シャンチー

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シャンチー
シャンチー
プレイ人数 2人
準備時間 1分以下
プレイ時間 通常:約30分
早指し:最長10分
運要素 無し
必要技能 駆け引き、戦略
シャンチー
繁体字 象棋
簡体字 象棋

シャンチー象棋、xiangqi)は、中国で盛んな将棋類であり、二人で行うボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。中国では国家の正式のスポーツ種目になっている。


目次

[編集] ルール

[編集] 基本ルール

  • 駒は双方が7種16枚持ち、それぞれ動きが決まっている。なお同じ機能の駒でも先手と後手で名前が異なる。
  • 縦横9本の線の引かれた専用の盤を用いる。駒はマスの中ではなく、囲碁のように線の交点に置かれる。
    • 両側端中央の4桝だけは斜め線も引かれる。ここは九宮と呼ばれ王城に見立てられており、帥と仕(後手は将と士)は九宮を出ることができない。
    • 中央の一列だけは縦線が引かれていない。楚河、漢界の字が書かれており、ここは大河に見立てられている。相(象)は河を越えることはできず、兵(卒)は河を越えると戻れなくなる。これは、このゲームの発祥が韓信であり、項羽との睨み合いの最中に兵士たちの暇潰しと戦略眼の養成のために発案したとの伝説による。(縦線は引かれていないが、これはデザイン上の話で駒の動きは線が引かれているものとしてプレーする)
  • 競技者双方が交互に、盤上にある自分の駒を一回ずつ動かす。
  • 自分の駒を動かすとき、動く先に相手の駒があるとき、その駒を取ることが出来る。取られた駒は盤面から除去する。将棋と異なり、取った駒は再利用出来ない。
  • 相手の将または帥を詰めることで勝ちになる。また相手指し手番で相手がどの駒も動かせないステイルメイト困死、クンスー)にしても勝ちである。
  • 王不見王(ワンプージエンワン)、あるいは対面笑(トイメンシアオ)や飛将(フェイジャン)と呼ばれるルールがあり、将と帥を直接相対させてはいけない。すなわち将と帥が同じ列で、その間に他の駒が一つもないような状態にするような手は指すことが出来ない。具体的には将と帥の間にひとつだけ存在する他の駒を動かすことや、将が王手を避けて動いた結果、相手の帥の前に出てしまうことが挙げられる。相手に、将と帥を直接相対しなければならない手を指さざるを得ないように追い込むのも、詰めの一つである。
  • 連続王手千日手長将、チャンジャン)は禁じ手であり、王手をかけている方は3回同じ局面が出現するまでに手を変えなければならない。その他の千日手は引き分けとなる。
  • 駒の消耗によって双方が相手を詰められなくなった場合は引き分け(和棋、ホーチー)となる。

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上下が平らな円形に切った木片の、片面に文字を書いたものを用いる。先手と後手の駒は文字の色と名前で区別し、先手の駒の文字は赤、後手は黒か緑の文字を書く。材質は他にプラスチック、象牙など。

[編集] 初期配置図

Xiangqiboard.png
斜線の引かれた9路を九宮といい、帥・将・仕・士はこの中から出ることができない。中央の縦線のない部分をといい、象・相はこれを越えることができない。兵・卒が越えると動きが変わる。(九宮:上図の4、5、6または四、五、六とそれぞれの本位線、咽喉線、分津線の交点の9点)

[編集] 帥·将

先手が(シゥアィ)、後手が(ジャン)。前後左右に一路進める。ただし九宮から出ることはできない。また前述の王不見王ルールのため、相手の帥・将と直接相対するような動きもできない。詰められると負けである。

初期配置では、前にだけ一路進める

[編集] 仕·士

先手がまたは(シー)、後手が(シー)。斜めに一路進める。ただし九宮から出ることはできない。

斜めに一路進める

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先手がまたは(マー)、後手が(マー)。八方桂ナイトと同じ動きだが、駒を飛び越えることはできない。すなわち◆の位置に他の駒(敵味方を問わない)があれば、その方向には進めない。このルールは塞馬脚(サイマーシオ)と呼ばれる。従って、駒に接する上下左右の4箇所に他の駒があれば、どこにも動けなくなる。この状態は塞八方馬(サイパファンマー)と呼ばれる。チャンギの馬と同様の動き。(まず隣に1マス◆の位置に移動し、さらに斜め1マス◯の位置に移動するというイメージを持てば塞馬脚も理解しやすい)

八方桂のように動けるが、塞馬脚の制限がある
塞馬脚 馬は塞馬脚で傌を取れない。傌は塞馬脚ではないので馬を取れる。

[編集] 相·象

先手が(シャン)、後手が(シャン)。斜めに二路進めるが、駒を飛び越えることはできない。すなわち◆の位置に他の駒(敵味方を問わない)があれば、その方向には進めない。このルールを塞象眼(サイシャンイェン)という。従って、駒に接する斜め4箇所に他の駒があれば、どこにも動けなくなる。この状態は塞相田あるいは塞象田(サイシャンチェン)と呼ばれる。なお、中央の河を越えることはできない。

