1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + ⋯

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1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + · · ·無限級数の一つ。数学史上では、紀元前250年紀元前200年頃、アルキメデスによって、使われたと言われている[1]。初項1/4、公比1/4の等比数列であり、そのは以下のように表す事が出来る。

\frac {\frac 1 4} {1 - \frac 1 4}=\frac 1 3

図形による証明[編集]

3s = 1.

1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + · · · の級数は正方形及び三角形を、元の面積から1/4になるように相似させた図形を、正方形及び三角形内に分割させる事によって、導く事が出来る。

左の図形(3s = 1)で言えば[2][3]、 最初に面積1の正方形が与えられると、次の黒い部分に当たる正方形の面積は、最初の正方形の辺を1/2ずつ縮小した物なので、(1/2)×(1/2) = 1/4になる。同様に、2番目に大きい黒い正方形の面積は 1/16、3番目に大きい黒い正方形の面積は 1/64になる。黒い正方形の領域を全て足す事によって、1/4 + 1/16 + 1/64 + · · ·という無限級数を導く事が出来、それは左の図形における灰色や白色の部分も同様に表す事が出来る。これらの3つの領域によって、面積1の正方形が構成されているので、左の図形によって、以下の数式が証明される。

3\left(\frac14+\frac{1}{4^2}+\frac{1}{4^3}+\frac{1}{4^4}+\cdots\right) = 1.

一番上に記載した、アルキメデス自身が描写した図形[4]は、左の図形とは少し異なっていて、以下の方程式に近い。

3s = 1 again
\frac34+\frac{3}{4^2}+\frac{3}{4^3}+\frac{3}{4^4}+\cdots = 1

アルキメデスの解釈を以下に記したので、参照されたい。

幾何的に同等な領域は、右側の図形[2][5][6]のように、三角形によって分割する。最初に大きな面積1の三角形が与えられると、次に最も大きい黒色の三角形の面積は1/4になり、以下黒色の三角形の面積は1/4ずつ縮小される。この図形は全体的に、大きな三角形と三角形の各辺を結んで出来る副次的な三角形の間で自己相似する事によって、形成されている。隣接した三角形の各辺を3箇所とも同じようにして、新たな三角形を作るようにして生み出されたのが、シェルピンスキーのギャスケットと呼ばれる図形である[7]

アルキメデスの理論[編集]

この曲線は、放物線である。分割線AE上にあるは等間隔で配置されている。アルキメデスは三角形ABCCDEの面積の和が、三角形ACEの面積の1/4であることを表示した。彼は、4つの三角形の頂点に別の 層を作成すると、この層の面積の和は三角形ABCCDEの面積の和の1/4となり、さらに新しく出来た8つの三角形の頂点に別の層を形成すると、その層の面積の和は前の層の面積の和の1/4となり、以下同様に1/4ずつ縮小された層が出来る。彼は、分割線と曲線の間に出来る領域の面積が三角形ACEの面積の4/3であると結論づけた。

アルキメデスは、彼の著書『放物線の求積』(The Quadrature of the Parabola) の中で、この級数について言及している。彼は持久力を要する方法で、放物線の中に領域を見つけていき、三角形に関する級数を得ている。それは、新しく形成された領域は、前の段階で形成された領域の1/4ずつ縮小していくという物である。彼は自ら作成した領域の和が、最初の領域の4/3になると予想した。こうして、彼は放物線から生み出された代数補題に対する命題を発見する。

命題23: A, B, C, D, … , Zという一連の領域があり、領域Aが最も大きく、領域B, C, Dと1/4ずつ面積を縮小させていくと[8]

A + B + C + D + \cdots + Z + \frac13 Z = \frac43 A と表される。


アルキメデスはこの命題を、最初に以下のように計算することによって、証明した。

\begin{array}{rcl}
\displaystyle B+C+\cdots+Z+\frac{B}{3}+\frac{C}{3}+\cdots+\frac{Z}{3} & = &\displaystyle \frac{4B}{3}+\frac{4C}{3}+\cdots+\frac{4Z}{3} \\[1em]
  & = &\displaystyle \frac13(A+B+\cdots+Y)
\end{array}

一方で \frac{B}{3}+\frac{C}{3}+\cdots+\frac{Y}{3} = \frac13(B+C+\cdots+Y) と表される。

この方程式から前の領域に関する方程式を減じると、 B+C+\cdots+Z+\frac{Z}{3} = \frac13 A となり、 両項にAを加えると、予想していた結果が得られる[9]

今日では、アルキメデスの命題は、1 + 1/4 + 1/16 + · · ·の級数の部分的な和として、以下の数式でより標準的に表現されている。

1+\frac{1}{4}+\frac{1}{4^2}+\cdots+\frac{1}{4^n}=\frac{1-\left(\frac14\right)^{n+1}}{1-\frac14}

この式は、両項に1 − 1/4を乗じて、左項の初項(1)と最終項(\frac{1}{4^n})を除去して観察することにより証明される。同様の方法は、いくつかの幾何級数にも用いられる。

極限について[編集]

アルキメデスの命題24は、命題23の放物線内の領域において、2つの背理法を用いた有限の(しかし不定の)級数和について言及している。彼は完全に [10]上記の式から極限を得ていないが、近年の計算では、この段階は十分容易な式である。

\lim_{n\to\infty} \frac{1-\left(\frac14\right)^{n+1}}{1-\frac14} = \frac{1}{1-\frac14} = \frac43.

無限級数の和は、その級数の部分的な和の極限により、定義される。

1+\frac14+\frac{1}{4^2}+\frac{1}{4^3}+\cdots = \frac43.

脚注[編集]

  1. ^ Shawyer and Watson p. 3.
  2. ^ a b Nelsen and Alsina p. 74.
  3. ^ Ajose and Nelson.
  4. ^ Heath p.250
  5. ^ Stein p. 46.
  6. ^ Mabry.
  7. ^ Nelson and Alsina p.56
  8. ^ This is a quotation from Heath's English translation (p.249).
  9. ^ This presentation is a shortened version of Heath p.250.
  10. ^ Modern authors differ on how appropriate it is to say that Archimedes summed the infinite series. For example, Shawyer and Watson (p.3) simply say he did; Swain and Dence say that "Archimedes applied an indirect limiting process"; and Stein (p.45) stops short with the finite sums.

参考文献[編集]

  • Ajose, Sunday and Roger Nelsen (June 1994). “Proof without Words: Geometric Series”. Mathematics Magazine 67 (3): 230. doi:10.2307/2690617. JSTOR 2690617. 
  • Heath, T. L. (1953) [1897]. The Works of Archimedes. Cambridge UP.  Page images at Casselman, Bill. “Archimedes' quadrature of the parabola”. 2007年3月22日閲覧。 HTML with figures and commentary at Otero, Daniel E. (2002年). “Archimedes of Syracuse”. 2007年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月22日閲覧。
  • Mabry, Rick (February 1999). “Proof without Words: 14 + (14)2 + (14)3 + · · · = 13”. Mathematics Magazine 72 (1): 63. JSTOR 2691318. 
  • Nelsen, Roger B. and Claudi Alsina (2006). Math Made Visual: Creating Images for Understanding Mathematics. MAA. ISBN 0-88385-746-4. 
  • Shawyer, Bruce and Bruce Watson (1994). Borel's Methods of Summability: Theory and Applications. Oxford UP. ISBN 0-19-853585-6. 
  • Stein, Sherman K. (1999). Archimedes: What Did He Do Besides Cry Eureka?. MAA. ISBN 0-88385-718-9. 
  • Swain, Gordon and Thomas Dence (April 1998). “Archimedes' Quadrature of the Parabola Revisited”. Mathematics Magazine 71 (2): 123–30. doi:10.2307/2691014. JSTOR 2691014.