塀の中のジュリアス・シーザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塀の中のジュリアス・シーザー
Cesare deve morire
監督 パオロ・タヴィアーニ
ヴィットリオ・タヴィアーニ
脚本 パオロ・タヴィアーニ
ヴィットリオ・タヴィアーニ
原作 ウィリアム・シェイクスピア
ジュリアス・シーザー
製作 グラーツィア・ヴォルピ
製作総指揮 ドナッテラ・パレルモ
音楽 ジュリアーノ・タヴィアーニイタリア語版
カルメロ・トラヴィア
撮影 シモーネ・ザンパーニ
編集 ロベルト・ペルピニャーニイタリア語版
製作会社 Kaos Cinematografica
配給 イタリアの旗 Sacher Distribuzione
日本の旗 スターサンズ
公開 ドイツの旗 2012年2月11日BIFF
イタリアの旗 2012年3月2日
日本の旗 2013年1月26日
上映時間 76分
製作国 イタリアの旗 イタリア
言語 イタリア語
テンプレートを表示

塀の中のジュリアス・シーザー』(へいのなかのジュリアス・シーザー、Cesare deve morire)は、タヴィアーニ兄弟監督・脚本による2012年のイタリアのドラマ映画。第62回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映され[1]金熊賞を受賞した[2][3]第85回アカデミー賞外国語映画賞ではイタリア代表として選出された[4]

ストーリー[編集]

稽古シーンを中心に構成されているものの、ストーリー自体はシェークスピア戯曲『ジュリアス・シーザー』に従っている。ただし、舞台の本番シーンなど、本作のエンディングの一部が冒頭に挿入され、そこから6ヶ月前にさかのぼる形でストーリーが始まる。なお、舞台の本番シーンはカラー映像だが、それ以外は基本的にモノクロ映像である。

ローマ郊外にあるレビッピア刑務所。施設の一角では重犯罪を犯した服役囚を収容している。刑務所では、囚人たちによる演劇実習が定期的に行われている。今年は課題にシェークスピアの『ジュリアス・シーザー』が選ばれ、出演を希望する囚人たちがオーディションで選ばれる。

殺人麻薬密売、組織犯罪など、様々な罪を犯した死刑囚や長期懲役者たちが、シーザーやブルータス、カシウス、アントニウス等主要キャストを務めることとなる。囚人たちは手探りで演技の練習を行っていくが、やがてシーザーやブルータス、その人物たちと同化していき、刑務所内はまるで本当の古代ローマのようになっていく。

やがて、一般の外部の観客が招待され、舞台の幕があがる。

舞台は成功を収め、カーテンコールで歓喜に沸く囚人たちだったが、全てが終わると彼らはそれぞれの監獄に戻される。

キャスト[編集]

評価[編集]

2012年2月に第62回ベルリン国際映画祭で上映され、英国の映画監督のマイク・リー率いる審査員により金熊賞が授与された。『ハリウッド・リポーター』誌は「大番狂わせ」と報じた。『デア・シュピーゲル』誌では「非常に保守的な選択」と書かれた[2]。『ターゲスシュピーゲル』紙は「審査員は映画祭で賞賛されたり熱く議論されたほぼすべての現代映画を敬遠した」と結果を批判した[5]

参考文献[編集]

  1. ^ Press Release, 9th Jan”. berlinale.de (2012年1月9日). 2012年1月9日閲覧。
  2. ^ a b Jail docu-drama Caesar Must Die wins Berlin award”. BBC News (2012年2月19日). 2012年2月19日閲覧。
  3. ^ Prizes of the International Jury 2012”. Berlinale (2012年2月19日). 2012年2月19日閲覧。
  4. ^ “L'Italia candida agli Oscar il film dei fratelli Taviani”. Gazzetta di Parma (Gazzetta di Parma). (2012年9月26日). http://www.gazzettadiparma.it/primapagina/dettaglio/4/152232/LItalia_candida_agli_Oscar_il_film_dei_fratelli_Taviani.html 2012年9月26日閲覧。 
  5. ^ Critics lament conservative winner at edgy Berlin film fest”. Expatica (2012年2月19日). 2012年2月19日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]