黒田久孝
黒田 久孝（くろだ ひさたか、1845年12月29日（弘化2年12月1日[1][2]） - 1900年（明治33年）12月4日[2][3][注 1]）は、幕末の幕臣。明治期の陸軍軍人、華族。最終階級は陸軍中将。男爵。旧名は久馬介、久馬[2]。
経歴[編集]
本籍静岡県[3]。江戸で幕臣・黒田甚左衛門の息子として生まれる[2]。嘉永6年（1853年）家督を相続[2]。小十人組、大番格砲兵差図役を務めた[2]。慶応3年（1867年）横浜でフランス式の伝習を受けて、慶応4年（1868年）の鳥羽・伏見の戦いで砲兵差図役頭取として参戦した[2]。
沼津兵学校で三等教授方、二等教授方を勤める[2]。同校の兵部省移管に伴い明治政府に出仕した[4]。
1879年（明治12年）3月、陸軍士官学校次長兼学科提理となる[5]。1881年（明治14年）10月、東京砲兵工廠提理兼砲兵第1方面提理へ異動し、翌年2月、砲兵大佐に昇進した[5]。
1886年（明治19年）3月、参謀本部海防局長を兼ね、さらに同年10月、臨時砲台建築部事務官を兼務した[5]。1889年（明治22年）12月、砲兵会議議長に就任[5]。1890年（明治23年）9月、陸軍少将に進級し、翌月、野戦砲兵監となった[3][5]。1894年（明治27年）9月、第1軍砲兵部長に発令され日清戦争に出征した[3][5]。
1895年（明治28年）4月、東京湾要塞司令官に就任し[3][5]、同年8月20日、日清戦争の功績により男爵を叙爵し華族となった[1][5]。1896年（明治29年）5月、東京防禦総督部参謀長に就任し、1897年（明治30年）4月、陸軍中将に進み東京湾要塞司令官に再任された[3][5]。同年10月、東宮武官長に就任し、在職中に死去した[3][5]。墓所は青山霊園。
栄典[編集]
- 位階
- 勲章等
- 1885年（明治18年）11月19日 - 勲三等旭日中綬章[7]
- 1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章[8]
- 1895年（明治28年）
- 1900年（明治33年）5月10日 - 勲一等瑞宝章[11]
親族[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 『平成新修旧華族家系大成』上巻、575頁では12月5日。
出典[編集]
- ^ a b c d 『平成新修旧華族家系大成』上巻、575頁。
- ^ a b c d e f g h 『沼津兵学校の研究』552頁。
- ^ a b c d e f g 『日本陸軍将官辞典』289頁。
- ^ 『沼津兵学校の研究』309-312頁。
- ^ a b c d e f g h i j 『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』19-20頁。
- ^ 『官報』第2187号「叙任及辞令」1890年10月11日。
- ^ 『官報』第718号「賞勲叙任」1885年11月20日。
- ^ 『官報』第1933号「叙任及辞令」1889年12月6日。
- ^ 『官報』第3578号「叙任及辞令」1895年6月5日。
- ^ 『官報』第3644号「叙任及辞令」1895年8月21日。
- ^ 中野文庫 - 旧・勲一等瑞宝章受章者一覧(戦前の部)
参考文献[編集]
- 樋口雄彦『沼津兵学校の研究』吉川弘文館、2007年。ISBN 978-4-642-03780-8
- 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
- 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館、1996年。
- 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
| 日本の爵位 | ||
|---|---|---|
| 先代 叙爵 |
男爵 黒田（久孝）家初代 1895年 - 1900年 |
次代 黒田善治 |