パーソナルコンピュータ

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デスクトップパソコンのイラストレーション

パーソナルコンピュータ (Personal Computer) とは、主に個人で使用するために作られたコンピュータであり、「パソコン」、「PC(ピーシー)」と略される。日常的に単に「コンピュータ」と呼んだ場合は、パーソナルコンピュータを指している事が多い。

目次

[編集] 概要

1960年代までのコンピュータは、きわめて大型で高額なものであり、1台のコンピュータを複数人が共同で利用するのが一般的な形態であった。1970年代に入る頃には、特に大型かつ高額で専門家が操作するメインフレーム(汎用コンピュータ)、事務計算用のオフィスコンピュータ(オフコン)、科学技術計算用のミニコンピュータ(ミニコン)など各種のコンピュータに分化していたが、特別な場合でない限り、いずれも複数人が共同で利用した。

1974年マイクロプロセッサが登場すると、個人でも購入可能な小型で低価格なコンピュータが登場した。これらを当初はマイクロコンピュータマイコン)などと呼んだが、外観・操作性が洗練されてきたものを、従来品との差別化を図るため、個人用途であることを強調した「パーソナル」を冠して呼ぶようになった。

なお、特に「個人のための理想のコンピュータ」という意味では、アラン・ケイ1972年ACM National Conferenceで発表した"A Personal Computer for Children of All Ages"にその言葉が見られる。ここで言うパーソナルコンピュータとはダイナブックのことである。

2009年現在、一般的には、入力機器としては、キーボードマウスポインティングデバイス)など、出力機器としては、ディスプレイプリンターなどと組み合わせて利用する。

最近では、CPUを始めとするパソコンの各パーツの性能の向上が著しいため頻繁に新製品が登場している。

[編集] 仕様

現在、一般的に出荷されるパソコンは、CPUインテル80x86AMDなど他社製互換CPU含む)、オペレーティングシステム (OS) にMicrosoft Windowsを搭載したPC/AT互換機(いわゆるWintel(ウィンテル)仕様のPC)が多数派である。

他にはMac OS Xを用いたMacintosh(マッキントッシュ)が、教育学術出版デザイン音楽映像などの分野を中心に一定の支持を得ている。

WindowsやMac OS以外のOSでは、Linuxなども使用されているが、一部の発展途上国を除き多数派にはなっていない。

なお日本では当初は、日本語表示のために各社独自仕様のパーソナルコンピュータが主流であったが、1990年代DOS/VやWindowsの普及もあり、海外と同様のPC/AT互換機に移行した。

[編集] 歴史

詳細は「パーソナルコンピュータ史」を参照

[編集] 1970年代

パーソナルコンピュータは、1974年アメリカ合衆国で登場した。最初の個人向けコンピュータはAltair 8800で、その後はアップルコンピュータタンディ・ラジオシャックコモドールアタリなどから8ビットマイクロプロセッサを搭載した製品が登場した。中でもApple II表計算ソフトVisiCalcキラーアプリケーションとなり大成功となった。

日本では、1970年代後半に「ワンボードマイコン」と呼ばれるコンピュータの組み立てキットが販売され、その後、各社から8ビットコンピュータが発売された(詳細は 8ビット御三家 を参照)。1979年、ワンボードマイコンメーカの1社であり、企業向け大型コンピュータでも大手の日本電気 (NEC) がPC-8000シリーズを発売し、トップシェアとなった。

8ビット時代のオペレーティングシステム(OS)は、BASICでディスク管理を行ったほか、CP/Mなどが普及した。

[編集] 1980年代

1981年のIBM PC(IBM 5150)

1981年16ビットIBM PCが登場して世界的にベストセラーとなり、IBM PCで採用されたインテルx86系のCPUと、マイクロソフトMS-DOSが主流(事実上の標準)となった。更にコンパックなどによりIBM PC互換機市場が形成され、「パーソナルコンピュータ」の名称が一般化した。表計算ソフトはLotus 1-2-3ワープロソフトWordPerfect(日本では一太郎)が普及した。

