R100

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R100
監督 松本人志
脚本 松本人志
製作 岡本昭彦
製作総指揮 白岩久弥
出演者 大森南朋
大地真央
寺島しのぶ
片桐はいり
冨永愛
佐藤江梨子
渡辺直美
音楽 坂本秀一
撮影 田中一成
編集 本田吉孝
制作会社 よしもとクリエイティブ・エージェンシー
ファントム・フィルム
製作会社 吉本興業
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開 日本の旗 2013年10月5日
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 2億200万円[1]
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R100』(アールひゃく)は、2013年10月5日に公開された日本映画松本人志監督作品第4弾。

「未体験リアルファンタジーエンタテインメント作品」を名乗る、SMがテーマの作品。

2014年1月16日に死去した高橋昌也の遺作となった[2]

ストーリー[編集]

有名家具店で販売を担当する片山貴文は実はMであり、その性的欲求を満たすためにクラブ「ボンテージ」へ入会する。その契約は、日常生活を送る片山の前に、次々と女王様が派遣され、片山に対して各種の責を行うというものであり、片山はえもいわれぬ快感を得る。ところが、その内容は次第にエスカレートしていき、家族にまで影響を及ぼし始めるようになったため、片山は中止を要求するが、「ボンテージ」側に途中解約できないと突っぱねられる。そこで、片山は単身で「ボンテージ」と戦う決意を固め、最終決戦に突入する。

以上の内容は劇中劇であり、映画としては「そのような作品を、100歳を迎える映画監督が作成し、関係者向けの試写を行うが、彼らは内容や監督の意図を全く理解出来ずに困惑する」というのが本筋になっている。

キャスト[編集]

片山家とその関係者
club BONDAGE
その他

製作[編集]

企画段階で内容より先にこのタイトルが決定した[3]。タイトルの「R」は、映画のレイティングシステムで用いられる「R (Restricted)」の意味。「100」は「規制に捉われない」「色々な世界観に捉われない」ことを意図している。タイトルをそのままとらえると「100歳未満の入場・鑑賞を禁止」となるが、実際の映倫規定は「R15+指定」(海外でもR-15またはR-18)となっている[4]

2013年1月10日から4月8日まで撮影、7月21日に完成[5]、7月29日に初号試写会を開催[6]

スタッフ[編集]

封切り・プロモーション[編集]

「全国未体験ツアー」(9月9日 - 10月1日)と題してローカルキャンペーンを行い、初回の札幌での特別上映会がワールドプレミアとなった。

第18回釜山国際映画祭「アジア映画の窓(A Window on Asian Cinema)」部門[7](2013年10月4日 - 10月11日に上映)に出品された。

2013年10月13日にはアイドルグループNMB48が鑑賞する上映会が行われ、メンバーのうち15歳以上の46人が参加した[8]

2014年には北米(アメリカ・カナダ)での公開も予定されている[9]

評価[編集]

第38回トロント国際映画祭「ミッドナイト・マッドネス(Midnight Madness)」部門[10](2013年9月12日 - 9月14日に上映)に出品され、地元紙が全出展59作品中唯一星1つ(他は1.5はなく星2つ以上)という最低評価を付けた[11]

日本では劇場公開前の2013年9月21日から地上波全局で15秒間のテレビCMの放送を予定していたが、局からは倫理上に問題があると見なされて急遽修正版が制作され、同日から9月23日まで放送された[12]。その後、同年10月5日に丸の内ルーブル他全国223スクリーンで公開され、同日・10月6日の初日2日間で興収5,282万3,200円、動員3万7,983人を記録し、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第7位となった[13]

雑誌『映画芸術』2013年日本映画ベストテン&ワーストテンではワースト5位[14]、雑誌『映画秘宝』が発表した2013年度の映画に対するワーストランキング「HIHOはくさいアワード」では4位と評価された[15]

第17回オンライン映画批評家協会賞において、最優秀アメリカ未公開作品10選に選ばれた[16]

