知床半島

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知床半島の位置。スペースシャトル標高データ使用。
知床半島のランドサット衛星写真。スペースシャトル標高データ使用。

知床半島(しれとこはんとう)は北海道東部、斜里郡斜里町目梨郡羅臼町にまたがり、オホーツク海に長く突き出た半島である。半島の南側は根室海峡(ロシア語地名、クナシルスキー海峡 Кунаширский пролив)に面し、その対岸には、ロシア連邦が実効支配し日本が返還を要求している島の一つである国後島(ロシア語地名、クナシル島 Остров Кунашир)が伸びている。

名前の由来は、アイヌ語の「シレトク」(sir etok、大地の果て、大地の突き出た所)から。

目次

[編集] 地理・地質

先端に知床岬が位置する。半島中央部は知床火山層からなり、北から順に知床岳 (1,254m) 、知床硫黄山 (1,562m) 、羅臼岳 (1,660m) 、遠音別岳 (1,331m) 、海別岳 (1,419m) とつらなる。半島東側の羅臼町側には羅臼湖、半島西側の斜里町側には知床五湖カムイワッカの滝オシンコシンの滝がある。

火山地帯となっていることから、羅臼温泉瀬石温泉(セセキ温泉)、岩尾別温泉など、自噴する温泉も多くあり、観光客も多く訪れる。特に、滝自体が天然の温泉になっているカムイワッカの滝は、野趣溢れる秘湯として、マスコミなどでも取り上げられるほどに有名である。また、半島の中央部の斜里町ウトロ地区には、知床観光の一大拠点となっているウトロ温泉がある。

2007年に、日本の地質百選に選定された。

[編集] 生物

山間部には針葉樹のエゾマツトドマツや広葉樹のダケカンバミズナラの原生林がしげり、山頂部や稜線には高山植物群落がみられる。キタキツネエゾシカヒグマといった野生動物が多く生息し、エゾシマフクロウオジロワシ(ともに国の天然記念物)などの野鳥類も豊富。沿岸にはアザラシトド鯨類なども生息する。

[編集] 環境保護

北海道でも数少なくなった野生動物や原始的な自然景観が残る秘境として、半島中部から先の山岳部と海岸部が1964年(昭和39年)に知床国立公園に指定された。その後、知床岬周辺は規制の厳しい特別保護地区に指定されるとともに観光目的での立ち入りが規制されている。また、1982年(昭和57年)3月31日に、国指定知床鳥獣保護区(希少鳥獣生息地)に指定された(面積44,053ha、うち特別保護地区23,630ha、特別保護指定区域1,156ha)。

2005年(平成17年)7月14日南アフリカ共和国ダーバンで開催されていた第29回ユネスコ世界遺産会議において知床として世界遺産(自然遺産)への登録が決定され、2005年(平成17年)7月17日に正式登録された。

[編集] 日露国際協力の必要性

国後島から根室海峡越しに望む知床半島。現在、人間は決して越えられない海峡となってしまっているが、動物は自由にここをまたいで交流し、生態系は一体化している。

国後島の自然は、ソ連政府が1984年に設立した国立クリリスキー自然保護区によって厳しく保護されており、自然が原初のまま維持された国後島の生物は、根室海峡をはさんで知床半島と交流して知床半島の植物・動物相を維持することにも貢献している。鳥類や魚類の移動はもちろんのこと、冬季には、流氷を越えて動物が往来することもある。このため、環境保護を国際的な連携の中で行う必要があり、知床半島を世界遺産に推薦した国際自然保護連合 (IUCN)は、知床半島と国後島とをあわせ、「保全の促進を(日露)両国で同意することが可能であれば、(世界遺産としての知床半島を)広範な『世界遺産平和公園(World Heritage Peace Park)』として発展させる」のがよいと提言している。

現在、日本が主張するところの北方領土問題の対象範囲とされる海域(ロシア連邦が実効支配)では、外国漁船の操業がロシア連邦政府によって認められている。知床半島の周辺で、2006年2月以降、5,000羽以上の海鳥の油にまみれた死骸が打ち上げられ、同時にハングルが書かれた重油のドラム缶が流れ着いているとの情報があるが、外国船の漁業活動と関連している可能性がある。実質的な「国境」の半島ともいえる知床半島において、自然環境保護のため、いま、国際的連携が急務となっている。

[編集] 備考

南樺太には北知床半島中知床半島があり、3つをあわせて「三知床」と呼ばれることもある。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク