600万ドルの男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

600万ドルの男(ろっぴゃくまんドルのおとこ、The Six Million Dollar Man)は、1973年から1978年までアメリカ合衆国ABCネットワークで放送されたテレビドラマシリーズで、3本のパイロット版と、5シーズン108話が制作された。

日本ではNET(現テレビ朝日)系列で、1974年7月25日〜同年12月26日に『サイボーグ危機一髪』のタイトルで23話が、1975年7月8日〜同年9月23日に『600万ドルの男』とタイトルを変更して9話が放映された。その後、関東地区ではテレビ朝日で1978年8月27日〜同年9月24日及び1979年5月13日1980年1月13日に、再放送と共に26話分の新エピソードが放映された。

目次

[編集] ストーリー

NASA宇宙飛行士で、に行ったこともあるスティーブ・オースティン大佐は、リフティングボディ(劇中ではHL-10)の滑空テスト中に事故にあい、命は取り留めたものの、左目失明、右腕・両足不随となる重傷を負った。NASAのメディカルスタッフによって失われた人体を補完強化する改造手術を受けてバイオニック・マン(サイボーグ)となった彼は、その強化された力を使い、政府の秘密情報機関・OSI(Office of Scientific Intelligence―科学情報部)のエージェントとして活躍することとなった。この改造手術の費用に600万ドル(放映開始当時の日本円で約18億円)かかったというのが番組タイトルの由来である。

[編集] オープニング

番組のオープニングでは毎回、オースティンが事故に遭遇しサイボーグに改造された経緯を紹介する映像が流されたが、この事故の映像は実際に起きたものであり、またこの事故に遭遇したパイロットが主人公のモデルである。

1967年5月10日、NASAが開発したM2-F2実験機の滑降飛行試験中に発生した事故でブルース・A・ピーターソンに実際に起きた出来事であり、その時の交信会話と事故映像をオープニングに使っていた。ピーターソンは現実に生死の境を彷徨い、九死に一生を得たが右目を失明し、パイロットとしての復帰はできなかった。しかし彼は(サイボーグではなく)、NASAの航空エンジニアとして活躍したという。

なお、オープニングのバックで流れるテーマ曲は、「ブルースの真実」が有名なサックス奏者兼作編曲家の、オリヴァー・ネルソンの作曲。日本では近年、ジョン・グレゴリーによるカバー演奏版が「時空警察」のテーマ曲としても使用された。

[編集] サイボーグ化された身体

  • 左目―望遠20倍;赤外線の範囲まで可視可能、顕微鏡機能。右腕を特定のLSI回路に近づけると感知する機能を組込んだこともある。
  • 右腕―コンクリートも砕くパンチ力が出せる
  • 両足―最高時速60マイル(≒96km/h)で走れる(100m走3秒7)

本人の心臓は、右腕、両足に血液を供給する必要がないため、100km/hで走っても心拍数は平常時と変わらない。義手・義足の動力源は原子力電池

[編集] シリーズ化の経緯

1973年、映画「宇宙からの脱出」の原作を書いたことでも知られる作家、マーティン・ケイディンが、小説『サイボーグ ("Cyborg")』を発表。これを原作として、同年、90分枠のテレビ映画「サイボーグ大作戦 ("The Six Million Dollar Man")」が制作された。スティーブ・オースティン(リー・メジャース)が事故に合い、サイボーグ化されて、特殊任務に就くようになるまでが描かれている。スティーブの上司となるのは、OSO(Office of Strategic Operations)のオリバー・スペンサーで、「事件記者コルチャック」で主演したダーレン・マクギャヴィンが演じている。また、スティーブにサイボーグ化手術を施すルディ・ウェルズ博士役は、マーチン・バルサムだった。

「サイボーグ大作戦」が好評だったため、直ちに続編の「ミサイル大爆発! 核兵器売ります ("Wine,Women and War")」が作られた。このとき、スティーブの上司が、ケイディンの原作に登場したオスカー・ゴールドマン(リチャード・アンダーソン)に変更される一方、所属組織はOSOからOSIへと改められた。ウェルズ博士役も、アラン・オッペンハイマーに替わっている。ストーリーそのものは、マーティン・ケイディン作ではなく、テレビ用オリジナル・ストーリーだった。90分枠作品だが、日本では「サイボーグ危機一髪(600万ドルの男)」の中で、前後編に分けて放送された。

次いで、やはり90分枠の、「対決! サイボーグ国際誘拐シンジケート ("The Solid Gold Kidnapping")」が制作され、以上3作がパイロット版と呼ばれている。

翌1974年になって、60分枠で週1回放送のシリーズとなった。なお、原作者のマーティン・ケイディンは、テレビ・シリーズとは別個に、スティーブ・オースティンを主人公とした『サイボーグ』の続編三冊を書いている。

[編集] シリーズの概要

「600万ドルの男」は、OSIのエージェントであるスティーブ・オースティンが、自らのバイオニック・パワーを駆使して活躍する姿を描く。その任務は多岐にわたり、敵役も他国のスパイに限らず、テロリストマッド・サイエンティストから一般の犯罪者まで、さまざまだった。

