アルピーヌ・ルノーA310
アルピーヌ・ルノーA310はフランスのアルピーヌ社が、親会社ルノー製自動車のエンジン等を流用して開発し、1971年から1984年まで生産したスポーツカーである。
[編集] 概要
1973年のWRCチャンピオンになるなどラリーカーとして傑出した成績を収めた アルピーヌ・ルノーA110の後継車として、鋼管バックボーンフレーム、リアエンジン方式、FRP製車体などA110の構成を受け継いで設計されたが、実際にはより豪華で快適なグラントゥーリスモの性格が強く、結局A110も根強い人気のため1977年まで6年間も並行生産され、A310の方は途中でエンジンをルノー・30と同じ(プジョー・604、ボルボ・260とも共通)のいわゆるPRVのV6に変更し、やはりリアエンジンのポルシェ・911をターゲットとするようになった。
デビュー当初のA310は1600VE一種類で、補助灯等を含め6つの角型ライトを並べ、左右を通したプレキシグラスで覆ったシトロエン・SMにも通ずる前衛的なフロントフェイスを特徴とし、ルノー・17TS・ゴルディーニと同じ水冷直列4気筒ウエーバーツインキャブレター付き1605cc127馬力(DIN) / 6000rpmエンジンを搭載していた。1973年にはインジェクション付き127馬力の1600VF、1975年には廉価版のシングルキャブレター95馬力のVGが追加された。4気筒モデルは2340台(1971年301台、72年402台、73年658台、74年344台、75年306台、76年329台)作られた。4気筒のA310は同じエンジンのA110と比較すると装備が豪華で居住性が良い分車体が重く、A110ほどの運動性能は期待できず、アンダーパワーという評価が付いて回った。
1976年には元シトロエンのチーフデザイナーとしてシトロエン・GSやCXを生み出し、シトロエンがプジョー傘下に入った後にルノーに移籍していたロベール・オプロンがフロントエンドを中心にデザインを変更したボディに、ルノー・ボルボ・プジョー共同開発の水冷90°V型6気筒2664cc150馬力(DIN)/6000rpm エンジンに換装したアルピーヌ・ルノーA310・V6に発展した。A310・V6の最高速度は220km/hに達し、ライバルのポルシェ・911にも引けを取らぬ動力性能と、高い直進性による独自の操縦性、独特のPRV・V6サウンドで存在を示した。
A310・V6は1981年にバンパー等が変更され「シリーズ2」となり、翌1982年には、オーバーフェンダー、ワイドタイヤ、エアロパーツが装備された「GT」「GTブローニュ」が追加された。「GTブローニュ」のエンジンは2842cc193馬力に強化された。
V6は9276台(1976年140台、77年1220台、78年1216台、79年1381台、80年1138台、81年1284台、83年1095台、84年663台)が作られた。V6の方が遥かに生産台数が多いことからも、V6になってようやく本来の面目を発揮できたことが伺える。後継となるアルピーヌ・V6GTとV6ターボ(GTA)にもその基本構成とスタイリングは踏襲され、その後もスープアップと改良によりアップデートを図り、最終作となるA610まで受け継がれた。
V6は日本にも当時のルノー日本総代理店であるキャピタル企業、後に日英自動車によって輸入された。