機甲猟兵メロウリンク

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機甲猟兵メロウリンク
ジャンル ロボットアニメ
OVA
原作 高橋良輔
原案 江田文行
監督 神田武幸
シリーズ構成 高橋良輔
アニメーション制作 サンライズ
製作 バップ
サンライズ
リリース日 各話リスト参照
話数 全12話
小説
著者 高橋良輔
イラスト 谷口守泰
出版社 朝日ソノラマ
レーベル ソノラマ文庫
発売日 1989年3月31日
その他 第1巻以降の続刊なし
漫画: 装甲騎兵ボトムズ外伝
無防備都市
原作・原案など 山口宏
作画 柴田文明
出版社 バンダイ
発売日 1993年2月20日
その他 キーク・キャラダインを主人公とした番外編
テンプレート使用方法 ノート

機甲猟兵メロウリンク』(きこうりょうへいメロウリンク)は、1988年から1989年にかけてバップから発売されたオリジナルビデオアニメーション(OVA)。全12話。

テレビアニメ装甲騎兵ボトムズ』の外伝に当たる作品であり、世界観を共有している。

目次

[編集] 作品解説

『機甲猟兵メロウリンク』は、ロボットアニメでありながら主人公がロボットを操縦しない異色の作品である。これはベースとなった『装甲騎兵ボトムズ』の作品世界に登場する人型二足歩行兵器ロボットアーマードトルーパー(以下ATと略する)の全高が4メートル前後と非常にコンパクトであり、生身の人間がATと1対1で接近戦を行うことが可能で違和感が無いことが大きい。

主人公メロウリンクは、AT対人間という圧倒的なハンディキャップを、ある時は地の利を活かし、またある時は周到に罠を仕掛けることによって、この戦力差を埋め勝利を得る。

いわゆる「主役メカ」こそ存在しないものの、本作品には敵役の登場人物達が駆る機体として、多彩なカスタムATが登場。『ボトムズ』本編中に登場したドッグ系ATなど各機種をベースに、個性的なバリエーション機がいくつかデザインされた。メカニックファンにはガンダムシリーズにおける『MSV』的な楽しみがあり、本作品の見どころのひとつである。

全12話のストーリーのうち、前半6話は1話完結、後半6話は連続物として展開する。

基本的には『装甲騎兵ボトムズ』本編の世界観に準拠して脚本が書かれているが、キリコ・キュービーの物語で描かれたような荒み切った世の雰囲気はかなり薄められている。また、純SF的な未来世界、異世界風の建物や乗り物も登場せず、第二次世界大戦ばりの「ハーフトラック」や「装甲列車」が登場したり、モブキャラの服装も現実の19〜20世紀のヨーロッパの民間人のようなものになっている。また、ヂヂリウムは天然鉱物として扱われており、ポリマーリンゲル液にはガソリンのような高揮発・高発火性物質であるという後付け設定が加わえられた。

[編集] あらすじ

ギルガメスバララント両国家によって展開された百年戦争の終結間近、濡れ衣という形で軍上層部の陰謀に巻き込まれた少年兵士メロウリンクは、戦友たちを死に追いやり、自らをも陥れた士官たちへの復讐の旅に出る。その後に待ち受ける過酷な運命も知らず……。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 登場人物

