2013 ワールド・ベースボール・クラシック
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2013 ワールド・ベースボール・クラシック | |
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概要 | |
開催国・地域 |
アメリカ合衆国・プエルトリコ・ 日本・台湾 |
本選日程 | 2013年3月2日 - 3月19日 |
大会参加 | 28(シード12/予選16)チーム |
本選出場 | 16チーム |
結果 | |
優勝 |
ドミニカ共和国 (初優勝) |
統計 | |
試合数 | 本選39試合 |
総入場者数 | 885,212(1試合平均22,698)人 |
最高入場試合 |
3月8日メキシコ対アメリカ @フェニックス/44,256人 |
ワールド・ベースボール・クラシック < 20092017 > |
2013 ワールド・ベースボール・クラシック(英語:2013 World Baseball Classic)は、2013年3月にアメリカ合衆国を中心に4か国・地域にて開催された野球の国際大会、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第3回大会である。今回から国際野球連盟の世界選手権も兼ねて開催された[1]。
本大会はドミニカ共和国が全8試合に勝利し、大会史上初の全勝優勝を成し遂げて第3回WBC王者になった。
開催地
試合方式
- 予告先発と指名打者制を採用
- 投手の投球制限
- ファーストラウンドでは65球まで、セカンドラウンドでは80球まで、決勝ラウンドは95球までを原則とする。
- ただし上記の制限投球数が打席の途中である場合は、その選手の打席が完了するまでは投球できる。
- 50球以上の投球である場合は中4日以上、30球以上、または2試合連続の登板(この場合は30球未満でも適用)である場合は中1日以上の間隔をあけること。
- 延長戦 回数制限なし(よって天災を除いて引き分けとはならない)。ただし12回終了時に同点で終わった場合はタイブレーカーを採用。ノーアウト1・2塁の段階という設定から試合を行い、打順は前回のイニングの続きからとし、前イニングの最後から数えて2名がそれぞれ1塁・2塁のランナーとする。
- 点数差によるコールドゲーム 5・6回終了時に15点差以上、並びに7・8回終了時に10点差以上ついてそのイニングが完了した場合に適用する。(決勝戦を除く。)
- 使用球 大会の公認球を使用
- ファーストラウンドの順位決定方法 同じ勝率で終了した場合は次の順番で順位を確定させる。
- 対象国の直接対決の成績
- 3チームが並んだ場合は当該チーム間のTQB=(得点÷攻撃回)-(失点÷守備回)の大きい順
- ここで2チームが並んだ場合は直接対決の成績
- 3チームが並んだ場合は当該チーム間のER-TQB=(自責得点÷攻撃回)-(自責失点÷守備回)の大きい順
- ここで2チームが並んだ場合は直接対決の成績
- 3チームが並んだ場合は当該チーム間の試合における打率
- ここで2チームが並んだ場合は直接対決の成績
- 3チームが並んだ場合はコイントスの勝者
2009年大会からのルール変更点
- 予選ラウンドの新設[4]。
- 過去の第1回・第2回両大会のシステムを両方共に導入。
- 第1ラウンドはダブルイリミネーション方式トーナメント戦から総当たり方式リーグ戦へと変更[5]。
- 投手の球数制限が見直され、第1回大会と同一の球数制限となった。1次ラウンドが65球(第2回大会では70球。以下同)、2次ラウンドが80球(85球)、準決勝と決勝では95球(100球)[6]。
- 投手の同日複数試合の登板禁止[7]。
- かみたばこ禁止[7]。
- ベンチとブルペン間の連絡における携帯電話の使用が可能[7]。
- 試合開始90分前の打順発表[7]。
- 決勝以外のコールドゲーム採用(準決勝もコールドゲームが採用される)[7]。
- 2009年大会はストライク判定を安定させるため球審はすべてMLB審判が務めていたが、2013年大会はNPB審判も球審を担当する[8]
予選
2013 ワールド・ベースボール・クラシック 予選 (英語:2013 World Baseball Classic Qualifiers)は、前回出場国16か国・地域の内、前回大会ベスト12を予選免除とし、前回大会ブロック最下位に終わったチャイニーズタイペイ(台湾)、カナダ、パナマ、南アフリカの4か国と、新たに参加するドイツ、スペイン、イギリス、フランス、チェコ、イスラエル、ブラジル、コロンビア、ニカラグア、ニュージーランド、フィリピン、タイの12か国、合計16か国により行われた予選である[9]。4か国ずつを一組とした4組に分け、敗者復活戦を含めた6試合を行い、各組1位の合計4か国が本大会に進む方式であった[9]。
