BLOODSUCKERS

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BLOODSUCKERS
VAMPSスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック
時間
レーベル 国内盤
Delicious Deli Records
International Edition
Spinefarm Records
プロデュース VAMPS
Josh Wilbur
チャート最高順位
VAMPS アルバム 年表
SEX BLOOD ROCK N' ROLL
2013年
BLOODSUCKERS
2014年
UNDERWORLD
2017年
『BLOODSUCKERS』収録のシングル
  1. AHEAD/REPLAY
    リリース: 2013年7月3日
  2. GET AWAY/THE JOLLY ROGER
    リリース: 2014年8月20日
  3. VAMPIRE'S LOVE
    リリース: 2014年10月8日
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BLOODSUCKERS』(ブラッドサッカーズ)は、日本ロックユニットVAMPSの3作目のアルバム2014年10月29日発売。発売元はDelicious Deli Records(国内盤)、Spinefarm Records(International Edition)。

解説[編集]

前作『BEAST』以来約4年3ヶ月ぶりとなるアルバム。

アルバムタイトルの『BLOODSUCKERS』は"吸血鬼"を意味しており、2014年頃からライヴのMCにおいてファンのことをそう呼んでいたことからこのタイトルが付けられた。

前作から長いインターバルを空けてのアルバムリリースとなっている。本作を制作するにあたって、HYDEは「シングルを含めると2013年春ぐらいから作っていたんですけど、本格的に突入したのはツアーが終わったあたりだから、(2013年の)年末ぐらいですね。その時点で3曲は完成していたものの、ほかの10曲を10ヵ月ぐらいかけてレコーディングしたので、かなり長い時間をかけてますよね。クオリティの高い作品を作りたいという気持ちはどんどん増しているから[2]」と、制作が難航した旨を語っている。また、K.A.Zも「アルバムを作るに当たっては同じ系統の曲というより変化やヴァリエーションを付けていくんですけれど、3枚目のアルバムになると過去の楽曲もあるわけだから、これまでと違ったものが欲しくなるし、理想とするレベルも求めるクオリティも上がっているんです。例えば自分が昔から聴いてきた音楽は変わらずルーツとしてあるけれど、時代によって音楽は変わっていくから、ちょっとした変化をいかに新しいアルバムに反映させることができるか?とか。そこで煮詰まったりもしたし、曲が出来ないときは全然出来なかったし、そういう意味で難産でした[2]」「毎回新しいものを…というスタンスで作品を重ねると、曲作りが難しくなってくる部分はあります。毎回同じテイストで揃えるならあまり悩まないと思うけど、同じようなものばかり作るのは退屈だし、音楽というものは時代と共にどんどん変化していくものですから[3]」と述べている。

レコーディングには、前作から引き続きエンジニアのジョシュ・ウィルバーが参加しており[4]、本作では共同プロデューサーも務めている。さらに、ジョシュ・ウィルバーはHYDEの英語の発音の監修も行っている[4]。本作の歌い入れについて、HYDEは「僕はどうあがいてもネイティヴにはなれないんで、ある程度のあきらめは必要だなって思うんですよ。それは、発音だけを気にすると、聴いててつまんない歌になりがちなので。やっぱり一番重要なのは、いい歌が歌えたかどうかだと思うんで[4]」「(英語の発音のクオリティーは)常々意識してるけど、海外へのアプローチというよりも、やっぱり作品としてできる限りのことをしたいっていう思いがある[4]」と語っている。

収録曲には、シングルとしてリリースされた「AHEAD」「REPLAY」「GET AWAY」「THE JOLLY ROGER」に加え、アルバムに先行して発表された「VAMPIRE'S LOVE」の日本語バージョンを収録した全13曲を収録している。本作では、特にK.A.Zが制作した楽曲で、シンセサイザーを多用した楽曲が以前よりも増えている。この背景について、K.A.Zは「少し前はヒップホップが主流だったけど、今はダンス・ミュージックがメインストリームになっていて、それを踏まえて海外のロックバンドもダンスの要素を採り入れたりしてますよね。自分達もそういうところはある程度敏感になって、新鮮な音楽を作りたいと思っていた[3]」と語っている。また、HYDEも「今回ちょっと、デジタル寄りだとは思いましたね。それはたぶんブームだと思う、僕らのね。去年、もっと前からかな。ダブ系だったりとか、デジタルものをよく2人で聴いてたんで、自然な流れと言えば自然な流れ[4]」と、K.A.Z作曲の楽曲の印象について述べている。

4曲目に収録された「AHEAD」は、シングルで採用したテイクではなくリアレンジバージョンとして収録している[4]。リアレンジした理由は、前述のようにシンセサウンドをフィーチャーした楽曲がこのアルバムに多かったことから[4]、「(シングルバージョンだと)バンド臭いというか、アルバムで浮いてしまう[4]」というHYDEの思いがあったためである。本作に収録されたバージョンでは、シングルバージョンからシンセサイザーの音を足し、ボーカルをエフェクティヴにしている[4]。また、7曲目に収録された「VAMPIRE'S LOVE」の日本語バージョンも歌い直している。元々はシングルのカップリングに収録されていた「VAMPIRE'S LOVE -Piano Ver.-」のボーカルテイクを使用する予定だったが、HYDE曰く「ちょっとメロウすぎてハードロック感がなかったから[4]」とのことでサビの部分のみ歌い直している[4]