[編集] 俥·車

先手がまたは(チュ)、後手が(チュ)。縦横に何路でも進める。将棋の飛車と同じ動き。

[編集] 炮·砲

先手がまたは(パオ)、後手がまたは(パオ)。縦横に何路でも進める。敵の駒を取るときは他の駒(敵味方どちらでも良い)を一つ飛び越えなければならない。飛び越えずに敵の駒を取ることは出来ないし、取らずに飛び越えることもできない。飛び越えない場合は将棋の飛車と同じ動き。

例一:炮は車を取ることが出来る

例二:炮は卒や砲を取ることが出来るが、馬を直接取ることは出来ない。また、車を取ることも出来ない。

[編集] 兵·卒

先手が(ピン)、後手が(ツー)。前に一路だけ進める。河を越えると横にも一路進めるようになる。このゲームの成駒はこれ以外は無い。

[編集] 歴史

[編集] 前史

シャンチーは他の将棋型ゲームと同様、インドのチャトランガを起源とするとされる[1]

牛僧孺が作ったとされ、代(618年 - 690年,705年 - 907年)の『太平御覧』に収められた『玄怪録[2]』に、すでに将棋の駒の動きを想起させる記述が残されている[3][4]。このときの駒の配置や動きは、現在のシャンチーとは大きく異なり、チェスや(2人制の)チャトランガに近いものであったと推測され、駒も縦横の線の交点ではなく、マス目の中に置かれたものと考えられている。従って、古代のシャンチーは唐代もしくは、その以前に伝来成立したと考えられる。

現在式シャンチーが発生したのは、宋代と考えられている。北宋末期の女性詩人である李清照による『打馬図経序』に、シャンチーと同じ配置の図が紹介されており[5]徽宗(在位1101~25)の遺物とされるシャンチーの駒や、北宋の首都であった開封から出土したシャンチーの駒が発掘されている[6]。開封の駒は現在のシャンチーと同じ7種類(将・士・象・車・馬・砲・卒)で、円形の銅製の駒で、裏にはそれぞれの駒に対応する絵が描かれている。

[編集] ルールの整備と発展

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[編集] 日本への普及

シャンチーが日本に伝来した時期は明らかではないが、沖縄諸島には比較的早い時期に伝来したものと考えられる。沖縄地方に伝わる盤上遊戯である「チュンジー」はシャンチーとほぼ同じルールである[7]。1972年(日本と中華人民共和国との間の国交が回復した年でもある)に『近代将棋』誌でシャンチーの紹介がなされた[要出典]ことで、日本の将棋愛好家を中心にシャンチーが知られるようになった。

1973年には将棋棋士の大山康晴を中心に「日中象棋協会」が結成され、翌年から日本国内でも同協会による全日本選手権が毎年開催されるようになった[8]。1991年には国際組織に加盟するために協会を改組し、名称を「日本シャンチー協会」と改めた[9]。この際、改組に反対する一部の役員が脱退し、全日本選手権の分裂開催を画策するなどの混乱も見られたが、関係者の尽力により分裂開催は回避されている[10]。日本シャンチー協会は、改組した翌1992年にアジアシャンチー連合会に加盟し、1993年に発足した世界シャンチー連合会にも発足と同時に加盟している。

2008年現在、中国を中心に5億人[8]、日本でも20万人の競技人口を持つ[11]とされる。

[編集] コンピュータ・インターネット

チェス・囲碁などの他の盤上遊戯と同様、シャンチーもインターネット対局が広く行われるようになっている。

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[編集] ワールドマインドスポーツゲームズの正式種目に

2008年、中華人民共和国北京市で開催される第1回ワールドマインドスポーツゲームズに、コントラクトブリッジチェス・ドラフツ(チェッカー)・囲碁とともにシャンチーが正式種目として行われることになった。シャンチーは開催国である中国側の強い要望により正式種目に加えられたとされる[12]。この大会には世界143か国・地域から2763人が参加し[13]、シャンチーには32か国・地域から198人が参加した[14]

日本からも各競技に代表選手を選出しており、シャンチーには将棋棋士の所司和晴ら8人が参加した[15]。日本代表は男子団体(女子団体は不参加)・男女個人戦などに参加し、男子団体で18チーム中14位などの成績となった[16]

[編集] 名称

この競技は中国語では「象棋」と表記されるが、これは中国語でチェス類の一般表現にも使う[17]ため、特に区別する際には「中國象棋」と表記される。

日本語では「象棋」「中国象棋」「中国将棋」などと表記されることもある。国際組織である世界シャンチー連合会は英語表記を「xiangqi」としているが、英語では昔からの通称である「Chinese Chess」との表記も見られる。