メロウリンク・アリティー
声 - 松本保典
17歳。元第18メルキア方面軍プランバンドール機甲大隊シュエップス小隊所属。階級は伍長。愛称は「メロウ」。
友軍の撤退陽動作戦における唯1人の生存者。小隊の最期を軍の記録に残すという一念で帰還を果たすも、略式軍事法廷にかけられ、後に「プランバンドール・スキャンダル」と呼ばれる敵前逃亡・物資強奪事件に関わる無実の罪を着せられたことに逆上し脱走。死んでいった仲間たちの名誉を守る為、小隊の装備であった旧式の対ATライフル1丁を武器に、偽証した元機甲大隊の将校たちを捜索・復讐する旅を続けている。復讐のターゲットに対しては、脱走時に奪った仲間の認識票を事前に何らかの方法で提示し、相手に「復讐の対象である」ことを知らしめる。また、とどめを刺す際にはしばしば己の血(もしくはそれに類するもの)で横縞のフェイスペイントを施す。
過酷な戦場においても決して弱音を吐かない精神的な強さと、重さ30キロ以上の対ATライフルを片手で楽々と取りまわす強靭な肉体を持っている。性格はどちらかといえば大人しいが無口というわけではない。小隊長のシュエップスにはその真面目な人間性から普段から可愛がられていたようで、メロウリンクもまた部下の人望厚いシュエップスを慕っていた。作中、プランバンドール・スキャンダル以前は、仲間を生かすために自分が犠牲になることを納得できずとも潔く受け入れていた表現があり、軍務には忠実であったことが窺われる。地の利と想像力を生かしたゲリラ戦術が得意。
標的の1人・ドックマンを狙ってザキ基地に潜入した際にルルシーやキークと出会い、ルルシーの機転で助けられたことで縁が出来た。その後旅先でルルシーと度々顔を合わせるうちに徐々に心を通わせるようになるが、男っ気ばかりの中で長いこと過ごしていたこともあり女性の相手はあまり得意ではない。旅路の果てにルルシーが思いもよらず自分の復讐行に間接的に関わりある人物であることが判明し、以後行動を共にする。
ルルシー・ラモン
声 - 玉川紗己子
年齢不詳(企画書によれば18歳から20歳)。流れ者のカードディーラー(第6話では手品も披露している)。
ザキ基地においてドックマン、キークとカードゲームに興じていたところ基地に潜入したメロウリンクと運命の出会いをする。出会った当初はメロウリンクのことを「坊や」と呼び「ちょっと気になる年下の男の子」程度の感情しかなかったが、その後旅先で度々会ううちにメロウリンク本来の人柄と背負った運命を理解し復讐に協力するようになり、その過程で徐々に心の中で1人の男性として惹かれ始める。
本名はフルレル・C・ヘルメシオンといい、メルキアのカビア貴族出身のお嬢様。しかし父は銃の暴発による事故死、母は後を追うように自殺し、以来天涯孤独の身。元プランバンドール機甲大隊のヘルメシオン准将(後述)は叔父に当たり、私欲のために父を陥れ財産や家名まで取り上げた首謀者と睨み毛嫌いしている。
キーク・キャラダイン
声 - 大塚明夫
25歳。メルキア方面軍の情報将校で階級は中尉。ギルガメス軍上層部の特命を受けプランバンドール・スキャンダルに纏わる謎を追っている。
たびたびメロウリンクの前に現れては協力しているような素振りを見せているが、実はバッテンタイン中将(『ボトムズ』の登場人物)直属の暗殺者で「死神」と呼ばれている。メロウリンクを利用してスキャンダルの証拠を処分し、更に真実を話そうとしたヘルメシオン准将を暗殺した。最後はメロウリンクと対決して敗北する。