1984年に登場したMacintoshグラフィカルユーザインターフェースの概念を大きく普及させることに成功し、後のコンピュータに絶大な影響をもたらした。1985年にはMacintosh向けにMicrosoft Excelが登場し、そのインターフェースは後のWindowsアプリケーションの原型となった。

しかし日本では「日本語表示の壁」もあり各社独自の日本語仕様が続き、異なったメーカー間ではアプリケーションソフトウェア互換性はほとんど無かった。16ビット市場では1982年の日本電気のPC-9800シリーズがトップシェアを続け、他には富士通FMシリーズFM TOWNSセイコーエプソンのPC-9800互換機、個人向けに絞ったシャープのX68000、PC/AT互換機ベースのAX協議会のAX、日本語表示用に高解像度を標準採用した日本IBMマルチステーション5550などが競った。一方、IBM互換機の独自拡張であるDynaBookは、場所を決めずにいつでもどこでも利用できるノートパソコンを大きく広めるものとなった。また、より手軽に入手・使用できる廉価機として8ビットのMSX規格がホビーパソコンとして一定の普及をとげた。

[編集] 1990年代

1990年代にはダウンサイジングの潮流もあり、企業や個人へのパーソナルコンピュータの普及が進み、企業用のローエンドのサーバーPCサーバーが広く普及した。1990年代初頭まではAmigaコモドール64アルキメデスなどのホビーパソコンもなお一定のシェアを保っていたものの、1990年代中盤以降の世界ではIBM PC互換機とMacintoshがパソコン市場の大多数を占めるようになった。

1991年にはWindows3.01995年にはWindows 95が発売され、従来の「16ビット、MS-DOS」から徐々に「32ビット、Windows」への移行が進み、一部の高機能指向のユーザーには従来のUNIXワークステーションに匹敵する機能を持つOS/2Windows NT、さらに高機能なOPENSTEPが使われ、パーソナルコンピュータでのPC-UNIXの利用も行われはじめた。

日本でも、1990年DOS/Vの登場、Windowsの普及とともに、世界と同じPC/AT互換機への移行が進んだ。またアプリケーションソフトウェアの発達とパソコン本体の低価格化もあり、ワープロ専用機ユーザーもワープロソフトに移行していった。この過程でMicrosoft OfficeLotus 1-2-3などを駆逐してオフィススイートのデファクトスタンダードとなった。

1990年代中頃にはインターネットが急激に台頭し、パーソナルコンピュータのウェブ端末としての利用が一般化した。このころNetscapeIEなどの間でウェブ標準をめぐって第一次ブラウザ戦争が発生した。1998年には「インターネットのための新世代のパーソナルコンピュータ」と銘打ったiMacが登場し社会現象となった。

1990年代にはWindowsやマルチメディアアプリケーションの普及による「スピード飢餓」を背景にマイクロプロセッサの高性能化が急激に進んだ。アウトオブオーダ実行スーパースカラなど従来スーパーコンピュータに使われていたような新技術が次々に投入され、1990年頃は16-20MHz程度だったパソコン用CPUのクロックは2000年には1GHzに達した。

[編集] 2000年代

2000年代にはノートパソコンが市場の主流になった。無線LANBluetoothによる無線接続も一般化し、パソコンの利用形態が多様化した。

2001年にはMacintoshのOSがOPENSTEPの技術を中心に作られたMac OS Xとなった。また同年にはWIndows NTをベースとしたWindows XPが発売され、Windows NTとWindows 9x系の製品ラインの統合が行われた。

2003年には初の64ビットパソコンであるPowerMac G5が発売され、続いてx86の64ビット拡張版であるAMD64(x86-64)が登場した。OSはWindowsが主流だが、Linuxなども一部で普及している。

