オペラハット

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オペラハット
Mr. Deeds Goes to Town
監督 フランク・キャプラ
脚本 ロバート・リスキン
原案 クラレンス・バディントン・ケラード
製作 フランク・キャプラ
出演者 ゲイリー・クーパー
ジーン・アーサー
音楽 ハワード・ジャクソン(クレジットなし)
撮影 ジョゼフ・ウォーカー
編集 ジーン・ヘイリック
配給 アメリカ合衆国の旗 コロンビア ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 1936年4月12日
日本の旗 1936年5月21日
上映時間 115分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 1,040,756ドル(北米配収)
2,484,170ドル(国外配収)
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オペラハット』(原題・英語: Mr. Deeds Goes to Town, 「ディーズ氏、街へ行く」の意)は、1936年に製作・公開されたアメリカ映画である。1935年に発表されたクラレンス・バディントン・ケランドの物語『オペラ・ハット』の映画化。

略歴・概要[編集]

フランク・キャプラが監督、ゲイリー・クーパージーン・アーサーが主演した。キャプラ監督とクーパーは5年後の『群衆』でも顔を合わせている。また、ジーン・アーサーはこの後『我が家の楽園』(1938)『スミス都へ行く』(1939)とキャプラ監督作品への出演が続き、自身の代表作ともなった。クーパーとアーサーは翌1936年の『平原児』でも再共演している。

2002年アダム・サンドラーウィノナ・ライダー主演で『Mr.ディーズ』としてリメイクされている。

ストーリー[編集]

大恐慌の時代、バーモント州マンドレイク・フォールズの集落に住むロングフェロー・ディーズ(ゲイリー・クーパー)は、油脂工場の共同経営者であり、絵葉書に詩を書く副業を持ち、そしてチューバ奏者でもあった。ある日彼の叔父で大富豪のマーティン・センプルが事故で亡くなり、突然2千万ドルもの資産を相続することになる。センプルの弁護士ジョン・シーダー(ダグラス・ダンブリル)は、ディーズを探し出してニューヨークに連れて行く。シーダーは、元新聞記者で会社の広報担当であるコーネリアス・コブ(ライオネル・スタンダー)に、ディーズから記者を引き離すように頼むが、コブは新聞記者のルイーズ・"ベイブ"・ベネット(ジーン・アーサー)に出し抜かれる。彼女はメアリー・ドーソンという貧しい労働者になりすまし、悩める乙女を救うというディーズのロマンチックな妄想に訴えかける。彼女は「一日中歩いて仕事を探して」疲れ果てて気絶したふりをして彼に近づき、彼の気を引くことに成功する。ベネットは、ディーズを突然富を相続した田舎者として面白おかしく描き、「シンデレラマン」というあだ名をつけて、人気記事を書き続ける。

シーダーと会社の重役たちは、自分たちの悪事を隠すために、ディーズに委任状を書かせようとするが、ディーズは、その手に引っかからない。やがてコブに信頼されるようになり、ベイブもディーズに恋してしまう。彼女はそれまでの自分の行動を恥じて新聞社を辞めるが、彼女がディーズに自分の真実を話す前に、コブがそれを知ってディーズに話してしまう。ディーズは傷心し、故郷に戻ることを決意する。荷造りをして帰ろうとした彼の屋敷に、土地を奪われた農夫(ジョン・レイ)が乗り込んできてディーズを銃で脅し、世の金持ちたちが貧しい人々に冷酷であることを訴える。それを機にディーズは考え、遺産で農場を大量に購入し、それらを耕作する農夫を大規模に募集する。

シーダーは、このままでは遺産が使いつくされてしまうと危惧し、ディーズの唯一の親族であるセンプル夫妻と手を組んで訴訟を起こし、ディーズを精神的に無能力であると宣告させ、自分たちが財産を管理できるようにしようとする。審問でシーダーは専門家を呼び、ベイブの記事や最近の彼の行動を目撃した人物をもとに、ディーズを躁鬱病と診断する。ディーズが弁明しないので、ベイブは彼に代わって熱弁をふるい、自分が彼にしたことを懺悔する。ディーズは、彼女が本当に自分を愛していることを知ると話し始め、シーダーの主張をことごとく反証する。裁判官は、彼が正気であるだけでなく、「この法廷に足を踏み入れた中で最も正気な男」であると宣言する。勝利したディーズとベイブはキスをして喜び合う。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督・製作:フランク・キャプラ
  • 脚本:クラレンス・バディントン・ケラード(原案)、ロバート・リスキン
  • 音楽:ハワード・ジャクソン(クレジットなし)
  • 撮影:ジョゼフ・ウォーカー
  • 編集:ジーン・ヘイリック
  • 美術:スティーヴン・グーソン
  • 衣裳:サミュエル・ラング

主な受賞歴[編集]

アカデミー賞[編集]

受賞
アカデミー監督賞:フランク・キャプラ
ノミネート
アカデミー作品賞
アカデミー主演男優賞:ゲイリー・クーパー
アカデミー脚色賞:ロバート・リスキン
アカデミー録音賞:ジョン・P・リヴァダリー

ニューヨーク映画批評家協会賞[編集]

受賞
作品賞

ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞[編集]

受賞
作品賞

ヴェネツィア国際映画祭[編集]

ノミネート
ムッソリーニ杯(優秀外国映画大賞)

外部リンク[編集]