[編集] メロウリンクが仇として追う人物たち

ドックマン
声 - 永井一郎
第1話に登場[1]。元プランバンドール機甲大隊所属大尉で、惑星ミヨイテの辺境にあるザキ基地の司令官。最前線の基地を任されている割に昼間からカードゲームに興ずる。頭に血が上りやすく、戦況もろくに見ず無茶な命令を下すことが多かったことから元々部下からの人望は薄かったようで、メロウリンクの告発が基地の館内放送に流れると最後の信頼も無くした(同士討ちの可能性も考えず発砲し部下を射殺した事やメロウリンクへの周りの被害を全く顧みない攻撃などといった暴挙も一因である)。メロウリンクの挑発に乗せられた結果、自らスコープドッグ(スコープドッグドッグマン機)で出撃する羽目に陥る。
ギャルビン・フォックス
声 - 納谷六朗
第2話と第5話に登場。元プランバンドール機甲大隊所属中尉で、港町タ・ビングでバトリングのスター選手「メルキアの銀狐」としてその名を馳せている。そのリングネームの通り銀色に磨き抜かれたスコープドッグを愛機とし、その両腕にはアームシールドと呼ばれる追加装甲を装着している。試合に勝利した際には対戦相手をコクピットから引きずり出し、ATの腕で握りつぶすパフォーマンスを行う。性格はキザで典型的なナルシスト。メロウリンクに「人間対AT」の変則リアルバトルを仕掛けられ、迎え撃つ。
スヌーク
声 - 加藤精三
第3話に登場[1]。元プランバンドール機甲大隊所属少佐。過去の自分を消してスタブロスという偽名を使い、クメン地方(『装甲騎兵ボトムズ』第2クールの舞台)の一大荘園主として君臨していた。ゴメスら、かつての部下を従えてATによるゲリラ狩りを趣味とし、ゲリラ狩りの後には年代物のワインを嗜む。踵の部分に大型のグライディングホイールを装備したスタンディングトータスに搭乗する。
ゴルフィ
声 - 若本規夫
第4話に登場。元プランバンドール機甲大隊所属軍曹で、メロウリンクにとってはゲリラ戦の教官でもあった。メロウリンクの復讐行を知り、墜落破棄された宇宙船に罠を仕掛けてメロウリンクを誘導、逆に先手を取って抹殺しようとした。本編ではATに搭乗しない。作中の台詞からキークの正体にある程度気付いているフシがある。
バンス
声 - 仲木隆司
第6話に登場[1]。元プランバンドール機甲大隊所属少佐で、孤島に建つドッパー軍刑務所の所長。囚人として刑務所に潜りこんだメロウリンクにわざと寵愛を向けて、他の囚人からリンチされるように仕向けた。真性のサディストで、囚人の脱獄をわざと容認し自らライフルで狙撃したり、メロウリンクの裏には黒幕が存在すると考えて拷問し致死量ギリギリまで自白剤を投与したりした。暴徒鎮圧用ATであるライアットドッグで出動する。
ガナード
声 - 岸野一彦
第7話に登場[1]。元プランバンドール機甲大隊所属少尉で、バンディットと呼ばれる山賊のリーダー。メロウリンク、ルルシー、キークが乗っていたバラシュトラ山系を走る大陸横断鉄道の貨物物資(ヂヂリウム)を狙い襲撃してくる。プランバンドール・スキャンダル後、ヘルメシオンから大した褒美も与えられずに閑職に追いやられたらしく、恨んでいる。死の間際、自分たちの背後に黒幕が存在することをメロウリンクに示唆した。機体の各所にロールバーを装着した赤いスコープドッグを愛機としている。
ガルボネール・J・ボイル
声 - 兼本新吾
第8話から第11話に登場[1]。元プランバンドール機甲大隊所属少佐で、現在は第18メルキア方面軍第2師団特殊機甲部隊隊長。武人としての誇りを持った軍屈指のタフなボトムズ乗りであり、部下からの信頼も厚い。戦後もヘルメシオン准将の指揮下にあり、メロウリンクの抹殺と一緒に逃亡中の姪・フルレル(ルルシー)の身柄拘束を命令され自らのAT中隊5機を率い出撃。ゴーストタウンとなっているケラマの街に追い詰めた末フルレル奪還に成功。この時対峙したメロウリンクに「1人で脱出できたら相手になる」と言い残して去る。その後生存率0.01%と思われた危機を逃れてヘルメシオン家に乗り込んできたメロウリンクの追撃をかわし、ヘルメシオンをコーザシティにあるメルキア方面軍基地に送り届ける際に再戦を約束。ルルシーの身柄を保証した上で一騎討ちに臨む。
無骨で潔い性格から、姑息で陰湿なヌメリコフとは全くそりが合わない。その一方で、生身でありながらたった1人無謀とも思える戦いを生き延びてきたメロウリンクを、1人の武人として高く評価している。軍としての命令には背かないが、ヘルメシオンが関与するPS計画を「軍人を唯の機械にする計画」と批判し、プランバンドール・スキャンダル以降自ら深く関わり合う事を拒みつづけている。スコープドッグの山岳戦用バリエーションであるバウンティドッグ(指揮官仕様)に搭乗する。
ヌメリコフ
声 - 三田松五郎
第5話と第9話に登場。階級は大尉で、メロウリンクの復讐のきっかけとなった軍事法廷では検事を務めた。ヘルメシオンの腰巾着。性格は陰湿で居丈高だが実際は根性無し。隙を見せてルルシーに逃げられるなど、明らかに軍人としての才覚には疑わしいものがある。ボイルとは顔を合わせるたびにお互い厭味を言い合う犬猿の仲。実はルルシーの父を事故に見せかけ殺害した実行犯だった。ケラマでの作戦でメロウリンクの死亡確認を怠ったボイルに代わり、ヘルメシオンからメロウリンク討伐を命じられる。戦闘においてはチェーンガンを装備したライト・スコープドッグ(スコープドッグの一部装甲をはずして軽量化したもの)に搭乗する。
オスカー・フォン・ヘルメシオン
声 - 阪脩
第7話から第11話に登場。階級は准将。元プランバンドール機甲大隊の作戦参謀であったが、事実上大隊そのものを私兵化していた。狡猾な野心家で、自分の地位向上のためには手段を選ばず、用済みになったら味方でさえ容赦なく切り捨てる。ヘルメシオン家の資産を狙って実の兄であるフルレル(ルルシー)の父をヌメリコフを使って殺害した。期せずして再会したフルレルに遺産放棄のサインを強要するも拒絶される。表向きにはプランバンドール・スキャンダルの黒幕と噂される人物だが、彼もまたギルガメス軍上層部の巨大な計画の駒の1つに過ぎなかったことが後に判明する。