2000年代にはパーソナルコンピュータのコモディティ化が進んだ。背景には各メーカーにより差別化できる範囲が減少して価格競争が激化したこと、既に一般の会社や個人に行き渡った事、性能がオーバースペック気味になり買い換え需要を喚起しにくくなった事、携帯電話などの新しい手軽な情報機器の普及、などが挙げられる。2002年にはHPによるコンパックの買収、2004年にはIBMによるパーソナルコンピュータ事業のレノボへの売却、2007年にはエイサーによるパッカードベルの買収など、大手メーカーの再編や寡占化が進んだ。国内でもセイコーエプソン、シャープ、三菱電機三洋電機などでパーソナルコンピュータ事業の縮小や撤退が進んだ。

一方、2000年代には多くの個人にパソコンが行き渡ったことにより、パソコンに接続して利用することを前提とした情報機器や家電製品が普及した。デジタルカメラデジタルオーディオプレーヤーはパソコン利用の広がりを背景に従来のフィルムカメラやMDの需要の大半を置き換えた。パソコンメーカーもこれらの機器の情報を蓄積し、加工する機器としてパソコンを位置づけ需要を喚起している。

2007年からは最低限の性能・機能で3~5万円程度でも購入できるコンパクトなノートパソコンが普及し、後にネットブックと呼ばれるジャンルを形成した。この背景には、パーソナルコンピュータ側での処理は最低限にして、ネットワークの先のサーバー側で処理の大半を行う、クラウドコンピューティングなどの普及が挙げられる。またAJAXなどをベースにしたクラウドコンピューティングの普及を背景に、第二次ブラウザ戦争が勃発、Google ChromeSafariを筆頭とするWebKit系ブラウザやMozilla Firefoxが台頭し一時のIE独占の状況は大きく変化している。

2009年現在の世界シェアは、1位がHP、2位がエイサー、3位がデル、4位がレノボ、5位が東芝である(出荷台数ベース、IDC調査)[1]

[編集] 機器構成

[編集] 本体

パソコンの構造(タワー型)

パーソナルコンピュータの本体に当たる物で、パーソナルコンピュータを動作させるための主要な部品が内蔵されている。デスクトップPCの場合は、その部品には以下のような物がある。

