7.5 cm KwK 40

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7.5 cm Kampfwagenkanone 40
Panzermuseum Munster 2010 0138.JPG
IV号戦車G型に搭載された7.5cm KwK 40
種類 戦車砲
原開発国 ナチス・ドイツの旗 ドイツ国
運用史
配備期間 1942-1945
配備先 ドイツ陸軍
関連戦争・紛争 第二次世界大戦
開発史
開発者 クルップラインメタル
製造業者 クルップ、ボルジッヒ
諸元
重量 1,425kg

砲弾 Pzgr.39
Pzgr.40
Gr.38 Hl/B
Gr.38 Hl/C
口径 75 mm
砲身 3,281mm L/43 3,615mm L/48
初速 790m/s(Pzgr.39)
990m/s(Pzgr.40)

7.5cm KwK 40 (7.5-cm-Kampfwagenkanone 40)は第二次世界大戦中期から末期にかけてドイツ陸軍が使用した戦車砲。設計、製造はクルップ社及びラインメタル社。

概要[編集]

口径75mmで43口径長(L/43)、または48口径長(L/48)の戦車砲。第二次世界大戦中期から末期のIV号戦車III号突撃砲に搭載された。

III号戦車5cm KwK 39 L/60やそれまでIV号戦車に搭載していた短砲身の7.5cm KwK 37 L/24ではソビエト連邦KV-1重戦車、傾斜装甲を取り入れたT-34中戦車に対しては歯が立たず、実戦部隊から現状より強力な貫徹力を有する戦車砲の搭載を求める要望が上がり、早急に開発するため砲身はラインメタル・ボルジッヒ社製の牽引式対戦車砲7.5 cm PaK 40を母体に7.5cm KwK 37 L/24の砲架と砲尾を発展させ開発された。 砲身が伸びた分、前のめりになる傾向となったためスプリングを使ってバランスを取っている。

開発当初は7.5-cm-Kampfwagenkanone 44と呼ばれていたが、後に7.5-cm-Kampfwagenkanone 40に改められた。1942年3月頃からIV号戦車とIII号突撃砲に7.5 cm KwK 37 L/24から換装する形で、43口径長(L/43)から搭載された。砲身長の違いにより、ごく短期間製造されたL/43と、初速を増すため砲身長を伸ばす改良がなされたL/48の2種類が存在する。

III号突撃砲に搭載されたものは、砲兵科の管轄になるため7.5cm StuK 40(7.5cm-Sturmkanone 40)と呼ばれる。7.5cm StuK 40は旋回砲塔に搭載しない為、角度が限定されるが砲袈が旋回し、間接射撃用の照準器を備えている。また、駐退機が7.5cm KwK 40は砲身の左右に配置されていたが、7.5cm StuK 40は砲身の上に並べる様に配置されている。

薬室は母体となった7,5cm-Pak 40の水平鎖栓式閉鎖機とは異なり7,5cm-KwK 37に準じた垂直鎖栓式閉鎖機と電気発射機構を持つ。発砲後、自動的に薬莢が排出され開いたままとなり、新たな砲弾を装填後に自動的に閉鎖される。狭い戦車の車内に積載する関係上、取り回しを良くする為、薬莢は7.5cm Pak 40用より短い495mmのボトルネック形状のものが採用された。

L/43とL/48、また7.5cm StuK 40、7.5cm Pak 39との弾薬の互換性はあるが、7.5cm KwK 37 、7.5cm Pak 40、7.5cm KwK 42とは薬室長が異なる為、互換性はない。

L/43[編集]

Ⅳ号戦車F2もしくはG初期型に搭載された7.5-cm-KwK 40 L/43。特徴的な球状マズルブレーキが分かる

1942年初頭から8月までの短い期間生産された初期型。7.5cm-KwK40、7.5cm-StuK 40併せて約1,800門生産された。

生産初期ではマズルブレーキ(砲口制退器)が球状のシングルバッフル型だったが、後にダブルバッフル型に変更された。

L/48[編集]

1942年8月から生産された改良型。砲身長をL/43に対して334mm伸ばし砲口初速を向上させた。7.5cm-KwK40、7.5cm-StuK 40併せて約15,000門生産された。

製造時期により、ダブルバッフル型のマズルブレーキに対する形状変更が多くなされた。

性能[編集]

  • 口径:75mm
  • 砲身長: 43口径 (3,281mm) 48口径 (3,615mm)
  • 重量:1,425Kg
  • 砲口初速:790m/秒("Pzgr39" L/48)

弾種[編集]

PzGr.39で射撃したときの各戦車砲の30°傾斜装甲への侵徹長(mm)[1]
砲種 砲身長(mm) 砲弾 砲口初速(m/s) 100m 500m 1,000m 1,500m 2,000m
7.5cm KwK 37 L/24 1766.5 K.Gr.Patr.rot.Pz 385 41 39 35 33 30
7.5cm KwK 40 L/43 3281 PzGr.39 740 99 91 82 72 63
7.5cm KwK 40 L/48 3615 PzGr.39 790 106 96 85 74 64
7.5cm KwK 42 L/70[2] 5250 PzGr.39/42 935 138 124 111 99 89

搭載車両[編集]

L/43[編集]

  • IV号戦車 F2、G(初期)
  • III号突撃砲 F

L/48[編集]

  • IV号戦車 G(後期)、H、J
  • III号突撃砲 F/8、G
  • IV号突撃砲

出典[編集]

  1. ^ Sturmgeschutz & Its Variants, Walter J. Spielberger, P67, ISBN 0-88740-398-0
  2. ^ Germanys Panther Tank: The Quest for Combat Supremacy by Thomas L. Jentz, Schiffer Military History Hardcover 1997

参考文献[編集]

  • ピーター・チェンバレン、ヒラリー・L・ドイル 翻訳・監修:富岡 吉勝『ジャーマンタンクス(Encyclopedia of German Tanks of World War Two)日本語版』大日本絵画、1993年。ISBN 978-4499205397
  • ヴァルター・J・ シュピールベルガー 『 AFV WEAPONS PROFILE No.43 PanzerKampfwagen IV 』 1972年。