17才 (南沙織の曲)

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17才
南沙織シングル
初出アルバム『17才(アルバム)
B面 島の伝説
リリース
規格 シングルレコード
ジャンル J-POPポップス
時間
レーベル CBS・ソニーレコード
作詞・作曲 作詞: 有馬三恵子
作曲: 筒美京平
プロデュース 酒井政利
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1971年度年間11位(オリコン)
  • 南沙織 シングル 年表
    17才 
    (1971年)
    潮風のメロディ
    (1971年)
    収録アルバム17才
    17才
    (1)
    なぜかしら
    (2)
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    17才」(じゅうななさい)は、南沙織の歌手デビュー・シングル。1971年6月1日発売。発売元はCBS・ソニーレコード(現:ソニー・ミュージックレーベルズ)。

    平成時代に入って間もない1989年には、森高千里カバーしてヒットさせた。2008年には、男性ロックバンド・銀杏BOYZによって再びカバーされ、オリコン・ヒットチャートで最高7位を記録。これにより1970年代は南沙織、1980年代は森高千里、2000年代は銀杏BOYZと、別のアーティストによって3つの年代でベストテン入りを果たした。

    南沙織によるオリジナル[編集]

    アイドル歌手・南沙織の歌手デビュー曲である。デビューへ向けたプロジェクトの中で南と作曲者の筒美京平が初めて顔を合わせた際、筒美から「何が歌えるの?」と聞かれた南が、リン・アンダーソンLynn Anderson)の「ローズ・ガーデン(Rose Garden)」だけ歌える、と答え、これが元になって筒美は「17才」を書いたという[1][2]

    デビュー曲ながら、本楽曲はオリコンの上位にランクインするヒットとなった。また、この曲のヒットは、歌い手と同世代のファンが感情移入できる、新しいタイプのアイドル・ポップス誕生の瞬間であったと語られることがある[3]。いわゆる "女性ヤングアイドル" の基礎を築いたのが南沙織や同期歌手の小柳ルミ子天地真理であったと語られる機会も多い[4]

    レコード・ジャケットでは、蟹の絵がプリントされているシャツを着ているが、これは南自身が7月2日生まれの蟹座であることに由来する。本シングル盤発売時のキャンペーンでは、蟹のマークのシールが配布されていた。また、2006年6月14日発売のデビュー35周年CD-BOX『Cynthia Premium』では、BOXに同様の蟹座のマスコット模様が施してあった。

    順調にヒットを記録した結果、1971年の年末には第13回日本レコード大賞新人賞・日本歌謡大賞放送音楽新人賞・新宿音楽祭金賞など様々な賞を受賞したほか、NHKの『第22回NHK紅白歌合戦』にデビューからわずか半年で出場歌手に選ばれ、紅組のトップバッターを務めた。その映像は、上記『Cynthia Premium』に収められたDVDでも見ることが出来る。

    作詞者の有馬三恵子によると、歌詞の冒頭に出てくる「誰もいない海」の舞台は、瀬戸内海の富海海水浴場で、自身の出身地である山口県防府市にある。当時、有馬は既に40歳前後だったため、この曲がヒットしたときは周りから「40歳になってよくあのような詞が書けたね」と、半分呆れられるかのように誉められたという[5]

    この曲のヒット以降、歌詞や作品名に「17才」が登場するアイドル歌謡曲が多く生まれた[6]

    本人のベスト・アルバムのほか、様々なコンピレーション・アルバムに収録されている[7]2003年頃には、ブルボンより発売された食玩CDJ'sポップスの巨人たち〜フォーク/ニューミュージック黄金時代編』シリーズで、「17才」と次シングル「潮風のメロディ」が収録された8センチCDがおまけとして封入された。

    B面曲の「島の伝説」は、"珊瑚礁" "ハイビスカス" など、「17才」以上に南国のイメージを持った単語がちりばめられている。

    収録曲[編集]

    1. 17才(2:46)
    2. 島の伝説(2:36)

    収録作品(LP・CD)[編集]

    17才


    17才 -New Vocal-
    20才まえ
    Cynthia Premium
    17才 -Live #1 (メドレー)- 
    CYNTHIA IN CONCERT
    CYNTHIA ANTHOLOGY
    17才 -Live #2 (SAORI HIT MEDLEY)- 
    SAORI ON STAGE
    CYNTHIA ANTHOLOGY
    17才 -Live #3-
    Good-by Cynthia
    Cynthia Memories
    CYNTHIA ANTHOLOGY
    島の伝説
    17才
    ギフトパック 南沙織 -1972年版-
    南沙織デラックス
    Cynthia Memories
    CYNTHIA ANTHOLOGY
    GOLDEN☆BEST 南沙織 筒美京平を歌う
    ドーナツ盤型12cmCDコレクション
    Cynthia Premium

    森高千里によるカバー[編集]

    17才
    森高千里シングル
    初出アルバム『非実力派宣言(#1)』
    A面 17才
    B面 20才
    リリース
    ジャンル J-POPJ-EURO
    時間
    レーベル ワーナー・ブラザーズ/
    ワーナー・パイオニア
    チャート最高順位
    森高千里 シングル 年表
    ザ・ストレス
    (1989年)
    17才
    (1989年)
    だいて (ラスベガス・ヴァージョン)
    (1989年)
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    森高千里が1989年の『見て~スペシャル~ライブツアー』内でコスプレミニスカート姿で登場して初披露したところ、カバー曲であったがライブ会場内のファンから好評を博したため、デビュー3年目の記念日でもある1989年5月25日にワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)より急遽シングル発売した(規格品番:09L3-4084)。7枚目のシングルにあたる。