本作は、初回限定盤A(SHM-CD+BD)、初回限定盤B(SHM-CD+GOODS)、通常盤(SHM-CD)の3形態でリリースされた。初回盤Aにはシングル表題曲5曲のミュージック・ビデオを収めたBlu-rayが付属されており、初回盤BはTシャツ・タオル・缶バッジ・ステッカーシートをパッケージしたボックス仕様となっている。また、本作のジャケットデザインは、シングル「GET AWAY/THE JOLLY ROGER」のジャケットデザインも手掛けた、ロッキン・ジェリー・ビーンが担当している[5]

2015年にはInternational Editionが発売された。International Editionは、国内盤に収録された「AHEAD」が同曲の英語詞版となる「WORLD'S END」に入れ替えられ、「VAMPIRE'S LOVE」「GET AWAY」も英語詞版が収録されている。同年3月23日にはイギリスヨーロッパ、同年3月24日にはアメリカ日本で発売され、同年3月25日には全世界で配信リリースされた。

収録曲[編集]

国内盤
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「REINCARNATION」 K.A.ZVAMPS
2.「ZERO」HYDEK.A.ZVAMPS
3.「LIPS」HYDEHYDEVAMPS
4.AHEAD(記載はないがアルバムバージョン)HYDEHYDEVAMPS
5.「EVIL」HYDEK.A.ZVAMPS
6.「GHOST」HYDEK.A.ZVAMPS
7.VAMPIRE'S LOVE(日本語バージョン)HYDEHYDEVAMPS
8.「DAMNED」HYDEHYDEVAMPS
9.GET AWAYHYDEK.A.ZVAMPS
10.REPLAYHYDEK.A.ZVAMPS
11.「BLOODSUCKERS」HYDEHYDEVAMPS
12.THE JOLLY ROGERHYDEHYDEVAMPS
13.「INSIDE MYSELF」HYDEHYDEVAMPS
International Edition
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「REINCARNATION」 K.A.ZVAMPS
2.「ZERO」HYDEK.A.ZVAMPS
3.「LIPS」HYDEHYDEVAMPS
4.WORLD'S END(「AHEAD」の英語詞バージョン)HYDEHYDEVAMPS
5.「EVIL」HYDEK.A.ZVAMPS
6.「GHOST」HYDEK.A.ZVAMPS
7.「VAMPIRE'S LOVE」(英語詞バージョン)HYDEHYDEVAMPS
8.「DAMNED」HYDEHYDEVAMPS
9.「GET AWAY」(英語詞バージョン)HYDEK.A.ZVAMPS
10.「REPLAY」HYDEK.A.ZVAMPS
11.「BLOODSUCKERS」HYDEHYDEVAMPS
12.「THE JOLLY ROGER」HYDEHYDEVAMPS
13.「INSIDE MYSELF」HYDEHYDEVAMPS

初回限定盤A付属Blu-ray Disc[編集]

  1. AHEAD -Music Video-
    ディレクター:maxilla
  2. REPLAY -Music Video-
    ディレクター:野田智雄
  3. GET AWAY -Music Video-
    ディレクター:多田卓也
  4. THE JOLLY ROGER -Music Video-
    ディレクター:多田卓也
  5. VAMPIRE'S LOVE (Japanese Ver.) -Music Video-
    ディレクター:二階健

参加ミュージシャン[編集]

  • HYDE:ボーカル
  • K.A.Z:ギター、プログラミング
    • Ju-kenベース
    • Arimatsu:ドラム
    • 斉藤仁:シンセサイザー・プログラミング
    • ニック・ヴィラリール:ゲストベース (#3,#6,#11)
    • Tracy Pendergast:ヴォイス (#1)
    • 佐藤雄大キーボード (#1)
    • 弦一徹ストリングス:ストリングス、ストリングスアレンジメント (#13)
    • 前嶋康明:オーケストラアレンジメント、プログラミング (#7)
    • WolfJunk:アディショナルアレンジメント、プログラミング (#3,#12)
    • ジョシュ・ウィルバー:イングリッシュボーカルアドバイザー
    • Jessica Imani Dawson:イングリッシュボーカルアドバイザー
    • Nana Hatori:イングリッシュボーカルアドバイザー
    • Alexandra Sanafeeva:イングリッシュリリックアドバイザー
    • Asami Nakamura:イングリッシュリリックアドバイザー
  • [Recording Engineer]
    • Rie Mimoto:レコーディング
    • 荒井健一:レコーディング
    • ジョシュ・ウィルバー:レコーディング、ミックス
  • [Produce & Mastering]
    • VAMPS:プロデュース
    • ジョシュ・ウィルバー:プロデュース
    • テッド・ジェンセン:プロデュース、マスタリング

参考文献・サイト[編集]

脚注[編集]

  1. ^ BLOODSUCKERS”. Oricon. 2014年11月17日閲覧。
  2. ^ a b 【インタビュー】VAMPS、アルバム『BLOODSUCKERS』完成「死は永遠のファンタジー」 - BARKS
  3. ^ a b 『GiGS』、p.20、シンコーミュージック・エンタテイメント、2014年12月号
  4. ^ a b c d e f g h i j k 『GiGS』、p.14、シンコーミュージック・エンタテイメント、2014年12月号
  5. ^ VAMPS「BLOODSUCKERS」試聴会に光臨 - ナタリー