あずみ (映画)

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あずみ』は、小山ゆうの同名の漫画『あずみ』を原作とする日本映画。主演は上戸彩。続編の『あずみ2 Death or Love』についても本項で扱う。

あずみ[編集]

あずみ
監督 北村龍平
脚本 水島力也
桐山勲
出演者 上戸彩
小橋賢児
成宮寛貴
音楽 岩代太郎
撮影 古谷巧
配給 東宝
公開 日本の旗 2003年5月10日
上映時間 142分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 8.6億円[1]
次作 あずみ2 Death or Love
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あずみ』は、2003年に公開された第1作である。2006年にはアメリカでも公開された。

原作第3巻までのストーリーを最上美女丸が関わる形にアレンジしている[2]

あらすじ[編集]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

あずみ製作委員会[編集]

主なロケ地[編集]

その他[編集]

  • 北村龍平と親交のあるゲームクリエイターの小島秀夫がならず者役で特別出演している[3]

あずみ2 Death or Love[編集]

あずみ2 Death or Love
監督 金子修介
脚本 山本又一朗
川尻善昭
出演者 上戸彩
石垣佑磨
栗山千明
小栗旬
音楽 川村栄二
今泉敏郎
大坪直樹
峰岸良行
撮影 阪本善尚
配給 東宝
公開 日本の旗 2005年3月12日
上映時間 112分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 5.6億円[4]
前作 あずみ
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あずみ2 Death or Love』(あずみツー デス オア ラブ)は、2005年に公開された第2作である。

監督は「平成ガメラ」シリーズでも知られる金子修介。また脚本は『獣兵衛忍風帖』などで海外でも人気の高いアニメーション監督・川尻善昭が水島力也(本作品のプロデューサー・山本又一朗のペンネーム)と共に務めた[5]

2003年公開の『あずみ』の続編として作られた。監督自身、『キル・ビル Vol.1』に触発されたと語り、栗山千明など『キル・ビル Vol.1』に出演した役者を起用した。

前作に比べるとアクションよりストーリーが重視され、戦いの中で心が成長し「愛」という存在に分らないながらも葛藤するあずみを演出している[5]

アクションは前作よりも抑えられたが、敵味方共に戦いの中で沢山の犠牲を払い、様々な登場人物たちの「死」を通じて揺れ動く人々の心を演出している。

ストーリー[編集]

あずみは主君・加藤清正の仇をとろうとする井上勘兵衛に付け狙われる日々を送っていたが、ひょんなことから豊臣方の大名・真田昌幸を狙うため、再び旅に出ることになった。あずみの初恋の相手・なちにそっくりな人物・銀角と出会ったあずみは、沢山の犠牲を払いながら、真田軍と絶体絶命の戦いを繰り広げる。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

主要人物の「愛」と「死」への流れ[編集]

あずみ - 「愛」と「刺客」として葛藤している前半は、一人の敵相手に鍔迫り合いをするなど、前作と比べて弱さが目立つが「なち」そっくりの「銀角」絶命後は、吹っ切れたかのように強くなり沢山の敵を沈めている。

戦って倒した敵の数は100人以上である。

ながら - 彼も長らくの間あずみと旅を重ね、あずみにほのかな感情を抱いているが、「銀角」と出会い揺れ動くあずみの気持ちを把握していなかった。こずえにながらの気持ちを見透かされ、あずみに「幸せになってほしい」と別れるが、胸を矢で射抜かれこずえの罠と知る。

「天海とその刺客を葬る」こずえの初めての使命に、怒りを表し抵抗するがこずえに何度も刺され、「あずみだけは討つな」と言い残し絶命。

こずえ - 新人くノ一で「九度山周辺の出身」としてあずみらに同行。宿場町の戦いで一人の敵に斬られそうになるも、ながらに助けてもらう。その後敵の弓を奪い、ながらの窮地を救う。その後二人から「8歩」・「6歩」あれば避けられると教わり、前述の通りながらを殺害。その後も「使命」を続行。

何食わぬ顔であずみらと合流するが、それがあずみの不信を買いマークされる。ある人が台詞を聞いた瞬間、突然天海の取り巻きを殺害。それによりあずみにばれ、ながら殺害を白状。あずみの温情を無視して「ながらの遺言」を教え、それを反故にする。弓であずみを討とうとしたが「6歩」以上あったため出来ず、刀での戦いに挑む。しかしあずみの一太刀を体に受け、刀を握りしめ絶命。

あずみに斬られるまでに倒した敵は5人(弓で一人・小刀でながら含め4人)である。

作品演出の特徴[編集]

一部の人物は爆死など壮絶な最期を迎えるが、大半の人物は強い人物であっても、あずみの前では弱く描写されている節がある(こずえの場合は、他の人物とパターンが違うため下に記載)。

殺陣についてもCGやカット割りを使用し、アクションを補っていたりする。

また人物の死についても口頭でのみ述べ、心情を深く掘るよりも戦闘に至るまでのスピードを重視している。

戦闘によって絶命する場合[編集]

戦闘前 アクションを長めにするかアクション前の会話を長くするか、その両方である。

戦闘後 致命傷を受けた直後の表情(苦しむ・断末魔・死を理解できないなど)を映し、地面に倒れるまでを映している。

絶命後 横たわる敵を映し、その周りをあずみらが囲んだり、死体が近くにある中で会話をすることが多い(こずえは主要人物の中で、死に至るのが早いので致命傷を受け倒れたのち、あずみ始め周りの人から見られる。)。

こずえの場合[編集]

こずえ役は監督たっての希望で栗山を起用したが、栗山は時代劇アクションは初めてだったため、新人くノ一として設定された。 

また「草」という設定も与えられ、ながらを殺害し、あずみにその仇を取らせるなど、最期の扱いは特殊なものである。

さらに、自らの剣術の低さを補うため弓・闇討ちなどの手で、ある程度の戦闘力は保有している描写を描いている。

そして最初の笑顔溢れる描写や戦闘後の描写など、演じている栗山の個性などを強く反映している。

戦闘前 ながら殺害を白状するなど素性を暴露。弓を捨てあずみに刀を構え、「私の使命なのさ」と声を上げ襲い掛かる。

戦闘時 刀を何度も振るうが、一瞬の隙をつかれあずみの一太刀を体に受ける。これが致命傷となる。

戦闘後 致命傷を受けた顔を映し、フラツキ地面に倒れる。

絶命後 目を開けたまま横たわる姿を映し、あずみに「お前がながらをころすなんて」といわれる。

脚注[編集]

  1. ^ 「2003年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報2004年平成16年)2月下旬号、キネマ旬報社、2004年、160頁。 
  2. ^ 宇宙船』Vol.106(2003年5月号)、朝日ソノラマ、2003年5月1日、80頁、雑誌コード:01843-05。 
  3. ^ Hideo Kojima in Azumi 小島秀夫
  4. ^ 「2005年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報2006年平成18年)2月下旬号、キネマ旬報社、2006年、178頁。 
  5. ^ a b 宇宙船YEAR BOOK 2006』朝日ソノラマ〈ソノラマMOOK〉、2006年4月20日、72頁。ISBN 4-257-13086-5 

外部リンク[編集]