Amazon Web Services

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Amazon Web Services
URL aws.amazon.com
タイプ Webサービス
ジャンル クラウドコンピューティング
運営者 Amazon Web Services, Inc.
設立者 アンディ・ジェシー(CEO)
株主 Amazon.com
営利性 営利
開始 2006年3月 (18年前) (2006-03)
現在の状態 現行

Amazon Web Services(アマゾン ウェブ サービス、略称:AWS)とは、Amazon.comにより提供されているクラウドコンピューティングサービスである。ウェブサービスと称しているが、ウェブサービスに限らない多種多様なインフラストラクチャーサービスを提供している。これらのサービスは全世界で22の地理的リージョンで提供されている(2019年9月現在、利用に制約のあるリージョンを含む)。AWSの有名なサービスにAmazon Elastic Compute Cloud (EC2) とAmazon Simple Storage Service (S3) がある。各組織が独自に保有し、仕様変更には長時間の物理的な作業を必要とするサーバファームと比較して、AWSは需要に応じた計算能力を、設定変更のみで速やかに提供出来ることが強みである。クラウドの分野でのAWSの世界的シェアは33%前後で世界1位である[1]。世界的シェア13%前後で世界2位のMicrosoft Azureを大きく引き離している。

アーキテクチャ

AWSは2019年9月現在、アメリカ東部(北バージニア、オハイオ)、アメリカ西部(カリフォルニアオレゴン)、カナダ(中部)、南アメリカ(サンパウロ)、ヨーロッパ(アイルランドフランクフルトロンドンパリストックホルム)、東南アジア(シンガポールムンバイ)、東アジア(東京ソウル香港)、オセアニア(シドニー)、中東(バーレーン)の18の地域(リージョン)で展開されている。基本的にこれらは全て同一のAWSアカウントで利用可能である。どの地域も全てのデータとサービスは指定された地域のサーバで運用される。また、特殊なリージョンとして東アジアに大阪ローカルリージョンがあり、日本地域における法的規制を理由とした地域間の耐障害性を必要とする顧客に対し、審査制でのシステム提供を行っている。

アメリカ政府専用の"GovCloud"、並びに中国(北京寧夏)リージョンも存在するが、これらについては当該リージョン用の専用アカウントが必要。また、当該アカウントでの他リージョンのサービス利用はできない。

大阪ローカルリージョンを除き、どの地域も複数のアベイラビリティーゾーンを持っている。アベイラビリティーゾーンは1つ以上の独立したデータセンターで構成されている。S3やDynamoDBなどの一部のサービスは、システム障害に備えたり、規模を拡大したりするためにアベイラビリティーゾーンを超え、ミラーリングしたシステムを設計し、実行することができる。2014年12月にはAWSは28のアベイラビリティーゾーンで140万のサーバーを運用している。

2014年に、AWSは再生可能エネルギーの電力使用率100%を達成した。それに加え、2016年にアメリカ東部の地域をサポートするために、ヴァージニア州の太陽光発電会社のコミュニティーを委託された。さらに2015年にAWSはアメリカ西部(北カリフォルニア)の電力需要に対処するためにテスラモーターズと共同でエネルギー貯蔵技術に取り組んでいる。

歴史

Amazon Web Servicesは2006年7月に公開され、他のウェブサイトやクライアントサイドアプリケーションに対しオンラインサービスを提供している。これらのサービスの多くはエンドユーザに直接公開されているものではなく、他の開発者が使用可能な機能を提供するものである。Amazon Web Servicesの各種サービスはHTTPを通じ、RESTおよびSOAPプロトコルを使用してアクセスされる。費用は実際の使用量に応じて決定される。

2003年の終わりごろ、クリス・ピンカムとベンジャミン・ブラックはアマゾンのサーバーインフラの将来の展望についての論文を発表した。その論文では新たなサーバーインフラは完全に標準化、自動化され、ストレージやネットワークは最終的にはウェブサービスに依存することになると書かれている。またその論文の終わりでは、企業の新たなITインフラとして、仮想上のサーバーサービスが普及する可能性に対して言及している。

2004年の11月にAWSはSimple Queue Serviceとしてスタートした。アマゾンEC2は南アフリカケープタウンでピンカムと開発のリードである、クリス・ブラウンによって設計された。元々はEC事業の赤字に苦しむAmazonの打開策として企画されたものである。

2007年6月、アマゾンは18万人以上の開発者がAWSと契約したと主張した。

2010年11月、アマゾンの小売のウェブ関連のサービスは全てAWS上に移行した。

2011年4月20日、AWSの一部の機能が大規模な停電に見舞われた。

2019年8月23日、AWS東京リージョンの障害により、多くのWebサービスやスマートフォンアプリが影響を受けた。

AWSサービス一覧

計算資源

ネットワーク

  • Amazon Route 53英語版 - 可用性と拡張性に優れたクラウドドメインネームシステム (DNS) ウェブサービスを提供
  • Elastic Load Balancing - アプリケーションへのトラフィックをクラウド内の複数のAmazon EC2インスタンスに自動的に分散するサービスを提供

ストレージとコンテンツ提供

データベース

展開

  • AWS CloudFormation
  • Amazon Elastic Beanstalk - AWSクラウド内のアプリケーションのデプロイと管理を簡単にするサービスを提供

管理

  • Amazon CloudWatch英語版 - システム全体のリソース使用率、アプリケーションパフォーマンス、およびオペレーションの状態を可視化できるモニタリングサービスを提供

アプリケーションサービス

解析

  • Amazon Machine Learning

その他

出典

外部リンク