AN/FPS-117

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AN/FPS-117
TPS-77
種別 3次元レーダー
開発・運用史
開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
就役年 1983年
製造数 120基以上
送信機
周波数 Lバンド
パルス 100 / 800 マイクロ秒
パルス繰返数 400 / 800 Hz
送信尖頭電力 25 kW以上
アンテナ
形式 フェーズド・アレイ・アンテナ
素子 半導体素子×300個
ビーム幅 3.4°×2.7°
走査速度 6 rpm
方位角 全周旋回無制限
探知性能
探知距離 400 km
探知高度 30,480 m
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AN/FPS-117は、アメリカ合衆国ロッキード・マーティン社が開発した3次元レーダー。原型であるAN/FPS-117は固定式であるが、可搬式のAN/TPS-117、可搬式改良型のAN/TPS-77が派生している。

概要[編集]

RRP-117を収容するレドーム

ニューヨーク州グリフィス空軍基地のローム航空開発センター(RADC)は、1977年より、シーク・イグルー(SEEK IGLOO)計画として予備研究を開始した。これは、アラスカ航空軍団の航空警戒能力を近代化するためのものであった。

1983年9月30日、RADCはディスプレイとインディケータの試験を完了し、これにより、FPS-117は1983年中に作戦能力を獲得した。FPS-117は、北方警戒システム(NWS)の主たるレーダーとなったほか、ベルリン・テンペルホーフ国際空港で使われていたAN/FPS-67の後継ともなった。また、1999年から2000年にかけて、大規模なアップデートが行なわれた。

本システムではフェーズド・アレイ・アンテナが採用されており、レーダー・アンテナ素子は半導体素子となっており、300個が配置される。水平方向は機械回転式で、回転速度は6rpmとなっている。使用周波数はLバンド(1215〜1400 MHz)であり、3.4°×2.7°のペンシルビームが形成される。18個のチャンネルにおいてランダムに周波数ホッピングを行なうことができる。

アメリカ軍以外にも、2006年までに127基が輸出され、下記の国々によって使用された。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

  • J/FPS-2 - 航空自衛隊の固定式警戒管制レーダー装置。FPS-117の同級機。
  • J/TPS-101 - 航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー装置。TPS-77の同級機。