CBSイブニングニュース

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CBSイブニングニュース
CBS Evening News
フォーマット 報道番組
製作者 ドン・ヒューイット
司会者 平日版:
スコット・ペリー(2011年 - )
土曜版:
ジム・アクセルロッド(2013年 - )
日曜版:
ジェフ・グロール(2012年 - )
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 アメリカ英語
製作
製作総指揮 Patricia Shevlin
放送時間 15分(1948年 - 1963年)
30分(1963年 - )
放送
放送局 CBS
映像 480i (16:9 SDTV)
1080i (HDTV)
放送期間 1948年5月3日 -

CBSイブニングニュース』(CBS Evening News)は、アメリカCBSニュースが製作し、CBSネットワークで放送されているニュース番組1948年に放送を開始した。放送時間は、平日版は午後6時30分から午後7時00分(ET/PT)、日曜版は午後6時00分から午後6時30分(ET/PT)。Podcastで無料配信されている。

歴史[編集]

草創期[編集]

1948年5月3日CBSラジオ出身のアナウンサーダグラス・エドワードアンカーを務めるニュース番組『CBSテレビジョンニュース』が放送を開始する。この番組は後に『ダグラス・エドワード・ウィズ・ザ・ニュース』とタイトルを変え、これが『CBSイブニングニュース』と一般に呼称されるようになった。

番組は1950年代半ばまでは好評を得ていたが、1956年NBCが同時間帯で『ハントリー・ブリンクリー・リポート』の放送を開始したことにより、視聴率が低下する。その結果、『ダグラス・エドワード・ウィズ・ザ・ニュース』は放送時間の変更を余儀なくされた。

クロンカイト時代[編集]

1962年4月16日ウォルター・クロンカイトが2代目アンカーに就任し、1963年9月2日、番組名は正式に『CBSイブニングニュース』と変更される。

ジョン・F・ケネディ大統領時代の1960年代、クロンカイトはNBCの『ハントリー・ブリンクリー・リポート』に劣っていた番組視聴率を就任後トップに引き上げた。クロンカイトの真摯な報道姿勢はアメリカ国民の70%以上から支持され、クロンカイトは別名「大統領よりも信頼できるニュースアンカー」と呼ばれるほどであった。クロンカイトの存在がこの番組の全盛期を築いたといえる。

『CBSイブニングニュース』は、その日一日に起きたニュースをスタジオからメインアンカーがまとめて放送するという形式を初めて採用したニュース番組であり、現在、この方式は世界中のテレビ局で採用されている。そのため、この番組は他のニュース番組と比べて歴史的に特別視されている。

ベトナム戦争について、クロンカイトは当初は客観的な立場からの報道を続けていたものの、南ベトナム解放民族戦線による南ベトナムへの攻撃「テト攻勢」が起きると、1968年2月に「民主主義を擁護すべき立場にある『名誉あるアメリカ軍』には、これ以上の攻勢ではなく、むしろ交渉を求める」と厳しい口調で発言。ベトナム戦争継続に反対を表明し、アメリカの世論に大きな影響を与える。クロンカイトの発言を聞いた当時の大統領リンドン・ジョンソンは「クロンカイト(の支持)を失うということは、アメリカの中産階級(の支持基盤)を失うということだ」と嘆いたという。その後、保守派の多くもベトナム戦争継続に懐疑的となり、ジョンソンは再選を目指す1968年アメリカ合衆国大統領選挙への立候補断念を発表するに至った。

1980年2月14日にクロンカイトは番組からの降板を発表し、1981年3月6日をもって降板する。これはCBSの定年退職制度によるもので、番組降板後もクロンカイトはCBSやCNNなどの特派員や執筆活動を通じてジャーナリストとして活動した。

ラザー時代[編集]

1981年3月9日ダン・ラザーが平日版3代目アンカーに就任。クロンカイト同様、ラザーも国際的に有名なアンカーとなり、『NBCナイトリーニュース』のトム・ブロコウ、『ワールドニューストゥナイト』のピーター・ジェニングスと並んで「ビッグ3」と称される。

前任アンカーのクロンカイトは、番組のエンディングを「〜では、今日はこんなところです」という挨拶で締めくくっていたが、ラザーは「That's the part of world tonight(日本語訳:「今夜世界では、こんなこともありました」)」という挨拶を使用していた。

1990年代後半には、番組プロモーションのBGMジーザス・ジョーンズの『Right Here Right Now』が使用されている。

2003年2月にはサッダーム・フセインとの単独会見に成功するも、他のメディアからは「利敵行為」として批判を受けた。併せて、ホワイトハウスからもフセインの主張に反論する機会を要求される。ラザーはCNNの『ラリー・キング・ライブ』に出演し、「様々な批判を受けることは承知の上で、私とアメリカ国民が知りたいことを問い質すことがジャーナリストの務めだと考えたため、単独会見を行った」と釈明。会見に際してフセイン側から質問の事前提示は要求されなかったことや、取材における制限は受けなかったこと、すべての取材テープをそのまま持ち帰ったことなどを説明した。

