2000-2001シーズンのNBA

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2000-2001シーズンのNBA
ロサンゼルス・レイカーズ 
期間 2000年10月31日-2001年6月15日
TV 放送 NBC, TBS
観客動員数 19,956,002人
サラリーキャップ 3550万ドル
平均サラリー 420万ドル
ドラフト
レギュラーシーズン
トップシード サンアントニオ・スパーズ
MVP アレン・アイバーソン
スタッツリーダー  
  得点 アレン・アイバーソン
チーム平均得点 94.8得点
プレーオフ
 イースタン  優勝 フィラデルフィア・76ers
   ミルウォーキー・バックス
ファイナル
 チャンピオン  ロサンゼルス・レイカーズ
ファイナルMVP シャキール・オニール
1999-2000

2000-2001シーズンのNBAは、NBAの55回目のシーズンである。2000年10月31日から始まり、2001年6月15日に全日程が終了した。

シーズン前

ドラフト

この年のドラフトはリーグ史の中でも有数の不作の年と言われている。2008年現在オールスターに出場経験があるのはニュージャージー・ネッツから全体1位指名を受けたケニオン・マーティンジャマール・マグロアマイケル・レッドの3人のみであり、また現在NBAでプレイしていない選手が大半を占めている。他にマイク・ミラージャマール・クロフォードヒド・ターコルーデズモンド・メイソンクエンティン・リチャードソンモリス・ピーターソン、らがNBA入りを果たした。

 詳細は2000年のNBAドラフトを参照

主な移籍

チーム 獲得(移籍元) 放出(移籍先)
マイアミ・ヒート アンソニー・メイスン (CHH)

エディー・ジョーンズ (CHH)

ジャマール・マッシュバーン (CHH)

P・J・ブラウン (CHH)

ボション・レナード (DEN])

クラレンス・ウェザースプーン (CLE)

ニューオーリンズ・ホーネッツ ジャマール・マッシュバーン (CHH)

P・J・ブラウン (CHH)

アンソニー・メイスン (MIA)

エディー・ジョーンズ (MIA)

ブラッド・ミラー (CHI)

シカゴ・ブルズ ロン・マーサー (ORL)

ブラッド・ミラー (CHH)

ジャマール・クロフォード (CLE・新人)

ジョン・スタークス (UTA)

クリス・ミーム (CLE・新人)

クリーブランド・キャバリアーズ クラレンス・ウェザースプーン (MIA)

クリス・ミーム (CHI・新人)

マット・ハープリング (ORL)

ジャマール・クロフォード (CLE・新人)

ショーン・ケンプ (POR)

オーランド・マジック グラント・ヒル (DET)

トレイシー・マグレディ (TOR)

チャッキー・アトキンス (DET)

ベン・ウォーレス (DET)

チャンシー・ビラップス (MIN)

ロン・マーサー (CHI)

マット・ハープリング (CLE)

コーリー・マゲッティ (LAC)

デトロイト・ピストンズ チャッキー・アトキンス (ORL)

ベン・ウォーレス (ORL)

チャッキー・アトキンス (ORL)

ベン・ウォーレス (ORL)

クリスチャン・レイトナー (DAL)

リンジー・ハンター (MIL)

インディアナ・ペイサーズ ジャーメイン・オニール (POR) デイル・デイビス (POR)

マーク・ジャクソン (TOR)

クリス・マリン (GSW)

リック・スミッツ (引退)

ニューヨーク・ニックス グレン・ライス (LAL) パトリック・ユーイング (SEA)
ヒューストン・ロケッツ チャールズ・バークレー (引退)
ユタ・ジャズ ジョン・スタークス (CHI) ジェフ・ホーナセック (引退)
ゴールデンステート・ウォリアーズ ダニー・フォートソン (BOS)

クリス・マリン (IND)

テリー・カミングス (引退)
ロサンゼルス・レイカーズ ホーレス・グラント (SEA)

アイザイア・ライダー (ATL)

グレン・ライス (NYN)
サクラメント・キングス ボビー・ジャクソン (MIN) コーリス・ウィリアムソン (TOR)

