BMW・2002

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BMW2002は、ドイツ(当時は西ドイツ)の自動車メーカーBMWベー・エム・ヴェー / ビー・エム・ダブリュ1968年から1975年にかけて製造、販売していた小型2ドア・セダンで、日本では「マルニ」の通称で呼ばれることもある。2002以外の02シリーズとしては、1600-2/160218021502がある。 初期・前期型のデザインは、二灯式のヘッドランプとキドニーグリルを配したフロントマスク、丸型のテールランプによって柔和な印象を与える。 後期型は、キドニーグリル周りがブラックアウトされ、テールランプが角型となり、精悍な雰囲気になっている。 シングル・キャブレターツイン・キャブレターインジェクションターボとエンジンのバリエーションをグレードアップさせていったが、1973年に起こったオイルショックが起因となり、より省燃費の3シリーズ (E21) へとバトンタッチすることによって生産中止された。 なお、BMW2002は生産中止されたが、廉価版・省燃費版のBMW15021978年まで生産された。

目次

[編集] 開発へ至る経緯

1962年に発表された、いわゆるノイエクラッセBMW1500は、4ドア・モデルとして購買層に絶大なる支持を受け、排気量をアップさせたりボディデザインを変更させたりと数々の派生版を生み出してきた。また排気量を1,800ccにアップさせたBMW1800TIなどでは、当時のヨーロッパツーリングカー選手権でタイトルを獲得していた。 そこでBMWは、よりスポーティーなモデルとして1966年ジュネーブショーで2ドア・モデルを発表した。

[編集] 歴史

[編集] 前身モデル

[編集] BMW1600-2/1602

1966年ジュネーブショウでデビューしたBMW1600-2は、4ドア・モデルであるBMW1500のボディ・スタイルをそのまま受けつぎ、ホイールベースを50mm短縮させたひとまわり小さい2ドア・モデルとして誕生した。デザイン上、フロントグリル周りは類似しているが、実は全くの別ものである。また、リア・テールランプも丸型となっている。

BMW1602
BMW1602

ホイルベースを2,500mmとしたことで、ボディ・サイズはとしては、4ドア版のBMW1600より長さで300mm、幅で120mm小さくなり、全長4,230mm×全幅1,590mm×全高1,410mmとなった車両重量も130kg軽い940kgであった。

エンジンは、4ドア・モデルであるBMW1600に採用されていた水冷直列4気筒SOHCを流用している。これは、ボア×ストローク:84.0X71.0mmの排気量1,673ccで、圧縮比を8.6:1とし、38PDSIのソレックス・キャブレターを1基搭載することで、最高出力85HP/5,700rpm、最高トルク12.5kg-m/3,000rpmを発生させている。 これに、低い方から3.835/2.053/1.345/1.000のレシオを持つ4速M/Tと、4.110のファイナル・ディファレンシャルを組み合わせて、最高速は162km/hと発表されていた。

シャシーに関しては、サスペンションが、フロントはマクファーソン・スラット+コイル、リアはセミ・トレーリングアーム+コイルによる4輪独立懸架式となっており、ブレーキは、フロントがΦ240のディスク・ブレーキ、リアがΦ200のドラム・ブレーキでサーヴォ・アシストを装備している。 ステアリングは、ロック・トゥ・ロック/3.75回転のノン・アシスト式ウォーム&ローラーである。 タイヤ・ホイールのサイズは、デビュー当時は4.5J×13+5.60B-13が標準装備となっていた。

マイナーチェンジとしては、デビュー当初は6V77AH/250Wのダイナモであったものを1967年9月に12V36AH/490Wのオルタネーターに変更され、タイヤも1970年から165SRに変更された。

1967年にはバリエーションとして、バウア社によるフル・オープン4シーターのBMW1600-2カブリオレと、排気量はそのままで圧縮比を9.5:1にアップさせ、40PHHのソレックス・キャブレターを2基備えてチューンナップすることにより、105HP/6,000rpm、13,4kg-m/4,500rpmを発生させるエンジンを載せたBMW1600-2TIを追加させた。 このハイチューン版には5速マニュアル・トランスミッションが用意されており、こちらのギアレシオは3.368/2.160/1.579/1.241/1.000となっている。

なお当時、すでにイタリアアルファ・ロメオが、車名にAlfaRomeo Giulia TIと「TI」を冠していた事を気づかずに販売してしまっていた。しかし、後にこの事をアルファ・ロメオに確認を取ったところ、快く「TI」を使うことを許されている。

[編集] BMW1802

BMW1802は、1971年に4ドア・セダンBMW1800のエンジンを積むことで、BMW1602BMW2002の中間に位置するモデルとしてデビューした。 ボディ・サイズは、BMW1602と同じく全長4,230mm×全幅1,590mm×全高1,410mmで、ホイルベースも同様に2,500mmであったが、車両重量は4ドア・モデルのBMW1800より150kgも軽い980kgであった。

