DHL貨物便撃墜事件
| 概要 | |
|---|---|
| 日付 | 2003年11月22日 |
| 原因 | テロリストによる撃墜 |
| 場所 | イラク・バグダード・バグダード国際空港 |
| 死者 | 0 |
| 負傷者 | 0 |
| 航空機 | |
| 機体 | エアバスA300B4-203F |
| 航空会社 | DHL |
| 機体記号 | OO-DLL |
| 乗員数 | 3 |
| 生存者 | 3(全員) |
DHL貨物便撃墜事件 (ディーエイチエルかもつびんげきついじけん)とは、2003年11月22日に起きた、テロリストによる民間貨物機の撃墜事件である。
目次 |
[編集] 事件の内容
2003年11月22日、バクダードのバグダード国際空港からDHL(運送会社)の貨物便、エアバスA300(貨物機、機体記号OO-DLL)が、機長エリック・ジェノット、副操縦士スティーブ・ミヒルセン、航空機関士マリオ・ロファエルの乗員3名を乗せ、飛行機で1時間先にあるバーレーン国際空港を目指して離陸した。
離陸から数分後、左の主翼から爆発音がし、機体はJAL123便[1]、UA232便の事故のように油圧系統が全滅し、コントロール不能となった。さらに燃料に引火し火災も発生した。
パイロットたちはエンジン出力の制御のみで機体をコントロールし、バグダード国際空港まで引き返した。 機体はコントロール不能で燃料を捨てる余裕はなかったため、フラップを下ろすことも減速することもできず、猛スピードでの着陸となった。着陸の瞬間、機体は大きくバウンドし、滑走路からはずれ砂煙を上げながらオーバーランした後停止した。油圧を失って安全に着陸できた例は今までなく、まさに奇跡的な着陸であった。この一部始終は、哨戒中だったアメリカ軍のヘリコプター等によって映像として記録されている。
[編集] 事件の原因
左主翼からの爆発音は、地対空ミサイル「9K34・ストレラ3」が命中した音であった。このミサイルを撃ったのは、地上にいたテロリストで、同行取材を行っていたフランス人ジャーナリストたちの目前で行われた。発射の様子はビデオに収められており、テレビ局に送りつけられた[2]。
[編集] その後
その後3人のパイロットは表彰を受けたが、航空機関士は事件の直後に引退した。
事故調査委員会によると、DHL貨物便は撃墜された後、左主翼の一部が剥がれ落ち、桁は折れる寸前の状態だったという。そして、そこから漏れる燃料や油によって火災が発生していた。被害を受けたOO-DLL機は経年機[3]ということもあり、登録を抹消された。
フランス人ジャーナリストは『目前にいながらテロリストの行為を制止しなかった』と世界中から批判されたが、彼女は「銃を持ったテロリストに囲まれたら、誰だって恐れて止めることなんかできない」とテレビのインタビューなどで話した。
[編集] 映像化
- 『メーデー!:航空機事故の真実と真相』(ナショナルジオグラフィックチャンネル)第3シーズン第2話「バクタッド上空」でこの事件が使われた。
- 『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系列)2010年5月6日の放送で取り上げられ、実際の映像や再現ドラマが放送された。
- 『ブラマヨ衝撃ファイル 世界のコワ〜イ女たち』(TBS系列)2011年11月29日の放送では、武装集団を取材したフランス人女性ジャーナリストを取り上げた関係で、当機撃墜事件を取り上げ、実際の赤外線カメラ映像と再現映像が放送された。