レギュラーシーズン

オールスター

シーズン中の移籍

その他

イースタン・カンファレンス

アトランティック・ディビジョン

順位 チーム 勝敗 得点王(avg) リバウンド王(avg) アシスト王(avg) ヘッドコーチ
1 フィラデルフィア・76ers 56-26 A.アイバーソン(31.1) D.ムトンボ(13.5) E.スノウ(7.4) L.ブラウン
2 マイアミ・ヒート 50-32 E.ジョーンズ(17.4) A.メイスン(9.6) T.ハーダウェイ(6.3) P.ライリー
3 ニューヨーク・ニックス 48-34 A.ヒューストン(18.7) M.キャンビー(11.5) M.ジャクソン(8.0) J.ヴァンガンディ

D.チャイニー

4 オーランド・マジック 43-39 T.マグレディ(26.8) B.アウトロー(7.7) D.アームストロング(7.0) D.リバース
5 ボストン・セルティックス 36-46 P.ピアース(25.3) A.ウォーカー(8.9) A.ウォーカー(5.5) P.ピティーノ

J.オブライエン

6 ニュージャージー・ネッツ 26-56 S.マーブリー(23.9) K.マーティン(7.4) S.マーブリー(7.6) B.スコット*
7 ワシントン・ウィザーズ 19-63 R.ハミルトン(18.1) J.ホワイト(7.7) C.ホイットニー(4.2) L.ハミルトン*†

※(*=新任のヘッドコーチ †=シーズン終了後解任されたヘッドコーチ)

  • 76ersはアレン・アイバーソンや途中加入したディケンベ・ムトンボらの活躍で11年ぶりに地区優勝を遂げた。
  • オフに選手の大幅な入れ替えを行ったヒートとマジックは、シーズン前半に連敗を繰り返したが後半には持ち直し、それぞれ前季とほぼ同水準の勝率を収め、マジックは1シーズンぶりにプレーオフに復帰した。

セントラル・デビジョン

順位 チーム 勝敗 得点王(avg) リバウンド王(avg) アシスト王(avg) ヘッドコーチ
1 ミルウォーキー・バックス 52-30 R.アレン(22.0) A.ジョンソン(7.5) S.キャセール(7.6) J.カール
2 トロント・ラプターズ 47-35 V.カーター(27.6) A.デイビス(10.1) A.ウィリアムス(5.0) L.ウィルケンズ*
3 シャーロット・ホーネッツ 46-36 E.ジョーンズ(20.1) D.コールマン(8.5) D.ウェズリー(5.6) P.サイラス
4 インディアナ・ペイサーズ 42-40 J.ローズ(20.5) J.オニール(9.8) T.ベスト(6.1) I.トーマス
5 デトロイト・ピストンズ 32-50 J.スタックハウス(29.8) B.ウォーレス(13.2) J.スタックハウス(5.1) J.アーバイン
6 クリーブランド・キャバリアーズ 25-57 J.テリー(19.7) R.ライト(7.5) B.ナイト(5.9) R.ウィットマン
7 アトランタ・ホークス 33-49 SA.ラヒーム(21.7) SA.ラヒーム(9.0) J.テリー(5.7) R.クルーガー*
8 シカゴ・ブルズ 15-67 E.ブランド(20.1) E.ブランド(10.1) B.ドリュー(3.9) T.フロイド