予選ラウンドは、2012年9月19日から11月18日にかけて、ジュピター(アメリカ・フロリダ州)、レーゲンスブルク(ドイツ)、パナマシティ(パナマ)、台北(台湾)の4会場で開催された[9]。
前回出場国のチャイニーズタイペイとカナダは本選進出を決めたが、パナマと南アフリカは破れ、代わりにブラジルとスペインが新たに本選に出場することとなった[9][10]。
出場国と日程
所属連盟 | 出場国 |
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BFA | チャイニーズタイペイ、 フィリピン、 タイ |
COPABE | カナダ、 パナマ、 ニカラグア、 ブラジル、 コロンビア |
CEB | イギリス、 フランス、 ドイツ、 スペイン、 チェコ、 イスラエル |
ABSA | 南アフリカ |
BCO | ニュージーランド |
予選ラウンド | |||||||
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予選1組(9/19 - 9/23) ジュピター
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予選2組(9/20 - 9/24) レーゲンスブルク
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予選3組(11/15 - 11/19) パナマシティ
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予選4組(11/15 - 11/18) 台北
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予選ラウンド
予選1組(ジュピターラウンド)
1回戦 | 2回戦 | 本選進出決定戦 | ||||||||||
南アフリカ | 3 | |||||||||||
イスラエル | 4 | |||||||||||
第1試合(9/19 19:00) | ||||||||||||
イスラエル | 7 | |||||||||||
イスラエル | 7 | |||||||||||
第3試合(9/21 13:00) | ||||||||||||
スペイン | 8 | |||||||||||
スペイン | 2 | |||||||||||
第2試合(9/20 19:00) | ||||||||||||
フランス | 0 | |||||||||||
敗者復活1回戦 | 敗者復活2回戦 | |||||||||||
スペイン | 13 | |||||||||||
第6試合(9/23 17:00) | ||||||||||||
南アフリカ | 5 | スペイン | 9 | |||||||||
第5試合(9/22 19:00) | ||||||||||||
南アフリカ | 3 | |||||||||||
第4試合(9/21 19:00) | ||||||||||||
フランス | 2 | |||||||||||
予選2組(レーゲンスブルクラウンド)
1回戦 | 2回戦 | 本選進出決定戦 | ||||||||||
イギリス | 1 | |||||||||||
カナダ | 16 | |||||||||||
第1試合(9/20 19:00) | ||||||||||||
カナダ | 11 | |||||||||||
カナダ | 11 | |||||||||||
第4試合(9/22 19:00) | ||||||||||||
ドイツ | 16 | |||||||||||
ドイツ | 7 | |||||||||||
第2試合(9/21 19:00) | ||||||||||||
チェコ | 1 | |||||||||||
敗者復活1回戦 | 敗者復活2回戦 | |||||||||||
ドイツ | 16 | |||||||||||
第6試合(9/24 19:00) | ||||||||||||
イギリス | 12 | ドイツ | 1 | |||||||||
第5試合(9/23 14:00) | ||||||||||||
イギリス | 1 | |||||||||||
第3試合(9/22 13:00) | ||||||||||||
チェコ | 5 | |||||||||||
予選3組(パナマシティラウンド)
- 会場:パナマシティ/ロッド・カルー・スタジアム
- 試合日時はアメリカ東部時間(UTC-5)
1回戦 | 2回戦 | 本選進出決定戦 | ||||||||||
パナマ | 2 | |||||||||||
ブラジル | 7 | |||||||||||
第1試合(11/15 20:00) | ||||||||||||
ブラジル | 3 | |||||||||||
ブラジル | 1 | |||||||||||
第3試合(11/17 14:00) | ||||||||||||
コロンビア | 8 | |||||||||||