エンジンはBMW1800のエンジンを流用し、ボア×ストローク89.0×71.0mmで排気量1,766cc、圧縮比を8.6:1として、38PDSIのソレックス・キャブレターを1基搭載することで、最高出力90HP/5,250rpm、最大トルク14.6kg-m/3,000rpmを発生させていた。 これに、低い方から3.764/2.020/1.320/1.000のレシオを持つ4速M/Tと4.110のファイナル・ディファレンシャルを組み合わせて、最高速は167km/hと発表されていた。またオプションで5速M/Tが用意され、こちらのレシオは、低い方から3.368/2.160/1.579/1.241/1.000であった。

サスペンションは、BMW1602と同様にフロントがマクファーソン・スラット+コイル、リアがセミ・トレーリングアーム+コイルによる4輪独立懸架式、ブレーキはサーヴォ・アシスト付きのΦ240フロント・ディスクブレーキとΦ200リア・ドラム・ブレーキを装備し、ステアリングはロック・トゥ・ロック/3.75回転のノン・アシスト式ウォーム&ローラーであるが、タイヤ・ホイールは当初から4.5J×13+165SR13が装備されていた。

マイナーチェンジとしては、1973年にフロントグリル周りとテールランプに大幅な変更をした、いわゆる後期型の角テール・モデルへと移行した。エンジンやシャシ等の基本的なスペックに変更はないが、ホイールが5J×13へ変更されている。また、1974年には、イスラエル向けのプロダクション・モデルとして、ZF製の3速A/Tを搭載したBMW1802Aもわずか100台だが生産されている。

[編集] BMW2002

[編集] BMW2002・シングルキャブレターモデル

BMW2002A(1971年型)

1968年、BMWは、すでに4ドア・モデルBMW2000で採用されていた、ボア×ストローク:89.0×80.0mm、1,990ccの水冷直列4気筒、SOHCエンジンを載せたものをBMW2002として発表した。 エンジンスペックは圧縮比が8.5:1、M/T車には40PDSIのソレックスキャブレターが1基、A/T車のキャブレータには、バイメタル式オートマチック・チョークが付いており、前期型では1バレルのソレックス40PDSITが、それ以降では2バレルのソレックス32/32DIDTAが1基搭載されていたが、出力等はどちらも同じく100HP/5,500rpm、16.0kg-m/3,500rpmを発生させていた。

シャシーは基本的にBMW1600-2のものを踏襲していたが、リア・ブレーキはΦ230のドラムブレーキに変更されている。 またトランスミッションには、4速M/Tの他に、ZF製の3速A/Tも標準で用意されており、こちらのギアレシオは2.560/1.520/1.000であった。 出力としてはBMW1600-2TIよりも低かったが、全域でトルクフルなエンジンとなり、最高速は4速M/T車で173km/h、3速A/T車で169km/hに達した。

ボディ・サイズは、BMW1600ー2と同じく、全長4,230mm×全幅1,590mm×全高1,410mmで車両重量は990kgであったが、アメリカ向けモデルは全長4,470mmとなっており、同時に車両重量も1,088kgとなっている。また、A/T車はM/T車よりも20kg重い1,010kgとなる。

ボディバリエーションとしては、バウア社によるオープントップ・モデルとしてBMW2002カブリオレがある。これは当初の200台はBMW1600-2カブリオレと同じフルオープンタイプであったが、ボディ剛性を上げるためにタルガトップタイプになった。 もう一つのタイプとして、ファストバック・モデルのBMW2000 touringがある。 BMW2002シリーズは、1973年には、フロントグリル周りとテールランプに大幅な変更を加えた角テール・モデルに移行するが、BMW2000/2002 touringは丸テールのままであった。

[編集] BMW2002ti・ツインキャブレターモデル

BMW2002ti(1971年型)

シングルキャブレターのBMW2002の発表と同時に、BMW1600-2TIと同様のチューンナップを施したBMW2002tiも発表されている。ボア×ストロークはそのままに、1,990ccの排気量の圧縮比を9.3:1に高め、ソレックスの40PHHキャブレターを2基装着することで、120HP/5,500rpm、17.0kg-m/3,600rpmとした。 動力性能の向上と共に、フロント・ディスク・ブレーキのディスク径をΦ256としている。 トランスミッションは、フロアシフトの4速M/Tと5速M/Tが用意されている。ギアレシオはシングルキャブレター版と同じく、4速M/Tでは低い方から3.835/2.053/1.345/1.000、5速M/Tは低い方から3.368/2.160/1.579/1.241/1.000となる。 これにより最高速は185km/hにアップされた。 製造販売が1968年から1971年の間だけなので、ボディデザインは丸テールタイプしか存在しない。

