Aqua (コンピュータ)

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Aquaデザインのデスクトップ画面 (Mac OS X v10.4) を表示しているiBook G4

Aquaアクア)とは、AppleMac OS X v10.0で採用した一連のGUIのデザイン(ビジュアルテーマ)の名称である。

概要[編集]

水や滴(しずく)をイメージした、白と水色が基調の立体的なGUIが特徴である。流れるようなアニメーションが用いられ、動的な操作性を提供する。スコット・フォーストールが開発を主導した[1]

AquaはQuartzと呼ばれるグラフィックライブラリによって、PDFベースで実現される。

初期のMac OS XではGUI全体の動作速度について批判されていたが、アップデートのたびに、Quartz ExtremeCore ImageによりGPUに処理を渡すことで改善された。

変遷[編集]

OSのメジャーアップデートのたびに、デザインにも手を加えられ、初期の姿からは大きく変貌している。またMac OS X v10.2以降、2xAGP以上のバスに接続されたGPUが搭載されたマシンでは、Quartz Extremeにより高速な描画が可能である。Mac OS X v10.3からMac OS X v10.4までは金属表面のヘアライン処理を意識した “Brushed Metal” と呼ばれるユーザーインタフェースデザイン[2]も併用され、Mac OS X v10.5以降は従来のAquaと統合された。

Mac OS X v10.3までのAquaウインドウのタイトルバーやプルダウンメニューは、半透明で淡い横縞模様が入った特徴的なデザインであったが、Mac OS X v10.4でAquaウインドウのタイトルバーが灰色無地で不透明になり、メニューの透明度も下げられた。

Mac OS X v10.5では、“Brushed Metal” デザインがAquaデザインに加わり、タイトルバーがグレーになった。プッシュボタンから水色の影がなくなった。プルダウンメニューの背景は不透明になり、コンテキストメニューは低い透明度の白無地になった。

Mac OS X Lionでは従来の水色のスクロールバーが操作時にのみ表示されるグレーのオーバーレイ・スクロールバーに変えられた。プッシュボタンが角の丸い長方形となった。タブ、プルダウンメニューから水色が排された。

アプリケーションツールバーのアイコンは、ガラスやステンレスプラスチックを思わせる、透明感や光沢を強調した写実的なものが用いられていたが、Mac OS X v10.3あたりからアルミや不透明なプラスチックを意識した、ソリッドなアイコンも使われるようになった。

iOSのデザインにも多大な影響を与えていたが、ジョナサン・アイブがソフトウェア含めたApple製品全般のデザインを統括するようになり、一気にソフトウェアの方向性が変わった。それにより、iOS 7を皮切りにApple製品のOSがフラットデザインに徐々に移行し、MacのOSもOS X Yosemiteでフラットデザインに移行[3]となり、一部の古いソフト以外で従来のAqua/Metalデザインは使われなくなった。

脚注[編集]

関連項目[編集]