ケース
パーソナルコンピュータの主要機器を収納するための箱。縦置きのミニタワー型、ミドルタワー型、フルタワー型などがある。ディスプレイ一体型、省スペース型(スリム型など)、あるいは横置き(水平設置)できるもの、などもある。
  1. ディスプレイ
  2. マザーボード
  3. CPU
  4. 主記憶(メモリー、RAM)
  5. 拡張カード
  6. 電源
  7. ディスクドライブ
  8. 補助記憶 (ハードディスク)
  9. キーボード
  10. マウス
マザーボード
パソコンの主要機器を接続するための基板。ATXMini-ITXなどの規格があり、ケースによって使用可能な規格が異なる。
CPU
パソコンの頭脳に当たる部品。中央処理装置。マイクロプロセッサが使われる。MPUと呼ばれることもある。高性能だと主にインテル社製のCore 2 Duo・QuadIntel Core i7AMD社製のPhenom IIなど、安価で性能がよい製品ではインテルのPentium ECeleronAtom、AMDのAthlon 64 X2Sempronの種類がある。
ノートパソコンではマザーボードに直付けされていて、取り外す事が出来ないものが多い。
ハードディスクドライブ
パソコンのOSや各種のソフトウェアデータは、通常ここに記録される。メディアを取り出して運ぶことができないため、かつては固定ディスクとも呼ばれていた。ただし、特に大容量のデータのやり取りでは、ハードディスクドライブをパソコン本体から取り外してやり取りすることがある。またパソコン本体を分解せずにハードディスクドライブを着脱可能とするためのマウンタも存在する。年々、大容量化が進んでおり、2009年7月現在では、2TBの物も存在する。
光学ディスクドライブ
CDDVDBDHD DVDなどメディアを読み込む、あるいは書き込むために使用する。最近では、DVDスーパーマルチドライブや、BDドライブなど、多数の規格の光学メディアが使用できるものが主流となりつつある。持ち運びを優先した小型ノートタイプでは内蔵されない場合が多いが、多くの機種では、本体に1ドライブ(一部には2ドライブ以上)が内蔵されている。
フロッピーディスクドライブ
フロッピーディスクを使用するためのドライブ。1990年代から3.5インチが主流であるが、最近はほとんど使われていないため、ノートタイプはもとより、デスクトップタイプでもミニタワー型以上など搭載機種も限られる。近年では、USB接続による外付けのドライブを利用するケースが多い。
光磁気ディスク(MO)ドライブ
MOを使用するためのドライブ。フロッピーディスク同様、3.5インチが主流である。データ交換を目的として主に外付けで利用される。
メインメモリ
パソコンでCPUが、実行中のプログラムや、処理中のデータを記録するための記憶装置。BIOS等を格納する読み出し専用のROMと読み出しと書き込み両用のRAMが存在するが、通常、メインメモリといえば後者を指す。コンピュータグラフィックスなどの画像処理、特に動画処理を快適に使うには、より多くの容量が必要とされる。
表示装置
ディスプレイに表示するためのデータを処理する装置。フレームバッファ(グラフィックメモリ)から表示内容を読み出し、グラフィックスコントローラ、RAMDAC などを経由してディスプレイに表示信号を送る。現在では描画を高速化する機能であるGPUグラフィックアクセラレータ)が搭載されている場合が多い。廉価なものではマザーボード上のチップセット(統合チップセット)がこの処理を行う。
サウンドチップ
スピーカーから出す音声(各種効果音やデジタル化された音声データなどの再生)を処理する装置。
サウンドメモリ
サウンドチップが処理するデータを一時的に記録する装置。グラフィックメモリと同様メインメモリと一体になっている物もある。
各種インタフェース
後述する周辺機器を接続するための差し込み口(ポート、端子)。以前はそれぞれの周辺機器に対応する専用のインタフェース(レガシーデバイスともいう)が備わっていたが、表示装置イーサネット、サウンドの入出力などを除き、USBIEEE 1394ポートへ集約される傾向にある。
電源装置
交流を直流に変換し、マザーボードやドライブ装置などに電力を供給する装置。ATX電源など。

[編集] 周辺機器

パソコン本体に接続する機器の事で、パソコンにデータを伝えるための入力機器とパソコンからデータを受け取るための出力機器、ネットワークなどに使用される通信機器などがある。

[編集] 入力機器

キーボード
コンピュータにコマンド文字を入力するための機器。日本では通常日本語109キーボードが使われ、最近では、大手メーカー製を中心に特定の機能(例:電子メールをすぐ確認するためのメールソフト)を一発で起動できるワンタッチボタンを有する物が多い。USBPS/2ポートで接続するものが多い。
マウス
平面の上を滑らせ、画面上のマウスポインターを操作するための装置。大きさと尻尾のように生えたケーブルをネズミになぞらえてそう呼ばれる。現在は上部に2つのボタンとホイールボタンをもつものが主流。ボール式や光学式、レーザー式、青色LED式などがあり、手へのフィット感や応答性のよさで選択される。近年は光学式やレーザー式が主流である。これもUSBPS/2で接続したり、古いものであるとRS-232で接続する。
ノートパソコンや一部のデスクトップ型では、マウスの代わりとなるタッチパッドトラックボールなどがキーボード部分に内蔵されていることが多い。(別途マウスを接続しての利用も可能)
スキャナイメージスキャナ
外部から画像(平面的な写真印刷物)をパソコン用のデータに変換して取り込むための装置。ポジネガなどのフィルムをスキャンできる機種もある。
デジタルカメラ
デジタル記録した写真画像データをパソコン内に取り込むために接続される。

