ラブドール

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ラブドールの例
ラブドールの例(オリエント工業)

ラブドールとは、ダッチワイフの一種で、男性の性的欲求を満たすための等身大の女性の人形。特にボディが高価なシリコーンなどで作られているものを指す。

目次

[編集] 解説

過去のダッチワイフはビニール風船状のおもちゃのような物が多かったが、最近では実際の女性に似た本格的な人形が出回り始め、これをラブドールと呼んで区別している。骨格の周りをシリコーン樹脂等で覆い、触った感触が実際の皮膚と似ており重量感もある。基本的には男性の性的欲求を満たすための性具として設計されているため、空気式のダッチワイフと同様に女性器を模した「オナホール」をセットできるようになっている(一部には観賞を主として、オナホール用の穴がない物もある)。また実際の女性同様、下着や服を着せ化粧もすることがほとんどである。

ラブドールの大きな特徴として、本体が高価なため2体目を買う時、本体全てを買わなくても頭部だけ好みの物を購入して付け替えることができるようになっている。特に高価なものは全身をシリコーンで覆い、関節も実際の人間同様の可動範囲を持つよう設計されている。重量はシリコーンを多用した物で成人大は20-35kg程度、一体60万円前後する。需要が多くないため製造数も少なく、常時在庫しているメーカーも少数で、中小メーカーでは期間限定で購入者を募集し、数体程度をまとめて製造する受注生産方式を取っている。

最近では、高価なラブドールをデリバリーレンタルする業者も現れている。また、自分の部屋においておくと差しさわりがある人には、ラブドールを選べる時間貸しのレンタルルームもある。しかし、管理や風俗営業法の関係で、2008年現在には時間貸しのレンタルルーム形式のほとんどは廃業し、デリバリー形式が細々と残っている状態である。(⇒ラブドール風俗

[編集] 素材、構造、特徴

*風船式のもの、ウレタン製のものなどはラブドールの範疇には含め難いため、ダッチワイフとしてこの項目では触れない。

[編集] ソフトビニール製

ソフトビニール(ポリ塩化ビニル)性はシリコーン製に比べて価格が安く、10万円 - 20万円台で入手が可能である[1]。さすがに一般的なソフトビニール人形と比較するとサイズが大型過ぎるため、ソフトビニールのみで形状を保つ事は困難であり、内部に発泡ウレタンなどが充填されている。骨格がなくソフトビニール部材どうしで結合されているため、関節部は360度回転する。高級品であるシリコーン製に比べ、丈夫で安価で軽量[2]ではあるものの、見た目に実物らしくない点、手触りも人体に近いとは言えず、乳房なども固いと言う欠点を持つ。

*このセクションの特記無き記述は 高月靖『南極1号伝説』(文庫版) p.65 - p.70 を参照。

[編集] シリコーン製

重量は20 - 35kg程度、価格は50万円 - 60万円台となっている[3]。シリコーン製ラブドールの多くは、骨格が内蔵されており、ある程度自由なポーズを取らせることが可能で、製品によってはM字開脚も可能であり、シリコーンの弾力で元に戻らないよう関節を固定しポージングを決めることができるものもある[* 1]。また、シリコーンは比重が高く体重は実際の人間に近づくが、自分では動かないため見た目の印象より重量感がある。そのためウレタンFRPなどの中子で容積を稼ぎ、軽量化を図る場合がある。これは骨格を兼ねる場合があるほか、ボディーラインなどの形状を保持する役目も持つ。つまり一般的なシリコーン製ラブドールはおおよそ、骨格、中子、シリコーンの三重構造を持っていると見なすことができる。

シリコーンは摩擦強度が高いのに対し引き裂き強度は低い素材であるので[* 2]、股間に2つ目の穴、すなわちアヌスを用意することが強度の問題から困難で、口を用いてのフェラチオにしても、実際の女性の様に大きく口を開けさせる事は困難であり、これも技術上の課題と言える。素材自体に関しての改良やシリコーンの二層構造[* 3]などの、表面処理の改善は随時なされつつある。

*このセクションの特記無き記述は 高月靖『南極1号伝説』(文庫版) p.40 - p.64 を参照。

[編集] 使用方法

  • 擬似セックス … 股間にオナホールをセットし主に性具として使用 (バックは難しいので通常は正常位で使用)
  • 添い寝 … 主に添い寝に使用する(ただし、シリコーンは夏は快適だが冬は冷たい)
  • 着せ替え … 等身大の着せ替え人形にする
  • 写真撮影 … 報酬の要らない、撮影のモデルとして使用する(屋内だけでなく、屋外での撮影を行う場合もある)

精巧に作られているため、単なる性具という域を越える使用者もおり、ラブドールに精神的な癒しを求めて恋人の代わりにするケースも少なくない[4]

[編集] 取り扱い上の注意点

ラブドールの皮膚にあたる部分には様々な素材が使われている。中でもシリコーン樹脂は触った感触が最も人間に近いため、高価であるが最も多く使用されている。このシリコーン樹脂は女性用の胸パッドにも実際に使用されている。
(以下はシリコーン製ドールの注意点)