ウエスタン・カンファレンス

ミッドウエスト・デビジョン

順位 チーム 勝敗 得点王(avg) リバウンド王(avg) アシスト王(avg) ヘッドコーチ
1 サンアントニオ・スパーズ 58-24 T.ダンカン(22.2) T.ダンカン(12.2) A.ジョンソン(4.3) G.ポポヴィッチ
2 ダラス・マーベリックス 53-29 D.ノビツキー(21.8) D.ノビツキー(9.2) S.ナッシュ(7.3) D.ネルソン
3 ユタ・ジャズ 53-29 K.マローン(23.2) K.マローン(8.3) J.ストックトン(8.7) J.スローン
4 ミネソタ・ティンバーウルブズ 47-35 K.ガーネット(22.0) K.ガーネット(11.4) T.ブランドン(7.5) F.サンダース
5 ヒューストン・ロケッツ 45-37 S.フランシス(19.9) K.トーマス(7.4) S.フランシス(6.5) L.トムジャノビッチ
6 デンバー・ナゲッツ 40-42 A.マクダイス(20.8) A.マクダイス(12.1) N.V.エクセル (8.5) D.イッセルJバズデリック
7 バンクーバー・グリズリーズ 23-59 S.A.ラヒーム(20.5) S.A.ラヒーム(9.1) M.ビビー(8.4) S.ロウ*
  • スパーズはリーグ首位の勝率を収めた。そのスパーズと同じテキサス州に本拠地を置くマーベリックスは、ダーク・ノビツキースティーブ・ナッシュが急成長を見せ、大幅に勝ち星を増やして11シーズンぶりにプレーオフに進出した。大黒柱のマイケル・フィンリーを加えた彼らはビッグスリーと呼ばれるようになった。
  • 前季7シーズンぶりにプレーオフ進出を逃したロケッツは、勝率を5割以上に復帰させるもプレーオフには後一歩届かなかった。
  • ナゲッツはここ6シーズンでは最も良い成績を残し、来季に望みを繋いだ。

パシフィック・デビジョン

順位 チーム 勝敗 得点王(avg) リバウンド王(avg) アシスト王(avg) ヘッドコーチ
1 ロサンゼルス・レイカーズ 56-26 S.オニール(28.7) S.オニール(12.7) K.ブライアント(5.0) Pジャクソン
2 サクラメント・キングス 55-27 C.ウェバー(27.1) C.ウェバー(11.1) ジェソン・ウィリアムス(5.4) R.アデルマン
3 フェニックス・サンズ 51-31 S.マリオン(17.3) S.マリオン(10.7) J.キッド(9.8) S.スカイルズ
4 ポートランド・トレイルブレイザーズ 50-32 R.ウォーレス(19.2) R.ウォーレス(7.8) D.スタウダマイアー(5.7) M.ダンリービー
5 シアトル・スーパーソニックス 44-38 G.ペイトン(23.1) P.ユーイング(7.4) G.ペイトン(8.1) P.ウェストファル

N.マクミラン

6 ロサンゼルス・クリッパーズ 31-51 L.オドム(17.2) L.オドム(7.8) J.マッキニス(5.5) A.ジェントリー*
7 ゴールデンステート・ウォリアーズ 17-65 A.ジェイミソン(24.9) A.ジェイミソン(8.7) M.ブレイロック(6.7) D.コーウェンス*
  • 連覇を目指すレイカーズはコービー・ブライアントシャキール・オニールの欠場が影響して、67勝した前季より大幅に勝率を落とすが、それでもデビジョン首位は維持した。
  • パシフィック・デビジョン2強の一角であったトレイルブレイザーズに代わって、キングスが台頭を見せる。
  • スーパーソニックスはシーズン終盤に追い上げを見せるが、ロケッツ同様に勝率5割以上の成績を残しながらもプレーオフ進出はならなかった。
  • 平均失点で2シーズン連続リーグワースト1位となったウォリアーズは、シーズン中に11連敗以上を2度記録し、カンファレンス最下位となった。

スタッツ

チームスタッツ

# 平均得点トップ3 平均得点ワースト3 平均失点トップ3 平均失点ワースト3
チーム avg チーム avg チーム avg チーム avg
1 サクラメント・キングス 101.7 シカゴ・ブルズ 87.6 ニューヨーク・ニックス 86.1 ゴールデンステート・ウォリアーズ 101.5
2 ミルウォーキー・バックス 100.7 ニューヨーク・ニックス 88.7 マイアミ・ヒート 88.6 ワシントン・ウィザーズ 99.9
3 ロサンゼルス・レイカーズ 100.6 マイアミ・ヒート 88.9 サンアントニオ・スパーズ 88.4 デンバー・ナゲッツ 99.0