[編集] 出力機器

ディスプレイ
コンピュータからの応答やデータ結果を表示するための装置。テレビ受像機のような形をしており、15インチから30インチなどと様々なサイズが存在する。通常この機器単体では機能しないが、TVチューナーとして使用できる物も存在する。大きく分けると、ブラウン管型と液晶型が存在しており、最近では後者が主流になっている。後者にはTFT、HPA、DSTNがあるが、このうち最も性能がよいのはTFTである。
スピーカー
パソコンの音声を出すための装置。主にステレオが多い。最近の機種では、ディスプレイの画面から音声を出す物もある。
プリンター
文書画像などを紙に印刷するための装置。カラーのインクジェットプリンターレーザープリンターが主流である。最近ではパソコンなしでメモリーカードを直接挿入したり、デジタルカメラとUSBケーブルで直接接続する事で、メモリカードやカメラ内に保存されている画像や文書を印刷する事も出来る。イメージスキャナとの複合機になったものもある。
携帯音楽プレーヤ
インターネットで入手したり、手持ちの音楽CDからデジタル変換した音楽データをパソコンから送り込むため接続される。

[編集] 通信機器

モデム
ダイヤルアップ接続インターネットへ接続する場合に必要な装置。ノートタイプのように本体に内蔵されている場合もある。ISDNを利用する場合はTAが、ADSLの場合はADSLモデムが別途必要になる。

LANで接続するときは、RJ-45で接続する。

[編集] パソコンとワークステーションとミニコンとオフコンの違い

「筐体の大きさがどれくらいあるか」、「どんな業務に利用できるのか」、といった観点で見た場合、以下の4者の間に決定的な違いが無い。4者を区別する場合は「歴史的事情(生い立ち)」と「内部アーキテクチャ」等を知る必要がある。

  1. パソコン
    • パソコンの定義については、本ページの別の項目に解説があるので割愛する。なお、パソコンのルーツは二系統ある。一つはホスト機ダム端末のインテリジェント化として始まった系統。もう一つはTK-80Altair 8800のようなホビーマイコンとして始まった系統である。特にホビーマイコン系の方は、大抵のものがインテル8080/8086互換系のCPUを搭載していた。
  2. ワークステーション
    • リンク先を参照。
  3. ミニコン
    • ミニコンは、メインフレームのように大規模なシステムを想定したしかけが搭載されていないながら、メーカー独自のアーキテクチャを持ったコンピュータを指す。意味合いとしては、メインフレームの縮小版ともいえ、その性格上、メインフレームに比してダウンサイジング化やオープンシステム化の影響を受けやすく、メインフレームよりも早く市場から淘汰されていった。大きさについては、電子レンジ以上の大きさを持っているものを指す。あまりに小さいものはマイコンに分類されてしまう。逆にメインフレームに匹敵するほどの大きさを持っていても分類上問題ない。
    • 用途としては、主に制御系(プロセス制御、通信制御など)を中心に、エンジニアリング系にも利用される。
  4. オフコン
    • オフコンはミニコン及びワークステーションの一種であるが、「これはオフコンである」とベンダが宣言し、既存の業務・業種パッケージ財務会計給与計算、販売管理など)をマシン購入と同時に利用できる形で売り出した製品を指す。日本独自の呼称表現であり、欧米では日本で「オフコン」と呼ばれるコンピュータも「ミニコン」と称する。端的には、上記ミニコンのアーキテクチャを、中・小規模な企業内における事務処理用途に特化させたものである。
    • 現在オフコンと呼ばれているものは、昔(1990年頃まで)においてオフコンと呼ばれたものの後継版製品を指す。現在では内部ハードウェアのアーキテクチャはパソコンと同様であることが多いが、独自のオペレーティングシステム (OS) を搭載し、かつてのオフコン用のアプリケーションが使用できるように施してある。

