C++ Builder
| 開発元 | ボーランド (インプライズ) (Turbo以前) コードギア (2007、2009) エンバカデロ・テクノロジーズ (2010以降) |
|---|---|
| 最新版 | XE(2010年8月31日) |
| 対応OS | Microsoft Windows |
| 対応言語 | 日本語、英語、フランス語、ドイツ語 |
| 種別 | 統合開発環境 |
| 公式サイト | www.embarcadero.com/jp/products/cbuilder |
C++ Builder(C++ビルダー)は、エンバカデロ・テクノロジーズのC/C++統合開発環境である。同社の代表製品である「Delphi」のC/C++版とも言えるRADツールで、Delphiと同様に構成部品を貼り付けていくようなユーザインタフェース設計を可能としている。元々はボーランド(インプライズ)で開発され、コードギアへ移管、同社の買収に伴って現在へ至る。移管された後も、Borland C++ Builder(ボーランド C++ビルダー; BCB)と呼ばれる事が多い。
目次 |
[編集] 概要
同社のDelphiで使用されているVisual Component Library (VCL) をC++で扱えるようにしたもので、C++コンパイラには、そのための拡張がされている。また統合開発環境はDelphiとほぼ同一である。なおVCLはDelphiで記述されており、手を加えるにはObject Pascalの知識を必要とする。
[編集] 長所
- プログラムをC/C++で書ける。
- RADであり、かつVisual Basicの様なランタイムライブラリの別途配布も不要(実行ファイルに結合可能)である。
- dynamic_castの展開がVisual C++と比較して高速である。[1]
[編集] 短所
- コンパイラ自体の最適化性能は低い。
- ランタイムライブラリを結合すると実行ファイルが大きくなる。(バージョン5の場合、最低でも500Kバイト程度)
- Windowsの開発環境としてはDelphiよりも知名度が劣る。
- Visual C++のインテリセンスに比べて、コード補完機能のレスポンスが悪い。
- 近年はC++0xのサポートなど、改善がみられるが、準拠している言語仕様が古い。C++は1998年版(最新は2003年版)、Cは1989年版相当(最新はC99/1999年版)にとどまっている。
[編集] 歴史
[編集] C++ Builder 1から6まで
Delphiとバージョン番号を合わせた結果、C++ Builder 2は欠番となっている。2002年に「C++ Builder 6」が発表された。
[編集] C++ BuilderX 路線
C++ Builderが使用するVCLは、Delphiにおいて7、8、2005と進化した。またDelphiは、リファクタリング機能などを備えた新統合開発環境 (IDE)「Galileo」に移行した。しかし、これらに対応するC++ Builderは発表されなかった。BorlandのC++統合開発環境は、従来のWindowsに加えてLinuxクライアントサイド市場を狙った「Kylix3」の失敗により、Java製の「C++ BuilderX」(シープラプラビルダーテン)が担うことになったからである。これはRADではなく、統合環境版のBorland C++ Compilerとも言うべきもので、携帯電話などの組み込み、サーバサイド市場を狙ったものである。結局、この路線は失敗に終わった。無償版の配布も終了した。
[編集] 復興運動からTurbo C++まで
2004年にC++ BuilderユーザはPaul Gustavson氏を中心として、ボーランドに公開質問状を送り、新製品の開発を促した。これに対して同社は「C++ Builderコミュニティへの公開書簡」[2]で、これを了承した。
2005年12月21日に「Borland Developer Studio 2006」が発売された。これには約束どおり「C++ Builder 6」の後継製品である、「C++ Builder 2006」が統合された。
2006年に「Turbo C++」が発表された。これは「Borland Developer Studio 2006」上で他の言語と統合されていた「C++ Builder 2006」を単体化した物である。無料版も提供された。この無償公開版は、Turbo C++ Explorerという名称にて同社のサイトより配布が行なわれていたが2009年8月26日に日本語版の頒布を終了した。Turbo C++ は、C++ Builder とは異なり、プログラミング言語を1つだけしか選べない。
[編集] C++ Builder 2007
2007年5月15日に、C++ Builder 2007が発表された。Windows Vistaに対応した。2007年9月6日には、C++ Builder 2007を含む統合版「CodeGear RAD Studio 2007」が発表された。
[編集] C++ Builder 2009
2008年8月26日に「C++ Builder 2009」(コードネーム:Tiburón)が発表された。C++ Builder 2009から文字列が全面的にUnicode文字列に置き換わった。
[編集] C++ Builder 2010
2009年8月25日に「C++ Builder 2010」が発表された。 C++Builder 2010の新機能: 新しいIDE機能/デバッグツールにより開発をさらに効率化。コーディング作業やデバッグ作業をさらにスピードアップ可能である。 タッチ対応アプリケーションの開発をサポート。タブレットやタッチパット、POSやATM向けのアプリケーションをビジュアルに開発可能である。 Firebirdサポート、DataSnapなど、広範なデータベース、アーキテクチャ、プロトコルに対応する。
[編集] C++ Builder XE
2010年9月2日に「C++ Builder XE」が発表された。XEは「Cross Platform Edition」の略で、今後のバージョンは「XE 2」、「XE 3」のようにする予定。名称通りクロスプラットフォーム開発環境を目指して開発が進められたものの、不完全であったため見送られている。アカデミック版を除き、C++Builder 6、2007、2009、2010のライセンスが付属する[3][4]。
[編集] その他
- 2000年にBorland C++Compilerが公開された。これはコンパイラ、リンケージエディタ、標準ライブラリおよび開発ツールの無料版である。開発はRADではなく、コマンドラインから行う。当時、Windows用の無償のC/C++コンパイラは、ほかにGCCほどしかなく、Borland C++が広く知られることになった。
- C++ Builderの新しい版ではMFCやDirectXなどもサポートしている。
- バージョンやパッケージの種類によってはDelphiなどのCD-ROMも付属する。
- DelphiやC++Builderの開発者の一部はマイクロソフトに移籍して、Visual C#などを作成している。
[編集] 脚注
- ^ “RTTI のコストを理解する”. 2008年8月5日閲覧。
- ^ ボーランド (2004年12月14日). “Open Letter to the C++Builder Community”. 2006年9月21日閲覧。
- ^ アップグレードした場合、元のバージョンと同じバージョンのライセンスの重複取得はできない。
- ^ 旧バージョンライセンスの取得は、購入180日以内に行う必要がある。
[編集] 外部リンク
- Embarcadero Technologies
- C++Builder from Embarcadero
- Turbo C++
- ダウンロード - C++コンパイラ、トライアル版のダウンロード