    原曲をユーロビート調に変えて忠実に再現しており、オリコンシングルチャート最高8位、1989年年間シングルチャートは43位とシングルでは初の大ヒット曲となり、『ザ・ベストテン』や『歌のトップテン』などの音楽番組にも出演した。森高のライヴでも定番であった。

    同時期に発表されたWinkの『淋しい熱帯魚』と共に、当時ボウリング場やゲームセンターに設置されていたレーザージュークも、ヒットの要因のひとつに挙げられるであろう[独自研究?]。特にボウリング場では、空いている&スコアをモニターに設定している以外は同じPVが一斉に流れることから耳からだけではなく、視覚的にも刷り込みされた[独自研究?]。特に森高千里は初期からPVに力を入れており、この17才でプロモーションとして機能した、といっても過言ではないだろう[独自研究?]

    カーネーション・ヴァージョン、オレンジ・ミックスなど、別ヴァージョンが存在する。

    収録曲(森高版シングル)[編集]

    1. 17才
    2. 20才
      • 作詞:森高千里、作曲・編曲:斉藤英夫

    ビデオ・クリップ集(森高版)[編集]

    17才
    森高千里ミュージック・ビデオ
    リリース
    ジャンル J-POP
    時間
    レーベル ワーナー・パイオニア
    森高千里 映像作品 年表
    見て~スペシャル~ライブ
    (1989年)
    17才
    (1989年)
    非実力派宣言
    (1990年)
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    1989年11月10日には同名のビデオ・クリップ集が発売されている(VHSコード:30L8-8055)。表題曲と次シングルである『だいて』の他、メイキング映像も収録されている。

    収録内容
    1. 17才
    2. だいて (ラスベガス・ヴァージョン)
    3. 夜の煙突カーネーションのカヴァー)
    4. 私はおんち ~ザ・メイキング~

    銀杏BOYZによるカバー[編集]

    17才
    銀杏BOYZシングル
    初出アルバム『光のなかに立っていてね
    リリース
    ジャンル パンク・ロック
    レーベル UKプロジェクト
    作詞・作曲 有馬三恵子(作詞)
    筒美京平(作曲)
    チャート最高順位
    銀杏BOYZ シングル 年表

    2007年
    17才
    2008年
    ボーイズ・オン・ザ・ラン
    2009年
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    銀杏BOYZの3枚目のシングルであり、UKプロジェクトから2008年11月19日に発売[9][10]。オリジナルアルバム『光のなかに立っていてね』の1曲目に収録された。

    映画『俺たちに明日はないッス』主題歌[10][11]

    なお、銀杏BOYZには、アルバム『DOOR』に収録された「十七歳 (…cutie girls don't love me and punk.) 」という別の楽曲もある。

    収録曲(銀杏BOYZ版シングル)[編集]

    1. 17才
    2. 17才 - 病室にいるあの娘へ (同曲の別バージョン[10]

    その他の主なカバー[編集]

    上記の森高千里銀杏BOYZの他にも、レコード化される・されないにかかわらず、カバーされる機会は多くある。

    1991年に南が『第42回NHK紅白歌合戦』に特別出演した際、番組内でタレントのコロッケが南のモノマネをして歌ったほか、本楽曲の冒頭が本人登場前のステージに流れた。また、2005年の『第56回NHK紅白歌合戦』では、余興のコーナーで島谷ひとみ水森かおりによって歌われ、14年ぶりに紅白歌合戦のステージで「17才」が聴かれた。

    メディアでの使用[編集]

    脚注[編集]

    1. ^ デビュー30周年記念メモリアル特別企画CD-BOX『CYNTHIA ANTHOLOGY』(2000.6.7、ソニーレコード)封入解説書参照。
    2. ^ 南沙織のデビュー・アルバム『17才』(1971.10.1、CBS・ソニー)には、その「ローズ・ガーデン」のカヴァーも収録された。
    3. ^ ベスト・アルバムGOLDEN J-POP/THE BEST 南沙織』(1998.11.21、ソニーレコード)ライナーノーツより。
    4. ^ 泉麻人著『僕の昭和歌謡曲史』(2000年4月、講談社刊)、『コラムダス』(1997年9月、新潮社)参照。
    5. ^ テリー伊藤著『歌謡Gメン あのヒット曲の舞台はここだ』(2005年11月、宝島社刊)より。
    6. ^ 例として、桜田淳子十七の夏」、岩崎宏美センチメンタル」、あいざき進也「気になる17才」、山口百恵のアルバム『17才のテーマ』、河合奈保子17才」(同名異曲)などが挙げられる。
    7. ^ 『1968-1974 CD選書ベスト』(1996.4.1、ソニーレコード)、『そ1970』(1999.7.23、ソニーレコード)、『青春歌年鑑 1971 BEST30』(2000.11.22、ソニーレコード)、『めざまし太陽』(2005.6.29、ソニーレコード)など。
    8. ^ 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.39.
    9. ^ 銀杏BOYZ Single「17才」”. UK PROJECT. 2021年1月18日閲覧。
    10. ^ a b c 銀杏BOYZ話題の“性”春カバー「17才」をシングル発売”. 音楽ナタリー (2008年9月26日). 2021年1月18日閲覧。
    11. ^ 映画『俺たちに明日はないッス』主題歌 南沙織の名曲「17才」を銀杏BOYZが歌う!!”. シネマトピックスオンライン (2008年9月30日). 2021年1月18日閲覧。

    関連項目[編集]