[編集] 形態

大別して、机上等に設置して移動させないで使用する固定型(据え置き型)と、持ち運んで使用する可搬型に分けることができる。固定型には「デスクトップ型」、「タワー型」、「一体型」などがあり、可搬型には「ラップトップ型」、「ノート型」などがある。省スペースパソコンも参照。

[編集] 固定型

固定型には次の種類がある。

デスクトップ型
デスクトップ型(デル OptiPlex)
かつては横型の筐体を使用したものをこのように呼んでいたが、現在ではミニタワーなどの形状でも机上に置くことができるものは(ノート型と対比する形で)デスクトップ型と呼ぶ場合が多い。拡張性を犠牲にした小型のデスクトップ筐体では、縦横どちらにも設置できるものが多く、価格も比較的安いことから、企業などの業務用クライアント機として大量に導入されている場合が多い。
タワー型
縦型の筐体を用いるパーソナルコンピュータである。大きさによって、フルタワー、ミニタワー、マイクロタワー、スリムタワーなどがある。立方体に近い形状をしたキューブ型パソコンも、広義ではこのタワー型に入る。また、フルタワーよりも大きなサイズのスーパータワーも存在する。フルタワーやミニタワーは、メンテナンス性に優れ、内部拡張性が高いものが多い。ヘビーユーザーにとっては設置面での問題を別にすれば最も適した種類である。
ディスプレイ一体型
本体(マザーボード、電源等)とディスプレイ(かつてはブラウン管、今日では液晶ディスプレイ)をひとつの筐体に収めたもの。製品によってはキーボードも一体化している場合がある。超小型デスクトップとは違って内部の部品は一般的なデスクトップ用の部品を使用しているものが多いが、記憶ドライブなどにノート型の部品を転用している場合も見られる。デスクトップ型やタワー型と比べると、本体とディスプレイの接続の手間は省ける利点はあるものの、機能拡張面で弱い傾向が見られる事から、ヘビーユーザーからは敬遠されがちである。2005年頃から登場した大型のものは、地上デジタルテレビジョン放送(地デジ)受像機と一体化され、一見パソコンには見えないものが多い。以前から存在する小型のものは、ライトユーザー(初心者)の他に、企業などのクライアント機として大量に導入される場合がある。
キーボード一体型
本体とキーボードが一体化しており、外観は分厚く大きいキーボードのようである。テレビ接続を想定していたかつての8ビットパソコンに多く採用されていたが、1990年代以降は少なくなっている。
ラック型
企業向け・法人向けに用意されている、ラックマウントできるタイプのもの。省スペース化・メンテナンス性に優れ、キャスターなどによりシステム全体をケーブルを外すことなく移動できることがメリットである。
超小型
ノートパソコンの部品を利用して内部拡張性を排除したデスクトップパソコン。ノートパソコンのように電源を外付けにしているものが多い。機器組み込みなどの特殊用途やサーバ用に販売されていたが、低価格を売りに一般向けに販売され、ライトユーザーを中心に人気を博している機種もある (Mac mini)。

[編集] 可搬型

可搬型には次の種類がある。なお日本では、持ち運び出来るパソコンを「ノートパソコン」と呼ぶ場合が多いが、英語では「ラップトップ」(Laptop)と呼ぶのが一般的である。