  • ベビーパウダー … シリコーンはべた付くので必要に応じてベビーパウダーをする。
  • パジャマ … 埃を避けるため前開きの綿のパジャマを着せると良い。
  • ストッキング … 足や手のシリコーンの裂けを防止するため、はかせた方が良い。
  • 股間や脇のシリコーンは裂けやすいので過度に広げてはならない。もし、裂けた場合には、すぐに付属のリペアキット(修理セット)で修復しておくと傷が広がらずに済む。
  • シリコーンに皺ができるような姿勢をさせてはならない。可塑性が高いので皺が定着してしまう。撮影の場合は短時間で済ませる。
  • 色移りしやすい材質なので、濃色の下着類は着けたままにしてはならない。
  • 静電気を帯びやすい材質なので、埃を吸着したりして汚れやすい。衣類用の静電気防止スプレーの利用が効果的である。
  • 入浴は首までとし、それを絶対に越えないようにする。首パーツとの接合部に金属が使用されているため、錆の発生の恐れがある。
海外製品の例

[編集] 海外製品の輸入

日本においては性器およびその周辺まで精巧に作ると猥褻物として法令等の規制を受けるため、日本製のラブドールではオナホールをセットする穴を開けるに留められているが、海外のラブドールは女性器まで精巧に再現されているため、そのままでは猥褻物となり輸入できない。輸入の際には若干の工夫が加えられた日本仕様のものを送ってもらうか、通関手続時に税関の目の前で該当部分を削り落さなければならない。

なお、国際インターネット通販など小規模で個人的なものを除くと、一般に海外から商品を購入し通関するためには所轄官庁に対して複雑な許認可手続を行う必要があり、専門知識のない一般個人が直接通関手続を取るのは実際上極めて困難である。さらにはラブドールのような個人の嗜好を反映したプライベートな貨物については、公的手続の煩雑さ以外に貨物の説明などで恥ずかしさも感じるため、なおさら個人輸入は困難であると言わざるを得ない。このため、海外製ラブドールの輸入代行を行う業者がいくつか存在する。

[編集] 処分の問題

ラブドールは骨格構造が意外と頑丈かつ複雑であり、細かく切断して分別廃棄することは困難である。処分の際、粗大ゴミとして扱われることになるが、最近では家庭ゴミを自宅前で収集する自治体も多く、世間体を気にするあまり遠距離のゴミ集積所や空き地に不法投棄され、死体遺棄事件と間違われるという問題も発生している。[5] このようなことから、メーカーでは不用ラブドールを無償で引き取り産業廃棄物として処分しているところもある。 また、ラブドールは高価であるため、仲介業者による中古品の有料斡旋もある。

ダッチワイフ使用者が増加したことに伴い、自分の死亡時に柩の中に一緒に入れ、共に火葬することを望む人もいるが、炉で焼く際に有害ガスが発生したり、異常高温になり炉に損傷を与えることもあり、また骨格金属の処分の問題もある。一般に火葬場では棺に遺体とその衣服以外を一緒に入れることは禁じられている[6]

[編集] その他

  • ラブドールは一般に成人女性の体型を模して造られるが、幼児体型・少女体型の製品も存在する。また、極少数ではあるが、男性の体形を模した製品も存在する。
  • 使用者のごく一部には、ラブドールを本物の女性のように扱うため、他人にもラブドールを人間として扱わせようとする者もいる。
  • 上記の様に実際の女性と同格に扱う使用者の多くは「購入・配達」ではなく「お迎え」と呼称することが浸透している。
  • 自分の死後ダッチワイフの供養も望む人がいるが、もし供養するとすれば当然のことながら人間の供養とは違う人形供養の形となる。

[編集] 日本のシリコン製ラブドールメーカー

  • オリエント工業(オリエントコウギョウ)
  • AI-DOLL・4woods(フォーウッズ)
  • JP-DOLL(ジェイピードール)
  • LEVEL-D(レベルディー)
  • UNISON(ユニゾン)
  • SILICONE-ART(シリコンアート)
  • LIFE-DOLL(ライフドール)
  • HONEYDOLLS(ハニードールズ)
  • MAKEPURE(メイク ピュア)
  • DOLL ATELIER APRICOT(ドール アトリエ アプリコット)

[編集] ラブドールをテーマとした作品

[編集] ラブドールをテーマとしたイベント

  • 『人造乙女博覧会』(2007年6月18日〜6月30日 ヴァニラ画廊
  • 『人造乙女博覧会 II』(2010年4月26日〜5月15日 ヴァニラ画廊)

[編集] 脚注

  1. ^ ただし後述する通りシリコーンの引っ張り強度には限界があり可動域は相応に限定されるため、どの様なポーズも可能というわけではない。
  2. ^ 摩擦を下げる為にはベビーパウダーなどが有効である。
  3. ^ 例えば、深層は強度重視、表層は触感重視、など。

[編集] 出典

  1. ^ 『南極1号伝説』(文庫版) p.66 2008年現在。
  2. ^ 『南極1号伝説』(文庫版) p.70
  3. ^ 『南極1号伝説』(文庫版) p.66 2008年現在。
  4. ^ 『南極1号伝説』(文庫版) p.19
  5. ^ MSN産経ニュース「すわっ、殺人事件と本格捜査! 寝袋開けたら人形だった…」2008年9月1日、http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080901/crm0809011759022-n1.htm(掲載期間終了)
  6. ^ 各自治体の斎場の案内を参照(例:南多摩斎場)。

[編集] 参考文献

  • 高月靖 『南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで 特殊用途愛玩人形の戦後史』(2008年4月 バジリコ)

[編集] 関連項目

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