alpha、Bing、そして自身のウェブクローラーであるDuckDuckBotを含む多くのソースを集めた上で表示している[2][27][28]。そしてトピックの概要、関連項目といった検索結果の上のグレーボックスに「クリック無しで表示する情報」を表示するためにウィキペディアのようなクラウドソーシングサイトのデータを使用している[29]。またDuckDuckGoは自身のホームページにある検索ボタンを通して主なショッピングサイトやショッピング以外の主な情報サイトを表示している。

検索エンジンのスタンスとしてプライバシーを第一に考えており、IPアドレスの保存もユーザー情報の記録もせずクッキーも必要最低限でしか使用しない。ワインバーグは「当たり前としてDuckDuckGoは個人情報を収集することも共有することもしない。これぞ正に当社のプライバシーポリシーだ。」と述べている[30]

ワインバーグは1日平均4000もの記事を雇用したフリーランスライターに書かせているデマンド・メディア英語版によるeHowのような企業によるコンテンツミルズ英語版と信じるものを削除することで検索結果の品質を洗練しており、「Googleの検索インデックスで上位にランクインしたいだけで作成されている低クオリティなコンテンツもある」と発言している。 DuckDuckGoはまた事実上の広告にすぎないページのフィルタリングも行なっている[31]

2010年8月、DuckDuckGoはTorの使用による検索エンジントラフィックのための孤立地域脱出といった匿名検索を発表した。これは暗号化されたリレーのシリーズを通したトラフィックで匿名化を可能にするものであり、ワインバーグは「私はこの技術が我々のプライバシーポリシーに沿った権利に合うと信じており、TorとDDGを使用することで、検索事態を匿名化されたエンドツーエンドで行うことができる。また、暗号化されたホームページを使用する場合も同様に暗号化エンドツーエンドで行うことができる。」と述べている[32]

2011年、Google Chromeの音声検索エクステンションに対応した音声検索を可能にしたと発表した[33]

DuckDuckGoはまた「!Bang」コマンドを使用することで、検索を特定のウェブサイトにリダイレクトすることができる[34]

評価[編集]

TIME誌のハリー・マクラッケンは2011年6月の記事にてDuckDuckGoに関し自身の好きなハンバーガショップであるIn-N-Out Burgerを持ちだして、「シンプルな検索エンジンだった初期のGoogleのようなことを多数感じている。In-N-Outにはラテやアジアンサラダ、サンデー、スクランブルエッグが無いようにDuckDuckGoにもニュース、ブログ、書籍、画像は検索しないし、検索語句の自動補完や瞬時に検索結果を出すこともしない。中核となるウェブ検索は「10の青リンク」というアプローチで提供しており、評論家が言うことではないが、それでも本当に便利である。このクオリティに関して私がワインバーグがGoogleの強大な検索エンジン技術者集団よりもより関連性の高い検索結果を返す方法を編み出したとは言わない。しかし、DuckDuckGoは役に立つサイトを探しだしてくれて本当に素晴らしい。DuckDuckGoの全てに対して中身が詰まっていて、正直で、フィルターフリーに感じている。」とコメントした[35]

OSNewsで検索エンジンの批評をしたトム・ホルワーダはプライバシー機能や特定のサイト検索へのショートカットをGoogleに対する「ユーザーの行動を全部追跡している」ことがアメリカ政府による召喚状に使用される情報になる危険性に繋がっているという批判と合わせて称賛している[36]

2012年、独占的なシェアを持つGoogleがDuckDuckGoを競争相手と認識しだしたことに応え、ワインバーグは「喜びと楽しさを感じる」と述べたと伝えられている[26]

2013年、アメリカ米国家安全保障局(NSA)が組織的にグーグルヤフーなどから協力を得て個人情報収集活動を行っていたことが米中央情報局CIA)元職員、エドワード・スノーデンによって暴露され、その影響と見られる形で同年6月24日、前月同日の利用件数の倍とで過去最高の360万の利用者があったと報じられた。この問題が浮上してから利用者は急増を続けている[37]。。

脚注[編集]

