プログレスバー

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プログレスバーの一例
プログレスバーのアニメーション

プログレスバー: progress bar)とは、長時間かかるタスクの進捗状況がどの程度完了したのかを視覚的・直感的に表示するもので、グラフィカルユーザインタフェース (GUI) の要素(ウィジェット)の一つである。しばしば、ダウンロードファイル転送のようにパーセント形式で表示される際に使われる。プログレスメーター: progress meters)とも呼ばれる。

プログレスバーの外観形態としては、左から右へ満たされていく水平方向のバーで進捗率を表すものがよく使われている。

不定状態[編集]

タスク完了までの処理量や時間が予測できないなど、タスクの進行の割合を表すことができない状況で使用される場合、一定幅のカラーバーが全体のバー内を繰り返し移動するアニメーションといったような、「不定(未定)プログレスバー」(: indeterminate)として表示される[1][2]。このバーは進行の総量(サイズ)がいっぱいになるのを示すのではなく、現在進行中であることを示す動きとしてインジケーターの役割を兼ねた働きをしている。Microsoft Windowsでは、この表示状態をマーキースタイル(: marquee style)と呼ぶこともある[3]Microsoft Windows 8Modern UIスタイルでは、不定状態を表すのにいくつかのドット(点)の集団がバーの領域内を繰り返し移動するアニメーションが使われることもある[4][5]

派生ウィジェット[編集]

macOSiOSAndroidMicrosoft Windows 8[4]などでは、プログレスサークル: progress circle)やスピニングプログレスインジケーター: spinning progress indicator[6]プログレスリング: progress ring[7]プログレススピナー: progress spinner[8]のように、進捗率表示や不確定状態のアニメーションが円環(円グラフ)や数珠のような形状で表示されるものもある。プログレスバーよりも占有面積が小さくて済むため、特に画面の小さいモバイル環境で多用されている。例えば複数のファイルのアップロード/ダウンロードの進捗率や、複数のアプリのインストール/アップデートの進捗率をコンパクトに個別表示するのに都合がよい。

なお、macOSのスピニング待機カーソル: spinning wait cursor[9]や、Microsoft Windows Vista以降の待機カーソル[10]は、円形のデザインのアイコンがアニメーションすることにより、システムやアプリケーションがビジー状態であることを示すようになっているが、これらはかつて砂時計のデザインのアイコンが使われていたものであり、プログレスリングやプログレススピナーが登場するよりもずっと早い段階で円形のデザインとなっていた。なお、Windowsではマウスのプロパティのデザイン設定を変更することで、Vista以降であっても待機カーソルを従来の砂時計アイコンなどにしたり、ユーザーが用意したカーソル画像を設定したりすることもできる[11][12]。待機カーソルはビジーカーソルまたはビジーポインターとも呼ばれる。Windowsのデスクトップユーザーエクスペリエンスガイドラインでは、動作が完了するまでユーザーが1秒以上待機しなければならない場合、ビジーポインター(IDC_WAIT)を表示するよう指定されている。バックグラウンドで作業が進行中で、他に完了までの視覚的フィードバックを提供する手段がない場合は、矢印アイコンと小さなビジーアイコンが組み合わされたポインター(IDC_APPSTARTING[注釈 1])を表示する。これらの活動状況を示すポインターはプログレスバーやプログレスアニメーションと組み合わせてはいけないとされている[13]

HTML5[編集]

HTML5では多数のユーザーインターフェイス要素が新たに標準化されたが、プログレスバーもprogress要素として追加された。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 名前の通り、アプリケーションを起動(開始)した直後にこのカーソルが表示されることがある。

出典[編集]

関連項目[編集]