初期の宿敵としては、人間そっくりのロボットを製造するドレンツ博士が登場した。彼はスティーブの友人のロボットを製造し、本物を拉致してすり替えを行う。しかし、スティーブは最後に正体を見破り、ロボット対サイボーグの死闘を繰り広げた。ロボットを倒されたドレンツは、今度はスティーブの能力を分析し、自分のロボットに応用しようと画策。さらに、ゴールドマン部長のロボットを製造して、本物とのすり替えを実行した(このアイディアは、後の「バイオニック・ジェミー」に登場する「フェムボット」につながる)。

また、二人目のサイボーグとして、元レーサーのバーニー・ミラーが登場。彼は、スティーブを上回る700万ドルの費用をかけ、事故で失われた両手・両脚をバイオニック化されていた。だがバーニーは、自分のパワーをコントロールできず精神不安定となり、スティーブは対決を余儀なくされる。バーニーは、その後もう一度登場し、スティーブは再度サイボーグ同士の戦いをするはめになった。

三人目にバイオニック手術を受けたのは、スティーブの婚約者ジェミー・ソマーズ(リンゼイ・ワグナー)である。彼女の登場は大変な好評を呼び、続編を経て、スピンオフ作品である「地上最強の美女 バイオニック・ジェミー」が制作された。

その他、日本で話題となったエピソードとして、グアム島横井庄一ルバング島小野田寛郎が発見された出来事にヒントを得たと思われる「特攻! 最後の神風」がある。これは、特攻に失敗しジャングルに潜伏していた元日本兵を、スティーブが救出する話だった。

なお、本シリーズには「SOS! 宇宙船救出作戦」などのエピソードで、リー・メジャースの妻だったファラ・フォーセット(当時は、ファラ・フォーセット・メジャース)もゲスト出演している。リーはファラをジェミー役に推薦したが、それは叶わなかった。しかし、ファラは「地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル」の出演でブレイク。ライアン・オニールと不倫して[1]、リーとは離婚に至った。

[編集] スタッフ

[編集] キャスト

[編集] 関連作品

  • 『600万ドルの男』シリーズ:ミカサ・ノベルズ(三笠書房)、絶版。以下、マーティン・ケイディン名義のものは、原作者によるオリジナル小説、それ以外は他の作家によるノベライズ版。
    • 『未知からの挑戦状』:マイク・ヤーン著、柴田京子 訳。
    • 『殺人クリスタル』:マーティン・ケイディン著、岡山徹 訳。
    • 『国際誘拐シンジケート』:イヴァン・リチャーズ著、吉野博高 訳。
    • 『武器密売ルートをあばけ』:マイク・ヤーン著、柴田京子 訳。
    • 『サイボーグ4』:マーティン・ケイディン著、柴田京子 訳。
    • 『UFO、宇宙救出作戦』:マイク・ヤーン著、進藤光太 訳。
    • 『謎のリモコン人間』:マイク・ヤーン著 、進藤光太 著。
  • 主題歌:"The Six MIllion Dollar Man" ダスティ・スプリングフィールド (Dusty Springfield) 唄。「ミサイル大爆発! 核兵器売ります」、「対決! サイボーグ国際誘拐シンジケート」で使用された。

[編集] 関連事項

[編集] 日本における放送時間

いずれもNET、テレビ朝日系列での放送。

  • 毎週木曜日20:00〜20:54(1974年7月25日〜同年12月26日)
  • 毎週火曜日20:00〜20:54(1975年7月8日〜同年9月23日)
  • 毎週日曜日23:15〜24:05[2](1978年8月27日〜同年9月24日)
  • 毎週日曜日23:20〜24:20(1979年5月13日〜同年9月30日
  • 毎週日曜日23:50〜24:50(1979年10月21日〜1980年1月13日[3]

[編集] 脚注

  1. ^ Markfield, Alan (1980年1月14日). “Lee's Love Lost” (英語). ピープル. 2009年6月27日閲覧。
  2. ^ 基本放送時間はこの通りであったが、この期間、この時間で放送されたことは一度も無かった(初回は25:00〜25:50、2回目は23:00〜23:50、3回〜5回目は『大相撲ダイジェスト』放送のため30分繰り下がって23:45〜24:35)
  3. ^ 1979年11月25日以降は再放送

[編集] 外部リンク

NETテレビ 木曜夜8時枠
前番組 番組名 次番組
サイボーグ危機一髪
(1974年7月〜1974年12月)
NETテレビ 火曜夜8時枠
600万ドルの男
(1975年7月~1975年9月)
20:00-藤山寛美3600秒
20:54-ANNニュース
※1分拡大
テレビ朝日 日曜日23:15〜24:05枠
600万ドルの男
(1978年8月~1978年9月)
23:00 - 日本マッチプレーゴルフ選手権
23:30 - ファミリータイム
23:35 - アートレポート
23:50 - ANNニュースファイナル&
スポーツニュース
テレビ朝日 日曜日23:20〜24:20枠
日本マッチプレーゴルフ選手権
(実質上の前番組)
豪快!世界のスポーツ野郎たち
(1979年4月1日〜同年5月6日、つなぎ番組)
600万ドルの男
(1979年5月~1979年9月)
23:20 - ジャムジャム'80
23:50 - 600万ドルの男
テレビ朝日 日曜日23:50〜24:50 枠
23:20 - 600万ドルの男
24:20 - ファミリータイム
24:25 - 世界美術探訪
600万ドルの男
(1979年10月~1980年1月)
豪快!世界のスポーツ野郎たち
(1980年1月20日〜同年3月30日、
つなぎ番組)
露都物語・愛の13章
(1980年4月6日〜、実質上の後番組)
個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語