[編集] シュエップス小隊隊員

ギルガメス連合軍第18メルキア方面軍プランバンドール機甲大隊第8中隊に属する小隊で、隊長はシュエップス少尉。元は装甲騎兵小隊(ATによって構成される部隊)であったが、百年戦争末期の第2次ミヨイテ戦役において、シュエップスが上層部が立案した機甲大隊の撤退作戦(小隊が残って「生贄」の如く囮になる)に抗議したため、懲罰として機甲猟兵小隊として再編され敵AT部隊と交戦した結果、メロウリンクを除く隊員全員が戦死した。その時に軍事物資としてヂヂリウムを保有していたことから、軍事物資強奪と敵前逃亡犯として小隊は無実の罪を着せられる。

シュエップス・F・ブライアン
声 - 森功至
23歳。階級は少尉。軍上層部の無謀な作戦案に直接抗議するが、逆に抗命罪に問われ自らの小隊は懲罰を受けることとなる。バララントの機械化部隊の攻撃から辛うじて生き延びるが、偵察にやってきた兵士の銃撃からメロウリンクをかばい死亡する。
スタルコス
声 - 田中信夫
32歳。階級は軍曹。葉巻を愛用するベテラン兵。塹壕への至近弾からメロウリンクをかばって戦死。その際にも口には葉巻がくわえられていた。田中の配役は『コンバット!』のサンダース軍曹を意識したもの。
コビニーチン
声 - 柴本広之
16歳。階級は上級兵。小隊の最年少。敵AT部隊の接近に恐慌状態に陥って塹壕を飛び出してしまい、小隊最初の戦死者となる。
カットレー
声 - 目黒裕一
24歳。階級は曹長。自分たちが友軍撤退のための「生贄」であることを、シュエップスが抗議に行った時点で見抜いていた。
スカルペス
声 - 中多和宏
28歳。階級は准尉。小隊のナンバー2で、まとめ役でもある。本編中でメロウリンクは「スカルス」と呼んでいるが、ここではエンディングの表記に準じた。
セプレス
声 - 関俊彦
17歳。階級は一級兵。塹壕から飛び出そうとするコビニーチンを止めようとする。
ブリエル
23歳。階級は上級兵。大柄だが童顔の兵士。
ヤペスティン
19歳。階級は伍長。年少の黒人兵士。