コロンビア | 1 | |||||||||||
第2試合(11/16 20:00) | ||||||||||||
ニカラグア | 1 | |||||||||||
敗者復活1回戦 | 敗者復活2回戦 | |||||||||||
コロンビア | 7 | |||||||||||
第6試合(11/19 20:00) | ||||||||||||
パナマ | 6 | パナマ | 0 | |||||||||
第5試合(11/18 19:00) | ||||||||||||
パナマ | 9 | |||||||||||
第4試合(11/17 20:00) | ||||||||||||
ニカラグア | 2 | |||||||||||
予選4組(台北ラウンド)
- 会場:台北/新荘体育場野球場
- 試合日時は台湾標準時(UTC+8)
1回戦 | 2回戦 | 本選進出決定戦 | ||||||||||
フィリピン | 8 | |||||||||||
フィリピン | 0 | |||||||||||
第1試合(11/15 11:30) | ||||||||||||
タイ | 2 | |||||||||||
チャイニーズタイペイ | 9 | |||||||||||
第4試合(11/16 18:30) | ||||||||||||
チャイニーズタイペイ | 10 | |||||||||||
チャイニーズタイペイ | 16 | |||||||||||
第2試合(11/15 18:30) | ||||||||||||
ニュージーランド | 0 | |||||||||||
敗者復活1回戦 | 敗者復活2回戦 | |||||||||||
フィリピン | 6 | |||||||||||
第6試合(11/18 19:10) | ||||||||||||
タイ | 2 | ニュージーランド | 0 | |||||||||
第5試合(11/17 18:38) | ||||||||||||
ニュージーランド | 10 | |||||||||||
第3試合(11/16 11:30) | ||||||||||||
ニュージーランド | 12 | |||||||||||
予選結果
出場国と日程出場国は前回大会ベスト12で予選免除となった12か国・地域と、予選から本大会に進出した4か国・地域の、合計16か国・地域。予選免除12か国・地域は3大会連続3回目の出場となる。
本大会の進行
第1ラウンドA組(福岡ラウンド)詳細は「2013 ワールド・ベースボール・クラシック A組」を参照
B組(台中ラウンド)詳細は「2013 ワールド・ベースボール・クラシック B組」を参照
C組(サンフアンラウンド)詳細は「2013 ワールド・ベースボール・クラシック C組」を参照
D組(フェニックスラウンド)詳細は「2013 ワールド・ベースボール・クラシック D組」を参照
第2ラウンド1組(東京ラウンド)詳細は「2013 ワールド・ベースボール・クラシック 1組」を参照
2組(マイアミラウンド)詳細は「2013 ワールド・ベースボール・クラシック 2組」を参照
準決勝・決勝(サンフランシスコラウンド)詳細は「2013 ワールド・ベースボール・クラシック 決勝トーナメント」を参照
最終成績
表彰選手
2013年大会開催までの主な出来事
第3回大会の傾向と問題点ビジネス面における第2回大会からの前進WBC主催者である大リーグ機構のブロスナン上級副社長は「文句なしに、ホームラン級の大成功」と今大会を総括した。観客動員88万5212人は前回を約8万人上回る史上最多。これに加え、ライセンス利用額、視聴者数、スポンサーシップ販売額、ソーシャルメディア利用数、すべてで前回大会の数字を上回る結果となった。今大会では公式のフェイスブックとツイッターを開設し、フェイスブックでは100万近いコメントやシェア等があり、ツイッターでも20万回以上のリツイートがされ、デジタルメディアでのアピールにも成功した。初の1次ラウンド地元開催となった台湾では、チャイニーズタイペイ代表の試合が開催球場史上最多の超満員になるなど盛り上がった。予選においては、多くの初招待国が生まれ、各国にWBC参加による影響を与えることになった。なかでも、野球よりもソフトボールが主流なニュージーランドでは、野球に転向するソフトボール選手も現れるほどであった。またWBC初となる欧州でのラウンドを開催(ドイツ)、今大会でのオランダやイタリアの躍進もあり、今後の欧州への関わりも注目される。一方、日本で開催された福岡ラウンドでは、地元の日本代表の試合でも高額なチケットからか空席が目立った。また各ラウンドの地元代表以外の試合も依然として空席が目立つことが多く、これらの観客動員をいかに伸ばしていくかが今後の課題の一つである。[46][47] 各国での盛り上がり台湾は念願であった第1ラウンドの地元開催となったこともあり、開催球場では開場以来最多の観客が集まるほどに盛り上がった。