2010年のマレーシアグランプリ (ロードレース)

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マレーシアの旗   2010年のマレーシアグランプリ
レース詳細
2010年のロードレース世界選手権 全18戦中第15戦
決勝日 2010年10月10日
開催地 セパン・インターナショナル・サーキット
開催コース 常設サーキット
5.543km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ
2:01.537 2:02.117
表彰台
1. イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ
2. イタリアの旗 アンドレア・ドヴィツィオーゾ 3. スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 フリアン・シモン スペインの旗 フリアン・シモン
2:08.562 2:08.691
表彰台
1. イタリアの旗 ロベルト・ロルフォ
2. サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス 3. イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 マルク・マルケス スペインの旗 マルク・マルケス
2:13.398 2:13.773
表彰台
1. スペインの旗 マルク・マルケス
2. スペインの旗 ポル・エスパルガロ 3. スペインの旗 ニコラス・テロル


2010年のマレーシアグランプリは、ロードレース世界選手権2010年シーズン第15戦として、10月8日から10日までマレーシアセパン・インターナショナル・サーキットで開催された。この年のレースでは、MotoGPクラスとMoto2クラスでライダーズチャンピオンが確定した。

概要[編集]

125ccクラス[編集]

125ccクラス予選では、ポイントランキング2位につけるマルク・マルケスが3戦連続・シーズン10度目となるポールポジションを獲得した[1]

日曜日の決勝レースは、序盤はマルケス、ニコラス・テロルポル・エスパルガロのポイントランキング上位3人によりトップ争いが展開されたが、中盤以降はマルケスが徐々に差を広げ、最後はエスパルガロに2.341秒、テロルに3.656秒差を付けてシーズン8勝目を挙げた。これでマルケスがポイントリーダーの座に返り咲き、テロルが3ポイント、エスパルガロが12ポイント差で追う状況となり、チャンピオン獲得の可能性はこの3人に絞られた[2]

Moto2クラス[編集]

Moto2クラスでは、ポイントリーダーのトニ・エリアスがランキング2位のフリアン・シモンに81ポイント差を付けて今回のグランプリに臨んでおり、エリアスは2位以上でフィニッシュすれば無条件でチャンピオン獲得という状況となった。土曜日の予選ではシモンが2戦連続・シーズン3度目のポールポジションを獲得、以下アレックス・デ・アンジェリストーマス・ルティと続き、エリアスは4番グリッドからのスタートとなった[3]

決勝レースではシモンが4位走行中の6周目にハイサイドで体勢を崩して8位まで落ち、さらに8周目には転倒を喫してポイント圏外の22位にまで転落した。これでエリアスのタイトルはほぼ確定的となった。

トップ争いは中盤まではアンドレア・イアンノーネがリードしていたが、12周目にロベルト・ロルフォがトップに立つと、デ・アンジェリスの追撃を僅差で抑えきって2004年スペインGP(250cc)以来6年5ヶ月ぶりとなるグランプリ4勝目、Moto2クラス初優勝を遂げた。

エリアスは4位でフィニッシュ、シモンとのポイント差を94に広げ、3戦を残してMoto2クラス初代王者、自身初のワールドチャンピオンに輝いた[4]。またこれはシャシー供給元のモリワキにとっても初の世界タイトル、所属するグレシーニ・レーシングにとっては2001年加藤大治郎(250cc)以来2人目のチャンピオン輩出となった。

MotoGPクラス[編集]

MotoGPクラスではポイントリーダーのホルヘ・ロレンソを逆転する可能性のある唯一のライダー、ダニ・ペドロサ前戦日本GPフリー走行での鎖骨骨折により今回も欠場することとなり、ロレンソは他者の順位に係わらず9位以上でのフィニッシュがタイトル獲得の条件となった[5]。土曜日の予選ではそのロレンソがシーズン6度目となるポールポジションを獲得、2番グリッドにはドゥカティ移籍後ベストグリッドとなるニッキー・ヘイデンが続いた[6]

日曜日の決勝レースはロレンソ、バレンティーノ・ロッシアンドレア・ドヴィツィオーゾの3台によるトップ争いが展開された。序盤はロレンソが先頭をキープしていたが、9周目にはドヴィツィオーゾがトップに立つ。ロッシはスタートに失敗し9番手で1周目を終えたがそこから追い上げを見せ、10周目には2位ロレンソをオーバーテイク、次の周にはドヴィツィオーゾを抜いてトップに立ち、開幕戦カタールGP以来となるシーズン2勝目を挙げた。これはロッシにとって、ヤマハ・チームでの46勝目となった[7]