スタッツリーダー

# 得点 リバウンド アシスト スティール
選手名 avg 選手名 avg 選手名 avg 選手名 avg
1 アレン・アイバーソン PHI 31.1 ディケンベ・ムトンボ PHI 13.5 ジェイソン・キッド NJN 9.8 アレン・アイバーソン PHI 2.5
2 ジェリー・スタックハウス DET 29.8 ベン・ウォーレス DET 13.2 ジョン・ストックトン UTA 8.7 ムーキー・ブレイロック GSW 2.4
3 シャキール・オニール LAL 28.7 シャキール・オニール LAL 12.7 ニック・バン・エクセル DEN 8.5 ダグ・クリスティ SAC 2.3

※ディケンベ・ムトンボは2年連続2度目のリバウンド王。ジェイソン・キッドは3年連続3度目のアシスト王。

# ブロックショット FG成功率 3P成功率 FT成功率
選手名 avg 選手名 % 選手名 % 選手名 %
1 テオ・ラトリフ PHI 3.7 シャキール・オニール LAL 57.2 ブレント・バリー SEA 47.6 レジー・ミラー IND 91.1
2 ジャーメイン・オニール IND 2.8 ボンジ・ウェルズ POR 53.3 ジョン・ストックトン UTA 46.2 リチャード・ハミルトン SEA 89.0
3 ショーン・ブラッドリー DAL 2.8 マーカス・キャンビー NYN 52.4 シャモンド・ウィリアムス SEA 45.9 ダレル・アームストロング DAL 88.8

個人タイトル

※76ersが主要部門4冠を達成し、またイースタンのチームが主要6部門を独占した。

  • オールNBAチーム
ファーストチーム セカンドチーム サードチーム
F ティム・ダンカン SAS ケビン・ガーネット MIN カール・マローン UTA
F クリス・ウェバー SAC ヴィンス・カーター TOR ダーク・ノビツキー DAL
C シャキール・オニール LAL ディケンベ・ムトンボ PHI デビッド・ロビンソン SAS
G アレン・アイバーソン PHI コービー・ブライアント LAL ゲイリー・ペイトン SEA
G ジェイソン・キッド NJN トレーシー・マグレディ ORL レイ・アレン MIL

※クリス・ウェバーは初の1stチーム入り。トレーシー・マグレディ、ダーク・ノビツキー、レイ・アレンは初のオールNBAチーム入り。

  • オールディフェンシブチーム
ファーストチーム セカンドチーム
F ティム・ダンカン SAS ブルース・ボウエン SAS
F ケビン・ガーネット MIN P・J・ブラウン CHH
C ディケンベ・ムトンボ PHI シャキール・オニール LAL
G ジェイソン・キッド NJN コービー・ブライアント LAL
G ゲイリー・ペイトン MIL ダグ・クリスティ SAC

※ダグ・クリスティ、ブルース・ボウエンは初のディフェンスチーム入り。

  • オールルーキーチーム
ファーストチーム セカンドチーム
マイク・ミラー ORL ヘド・ターコルー SAC
ケニオン・マーティン NJN デズモンド・メイソン SEA
マーク・ジャクソン GSW コートニー・アレクサンダー WAS
ミカエル・ピートラス TOR マーカス・ファイザー CHI
ダリウス・マイルズ LAC クリス・ミーム CLE