ラップトップパソコン
本体、ディスプレイ、キーボードをひとつの筐体に収め、移動のためのハンドルを持った形状のもの。(lap)の上(top)に乗せて使うことができることからこの名がついた。現在のノートパソコンのような小型軽量のものが登場するまでは、可搬型といえば(Osbone-1のようなものを除き)これしかなかった。なお、電池を内蔵せず、使用時は商用電源が必要なものもあった[要出典]マサチューセッツ工科大学のプロジェクトチームが発展途上国の子どもたち向けに開発中の100ドルパソコンでは、電気のない地域でも利用可能にするために手動のハンドルで電力を供給するシステムを採用している。
ノートパソコン
A4ノートサイズ以下の大きさで、折りたたんで持ち運び可能なもの。ノート型のうちでも可搬性を重視したものとして、サブノートやミニノートがある。長距離の持ち運びよりも室内での移動を想定した大型で重いものは、DTR(デスクトップリプレイスメント)、トランスポータブルなどと呼ばれる。
サブノート
ノートパソコンの中で小型のもの。おおむねB5判以下あるいは、A4判で特に薄型のものをさす場合が多い。
ミニノート
サブノートよりも小型のもの。おおむねA5判以下のサイズのものをさす。
ネットブック
ネットブック( HP)
主にネットワーク上での処理を中心とした小型軽量のノートパソコン。
タブレットPC
回転・着脱可能なキーボードを備えたタブレットPC(HP)
キーボードやマウスを省略し、液晶ディスプレイに一体化したペンタブレットで文字入力とポインティングを行うものをペンコンピュータといい、2002年マイクロソフトが発売した専用オペレーティングシステム(OS) (Microsoft Windows XP Tablet PC Edition) を搭載するタブレットPCもこれに含まれるが、普及はまだこれからである。
ウェアラブルコンピュータ
時計型や頭部に装着するなど常に身体に携帯して使用するタイプの総称。
PDA(携帯情報端末)
手のひらに入るくらいのもの(パームサイズ/ハンドヘルド)だが、通常はパーソナルコンピュータとは別のカテゴリとされる。Pocket PCなど。

[編集] PCの販売形態やモデルサイクルなど

世界でのパーソナルコンピュータ出荷台数

1990年代前半までの、NECのPC-9800シリーズ全盛時代は、おおよそキーコンポーネンツ(主要部品)となるCPU(マイクロプロセッサ)の進化時期に対応した商品サイクルで、半年から1年程度の商品サイクルとなっており、NECの新商品発売に少し遅れるタイミングでエプソンが対抗機種をNECより安い価格で発売する状態であったが、Windows 95が本格的に立ち上がり始め、多数の海外系メーカーが日本に参入を始めた1996年頃から商品サイクルの短期化が進み、モデル末期には希望価格の半額以下で投売りされることも多く、生鮮食品に例えられるようになってきた。

現在では、各社とも年3回(春・夏・秋冬)の新モデルの発売が定着し、無理なシェア争いを回避する方針となって生産量も押さえ気味(機種によっては1カ月程度で生産完了の場合もある。Qosmio Gシリーズなど)にされ、かつてのように旧モデルの在庫品などを安く購入する手法は困難となっている。また、高機能モデルを 投入するために進化論で有名なガラパゴス島になぞらえてガラパゴス進化と言われている。これに対して台湾系のASUSやACERなどは新興国市場に強く、北米や欧州市場でのニッチユーズが成功してるのに対して、日本メーカーは構造転換が難しく各メーカーの収益性が問われている。

また、デルコンピュータゲートウェイなどアメリカ合衆国で実績を伸ばした、比較的低価格で直接販売するメーカーの日本への進出(後者は一度撤退後、再進出)もあり、現在では主要メーカーのほとんどが、店頭やOAディーラなど従来の流通ルートを使った販売と自社ウェブサイトによる直接販売(需要予測精度の向上の目的もある)の両方を行っている。

マザーボードハードウェアなどPCパーツだけでの販売もされているため、好みのパーツを購入してメーカー製にはないオリジナルのPCを完成させる人もいる(いわゆる自作PC)。PCを自作するのは、ただ単にPCが動けばいいという人とより高性能なものを求める人とに二分される。詳しくは自作パソコンを参照。

