ATLAS検出器
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ATLAS検出器(トロイド型LHC観測装置)はCERN・LHC加速器の実験装置の一つである。スイス・ジュネーブの郊外、地下約100mのビームレベル(加速器本体が通っているトンネル)、ポイント1に設置されている。
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概要 [編集]
ATLAS検出器は、LHCによって7TeVまで加速された二本の陽子ビームを検出器の中心で衝突させ、その衝突によって発生する粒子を精密測定するためにつくられた、高さ22m、全長44m、重量7000tの大型粒子検出器で、世界から2200人もの物理学者が集まり実験を行っている。
ATLAS検出器の目的 [編集]
- 標準模型の中で質量の起源であるといわれる、未発見粒子「ヒッグス粒子」の探索。
- 大統一理論、ダークマターの有力候補とされる超対称性粒子(通称:SUSY粒子)の探索。
- 標準模型の粒子たちの再発見と標準理論の確認。
- 余次元の探索と余剰空間におけるブラックホールの生成。(LHCのエネルギーでは不可能とされている。)
検出器の仕組み [編集]
ATLAS検出器は巨大な円筒形であり、様々な検出器が取り巻いている。ここでは代表的なものを記す。
- 内部飛跡検出器:ビームの衝突点に一番近い検出器群。大量のシリコン半導体がとりまいているSCT・ピクセル検出器や、トラッキングチェンバーで粒子の軌道を探る。
- 超伝導ソレノイド磁石:2テスラの磁石で、荷電粒子を曲げるために用いられる。
- 電磁カロリーメーター:液体アルゴンの電離作用を利用し、光子や電子のエネルギーを捕える。
- ハドロンカロリ-メーター:高密度の吸収体で、中性子などのハドロンを捕える。
- ミューオン分光計:カロリーメーターを貫通するミュー粒子の飛跡を捕える。一番外側に設置されていて、検出器全体を覆っている。
実験データの解析 [編集]
ATLAS検出器で捕えられた信号は、トリガーと呼ばれるふるいに掛けられて、興味深いデータだけがネットワークを通じて各国の、「地域解析センター」に送られ解析される。そのデータはネットワークにより共有されていて、物理学者たちは様々な場所から実験結果を解析して新しい物理学を探している。データ量は年間1PBを超える。
そのほかの実験 [編集]
- ALICE検出器:巨大イオン衝突専門の検出器。ポイント2に配置されている。
- CMS検出器:ATLASと同目的で作られた。ポイント5に配置されている。
- LHCb検出器:B中間子の崩壊からCP対称性の破れを探る。ポイント8に設置されている。
- TOTEM:全弾性解析断面積計測装置。陽子ビームの高精度測定を行う。CMSのまわりのビームパイプに設置されている。
- LHCf:宇宙線探知機の試験を行う。ATLASから150m離れた場所に設置されている。
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
日本語
英語
参考文献 [編集]
神の素粒子 宇宙創成の謎に迫る究極の加速器(ポール・ハルパーン=著 小林冨雄=日本語版監修 武田正紀=訳)発行:日経ナショナル ジオグラフィック社