世界シャンチー連合会に加盟しており、日本における国内競技連盟である日本シャンチー協会では、日本における呼称・表記とも「シャンチー」とすることを定めているが、2008年現在でも呼称が統一された状態にはなく、出版・報道では「象棋」という表記も行われている。たとえば、2008年に開催されるワールドマインドスポーツゲームズの種目に本競技が取り上げられたことを紹介する新聞記事では、多くの新聞で「シャンチー」の表記を採用している[12][18]。これに対し、広辞苑では第六版(岩波書店、2008年、ISBN 978-4000801218)で「中国象棋」「シャンチー」の両者が見出し語に加えられ、語義の解説は「中国象棋」に記載されている、日本における遊戯史研究の第一人者である増川宏一は、自著で「象棋」という表記を使っている[19][20]、などの例がある。日本オリンピック委員会(JOC)では「シャンチー」を採用している。

[編集] 著名なシャンチー選手

[編集] 日本人選手

  • 大山康晴(日本将棋の十五世名人、普及に尽力)
  • 所司和晴(日本将棋棋士、世界選手権非中国人部門で優勝)
  • 山崎秀夫(日本唯一の国際大師)

[編集] その他

  • シャンチーの駒は双方16枚ずつで、これはチェスと同じである。そこでシャンチーの駒の裏にチェスの駒を描き、一組でシャンチーとチェスの両方を遊べるようにしたセットが販売されている[要出典]
  • シャンチーは、ゲーム理論において二人零和有限確定完全情報ゲームに分類されるゲームの一つである。

[編集] 脚注

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  1. ^ “将棋の起源”. 朝日現代用語 知恵蔵2006. 朝日新聞社. (2006年1月1日). pp. 999-1000. ISBN 4-02-390006-0. 
  2. ^ 子部.玄怪录。「辑佚」の「岑顺」の記述を参照。
  3. ^ 増川宏一『将棋』(法政大学出版部、「ものと人間の文化史」23、1977年)、54~55ページ。
  4. ^ 木村義徳『持駒使用の謎 日本将棋の起源』(日本将棋連盟、1999年、ISBN 4-8197-0067-7)、49~54ページ。
  5. ^ 増川宏一『将棋』55ページ。『人民中国』1975年3月からの記述としている。
  6. ^ 増川宏一『将棋2』(法政大学出版部、「ものと人間の文化史」23-2、1985年)、17~21ページ。
  7. ^ 第3回 「趣味は旅行です」まであと一歩 - ばんかな! 将棋の世界へようこそ / Slownet SNS。将棋の女流棋士、坂東香菜子のブログ。後半にチュンジーのことが紹介されている。
  8. ^ a b シャンチーとは。日本シャンチー協会の公式サイト(2008年11月1日閲覧)
  9. ^ 日本シャンチー協会会報『中国象棋研究』1991年12月号より。同号には日中象棋協会設立以来未整備だった規約が決定されたことや、規約の内容も掲載されている。
  10. ^ 8月を迎えて、そして恒文奇さんのこと - シャンチー(中国象棋)の日々(日本シャンチー協会の公式ブログ)、2007年8月15日。
  11. ^ 「シャンチー Xiangqi」… WMSGチームジャパン 公式ホームページ(2008年11月1日閲覧)
  12. ^ a b 「頭脳五輪」メダル狙え 今秋、北京で第1回大会(朝日新聞、2008年5月20日)。
  13. ^ 第一届智运会圆满落幕 组委会总结工作展望未来 - 智运会(中国語)。2008年10月18日、ワールドマインドスポーツゲームズ公式サイト。智运会は同大会の中国語表記「智力运动会(智力運動会)」の略称である。
  14. ^ 智运会首金将出自国际象棋 常昊:棋手心中的奥运_综合体育_NIKE新浪竞技风暴_新浪网(中国語)。2008年9月25日、新浪網。
  15. ^ シャンチー 中国発の頭脳スポーツ - 頭がよくなる!? - 教育(朝日新聞、2008年9月24日)。5月20日の報道では10人とされていた。
  16. ^ シャンチー情報室。日本シャンチー協会(2008年11月2日閲覧)。
  17. ^ チェスを「国際象棋」、将棋を「日本象棋」と書くこともある。これは将棋を英語で「Japanese Chess」と表現するのと同じ考え方
  18. ^ 囲碁、チェスなど知的ゲームの五輪 チーム・ジャパン結成へ(サンケイスポーツ、2008年6月2日)
  19. ^ 増川宏一『将棋の駒はなぜ40枚か』(2002年、集英社文庫、ISBN 4-08-720019-1)37ページなど。
  20. ^ 木村義徳も、自著『持駒使用の謎』(1999年、日本将棋連盟)195~197ページで、シャンチーを「象棋」と表記している。

[編集] 外部リンク

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