[編集] その他の人物

ボルフ
声 - 山寺宏一
タ・ビングの街のマッチメーカー。莫大な借金をしており、メロウリンクをダシにして、一儲けを企むが・・・。
ゴメス
声 - 飯塚昭三
スヌークの部下で、左腕だけがダークグリーンカラーの赤いスタンディンタートルに乗って、狩りに赴く。ブランバンドール機甲大隊出身者で、イネット、カズンを含めたスタブロス配下のリーダー格。
豪放な性格のように見えるが、メロウリンクに追い詰められ、狼狽する。
裁判長
声 - 藤城裕士
メロウリンクが軍法会議にかけられた時のギルガメス軍法廷裁判長。ヌメリコフらブランバンドール・スキャンダル容疑者達の言葉を支持し、シュエップス小隊全員をメロウリンクを含めて有罪とする判決を下す。
ベッカー
声 - 伊井篤史
ドッパー刑務所の受刑者達のリーダー格で、所長のバンスのやり方に不満を持っている。バンスがメロウリンクと親しいように見せかけた策略にのせられてメロウリンクを散々痛めつけ、慰問会に乗じて脱走しようと企てていたが、仲間達共々射殺される。
ディック
声 - 田中昂
ベッカーと同じドッパー刑務所の受刑者。ベッカーと共に脱走するが、バンスによって仲間達もろとも無惨に殺される。
看守長
声 - 坂口征平
バンスの忠実な部下だが、メロウリンクへの執拗な拷問を行うバンスを抑えようとしていた。
ギルマン
声 - 田原アルノ
コーザ基地司令官で、基地に来たヘルメシオンとキークを疎んじていたが、上層部からの使者命令故に渋々従っていた。基地内をメロウリンクに荒らされた為、メロウリンクを「鉄砲担ぎ」と呼んで忌み嫌った。
第四次銀河大戦開戦時のバララント軍の奇襲によって、破壊されたコーザ基地と運命を共にする。

[編集] 用語

『ボトムズ』本編と共通するものに関しては装甲騎兵ボトムズ#用語を参照。

機甲猟兵
生身でATと戦うことを強いられた兵士たちのことで、「猟兵」とも略される。ATを失った者や何らかの理由で懲罰を受けた者などがこの待遇に堕とされる。生き残る為にありとあらゆる手段を使い、時には友軍兵士の死体をトラップに使うことすらあることから、その存在は「最低の存在」を意味するボトムズ野郎(ATパイロットの俗称)の生き血をも吸う『戦場の蛭』(リーチャーズ・アーミー)と蔑まれた。本作の英文タイトル『LEECHERS ARMY MEROWLINK』はこれに由来する。
機甲猟兵の概念自体は『ボトムズ』本編にはなく、1985年11月20日にみのり書房から発売されたムック『VOTOMS ODYSSEY』が初出(このときの呼称は『戦車猟兵』)。この戦車猟兵を主人公とした、ちだま・ひらかずの同人誌『PANZER JÄGER』(1987年12月発行)が『メロウリンク』の原型となったと言われる。
戦車猟兵は小説『青の騎士ベルゼルガ物語』の第3巻『青の騎士ベルゼルガ物語『K'』』にも登場する。元メルキア軍のAT乗りで対要塞戦等のスペシャリストだったはずのクローマ・ツェンダーは、成り行きから再戦に伴って徴兵を行う軍に反抗するグループに属することとなるが、戦闘の際には何故かATに乗ることを拒む。そしてクローマは対戦車ライフルやグレネードランチャー、投擲地雷、手製のパンツァーファウスト、アーマーマグナム等で武装し、防弾マントに身を包んで生身で軍警のドッグ系ATはおろか軍の次世代ATフィア・ダンベルとさえも互角に渡り合うという活躍を見せる。ここでも猟兵は「AT乗りから格下げされたが故に、猟兵だった事は本人にとってトラウマでさえある」「戦場で軽んじられ疎まれる存在である」事が語られている。
対ATライフル
機甲猟兵の標準的な武装と言える武器。メロウリンクが使用するものは全長2,050ミリ、重量30.3キロ、型式番号はHS-SAT(一部書籍ではHR-SATという表記もある)。銃身の下部にパイルバンカーと呼ばれる特殊合金製の槍を射出するユニットが装着できるため、「パイルバンカーカスタム」の名称で知られる。照準器が捉えた情報はゴーグル(ATのパイロットが使用するものと同様)を通して射手の網膜に投影される。ゴーグルとの接続部をはずして目視による照準を行うことも可能。
使用する弾丸は口径17ミリ、全長160ミリの徹甲弾で、装弾数は3発(マガジンは使用せず、弾丸を直接銃に込める)。有効射程距離は60メートルで、25ミリの普通鋼を貫通できる。
パイルバンカーは全長454ミリで、液体火薬の爆発力で射出されるため、ATの複合装甲をいとも簡単に貫く。射出時の反動は、無反動砲式に後部から噴出する発射ガスで相殺される[2]。液体火薬のカートリッジにはATのアームパンチ用のものを使用するが、装弾数は1発のみ。ユニット単体での使用も可能。
デザインを担当した大河原邦男によると、当初パイルバンカーは設定にはなかったが、「いくらなんでも銃だけでATを倒すのには無理があるのではないか」との声が上がり、見せ方として派手な倒し方を模索した結果採用されたとのこと。
プランバンドール・スキャンダル
ギルガメスとバララントの両国家によって展開された百年戦争(第3次銀河大戦)の末期、惑星ミヨイテにおいてメルキア軍プランバンドール機甲大隊に所属する一機甲猟兵小隊(シュエップス小隊)が、機甲大隊撤退の為の陽動作戦の最中に重要軍事物資であるヂヂリウム(ジジリウムとの表記もある)を強奪し敵前逃亡したとされる事件。作戦後に帰還したシュエップス小隊唯一の生存者であったメロウリンク・アリティー伍長は軍法会議にかけられるも小隊の事件関与を全面否定した上に隙をついて脱走した。強奪されたとされるヂヂリウムの行方は杳として知れず、またこれだけ大規模な事件になぜ一機甲猟兵小隊ごときが関わる事になったのか等あまりにも不可解な点が多く、大隊の一部将校たちが関与しているとの疑惑が噂されている。
リーニングタワー
第4話に登場。メルキア星のクメン王国首都ザイデン郊外に突き立っている宇宙戦艦の塔(タワー)。この艦はメルキア軍のケルビン級宇宙戦艦で、百年戦争末期に帰港中操船不能になり墜落したが火災すら起きなかった。全長620メートルの艦のうち、約500メートルが力学的に考えにくい45度の角度で、残骸になりつつ地表上に刺さっている。メロウリンクはこの艦内で戦闘を繰り広げる。タワーの原型となる宇宙戦艦の塔が、この第4話の脚本を担当した山口宏著作の、ボトムズ外伝のゲームブック『復讐の惑星シド』(1987年9月、勁文社)に登場する。

