豊後竹田駅

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豊後竹田駅
駅舎(2024年3月)
ぶんごたけた
Bungo-Taketa
朝地 (5.9 km)
(3.1 km) 玉来
地図
所在地 大分県竹田市大字会々[1]
北緯32度58分14.98秒 東経131度23分23.87秒 / 北緯32.9708278度 東経131.3899639度 / 32.9708278; 131.3899639座標: 北緯32度58分14.98秒 東経131度23分23.87秒 / 北緯32.9708278度 東経131.3899639度 / 32.9708278; 131.3899639
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
所属路線 豊肥本線
キロ程 59.8 km(大分起点)
電報略号 ケタ
駅構造 地上駅(盛土上)
ホーム 1面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
341人/日(降車客含まず)
-2020年-
開業年月日 1924年大正13年)10月15日[2][3]
備考 直営駅[4]
みどりの窓口[1]
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豊後竹田駅(ぶんごたけたえき)は、大分県竹田市大字会々にある、九州旅客鉄道(JR九州)豊肥本線である[1]

竹田市の代表駅で全列車が停車し、竹田市の表玄関にもなっている[1]。普通列車は三重町宮地行き2本を除き当駅で運行系統が分断され、大分方面と熊本方面への列車は当駅で乗り換えとなる。大分方面の列車は比較的多いが、熊本方面の普通列車は1日に下り6本(うち1本豊後荻発)・上り5本のみの運転である。

歴史[編集]

開業当初の読みは「ぶんごたけえき」と濁音だったが、これは地名の読みとは異なるものであり、1969年(昭和44年)に現在の読みに改められた[5]。かつては駅弁が販売されていた時期もあった。

年表[編集]

荒城の月[編集]

1951年(昭和26年)、当時の竹田町民から寄贈されたレコードを使って、改札を担当する駅員が列車の発着時に瀧廉太郎作曲の歌曲「荒城の月」を流しており[7]、現在の発車メロディ接近メロディにあたるものとなっていた。当時は同じ瀧作曲の「菊」も流していた[7]。そのため、川端康成が1953年(昭和28年)に発表した「波千鳥」中に当駅で「荒城の月」の唱歌が流れることが登場している[6]

当初は山田耕筰が編曲したものが流されていたが、1987年(昭和62年)秋に当駅で曲を聞いた小沢昭一が竹田市長に「廉太郎ゆかりの地には原曲がふさわしい」と要請[9]。これを受けた市は1988年(昭和63年)瀧廉太郎の原曲で、竹田市少年少女合唱団が歌ったものを作成、それを駅に依頼して流している[6][9]

なお、2024年3月から発車メロディーを瀧廉太郎の「花」としている(到着時の「荒城の月」は継続)[11]

駅構造[編集]

ホームから見る「落門の滝」

築堤上に島式ホーム1面2線を有する地上駅である[1]。ホームは10両編成分あるが(未使用部分も含む)、臨時列車回送列車以外では使用されることは無い。ホームの脇には夜間滞泊に使用される、車両留置用の側線が並んでいる[1]。駅舎とは地下通路で連絡している[1]

駅舎は、瀧廉太郎作曲の歌曲「荒城の月」で有名な岡城にちなみ武家屋敷風にしたものとなっている[8]直営駅みどりの窓口がある[1]

2024年(令和6年)1月から3月にかけての改修工事で竹田市によって駅構内の待合室と竹田市観光ツーリズム協会の観光案内所がリニューアルされた[11]。また、この改修に合わせて竹田市観光ツーリズム協会の本部も竹田温泉花水月内から駅に移転した[11]

駅の横に駐車場と、乗務員宿泊所と通信機器室が併設されており、駅の奥には「竹田保線区」と呼ばれる保線基地がある。また、入れ換えのため構内の熊本方にはY字形の引き上げ線が設置されている。その他、駅裏に「落門の滝」という滝がありプラットホームからも望見される[1]

のりば[編集]

のりば 路線 方向 行先
1・2 豊肥本線 上り 宮地肥後大津熊本方面
下り 大分方面

利用状況[編集]