ロレンソはロッシから6.035秒差の3位に入り、自身初のMotoGPクラスワールドチャンピオンに輝いた。スペイン人の最高峰クラスチャンピオンとしては1999年アレックス・クリビーレ以来の史上2人目となった。ウィニングランの途中でロレンソはマリオルイージの格好をした2人から祝福を受け、"GAME OVER"と書かれたパネルを掲げ、チャンピオン争いが終わったことをアピールした[8]

インターウェッテン・ホンダ青山博一は予選14番手、スタートでの他車との接触で最後尾にまで落ちるが、好タイムを連発し4位争いの集団に追いつく。終盤はマルコ・シモンチェリと何度も接触する激しいバトルを制し、ここまでの自己ベストリザルトとなる7位でフィニッシュを果たした[9]

MotoGPクラス決勝結果[編集]

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 46 イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ ヤマハ 20 41:03.448 6 25
2 4 イタリアの旗 アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 20 +0.224 3 20
3 99 スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 20 +6.035 1 16
4 11 アメリカ合衆国の旗 ベン・スピーズ ヤマハ 20 +13.676 4 13
5 19 スペインの旗 アルバロ・バウティスタ スズキ 20 +15.402 8 11
6 69 アメリカ合衆国の旗 ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 20 +18.826 2 10
7 7 日本の旗 青山博一 ホンダ 20 +20.218 14 9
8 58 イタリアの旗 マルコ・シモンチェリ ホンダ 20 +23.574 11 8
9 33 イタリアの旗 マルコ・メランドリ ホンダ 20 +23.964 10 7
10 14 フランスの旗 ランディ・ド・プニエ ホンダ 20 +31.850 13 6
11 40 スペインの旗 エクトル・バルベラ ドゥカティ 20 +38.579 15 5
12 36 フィンランドの旗 ミカ・カリオ ドゥカティ 20 +38.849 16 4
NC 5 アメリカ合衆国の旗 コーリン・エドワーズ ヤマハ 14 +6 Laps 7
Ret 41 スペインの旗 アレックス・エスパルガロ ドゥカティ 6 アクシデント 12
Ret 65 イタリアの旗 ロリス・カピロッシ スズキ 4 棄権 9
Ret 27 オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー ドゥカティ 0 アクシデント 5

Moto2クラス決勝結果[編集]

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 44 イタリアの旗 ロベルト・ロルフォ スッター 19 41:09.412 5 25
2 15 サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス モトビ 19 +0.040 2 20
3 29 イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ スピードアップ 19 +5.915 6 16
4 24 スペインの旗 トニ・エリアス モリワキ 19 +6.322 4 13
5 6 スペインの旗 アレックス・デボン FTR 19 +11.912 10 11
6 17 チェコの旗 カレル・アブラハム FTR 19 +12.458 7 10
7 65 ドイツの旗 ステファン・ブラドル スッター 19 +12.519 22 9
8 77 スイスの旗 ドミニク・エガーター スッター 19 +12.589 11 8
9 16 フランスの旗 ジュール・クルーセル スッター 19 +15.010 13 7
10 3 イタリアの旗 シモーネ・コルシ モトビ 19 +16.707 39 6
11 55 スペインの旗 エクトル・ファウベル スッター 19 +20.179 17 5
12 25 イタリアの旗 アレックス・バルドリーニ ICP 19 +20.462 14 4
13 68 コロンビアの旗 ヨニー・エルナンデス BQR 19 +21.638 27 3
14 56 オーストリアの旗 ミハエル・ランセデール スッター 19 +22.388 9 2
15 71 イタリアの旗 クラウディオ・コルティ スッター 19 +24.512 12 1
16 14 タイ王国の旗 ラタパー・ウィライロー ビモータ 19 +26.366 23
17 80 スペインの旗 アクセル・ポンス ポンス カレックス 19 +30.730 24
18 9 アメリカ合衆国の旗 ケニー・ノエス プロモハリス 19 +31.080 25
19 10 スペインの旗 フォンシ・ニエト モリワキ 19 +32.239 16
20 53 フランスの旗 バレンティン・デビーズ ADV 19 +33.804 29
21 60 スペインの旗 フリアン・シモン スッター 19 +39.448 1
22 87 マレーシアの旗 Mohamad Zamri Baba モリワキ 19 +46.031 31
23 5 スペインの旗 ホアン・オリベ プロモハリス 19 +47.257 28
24 8 オーストラリアの旗 アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 19 +50.058 26
25 28 日本の旗 渡辺一樹 スッター 19 +50.830 32
26 63 フランスの旗 マイク・ディ・メッリオ スッター 19 +51.971 19
27 39 ベネズエラの旗 ロベルティーノ・ピエトリ スッター 19 +59.155 34
28 66 日本の旗 國川浩道 ビモータ 19 +1:16.759 38
29 95 カタールの旗 マシェル・アル・ナイミ BQR 19 +1'43.949 37
Ret 2 ハンガリーの旗 ガボール・タルマクシ スピードアップ 13 アクシデント 15
Ret 45 イギリスの旗 スコット・レディング スッター 13 棄権 8
Ret 40 スペインの旗 セルヒオ・ガデア ポンス カレックス 13 棄権 21
Ret 35 イタリアの旗 ラファエレ・デ・ロサ テック3 10 棄権 20
Ret 72 日本の旗 高橋裕紀 テック3 8 アクシデント 18
Ret 12 スイスの旗 トーマス・ルティ モリワキ 7 アクシデント 3
Ret 61 ウクライナの旗 ウラジミール・イワノフ モリワキ 6 アクシデント 33
Ret 46 スペインの旗 ハビエル・フォレス ビモータ 6 棄権 30
Ret 70 イタリアの旗 フェルッチオ・ランボルギーニ モリワキ 6 棄権 36
Ret 88 スペインの旗 ヤンニック・ゲーラ モリワキ 1 アクシデント 35