[編集] BMW2002tii・インジェクションモデル

ツーリングカー選手権にてエンジンチューンの技術を蓄えてきたBMWは、BMW2002にKügelfischer製の機械式インジェクションを採用し、1971年BMW2002tiiとして発表した。

Kügelfisherインジェクションエンジン

これは、エンジンの圧縮比をBMW2002tiの9.3:1から9.5:1に変更しており、130HP/5,800rpm、18.1kg-m/4,500rpmとなっている。ギアボックスは、BMW2002tiと同様に4速M/Tと5速M/Tが用意されていたが、4速M/Tのギアレシオは低い方から3.764/2.020/1.320/1.000へと変更され、最高速は190km/hへとより向上されている。 製造販売が、1972年から最終の1975年までなので、ボディデザインとしては前期丸テール・モデル、後期角テール・モデルが存在する。こちらにもボディバリエーションとして、ファストバック・モデルBMW2002tii touringが存在するが、やはりリアハッチの関係上、最後まで丸テール・モデルだけであった。

エンジンタイプも前期タイプはM10/121といい、インテークマニフォールドがプラスチック製であるが、後期タイプのエンジンはM10/E12といい、インテークマニフォールドがアルミ鋳造品に変更されている。

[編集] BMW2002Turbo・ターボモデル

BMW2002Turbo(1973年型)

ツーリングカー選手権にてPorscheと激闘を繰り広げてきたBMWは、航空機エンジンで培ってきたターボチャージャーの技術を自動車用エンジンに採用し、これを退けた。1973年BMWはついにBMW2002Turboを発表し、量販車初のターボチャージャー搭載エンジンをそのラインナップに加えた。 ボア×ストローク:89.0×80.0mm、1,990ccの水冷直列4気筒、SOHCエンジンのエンジンは、圧縮比を6.9:1と低められ、Kügelfischer製の機械式インジェクションと独KKK社(Kühnle Kopp und Kausch)製のBLDターボチャージャーを装着することで、170HP/5,800rpm、24.5kg-m/4,000rpmを発生させることになり、BMW2002tiiに対して30%もの出力アップを果たしている。 ギアボックスはやはり4速と5速のM/Tが用意されており、ギアレシオはBMW2002tiiと同様に4速が低い方から3.746/2.020/1.320/1.000、5速が3.368/2.160/1.579/1.241/1.000となっている。最高速の方はもちろんアップされており、211km/hと当時同社のBMW3.0CSと同等の数値をたたき出していた。 シャシーの強化については、ホイールサイズを5.5J×13、タイヤサイズは185/70HR13を採用しており、前後トレッドが1,375mm/1,362mmと拡げられている。また、ブレーキに関しても、フロントのディスクがΦ256のベンチレーテッドディスクにグレードアップされ、リアのドラムがΦ250へと拡大されている。 BMWとしては、出力アップと共に省燃費をも両立させる技術として発表したのだが、実際には電子制御もされていない機械式インジェクションシステムのうえ、インタークーラーも付いていなかったため、省燃費エンジンとは程遠く、第一次オイルショックの影響もあって1,672台で生産中止となった。 ボディデザインとしては、フロントバンパーを排してエアスポイラーを装備し、そこには逆さ文字で「TURBO」と書かれたステッカーが貼られていた。これが前を走るクルマのルームミラーに映し出されることで、前走車のドライバーにプレッシャーを与えていたと言われる。 前後フェンダーにはリベット止めのオーバーフェンダーが、またトランクフードにはラバー製のリアスポイラーが装着されている。 なお、このリベット止めの前後オーバーフェンダーは、日本では当時の運輸省で認可が下りずにパテ埋めされてしまった。

[編集] 廉価版

[編集] BMW1502

1973年に起こった第一次オイルショックは、ターボモデルまで投入して高機能・ハイスペックを追究してきたBMW2002シリーズにおいて、一定の役割を終えさせることになった。すでにE125シリーズを発売していたBMWは、E213シリーズを発表し、2ドアセダンの移行を決めていた。しかし、02シリーズよりも大幅な価格アップとなってしまった3シリーズに対し、BMW1975年から02シリーズに1,600ccのエンジンを載せることで廉価版として続投することにした。 ボア×ストローク:84.0×71.0mm、1,573ccと排気量はBMW1602と同じであるが、圧縮比を8.0:1に下げ、38PDSIのソレックスキャブレターを1基とすることで、最高出力を80HP/5,800rpmへ、最高トルクを12.0kg-m/3,700rpmへとチューンダウンしたエンジンを載せていた。 これは、省燃費と共に叫ばれだした排出ガス規制に対処したものでもあった。

[編集] 著名オーナー

[編集] 関連項目


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