プレーオフ

イースタン・カンファレンス

ファーストラウンド カンファレンスセミファイナル カンファレンスファイナル
         
1 フィラデルフィア・76ers 3
8 インディアナ・ペイサーズ 1
1 76ers 4
5 ラプターズ 3
5 トロント・ラプターズ 3
4 ニューヨーク・ニックス 2
1 76ers 4
2 バックス 3
3 マイアミ・ヒート 0
6 シャーロット・ホーネッツ 3
6 ホーネッツ 3
2 バックス 4
7 オーランド・マジック 1
2 ミルウォーキー・バックス 3
  • 第1シード対第8シードのシリーズだった76ers対ペイサーズ第1戦では、残り1.9秒、ペイサーズが1点ビハインドの中、レジー・ミラーが逆転の3Pシュートを決めた。ペイサーズが先に1勝をあげたがその後76ersが3連勝し、プレーオフでは2年連続で敗れているペイサーズにリベンジを果たした。
  • ヒート対ホーネッツのシリーズは、シーズン前に大型トレードを行った相手同士の戦いだった。ホーネッツは不遇のヒート時代を過ごしたジャマール・マッシュバーンが中心となり、上位シードのヒート相手にホーネッツはチーム史上初めて3戦全勝スウィープで大番狂わせを果たした。
  • ラプターズはプレーオフ初勝利を飾ると共に、ニックスを降して初のカンファレンス準決勝に駒を進めた。
  • カンファレンス準決勝、76ers対ラプターズはアレン・アイバーソンヴィンス・カーターの当時を代表するエース同士の対決となった。第1戦は、またしても第1シードであり、ホームコートアドバンテージを持つ76ersが落としてしまったが、第2戦では76ersのエース、アイバーソンが56得点と爆発し勝敗をタイに戻すと、ラプターズのホームに移った第3戦ではラプターズのエース、カーターが50得点を記録し、再び2勝1敗とリードを奪った。第4戦は76ersが勝利、続く第5戦はアイバーソンが52得点を記録して2連勝を飾り、シリーズに王手を掛けた。後がなくなったラプターズは第4戦、第5戦と精彩を欠いたカーターが36得点と奮起し、3勝3敗のタイに戻してシリーズの行方を第7戦に委ねた。第7戦は接戦の末に88-87で76ersがものにし、激戦となったシリーズを制してカンファレンス決勝に駒を進めた。ラプターズは、この試合の直前に大学の卒業式に出席していたカーターの行動が批判された。
  • バックスは1989年以来のカンファレンス準決勝に駒を進め、準決勝では波に乗るホーネッツと対決。第2戦では第4Qにホーネッツのメンバーがコートに4人しかおらず、テクニカルファウルを貰うという珍事が発生している。シリーズは下位シードのホーネッツが2連敗のあと3連勝し、再び大番狂わせを演じるかに思われたが、バックスがその後2連勝して1984年以来となるカンファレンス決勝に進出した。
  • カンファレンス決勝では76ersのアレン・アイバーソンのレギュラーシーズンから引きずる故障が悪化するアクシデントが発生。第3戦ではついに戦列から退いた。シリーズはバックスが2勝1敗とリードするが、第4戦にはアイバーソンが満身創痍ならも復帰し、76ersは2連勝を飾る。後がなくなったバックスは第6戦でレイ・アレンが41得点の活躍で勝利し、両チームにとって2シリーズ連続となる第7戦に突入した。最後は76ersの手負いのエース、アレン・アイバーソンが44得点を記録し、76ersに軍配があがった。76ersは1983年に優勝して以来のファイナル進出を決めた。

ウエスタン・カンファレンス

ファーストラウンド カンファレンスセミファイナル カンファレンスファイナル
         
1 サンアントニオ・スパーズ 3
8 ミネソタ・ティンバーウルブズ 1
1 スパーズ 4
5 マーベリックス 1
5 ダラス・マーベリックス 3
4 ユタ・ジャズ 2
1 スパーズ 0
2 レイカーズ 4
3 サクラメント・キングス 3
6 フェニックス・サンズ 1
3 キングス 0
2 レイカーズ 4
7 ポートランド・トレイルブレイザーズ 0
2 ロサンゼルス・レイカーズ 3
  • レイカーズが圧倒的な強さを誇示し、全シリーズをスイープして11戦全勝でファイナルに進出する。プレーオフ前は、いずれもレイカーズの強力なライバルのキングスとトレイルブレイザーズの前に、レイカーズは苦戦するだろうと予想されていたが、前季チャンピオンチームはライバルたちを全く寄せ付けず、ホームコートアドバンテージを持ち、そのシリーズは『事実上のファイナル』と言われたスパーズでさえ、レイカーズにはまるで歯が立たなかった。プレーオフを11戦全勝で勝ち上がったのはリーグ史上2チーム目であり、最初のチームも1988-89シーズンの"ショータイム"時代のレイカーズだった。

