B'z (1988年のアルバム)

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B'z
B'zスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
時間
レーベル BMGビクター
プロデュース 中島正雄
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 週間47位(オリコン[1]
  • 1991年度年間84位(オリコン)
  • ゴールドディスク
  • プラチナ(日本レコード協会
  • B'z アルバム 年表
    • B'z
    • (1988年)
    『B'z』収録のシングル
    1. だからその手を離して
      リリース: 1988年9月21日
    テンプレートを表示

    B'z』(ビーズ)は、日本音楽ユニットB'zが1988年9月21日にBMGビクターからリリースしたデビューアルバムである。このアルバムは、BMGルームス(現:VERMILLION RECORDS)の設立後も、発売権はソニー・ミュージックダイレクトGT musicに残された。

    概要[編集]

    デビューシングル『だからその手を離して』と同時リリースされた[2]

    キャッチフレーズは「最先端から加速する。(空想の未来なら、いらない。)[3]。アルバムタイトルはユニット名と同じ「B'z」(いわゆるセルフタイトル)となっている。

    ジャケットには、白い背景の中央にB'zメンバーの写真と、その周囲に大きな文字で「B'z」と書かれており、また『'(アポストロフィー)』の中に発音記号で「BiːZ」と表記されている。

    ジャケット写真ではメンバーの後ろにいくつか人型の影が写り込んでいるが、これは本作収録のシングル曲「だからその手を離して」のPVで使われた白いマネキンであり、ジャケット撮影とPV撮影を同時に行ったためである[4]

    歌詞カードは折りたたみ式になっており、ジャケットと歌詞カードが別々になっている。更にメンバーのプロフィールも掲載されていて、ディスクを取り外すとメンバーの3D写真が現れる。ディスクレーベルのデザインは汎用タイプ[注釈 1]で、このレーベルデザインは2ndアルバム『OFF THE LOCK』まで使用された。裏ジャケットには、初回発売分のみ限定番号がふられた。

    ギターサウンドを抑え、打ち込みを多用したデジタルサウンドな作風となっている。これは当時「ロック」と「打ち込み」の融合を目指していた松本の意向によるもの。また、作詞をまともにしたことがなかった稲葉は歌詞を書くのにとても苦労をしたとのことで、歌詞には英語が多用されている。

    「Half Tone Lady」「Fake Lips」以外の全ての曲がフェードアウトで終わっている。

    メンバーが作詞曲をしていない曲が2曲あるが、これは二人がそれぞれの制作に限界を感じ、他の人物に頼んだためである[5]。さらに、メンバーが初めて出会ったのは1988年5月であり、そのわずか4ヶ月後に今作でメジャーデビューしたことも影響したのか、未だに本人たちは本作の完成度に満足しておらず、後に「完全に手探り状態だった」と語っている。

    発売当時は無名だったこともあり、初登場48位[6]で、100位以内には4週ランクインしたのみだった。その後、ミニ・アルバム『BAD COMMUNICATION』のヒットとともに売り上げを伸ばした。

    アナログ盤(レコード)も発売され、2018年に結成30周年記念として他のオリジナル・アルバムと共に再びアナログレコード化された[7][注釈 2]

    2021年5月21日、サブスクリプションサービスにて全曲解禁に伴い[8]iTunesでも本作から『BREAK THROUGH』までの初期の作品が配信された。

    収録曲[編集]

    CD
    全編曲: 明石昌夫
    #タイトル作詞作曲時間
    1.だからその手を離して稲葉浩志松本孝弘
    2.「Half Tone Lady」稲葉浩志松本孝弘
    3.「ハートも濡れるナンバー〜stay tonight〜」稲葉浩志松本孝弘
    4.「ゆうべのCrying〜This is my truth〜」稲葉浩志松本孝弘
    5.「Nothing To Change」亜蘭知子松本孝弘
    6.「孤独にDance in vain」稲葉浩志大槻啓之
    7.「It's not a dream」稲葉浩志松本孝弘
    8.「君を今抱きたい」稲葉浩志松本孝弘
    9.「Fake Lips」稲葉浩志松本孝弘
    合計時間:

    楽曲解説[編集]

    1. だからその手を離して
      1stシングルの表題曲。本作の収録曲で最後に完成した[9]
    2. Half Tone Lady
      「だからその手を離して」が完成する前はシングル曲候補だった[5]
      後に非公式ベスト・アルバム『Flash Back -B'z Early Special Titles-』にも収録された。
    3. ハートも濡れるナンバー 〜stay tonight〜
      1stシングルのカップリング曲。
    4. ゆうべのCrying 〜This is my truth〜
      後に『B'z LIVE-GYM "BREAK THROUGH"』の客出し曲として使われた。
    5. Nothing To Change
      この曲のみ亜蘭知子が作詞している。
      非公式ベスト・アルバム『Flash Back -B'z Early Special Titles-』にも収録された。
      後に初の単独ライブツアー『B'z LIVE-GYM #00 "OFF THE LOCK"』の客出し曲として使われた。
    6. 孤独にDance in vain
      この曲のみ大槻啓之が作曲している。
      本作唯一のライブ未演奏曲。
    7. It's not a dream
      本作の最初期に完成した曲。
      本曲と「君を今抱きたい」を、事務所の幹部に向けてのプロモーションとして披露した。
      後に非公式ベスト・アルバム『Flash Back -B'z Early Special Titles-』にも収録された。
    8. 君を今抱きたい
      B'zとして初めて制作した曲[9]
      後にミニ・アルバム『BAD COMMUNICATION』で全英詞ダンスビートナンバーにリメイクされた。
      非公式ベスト・アルバム『Flash Back -B'z Early Special Titles-』にも収録された。
    9. Fake Lips

    参加ミュージシャン[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ RCAのレーベルの一つであるair recordsのロゴが入っている。
    2. ^ 再発盤は、原盤権を所有するアリオラジャパンから発売。
    3. ^ クレジット未表記。

    出典[編集]

    1. ^ “B'z、さらなる記録更新へ!ニューアルバムリリース決定!”. ORICON NEWS (オリコン). (2006年5月10日). https://www.oricon.co.jp/news/21023/full/ 2020年3月15日閲覧。 
    2. ^ “B'z、30年間の歩み&功績を紹介する特設ページがオープン”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク). (2018年9月21日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/68010/2 2020年8月16日閲覧。 
    3. ^ MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「キャッチコピー」「catch copy」の項)”. エムアールエム. 2019年9月28日閲覧。
    4. ^ 『be with!』第79巻、B'z Party、2008年10月。 
    5. ^ a b mfm I 2013, p. 242.
    6. ^ オリコン週間アルバムチャート1988年10月3日付。
    7. ^ “B'z、アルバム全20作品をアナログ化。大型エキシビションで販売”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2018年3月22日). https://rockinon.com/news/detail/174432 2018年11月10日閲覧。 
    8. ^ “B'zが全曲サブスク解禁、初配信ライブを映像作品化”. 音楽ナタリー. (2021年5月21日). https://natalie.mu/music/news/429056 2021年5月21日閲覧。 
    9. ^ a b mfm I 2013, p. 75.
    10. ^ 『Treasure : B'z Chronicle 1988〜1998 10th anniversary special issue』ROOMS RECORDS、1998年9月20日、11頁。 

    参考文献[編集]

    外部リンク[編集]