125ccクラス決勝結果[編集]

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 93 スペインの旗 マルク・マルケス デルビ 18 40:29.035 1 25
2 44 スペインの旗 ポル・エスパルガロ デルビ 18 +2.341 4 20
3 40 スペインの旗 ニコラス・テロル アプリリア 18 +3.656 3 16
4 7 スペインの旗 エフレン・バスケス デルビ 18 +6.780 5 13
5 38 イギリスの旗 ブラッドリー・スミス アプリリア 18 +7.133 2 11
6 11 ドイツの旗 サンドロ・コルテセ デルビ 18 +7.297 6 10
7 12 スペインの旗 エステベ・ラバト アプリリア 18 +26.648 7 9
8 39 スペインの旗 ルイス・サロム アプリリア 18 +29.339 8 8
9 71 日本の旗 小山知良 アプリリア 18 +29.339 9 7
10 35 スイスの旗 ランディ・クルメナッハ アプリリア 18 +29.365 10 6
11 14 フランスの旗 ヨハン・ザルコ アプリリア 18 +36.329 11 5
12 23 スペインの旗 アルベルト・モンカヨ アプリリア 18 +37.545 14 4
13 26 スペインの旗 アドリアン・マルティン アプリリア 18 +51.262 15 3
14 84 チェコの旗 ヤコブ・コーンフェール アプリリア 18 +54.634 19 2
15 78 ドイツの旗 マルセル・シュロッター ホンダ 18 +54.635 18 1
16 63 マレーシアの旗 ズルファミ・カイルディン アプリリア 18 +58.581 22
17 69 フランスの旗 ルイ・ロッシ アプリリア 18 +1:15.218 17
18 72 イタリアの旗 マルコ・ラバイオリ ランブレッタ 18 +1:15.595 23
19 96 イタリアの旗 トマソ・ガブリエリ アプリリア 18 +2:00.178 26
Ret 99 イギリスの旗 ダニー・ウェブ アプリリア 11 アクシデント 12
Ret 52 イギリスの旗 ダニー・ケント ランブレッタ 11 棄権 13
Ret 53 オランダの旗 ジャスパー・イウェマ アプリリア 7 棄権 24
Ret 50 ノルウェーの旗 ストゥーラ・ファーガーハウグ アプリリア 6 棄権 21
Ret 15 イタリアの旗 シモーネ・グロツキー アプリリア 5 アクシデント 16
Ret 87 イタリアの旗 ルカ・マルコーニ アプリリア 5 棄権 25
Ret 32 イタリアの旗 ロレンツォ・サヴァドーリ アプリリア 3 棄権 20
DNS 94 ドイツの旗 ジョナス・フォルガー アプリリア スタートせず 27

脚注[編集]

参考文献[編集]


前戦
2010年の日本グランプリ
ロードレース世界選手権
2010年シーズン
次戦
2010年のオーストラリアグランプリ
前回開催
2009年のマレーシアグランプリ
マラヤ連邦の旗 マレーシアグランプリ 次回開催
2011年のマレーシアグランプリ