ファイナル

ファイナルは1983年以来の王座返り咲きを狙うフィラデルフィア・76ersと、二連覇を目指すロサンゼルス・レイカーズの対決となった。76ersが最後にファイナルに進出した1983年の相手もレイカーズで、4戦全勝で優勝した。1983年当時、76ersのセンターモーゼス・マローンはプレーオフに臨むにあたり、プレーオフ12戦全勝による優勝(当時の第1・2シードはカンファレンス準決勝から参戦)を約束する「Fo・Fo・Fo」という有名な言葉を残している。実際はカンファレンス決勝で1敗を喫したため、「Fo・Fi・Fo」だったが、このシーズンはレイカーズがここまで12戦全勝で来ているため、レイカーズがマローンの残した言葉を実現するのではないかと予想された。

両チームともレギュラーシーズンの勝率が同じ56勝26敗である。この場合ホームコートアドバンテージはレギュラーシーズンの両チーム同士の対戦成績で決まるが、これも1勝1敗だった。次の手順である相手カンファレンスのチームに対する勝率でようやく決し、レイカーズがホームコートアドバンテージを得た。

第1戦

76ers 107, レイカーズ (OT) 101
Pts: アイバーソン 48
Rebs: ディケンベ・ムトンボ 16
Asts: アーロン・マッキー 9
Steals:アイバーソン 5
Pts: オニール 44
Rebs: オニール 20
Asts: ブライアント他2名 5
TOs:ブライアント 6
76ers1-0レイカーズ

西の並み居る強豪を圧倒してきたレイカーズが、対照的に苦労して勝ち上がってきた76ersの前にまさかの敗戦を喫し、早くも「Fo・Fo・Fo」の夢は断たれた。

試合は前半だけで30得点を記録したアレン・アイバーソンの活躍で76ersが6点リードで試合を折り返し、後半に入っても76ersの優勢が続いたが、ディケンベ・ムトンボのファウルトラブルを切っかけにシャキール・オニールが連続8得点をあげるなどレイカーズが反撃に討って出、2点差まで追い上げて第4Qを迎えた。第4Qに入ると再び76ersがリードを広げるが、ここまで76ersを牽引してきたアイバーソンに対し、レイカーズの控えPGタイロン・ルーが見事なディフェンスを見せて得点を封じた。これを機にレイカーズが再び反撃を開始し、残り時間2分を切ってオニールのダンクで94-92とレイカーズがついに逆転するが、すぐにエリック・スノウに返され94-94の同点でオーバータイムに突入した。オーバータイムではレイカーズがオニールとコービー・ブライアントの得点で先制するが、76ersはラジャ・ベルのレイアップ、アイバーソンの3Pシュートで逆転すると、スノウが駄目押しのランニングショットを決め、107対101で76ersが敵地での貴重な1勝をあげた。

レイカーズはオニールが44得点20リバウンドと驚異的な数字を残すが、ハック・ア・シャックを仕掛けられ、フリースローは10/22に終わった。これでレイカーズはレギュラーシーズンから続く19連勝にストップが掛かった。プレーオフを全勝で勝ち上がった1989年当時のレイカーズは、ファイナル第1戦でデトロイト・ピストンズに敗れると、そのまま3連敗を喫して優勝を逃している。

第2戦

レイカーズは第1戦で不調だったコービー・ブライアントがチームを牽引するのに対し、76ersのアレン・アイバーソンはレイカーズの厳しいディフェンスの前にシュートが決まらず、この日はFG10/29に終わった。試合はレイカーズペースで進んだが、第4Qには76ersが猛反撃を見せ、残り2分20秒にはエリック・スノウのレイアップで86-89の3点差まで追い上げた。しかしデレック・フィッシャーの3Pシュートで点差を広げられるとここで力尽き、レイカーズが9点差をつけて勝利し、シリーズを1勝1敗のタイに戻した。

レイカーズはブライアントがチームハイの31得点。またシャキール・オニールは29得点20リバウンド9アシスト8ブロックと、クアドルプル・ダブルに迫る成績を残した。一方の76ersは第1戦で大活躍したアイバーソンが厳しいディフェンスの前に沈黙し、フィールドゴールは10/29に終わった。特に76ersが猛反撃を見せた時間帯に10本のシュートを立て続けにミスしたことが敗因に繋がった。

第3戦

レイカーズ 106, 76ers 103
Pts: ブライアント 32
Rebs: オニール 12
Asts: オニール 他3名 3
 Blocks:オニール 4
Pts: アイバーソン 32
Rebs: アイバーソン; ムトンボ 12
Asts: マッキー 8
レイカーズ2-1 76ers

故郷フィラデルフィアの市民から盛大なブーイングで迎えられたコービー・ブライアントが、チームハイの32得点をあげて76ersを降す。

試合は55-45のレイカーズリードで後半を迎えたが、シャキール・オニールがファウルトラブルに陥り、第4Q残り2分20秒でついにファウルアウトとなった。その間76ersはアレン・アイバーソンを中心に反撃を試み、オニールがファウルアウトになった時には2点差にまで追い上げていた。最大のチャンスを得た76ersは残り1分2秒にはついに1点差にまで詰め寄るも、レイカーズの"ビッグショット・ロブ"ことロバート・オーリーが勝利を決定付ける3Pシュートを決めて、レイカーズが重要な第3戦をものにした。レイカーズはオニールのファウルトアウト、ブライアントの後半に入っての失調などトラブルに見舞われたが、ロバート・オーリーが第4Qだけで12得点を記録し、その穴を埋めた。

第4戦

レイカーズ 100, 76ers 86
Pts: オニール 34
Rebs: オニール 14
Asts: ブライアント 9
 
Pts: アイバーソン 35
Rebs: ムトンボ 9
Asts: アイバーソン; マッキー 4
レイカーズ3-1 76ers

レイカーズが序盤に得たリードを最後まで守りきり、このシリーズ初の二桁点差となる14点差をつけて快勝した。レイカーズはシャキール・オニールが34得点14リバウンドを記録したほか、コービー・ブライアントも19得点10リバウンド9アシストと準トリプル・ダブルと言える成績を残した。76ersはレイカーズの厳しいディフェンスの前に苦しみ、アレン・アイバーソンは35得点をあげたもののフィールドゴール12/30に終わった。

第5戦

後がなくなった76ersはロスターを変更し、アーロン・マッキーにかえてエリック・スノウを先発に据えた。この変更が功を奏したか76ersは序盤を好スタートで切ったが、すぐにレイカーズの反撃にあい、3Pシュートの集中打を浴びてあっさりと逆転された。後半はレイカーズのリードは広がるばかりで、この日成功率70.6%と絶好調だった3Pシュートが次々と76ersのゴールを襲った。第4Qに入るとこの日最大の19点差にまで広がるが、ここから76ersの猛反撃が始まり残り1分14秒には7点差にまで詰め寄ったが、一度ついた大差を覆すには至らず、レイカーズが108-96で勝利し、ファイナル連覇を決めた。レイカーズは2枚看板のシャキール・オニールが29得点13リバウンド5ブロック、コービー・ブライアントが26得点12リバウンドを記録したほか、リック・フォックスが20得点、この日6本の3Pシュートを決めたデレック・フィッシャーも18得点を記録した。

ファイナルMVPはシリーズ平均33.0得点15.8リバウンドを記録したシャキール・オニールが前季に引き続き選ばれ、2年連続でファイナルMVPに輝いた3人目の選手(マイケル・ジョーダンアキーム・オラジュワン)となった。レイカーズが記録したポストシーズン15勝1敗(勝率93.8%)は歴代最高の勝率である。

第1戦 第2戦 第3戦 第4戦 第5戦 勝敗
ロサンゼルス・レイカーズ 94 101 98 100 108 4-1
フィラデルフィア・76ers 107 89 91 86 96 1-4

フィラデルフィア・76ers ヘッドコーチ: ラリー・ブラウン
アレン・アイバーソン | ディケンベ・ムトンボ | アーロン・マッキー | エリック・スノウ | タイロン・ヒル | ジョージ・リンチ | マット・ガイガー | ロドニー・ビュフォード | ジュメイン・ジョーンズ | トッド・マッカラー | ケビン・オーリー | ロショーン・マクロード | ラジャ・ベル | ペペ・サンチェス | アンソニー・ミラー

引退した主な選手

外部リンク