カポーティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カポーティ
Capote
監督 ベネット・ミラー
脚本 ダン・ファターマン
製作 キャロライン・バロン
マイケル・オホーヴェン
ウィリアム・ヴィンス
製作総指揮 ダン・ファターマン
フィリップ・シーモア・ホフマン
ケリー・ロック
ダニー・ロセット
出演者 フィリップ・シーモア・ホフマン
キャサリン・キーナー
音楽 マイケル・ダナ
撮影 アダム・キンメル
編集 クリストファー・テレフセン
配給 ソニー・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2005年9月30日
日本の旗 2006年9月30日
上映時間 114分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カナダの旗 カナダ
言語 英語
製作費 $7,000,000
興行収入 $28,750,530[1]アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
テンプレートを表示

カポーティ』(Capote)は、2005年アメリカ映画。タイトルの通り、作家のトルーマン・カポーティを描いたもので、彼が代表作『冷血』を取材し書き上げるまでを中心に描いた伝記映画でもある。

監督はこれが劇映画初監督作となるベネット・ミラー第78回アカデミー賞主演男優賞をフィリップ・シーモア・ホフマンが受賞し、作品賞監督賞助演女優賞(キャサリン・キーナー)・脚色賞でも候補となった。その他、多数の映画賞を受賞。

全米では2005年9月30日から限定公開(これはカポーティの誕生日に当たる)、日本では2006年9月30日に公開された。

ストーリー[編集]

1959年カンザス州の小さな町で、一家4人が惨殺されるという事件が起こった。「ニューヨーク・タイムズ」紙でこの事件を知り興味を持ったカポーティは、幼馴染で『アラバマ物語』(映画の中ではディルという名前でカポーティが出てくる)の女性作家ハーパー・リーと共に現場に向かう。これはカポーティが同性愛者であることが分からないようにするためのカムフラージュという。

事件をノンフィクション小説の題材にしようとした彼は、取材を進める中で、自分と同様に子供時代に家族に見捨てられた死刑囚と友情が芽生え始める。死刑執行により事件が完了し、小説を早く完成させたい自分と、死刑囚を「友」として助けたい自分の間でカポーティの気持ちが大きく揺れ動き、精神的に疲弊していく。この小説の後にカポーティが作品を書けなくなった[2]心理的な経緯を赤裸々に描くストーリーとなっている。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替

評価[編集]

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは195件のレビューで支持率は89%、平均点は8.20/10となった[3]Metacriticでは40件のレビューを基に加重平均値が88/100となった[4]

受賞・ノミネート[編集]

作品賞 / 監督賞 / 助演女優賞 / 脚色賞 (主要5部門ノミネート)

スタッフ[編集]

その他・備考[編集]

ニューヨークの富裕層との酒場での軽妙なジョークなど、シーンのいくつかは主演フィリップ・シーモア・ホフマンのアドリブである。死刑囚との最後の面会で主演が感極まり涙を流すシーンは予定外のことであった。

撮影のほとんどは1950年代から60年代のカンザスとニューヨークの両者の雰囲気を兼ね備えるカナダ・マニトバ州ウィニペグで、晩秋に行われた。数百人に及ぶエキストラの多くがウィニペグ近郊の人たちである。

2006年秋、豪華キャストを迎えたもう一つのカポーティ映画 『Infamous』 が公開となった。こちらも題材は同じであるが、原作は異なる。出演はカポーティ役がトビー・ジョーンズ、ハーパー・リー役がサンドラ・ブロック、その他ダニエル・クレイググウィネス・パルトローシガニー・ウィーバージェフ・ダニエルズホープ・デイヴィス。監督・脚本はダグラス・マクグラス

金原瑞人「ハーパー・リーとカポーティ」[5]によれば、『冷血』が出版された時に、リーはあれだけ協力したのに、感謝の言葉がひと言もないのに愕然とした[6]という。

脚注[編集]

  1. ^ Capote”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年11月10日閲覧。
  2. ^ カポーティは『冷血』の後、完成させることの出来たのは短編集のみである。
  3. ^ "Capote". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2022年12月5日閲覧
  4. ^ "Capote" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2022年12月5日閲覧。
  5. ^ 金原瑞人『サリンジャーに、マティーニを教わった』潮出版社
  6. ^ なお新潮文庫の新訳には、冒頭にジャック・ダンフィーとハーパー・リーに対する献辞がある。

外部リンク[編集]