[編集] PCとリサイクル

半導体素子製造プロセスの急速な高度化(この様子はムーアの法則などと表現される)の恩恵を受けて、より高速・高機能なCPUを用いた製品が市場に投入され、そうした最新版のハードウェアに対応したソフトウェアが普及するにつれ、旧型製品の買い替えサイクルは短くなる。そのため廃棄されるPCの台数が増加しており、資源の有効活用や環境保護の面から問題点が指摘されるようになった。そのため、家庭電化製品と同様に「資源の有効な利用の促進に関する法律」の適用を受けることになり、メーカーによる回収・リサイクルが制度化された。

これを受け、2001年4月1日から企業個人事業者2003年10月1日から家庭用で不要となったパソコン本体(付属のキーボード・マウス・スピーカー・ケーブル類、単独の外部ディスプレイ含む。付属マニュアルやメディア、プリンターなどの周辺機器は除く)は各製品のメーカーが回収し、素材レベルに分解し資源として再利用される(中古品としての流用や部品取りは原則として行われない)。

「PCリサイクルマーク」がついた家庭用PCは、販売価格に回収処分の手数料が含まれているためリサイクルの費用は不要であるが、マークのついていない製品は新たに「回収再資源化料金」を負担する必要がある。 自作PCやメーカーのパソコン事業撤退 [2] ・倒産した場合は、有限責任中間法人パソコン3R推進センターが有償で回収を行う。この制度を受けて、自治体などではPCの粗大ごみ収集・処分を行わないところが多い。 [3]

事業用のパソコンについては、別途メーカーによる回収・リサイクル体制が整えられているが、産業廃棄物として処理される場合もある。

そのほか、従来から中古PC市場が形成されており、PC活用のノウハウを持った上級ユーザを中心に再利用されてきたが、中古品の品質保証や付属ソフトウェアのライセンス譲渡の点で不安を抱く購買者もいた。こうした市場、および環境問題への配慮していることのアピール、顧客満足度向上などをはかるため、下取りした自社製PCを再生して「Refreshed PC」などとして、中古販売ルートで販売するメーカーも出現した。

[編集] 主なベンダー

[編集] 日本

[編集] 韓国

[編集] アメリカ

[編集] 台湾

[編集] 中国

[編集] かつて存在したベンダー

  • コンパック(ヒューレット・パッカードに吸収)
  • IBM(レノボへパソコン部門を売却)

上記の他にもパソコンの製造メーカーは多く存在するが、パソコンの内部に使われている部品は、限られた企業が生産している。CPUはアメリカのインテルが8割を占め、アメリカのAMDと台湾のVIAが残り2割を占める。GPUはデスクトップ製品ではアメリカのNVIDIAが4割弱、インテルが3割強、AMD(旧・ATI)が2割を占め、その他に台湾のVIAとSiSなどがある。ノートパソコンではインテルが5割、AMDとNVIDIAがそれぞれ2割を占める。メモリは韓国のサムスン電子ハイニックス半導体(旧・現代電子)が5割を占め、ドイツのキマンダ(旧・インフィニオン)、日本のエルピーダメモリ、アメリカのマイクロン、台湾のPowerchipNanyaProMosなどで4割あまりを占める。マザーボードは台湾のASUSTeKが全体の3分の1に及び、同フォックスコン鴻海精密工業)、MSIGIGABYTEなどが続く。ハードディスクでは、アメリカのシーゲイトウェスタン・デジタル、日本の日立グローバルストレージテクノロジーズ(旧・IBMのHDD製造部門)と東芝富士通、韓国のサムスン電子で9割強を占める。

[編集] 脚注

  1. ^ 【IDC調査】3Qの世界PC市場シェア、エイサーが第2位に - COMPUTERWORLD
  2. ^ 高木産業、かつて「PURPOSE」ブランドでパソコンを販売していたが、2003年頃に撤退 PURPOSEパソコンの廃棄について
  3. ^コンパック製品については、合併したヒューレット・パッカードで回収を行っている。2001年に一度日本から撤退したゲートウェイ製品については、再進出後の現日本法人で回収を行っている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク