11人いる!

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11人いる!』(じゅういちにんいる!)は、萩尾望都の中篇サイエンス・フィクション漫画

目次

[編集] 概要

漫画雑誌「別冊少女コミック1975年9月号から11月号に連載された。第21回小学館漫画賞受賞。

宇宙大学の入試最終テストの試験会場、外部との接触を絶たれた宇宙船を舞台に、宇宙のさまざまな国からやって来た11人の受験生が、疑心暗鬼のなかで反目しつつ、友情と恋を培うさまを描く。発表当時の少女漫画では稀な、本格的なSFだと衝撃を与えた。緻密な設定と魅力的な登場人物、緊張感のある構成は完成度が高く、これ以降の多くの漫画が参考にしているほど影響力も高い。また「11人いる!」というインパクトのある題名も評価が高い。

続編に『続・11人いる! 東の地平・西の永遠』、番外編に『スペース ストリート』がある。またテレビドラマ・映画・舞台にもなっている。

[編集] ストーリー


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


宇宙大学の入学試験最終科目は実技、しかも漂流中と仮定し外部との接触を断たれた宇宙船で、乗員と設定された10人のチーム全員が53日間生き延びる、協調性を測る試験だった。

だが、宇宙船・白号の中に入ってみると10人だけのはずがなぜか11人いた。非常信号の発信ボタンを押せば外部と接触を取った事になり、生命の安全は確保される代わりにその時点で全員が連帯責任で不合格になるため、11人は猜疑心を抱きながら合格決定の53日目に向けて過ごし始める。

[編集] 登場人物

タダトス・レーン(タダ)
主人公。テラ系シベリース出身。すぐれた直感力があるが、その力は何故か宇宙船に来てから狂い始める。
フロルベリチェリ・フロル(フロル)
どの星系にも所属してない辺境惑星のヴェネ出身。雌雄未分化の完全体。ヴェネでは成人した時点で初めて分化するが、長子のみ男となれる法制になっている(中間子と末子は全て女性になる規定)。末子であるため、合格したら特例として男になる事を認めるという条件を受けて宇宙大学を受験。女性的な風貌で、当初マン(男性)チームだと思っていた皆を驚かせる上に、しゃべる星間用語はべらんめえ調。自身が女性視される事を殊に嫌悪している。
バセスカ(王さま)
サバ系アリトスカ・レ出身。マヤ王。自身の誇りをかけ腕試しに入試を受験。合格しても統治のために国に帰らなくてはならない。
ソルダム四世ドリカス(フォース)
サバ系アリトスカ・ラ出身。出身が隣接である事から王さまと真っ先に打ち解ける。
アマゾン・カーナイス(アマゾン)
テラ系シュシュ出身。狩猟民族であるため全身傷痕だらけ。
チャコ・カカ(チャコ)
テラ系クエス出身。関西弁なまりの星間用語を話す。
ドルフ・タスタ(赤鼻)
テラ系ペロマ出身。体は大きいが気は弱い。
トト・ニ(トト)
サバ系ミス出身。
ヴィドメニール・ヌーム(ヌー)
星系未所属の辺境星ヴィヌドーから初めての受験生。雌雄未分化の完全体のままで分化しなかったため、星のしきたりとしてになった(“ヴィドメニール”はヴィヌドー語で僧侶の意)。ある意味同類のフロルをやはり完全体だと真っ先に指摘する。体中がウロコに覆われている(分化した者は脱皮して雌雄どちらかになる)。
ガニガス・ガグトス(ガンガ)
サバ系トレドレーガ(レドレーガ)出身。トレドレーガ型青緑色クロレラの栽培方式によるサイボーグ。惑星全体をおおう風土病による極めて短命な種族のため、状況を改善すべく9歳の時に実験的に培養を受けた。
グレン・グロフ(石頭)
セグル系灰白色星出身。「まるで岩石人間」と評される容貌をしている。実は宇宙大学の教官(大佐)で、策を弄して出来るだけ早く非常事態に持ち込む事が任務の“11人目”。

[編集] 続・11人いる! 東の地平・西の永遠

続・11人いる! 東の地平・西の永遠(とわ)』は、漫画雑誌『別冊少女コミック』1976年12月号から1977年2月号に連載された。マヤ王バセスカの母星アリトスカ・レと宇宙大学を舞台に、前作で受験生だった彼らが大学生になってからを描く。タダとフロルは王さまに招かれて休暇を利用しアリトスカ・レを訪ねるが、クーデターに巻き込まれてしまう。

[編集] 登場人物

『11人いる!』登場分は省略。

バパ大臣
王さまの腹心。憂国の士。惑星ドゥーズの覇権主義に備えて東側の併合統一を目指す。
トマノ
王さまの実兄。陽気で酒好き。クーデターの際に新王として担がれるお飾り的存在。
オーセ法司長
オナ
法司長の娘。
アマン伯爵
無愛想だが王さまの味方でよき理解者。
火消しの赤毛(レッド)
銀河連邦の情報部員「火種と火消し」の片方。バセスカ達を様々な面から支援する。
チュチュエリア九世ドリカス(チュチュ)
フォースの妹。
ゾンブル
惑星ドゥーズの秘密情報部長官。

[編集] スペース ストリート

『(タダとフロルの)スペース ストリート』は、漫画雑誌「別冊少女コミック」1977年3月号から9月号に連載された。『11人いる!』の登場人物によるコメディ。学内で起きるドタバタ騒ぎを描く。

[編集] 映画化・舞台化

[編集] テレビドラマ

NHK少年ドラマシリーズの1作として、1977年1月2日午後6時5分~45分に放映された。DVDも発売されている。

[編集] 映画

1986年11月、キティ・フィルムによりアニメーション映画化された。

  • スタッフ
    • 監督 - 出崎哲・富永恒雄
    • 製作 - 多賀英典
    • 原作・構成 - 萩尾望都
    • 企画 - 落合茂一
    • 脚本 - 今泉俊昭・小出一巳
    • 作画監督 - 清水恵蔵
    • キャラクターデザイン - 杉野昭夫・清水恵蔵
    • エフェクト作監 - 前島健一
    • メカニカル設定 - 矢島洋一
    • 美術監督 - 東潤一
    • 撮影監督 - 小山信夫
    • 録音監督 - 斯波重治
    • 音楽監督 - 及川禅
    • 音楽 - 福田裕彦
    • プロデューサー - 古徳稔
    • 制作協力 - マジックバス
    • 制作 - 株式会社キティ・フィルム
    • 配給 - 東宝株式会社

[編集] 主題歌

  • 主題歌 『僕のオネスティ』
歌:川上進一郎/作詞:神沢札江/作曲:川上進一郎/編曲:星勝
  • 挿入歌 『とことん I LOVE YOU』
歌:河合美智子/作詞:谷穂ちろる/作曲:面輪かおり/編曲:ライオンメリー
  • LP - 僕のオネスティ/11人いる!
    • 規格品番 - 28MS0111
    • 販売元 - キティレコード
    • 発売日 - 1986年
  • EP - とことん I Love You/11人いる!
    • 規格品番 - 7DS0132
    • 販売元 - キティレコード
    • 発売日 - 1986年
  • CD - オリジナルサウンドトラック
    • 規格品番 - H33K20056
    • 販売元 - キティレコード
    • 発売日 - 1986年

[編集] ビデオ

[編集] 舞台

演劇ユニット、アクサルにより舞台化された。

  • 初演 - 2004年6月25日6月28日、シアター代官山
  • 脚本 - 安井省人
  • 演出 - 吉谷光太郎
  • 美術 - 柴田隆弘
  • 照明 - 浜崎亮
  • 音響 - Alain Nouveau
  • 舞台監督 - 永易健介
  • 衣裳 - 杉浦潤子
  • 制作 - 安井省人・瀬戸憲一・清水沙織
  • プロデューサー - 砂岡誠
  • 出演 - 郷本直也・柄谷吾史・田中照人・斎藤准一郎・斎藤洋一郎・入谷啓介・古川貴生・松木賢三・山本健史・日ノ西賢一・内藤悠一・勝洸久・吉谷光太郎

[編集] 余談

  • 萩尾によると、本作のヒントの一つになったのは、宮沢賢治の童話『ざしき童子のはなし』であるという(遊んでいる子どもの中に妖怪座敷童子が紛れ込み、「誰も知らない顔がない」―全員が互いを知っているのになぜか一人増えているというエピソードがある。集英社文庫版の「あとがき」より)。
  • 『11人いる!』というタイトルにインパクトがあるためか、他作品のセリフで用いられることがある。
スティール・ボール・ラン荒木飛呂彦) 11人の追っ手が眼前に迫ったことを知って主人公が発したセリフ。
重機人間ユンボル武井宏之) 敵側の戦士が11人いることに驚いて、主人公の部下が発したセリフ。


[編集] 外部リンク

小学館漫画賞少年少女部門
第20回 昭和49年度
(『漂流教室』ほか
楳図かずお
第21回 昭和50年度
『11人いる!』・『ポーの一族
萩尾望都
第22回 昭和51年度
がんばれ元気』/小山ゆう
キャプテン』・『プレイボール
ちばあきお
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