クライ・ミー・ア・リヴァー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Cry Me A Riverから転送)

Cry Me a River(クライ・ミー・ア・リヴァー)は、アメリカ合衆国の作曲家であるアーサー・ハミルトン英語版(Arthur Hamilton 1926-)が、1953年に作詞・作曲したポピュラーソングである。

自らを一度は裏切りながら復縁を乞う恋人に向かい「いまさらもう遅い、川のように泣くがいい」と冷ややかに突き放すという内容の、恨み節がかったブルーバラードの曲。1955年にジュリー・ロンドンの歌唱で大ヒットし、彼女の代名詞となると共に、今日までロックジャズブルースなどといった様々なジャンルのアーティストが採り上げる、スタンダード・ナンバーの一つとなった。

曲の沿革[編集]

元々、1955年映画『皆殺しのトランペット』(原題 "Pete Kelly's Blues" 監督・主演 ジャック・ウェッブ Jack Webb)の挿入曲とするために作曲され、ゲストとして特別出演したエラ・フィッツジェラルドが歌うことを想定されていたが、この曲の採用は検討段階で却下され、エラはレイ・ヘインドーフ作曲のメインテーマ「Pete Kelly's Blues」など別の曲を歌い、ハミルトンの曲は別作品「ヒー・ニーズ・ミー」「シング・ア・レインボー」が劇中歌として映画で助演したペギー・リーに歌われるに終わった。

しかし、映画を企画したウェッブは「Cry Me a River」を惜しみ、当時自分と離婚したばかりで、元B級女優だが歌手志望でもあったジュリー・ロンドンに曲を紹介した。ジュリーは1955年にリバティ・レーベルで、バーニー・ケッセルのギターと、レイ・レザーウッドのウッドベースというデュオ伴奏で、この曲を録音した。このデビュー曲は同年、『ビルボード』誌のヒットチャートで最高9位に到達するというヒットを飛ばし、ジュリーは歌手としての評価を確立した。ジュリーの情緒綿々たる恨み節と、ケッセルの好サポートで、このオリジナルは高く評価されている。ジュリーは、翌1956年に映画『女はそれを我慢できない』("The Girl Can't Help It")にも特別出演してこの曲を歌い、曲の知名度を高めた。

この曲をカバーした主な歌手・バンド[編集]

ライブコンサートにてカバー。
TV番組 ジョー・パスのギターとデュオ。
アルバム『夢のひととき』収録。
アルバム『美獣乱舞』収録。
ボリス・ベルクマンがフランス語に訳詞する。
  • ダイアン・シューア(1988年
アルバム『Talkin' Bout You』収録。
アルバム『ジャズ&スタンダード』 収録。
日本語によるカバー。
チャリティーCDに収録。
『Live In Paris』にてピアノ・ トリオで弾き語り。
アルバム『インディゴ:ウーマン・オブ・ソング』収録。
アルバム『ポートレイト』収録。
アルバム『Crazy Love』収録。
アルバム『Emotion & Commotion' album (Japanese edition)』収録。
インストゥメンタルによる演奏。
アルバム『Koyanagi the Covers PRODUCT 1』収録。
HAPPY HAPPY HALLOWEEN LIVE 2010』にて同曲を披露した。
アルバム『DELICIOUS』収録。
カバー・アルバム『My Favorite Songs 〜うたの木シネマ〜』に収録。
2014年3月にブルーノート名古屋、ビルボードライブ大阪、ビルボードライブ東京で開催されたライブ「うたの木 〜今夜のスペシャリテ〜」において歌唱を披露した。