[編集] メインスタッフ

[編集] 主題歌

  • オープニングテーマ「ソルジャー・ブルー 」
    歌 - 坂井紀雄、作詞 - 売野雅勇、作曲 - 今村勝己、編曲 - 小島良喜
  • エンディングテーマ「VANITY」
    歌 - マーキーズ、作詞 - 売野雅勇、作曲 - 今村勝己、編曲 - 小島良喜

[編集] 各話リスト

発売日 話数 サブタイトル 脚本 ストーリーボード 演出 作監補 メカ作監
1988/11/21 1 stage01
ウイルダネス
五武冬史 滝沢敏文 今西隆志 吉田徹
2 stage02
コロシアム
山口宏 横山裕一朗 渡辺信一郎 スタジオダブ
1988/12/21 3 stage03
ジャングル
平野靖士 今西隆志 吉田徹
4 stage04
リーニングタワー
山口宏 高松信司 スタジオダブ
1989/1/21 5 stage05
バトルフィールド
高橋良輔 横山裕一朗 渡辺信一郎 吉田徹
6 stage06
プリズン
外池省二 今西隆志 スタジオダブ
1989/2/21 7 stage07
レイルウェイ
山口宏 高松信司 八幡正
8 stage08
ゴーストタウン
五武冬史 横山裕一朗 渡辺信一郎 吉田徹
1989/3/21 9 stage09
フォレスト
五武冬史 今西隆志 山田きさらか
10 stage10
キャッスル
山口宏 高松信司
1989/4/28 11 stage11
ベース
高橋良輔 横山裕一朗 渡辺信一郎
12 ラストステージ 山口宏 今西隆志