  • 2020年度の1日平均乗車人員は341人(前年度比-30人)である[12]
  • 利用客は大分方面に通う高校生や専門学校生が多い。大分県立竹田高等学校の生徒も多く利用する。[独自研究?]
乗車人員推移
年度 1日平均人数
2000 528
2001 559
2002 540
2003 533
2004 495
2005 492
2006 467
2007 442
2008 415
2009 391
2010 411
2011 400
2012 399
2013 400
2014 364
2015 404
2016 375
2017 378
2018 375
2019 371
2020 341

駅周辺[編集]

駅前には竹田市の中心市街地が広がっており、駅前を国道502号が横切っている。

その他[編集]

バス路線[編集]

駅前に竹田駅前バス停があり、以下の路線バスが発着している。

大野竹田バス[13]
  • 田中線:扇森稲荷神社行き/道の駅おおの行き
  • 長湯線:扇森稲荷神社行き/直入支所行き
  • 梅の木線:扇森稲荷神社行き/梅の木行き
  • やすらぎ交差点線:竹田営業所行き/やすらぎ交差点行き
  • 甘橡線:竹田市役所行き/原山行き
  • 岡城・原尻の滝線:市民病院行き
竹田市コミュニティバス[13]
  • 高伏 - 直入線:玉来行き/直入支所行き
  • 岩本線・馬背野線:竹田市役所行き/豊後荻駅前行き
  • 久保線:竹田営業所行き/久保行き
  • 刈小野線:竹田営業所行き/刈小野行き
  • 渡瀬線:竹田市役所行き/渡瀬行き
  • 雉が平線:竹田営業所行き/雉が平行き

隣の駅[編集]

九州旅客鉄道(JR九州)
豊肥本線
普通
朝地駅 - 豊後竹田駅 - 玉来駅

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 屋根を反らせ、正面に千鳥破風のような三角屋根を付けるとともに、壁を白く塗った[8]
  2. ^ 開業以来の上屋が老朽化していたため。景観に配慮して木造で新築した。また、待合室をホーム端から中央に移すなどした。総事業費は5000万円[10]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 『週刊 JR全駅・全車両基地』 38号 大分駅・由布院駅・田主丸駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年5月12日、25頁。 
  2. ^ a b c d 朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 27号・豊肥本線/久大本線、曽根悟(監修)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月24日、14-15頁。 
  3. ^ a b c d e f 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年10月、745-746頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  4. ^ 九州旅客鉄道株式会社人事異動(2021年4月1日付) - 九州旅客鉄道
  5. ^ a b 「「ぶんごたけた」に変わる 豊後竹田駅の呼称」『大分合同新聞』大分合同新聞社、1969年10月2日、夕刊、4面。
  6. ^ a b c d 竹越萌子「ひとえきがたり 豊後竹田駅 大分県、JR豊肥線 「荒城の月」に迎えられ故郷実感」『朝日新聞朝日新聞社、2014年4月15日。
  7. ^ a b c 「好評の「荒城の月」豊後竹田駅 放送を始めて十二年」『大分合同新聞』大分合同新聞社、1963年4月26日、朝刊、8面。
  8. ^ a b c 「歓迎ム−ドに人の波… JR九州 各地で祝賀行事 武家屋敷風の駅舎に 豊後竹田駅」『大分合同新聞』大分合同新聞社、1987年4月2日、朝刊、9面。
  9. ^ a b c 「“原曲”を流します お客送迎の「荒城の月」/JR豊後竹田駅」『大分合同新聞』大分合同新聞社、1988年7月21日、朝刊、11面。
  10. ^ 「城下町の風格漂う玄関 豊後竹田駅で改装記念式典」『大分合同新聞』大分合同新聞社、2012年3月15日、朝刊、16面。
  11. ^ a b c d e 豊後竹田駅、待合室と観光案内所リニューアル 発車メロディー変更、高校生のアートも登場”. 大分合同新聞 (2024年4月8日). 2024年4月8日閲覧。
  12. ^ 駅別乗車人員上位300駅(2020年度)” (PDF). 九州旅客鉄道. 2021年9月16日閲覧。
  13. ^ a b 大分県竹田市役所総合政策課. “竹田市コミュニティバス 大野竹田バス竹田営業所 バス時刻表”. 大分バス. 2023年5月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]