  1. ^ Duckduckgo.com Site Info”. Alexa Internet. 2013年2月3日閲覧。
  2. ^ a b c Buys, Jon (2010年7月). “DuckDuckGo: A New Search Engine Built from Open Source”. 2010年7月16日閲覧。
  3. ^ GitHub Inc (2012年3月16日). “duckduckgo”. 2012年3月19日閲覧。
  4. ^ Michael Rosenwald. “Ducking Google in search engines”. The Washington Post. 2012年12月29日閲覧。
  5. ^ United Online, Inc. (2006年3月20日). “Acquisition of Namesdatabase.com Expands Company's Classmates Online Social Networking Unit”. http://investor.untd.com/releasedetail.cfm?releaseid=328835 
  6. ^ Duck Duck Go younoodle Startup Profile, http://younoodle.com/startups/duck_duck_go 
  7. ^ Weinberg, Gabriel, About Duck Duck Go, http://duckduckgo.com/about.html 2011年2月10日閲覧。 
  8. ^ Warner, Andrew, How The Founder Of Duck Duck Go Previously Bootstrapped A $10 Mil Company – with Gabriel Weinberg, http://mixergy.com/gabriel-weinberg-duck-duck-go-interview/# 2011年2月10日閲覧。 
  9. ^ Dan Kimerling, Duck Duck Go, the Hybrid Search Engine, http://techcrunch.com/2008/12/12/elevator-pitch-friday-duck-duck-go-the-hybrid-search-engine/ 
  10. ^ Gabriel Weinberg, Public remarks by Gabriel Weinberg, http://news.ycombinator.com/item?id=1217495 
  11. ^ Duck Duck Go Company Profile, http://www.crunchbase.com/company/duck-duck-go 
  12. ^ Frederic Lardnois (2009年4月30日). “Duck Duck Go: Silly Name, Interesting Search Engine”. http://www.readwriteweb.com/archives/duck_duck_go_silly_name_interesting_search_engine.php 
  13. ^ Hacker News Thread, http://news.ycombinator.com/item?id=652015 
  14. ^ Dan Kimerling (2008年12月12日). “Duck Duck Go, The Hybrid Search Engine”. http://www.techcrunch.com/2008/12/12/elevator-pitch-friday-duck-duck-go-the-hybrid-search-engine/ 
  15. ^ Adam Hirsch (2008年10月7日). “Voting Round for the BOSS Mashable Challenge”. http://mashable.com/2008/10/07/voting-boss-mashable-challenge/ 
  16. ^ Ludwig, Sean (May 21, 2012 8:08 AM). “Fred Wilson: We invested in DuckDuckGo for the Reddit, Hacker News anarchists”. VentureBeat. http://venturebeat.com/2012/05/21/fred-wilson-duckduckgo-reddit-hacker-news/ 2013年1月29日閲覧。 
  17. ^ Weinberg, Gabriel (2010年7月). “duck.co - The DuckDuckGo Community”. 2010年7月21日閲覧。
  18. ^ Weinberg, Gabriel (2010年9月). “Inbound Hiring”. 2010年9月30日閲覧。
  19. ^ Burnham, Brad (2011年10月). “Duck Duck Go”. 2011年10月14日閲覧。
  20. ^ muktware.com (2011年11月). “DuckDuckGo Results No Better Than Bing, Becomes Default Search Engine Of Linux Mint”. muktware. http://www.muktware.com/news/3012 2011年11月11日閲覧。 
  21. ^ DuckDuckGo in Web Browser
  22. ^ Farivar, CYRUS (2012年5月16日). “Private: some search engines make money by not tracking users”. Ars Technica. http://arstechnica.com/business/2012/05/private-the-search-engines-that-make-money-by-not-tracking-users/ 2012年5月14日閲覧。 
  23. ^ Compete.com Analytics Profile, http://siteanalytics.compete.com/duckduckgo.com/?metric=uv 
  24. ^ Alexa.com Analytics Profile, http://alexa.com/siteinfo/duckduckgo.com 
  25. ^ DuckDuckGo Official traffic, http://duckduckgo.com/traffic.html 
  26. ^ a b Simmers, Sean (2012年11月9日). “Ducking Google in Search Engines”. Washington Post. http://www.washingtonpost.com/business/ducking-google-in-search-engines/2012/11/09/6cf3af10-2842-11e2-bab2-eda299503684_story.html 
  27. ^ DuckDuckGo (2013年1月8日). “Sources”. http://help.duckduckgo.com/customer/portal/articles/216399-sources 
  28. ^ “Wolfram”. (2011年4月18日). http://blog.wolframalpha.com/2011/04/18/wolframalpha-and-duckduckgo-partner-on-api-binding-and-search-integration/ 
  29. ^ Duck Duck Go, Inc.. “About Duck Duck Go”. http://www.duckduckgo.com/about.html 
  30. ^ DDG Privacy
  31. ^ Mims, Christopher (2010年7月). “The Search Engine Backlash Against 'Content Mills'”. 2010年7月26日閲覧。
  32. ^ Weinberg, Gabriel (2010年8月). “DuckDuckGo now operates a Tor exit enclave”. 2010年9月30日閲覧。
  33. ^ DuckDuckGo Tools
  34. ^ DuckDuckGo (undated). “!Bang”. 2011年8月19日閲覧。
  35. ^ McCracken, Harry (2011年6月). “Duck Duck Go, the In-N-Out Burger of Search Engines”. Time Inc. http://techland.time.com/2011/06/16/duck-duck-go-the-in-n-out-burger-of-search-engines/#ixzz1PXPmPOeK 2011年6月14日閲覧。 
  36. ^ Holwerda, Thom (2011年6月). “DuckDuckGo: The Privacy-centric Alternative to Google”. OSNews. http://www.osnews.com/story/24867/DuckDuckGo_The_Privacy-centric_Alternative_to_Google 2011年6月21日閲覧。 
  37. ^ 朝日新聞2013年7月12日「個人情報残しません…新興の匿名検索サイト、米で人気に」

外部リンク[編集]