そして地元の熱い声援に押されるように台湾代表は初の2次ラウンド進出を決め、国内での話題も沸騰、東京で開催された2次ラウンドのチャイニーズタイペイ対日本戦には多くの台湾ファンが応援に駆けつけ、またこの試合の台湾国内での平均視聴率は台湾のケーブルテレビ放送史上最高の15.47%を記録、2300万人の総人口の半分を超える1200万人が観戦したと見られている。日本国内でも日本戦は高視聴率を記録、チャイニーズタイペイ対日本戦では0時前に試合が終了する長丁場であったにも関わらず、満員の観客のほとんどが最後まで観戦するほどの盛り上がりであった。初めて準決勝に進出したオランダ代表の躍進も地元有力紙で大きくとりあげられた。準決勝のプエルトリコ対日本戦では、プエルトリコ国内の複数の放送局で中継され計74%という視聴率を記録した。決勝のプエルトリコ対ドミニカ共和国戦も、ドミニカでは過去10年のスポーツ中継で最高の視聴率、プエルトリコも過去1年のスポーツ中継で最高の視聴率を記録した。[46][48][49] 同一試合の多さの改善と得失点率の問題今大会は1次ラウンドを前回のダブルエリミネーションから、第1回大会で採用した総当たり戦に戻した。その結果、前回大会のように同一チーム間の対戦が最大5回(第1・第2ラウンドに2回ずつと、決勝ラウンド)という事態は回避された。勝敗が並んだ場合は当該チーム同士の得失点率差(「攻撃イニング当たりの得点」と「守備イニング当たりの失点」の差)で順位を決める方式に変更した。これについて、得失点率で2次ラウンドに進出できなかった韓国国内からは「サッカーと違って野球で得失点差で順位を決めるべきではない」、事前に2次ラウンド進出に必要な点差が分かってしまうことに対し「WBCもサッカーW杯予選の最終試合のように別会場で2試合同時進行で試合をすべき」などの批判の声があがった。 大会初の乱闘1次ラウンドD組第4試合のカナダ対メキシコ戦において、WBC大会史上初の乱闘が発生した。発端はカナダが6点リードで迎えた9回表、先頭打者クリス・ロビンソンが決めた三塁バント安打である。すると、メキシコの投手アーノルド・レオンは次打者レーン・トソニに対し2球連続で内角攻めを行い、球審により警告試合を宣告されるも、これを無視する形で直後の3球目に故意死球を与え、両チームの選手コーチが入り乱れる大乱闘に発展。両チーム合わせて7人の退場者を出した。また、興奮したメキシコファンがグラウンドに投げたペットボトルがカナダの投手コーチの顔面を直撃する事態も起きた。[50][51] テレビ・ラジオ放送日本国内での放送地上波テレビ放送ではTBS系列、テレビ朝日系列にて3大会連続で中継放送した[52][53] 。今大会は前大会と異なり、全てのラウンドでTBSとテレビ朝日が混在して放送した。 BSテレビ放送ではJ SPORTSがBS放送開始1周年を記念して、本大会全39試合と日本国内で開催される強化試合全8試合の計47試合を完全生中継で放送する予定[54]。WBC全試合を完全生中継するのは3大会連続(過去2大会はCSテレビ放送として)。後日、2月17日に開催される侍ジャパン強化試合、対広島戦を独占生中継で放送する予定が追加された。 ラジオ放送ではニッポン放送が第1ラウンドの日本対キューバ戦および第2ラウンドと決勝ラウンドの日本戦を、TBSラジオが第2ラウンドの日本戦を中継した[55]。
日本国外での放送MP&SILVA社がアメリカ、カナダ、プエルトリコ、日本を除く世界の放映権(地上波、衛星、ケーブル、IPテレビ、ネット、モバイル)を獲得している[56]。 アメリカでは2013年大会および2017年大会の英語中継の全試合放映権をMLBネットワークが獲得している[57]。 ESPNは、2013年大会および2017年大会のスペイン語中継の全試合放映権を獲得、スペイン語放送専門局である「ESPN Deportes」と「ESPN Deportes+」にて放送される。他に、「ESPN」と「ESPN2」において選択した試合のスペイン語中継放映権、「ESPN Radio」(英語ラジオ)と「ESPN Deportes Radio」(スペイン語ラジオ)において許可される範囲でのテレビ放送との同時放送権、ESPNの番組「ベースボールトゥナイト」と「スポーツセンター」での大会ハイライト放映権、2017年大会予選の権利等も獲得している[58]。 韓国ではJTBCがMP&SILVAより放映権を獲得している[59]。 大会主催・スポンサー主催:ワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI) グローバルパートナー:デルタ航空、ブランドUSA(DiscoverAmerica.com)、コナミ、メットライフ(日本国内では日本法人のメットライフアリコ表記) トーナメントブラケット提供:サブウェイ 各ラウンド主催・スポンサー
脚注注釈出典
参考文献
外部リンク
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