2004年大統領選挙期間中、現職大統領ジョージ・W・ブッシュの軍歴詐称をスクープして反響を呼ぶが、詐称の証拠とされた文書が偽造されたものであることが判明し、番組内で謝罪した。その後の社外調査の結果、報道内容が公正さと正確さを欠いていたとの結論が出され、CBSは報道部門の幹部4人を解雇するとともに、ラザーとの番組契約を更新しないことを決定。番組担当開始から24年目にあたる2005年3月9日を最後に、ラザーは番組を降板する。当時の一部報道によると、問題の起こる以前からCBS首脳陣と降板について調整が行われていたという(なお、ラザーは『60 Minutes II』への出演は続けていたが、この番組も2005年6月に終了。2006年6月、ラザーはCBSを退社した)。

クーリック時代[編集]

ラザーの後任として日曜の政治討論番組『フェイス・ザ・ネイション』ホストのボブ・シーファーが暫定的にアンカーを担当したが、2006年4月5日、CBSはこれまで有力候補とされていたNBCのモーニングニュースショー『トゥデイ』の女性アンカー、ケイティ・クーリックが『トゥデイ』を5月末に降板し、『CBSイブニングニュース』のアンカーになることを正式に発表する。3大ネットワークの全国ニュース番組で女性が単独アンカーを務めるのはアメリカテレビ史上これが初めてとされ、注目された。

ジャーナリスト経験が浅いクーリックの起用に関しては賛否両論が起きたが、2006年9月5日にクーリックが平日版4代目アンカーに就任した結果、視聴率で『NBCナイトリーニュース』と『ABCワールドニュース』を抜いてトップに立つなどして当初は一応の成功を収める。しかし、懸念が的中したのか、すぐに定位置の「視聴率3位」に逆戻りし、前述の2番組に大きく水をあけられることとなった[1]

2006年から2009年まで、平日版オープニング時に流れる「This is the CBS Evening News with Katie Couric.(日本語訳:「ケイティ・クーリックがお伝えする『CBSイブニングニュース』の時間です」)」というタイトルコールは、平日版2代目アンカーであったクロンカイトの声を使用していた。2009年7月のクロンカイト逝去後もしばらく使用されていたが、2010年1月2日の放送を最後にクロンカイトのタイトルコールは使われなくなった。なお、クロンカイトのタイトルコールが最後に使用された日、クーリックは休日で、アンカーは代理が担当していた。

2008年7月28日放送分からはハイビジョン制作となる。

現在[編集]

2011年4月、一部メディアでクーリックの番組降板が報道される。CBSは5月6日、クーリックの降板を公式に認めるとともに、後任アンカーをスコット・ペリーに決定したと発表。5月13日には、番組内でクーリック本人が5月19日放送分を最後に番組を降板することを発表する。

ハリー・スミスによる暫定アンカー期間を経て、6月6日、ペリーが平日版5代目アンカーに就任した。

歴代アンカー[編集]

平日版[編集]

※2人アンカー体制になる。
  • 1995年5月 - 2005年3月:ダン・ラザー
※2人アンカー体制は2年間続いたが、ラザーとチャンのソリが合わず、ラザーが単独でアンカーを務める元の体制に戻る。
※クーリック就任までの暫定アンカー。シーファーは過去に『CBSイブニングニュース』週末版でアンカーを務めていた。
※ペリー就任までの暫定アンカー。

週末版[編集]

土曜日と日曜日には、平日版と同様のフォーマットで「週末版」が放送されている。

1971年9月から1975年12月までは、同時間帯に『60 Minutes』が放送されたため週末版が放送されないことがあった。

土曜版
※日曜版と兼務。
※日曜版と兼務。
※ただし、ジム・アクセルロッドJim Axelrod)が務めることが多かった。
  • 2013年1月 - 現在:ジム・アクセルロッド
日曜版
※1977年から1996年まで土曜版と兼務。
※チャンは1993年から1995年までダン・ラザーと共同で平日版アンカーを務めていたが、その後週末版アンカーに降格した。
※土曜版と兼務。

国際展開[編集]

日本ではニュース提携を結んでいるTBSを通じて、以前は地上波で早朝および深夜に放送していた(TBS以外でも、北海道放送静岡放送など一部TBS系列局で2002年 - 2003年ごろまで放送していた)。現在はCS「TBSニュースバード」で生放送している(毎週火曜日から金曜日まで朝の時間帯、いずれも二ヶ国語放送)。また、現地日曜版も日本時間月曜午前11時38分ごろから放送されている(ただし通訳はなし)。毎週火曜日から金曜日まで同時間でも再放送される。

なおBS-TBSでも2013年9月27日の放送まで、基本的にアメリカが夏時間となる年度上半期(4-10月)のみに限って放送していた(11-3月は休止。この間TBSスタジオからの「TBSニュースバード」同時放送)が、10月1日からの番組改編に伴いBS-TBSとニュースバードのサイマル放送が4時台に繰り上げられたため、終了となった。

イギリスでは「SKY NEWS」が毎週火曜から土曜まで、午前0時30分から1時00分までと5時30分から6時00分までの2回放送している(時刻はイギリス時間)。

同時通訳者[編集]

NHK-BS1での『ABCワールドニュース』には3人、日テレニュース24BS日テレでの『NBCナイトリーニュース』には2人の同時通訳者が就くのに対し、この番組では1人の同時通訳者が30分通して担当する。

  • 永井恵理子
  • 柴原早苗
  • 石木明美
  • 鶴田知佳子
  • 富田嘉子
  • 石川由利子
  • 飯田雅美
  • 加賀谷まり子

脚注[編集]

  1. ^ NHK放送文化研究所『放送研究と調査』2008年2月号「放送界の動き - 北中南米」

外部リンク[編集]