フランスのボーヌ国際スリラー映画祭にて新鋭賞を受賞し[17]、カナダのアウトライヤー映画祭にて監督賞を受賞した[18]

観客動員数[編集]

日本では全国223スクリーンで公開され、2013年10月5日・10月6日の初日2日間で興収5,282万3,200円、動員3万7,983人を記録(同監督の前作「さや侍」の4割程度の数字)し、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第7位・2週目10位となった[13]。一方、ネット上や一部ダブロイド等では「当作品を視聴する実際の客の人数が少ない」という事実を揶揄されており[19]、本作に対しては上記のような厳しい評価がある現実も指し示すこととなった。

Blu-ray / DVD[編集]

2014年1月29日発売。発売・販売元はよしもとアール・アンド・シー

  • R100(1枚組)
    • 映像特典
      • メイキング
      • キャンペーン映像集
        • 製作報告記者会見
        • トロント国際映画祭
        • 完成披露試写会
        • 初日舞台挨拶
      • 特報・劇場予告編・TVスポット集
    • 初回限定特典
      • プレスシート
      • 応募抽選ハガキ
      • 特製スリーブケース

脚注[編集]

  1. ^ キネマ旬報」2014年2月下旬決算特別号 209頁
  2. ^ “高橋昌也さんの遺作は松本人志監督の「R100」”. サンケイスポーツ. (2014年1月23日). https://www.sanspo.com/article/20140123-4N2E2GTZYFIC5K4WMANXRZLNHM/ 2020年3月22日閲覧。 
  3. ^ “松本人志 監督第4作は「R-80にする」!?”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2012年3月10日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2012/03/10/kiji/K20120310002794160.html 
  4. ^ ポスタービジュアルより。
  5. ^ 本人のツイート(@matsu_bouzu)”. Twitter (2013年7月22日). 2013年10月8日閲覧。
  6. ^ 本人のツイート(@matsu_bouzu)”. Twitter (2013年7月29日). 2013年10月8日閲覧。
  7. ^ R100”. WWW.BIFF.KR. 2013年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月8日閲覧。
  8. ^ 松本人志監督「R100」に議論百出 NMB48が鑑賞 - カルチャー”. 朝日新聞デジタル (2013年10月13日). 2013年10月18日閲覧。
  9. ^ 松本人志「R100」北米公開決定、約20か国から購入オファーも届く。”. Narinari.com (2013年9月24日). 2013年10月8日閲覧。
  10. ^ R100”. tiff.net. 2013年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月8日閲覧。
  11. ^ TIFF 2013: 63 films reviewed”. Toronto Star (2013年8月27日). 2013年10月8日閲覧。
  12. ^ 松本人志監督作『R100』のCM、刺激が強すぎて差し替え? 急きょ修正版を放送”. マイナビニュース. 2013年10月23日閲覧。
  13. ^ a b 『そして父になる』100万人突破でV2!松本人志『R100』は初登場7位!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ (2013年10月8日). 2013年10月23日閲覧。
  14. ^ 「映画芸術」2013年日本映画ベストテン&ワーストテン決定!!”. 映画芸術 (2014年1月17日). 2014年1月28日閲覧。
  15. ^ 『映画秘宝』2014年3月号、および2013年最もガッカリしたトホホなダメ映画が決定!映画秘宝はくさいアワード発表!(2014年1月21日)、シネマトゥデイ、2014年1月28日閲覧。
  16. ^ Online Film Critics Society”. 2019年4月19日閲覧。
  17. ^ PRIX SANG NEUF 2014 R-100 de Matsumoto Hitoshi (Japon)”. 2015年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月19日閲覧。
  18. ^ Outlier Film Festival 2014”. 2015年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月19日閲覧。
  19. ^ “観客たった2人…松本人志新作大コケで吉本大混乱”. 東スポ. (2013-10-16(木)11時配信). https://web.archive.org/web/20131016034947/http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/194065/ 

外部リンク[編集]