[編集] セット商品

  • 機甲猟兵メロウリンク コンプリート・ステージ・ファイル 1995年3月20日発売
    全12話をLDに収録し、サントラ未収録分を含めたBGM集を収録したCD2枚組をセットにしたもの。
    市販CDはLP版のサントラに未収録曲を加えた構成になっているが、LD-BOXの特典版はディスク1がLPと同じ構成で、ディスク2は市販CDに収録された未収録曲を含む全ての未収録曲にOP・EDのフルサイズやカラオケを収録した完全盤のサントラと言える内容になっている。
  • 機甲猟兵メロウリンク ステージ・コンプリーツ 2006年12月6日発売
    3枚組DVD。ミクロマン2006 メロウリンク・アリティーと、同サイズの対ATライフルを同梱。

[編集] 関連作品

[編集] 小説

  • 『機甲猟兵メロウリンク(1)』 1989年3月31日発売 朝日ソノラマ
    著:高橋良輔/イラスト:谷口守泰
    本編の第1話から第5話までをノベライズしたもの。アニメ版とはエピソードの順序が若干入れ替わり、「バトルフィールド」は「ウイルダネス」と「コロシアム」の間に挿入されている。「ジャングル」のエピソードには、アニメ版では登場しなかった『ボトムズ』のキャラクターも登場する。
    第1巻として発売されたが、続刊はなし。

[編集] コミックス

  • 『装甲騎兵ボトムズ外伝 無防備都市』 1993年2月20日発売 バンダイ
    ストーリー原案:山口宏/作画:柴田文明
    キークを主人公とした番外編で、本編の前日談に当たる。キークがバッテンタインからプランバンドール・スキャンダルについて聞かされるシーンがあるが、本編との直接の関係はない。
    ドッパー軍刑務所を脱走した“パルミスの黒い狼”の異名を持つATパイロット・ベラック大尉が、捜査を担当したキークを狙う。
    作画を担当した柴田のあとがきによれば、山口からのストーリーは完全なシナリオ形式で提供されたとのこと。このシナリオは「機甲猟兵メロウリンク ステージ・コンプリーツ」に同梱された。

[編集] その他

  • ルルシーの性格描写
    第1話と第2話以降ではキャラクターとしての描かれ方が異なっている。これはシリーズ構成を担当した高橋良輔と神田武幸監督との間でルルシーというキャラクターの捉え方が異なったためである。第1話でのルルシーはかなり「大人の女」として描かれているが、第2話以降では年相応の描かれ方をしている。前者は高橋の解釈によるもので、後者が神田監督の解釈による。
    ルルシーを演じた玉川紗己子は、当初「謎の人です」としか説明をされなかったという。
  • ノズルが火を噴くタイミング
    パイルバンカーが打ち込まれる際には、発射装薬の後方爆風がノズルから勢いよく噴き出す。原理的には槍が伸びるのと同時に噴き出すのが正しいはずだが、第1話と第3話では槍が伸びた後に火を噴いている。
  • ワインの銘柄
    第3話と第10話にはサッシーダという銘柄のワインが登場する。この名前はサンライズの指田プロデューサーの名前にちなんだもの。こうしたスタッフ等の名前にちなんだネーミングは『ボトムズ』にもいくつか見られる。
  • 青い髪の男
    第6話の冒頭で、ドッパー軍刑務所に向かう輸送機の機内に『ボトムズ』の主人公であるキリコ・キュービィーに似たキャラクターがいるが、これはアニメ誌の企画用に描かれた一種のお遊びであり、キリコ本人ではない(その後のシーンにこのキャラクターは一切登場しない)。
  • 刑務所
    科学忍者隊ガッチャマン』第42話「大脱走トリック作戦」と、当作第6話では、舞台となる刑務所の隔離方法(潮汐による干満の差による)も、脱走に使った小島の設定も全く同じである。ちなみに『メロウリンク』の制作スタッフには、『ガッチャマン』を作ったタツノコプロの経験者が多い。

[編集] 脚注

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  1. ^ a b c d e 第5話の軍事法廷のシーンにも登場しているが台詞はない。
  2. ^ リアルに考証した場合、後部ノズルが一方向に斜めに向いているので反動は相殺できず、また装甲を貫通する時の衝撃は射手が受け止めることとなり、物理的に問題がある。あくまで、アニメとしてのハッタリ、ケレン味を優先した兵器といえる。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

他の言語