麻耶雄嵩
| 麻耶 雄嵩 | |
|---|---|
| 誕生 | 1969年5月29日(42歳) 三重県上野市 |
| 職業 | 推理作家 |
| 国籍 | |
| 活動期間 | 1991年- |
| ジャンル | ミステリー |
| 主な受賞歴 | 第64回日本推理作家協会賞 第11回本格ミステリ大賞 (「隻眼の少女」) |
| 処女作 | 「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」 |
麻耶 雄嵩(まや ゆたか、1969年5月29日 - )は日本の小説家、推理作家。本名堀井良彦。三重県上野市(現・伊賀市)出身。「摩耶雄嵩」「麻耶雄高」などは誤り。
三重県立上野高等学校、京都大学工学部卒業。在学中は推理小説研究会に所属、この時に短篇の執筆を始める。そこで知り合った綾辻行人・法月綸太郎・島田荘司の推薦をうけ、1991年『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビュー。
いわゆる「問題作」を一貫して書き続けており、研究会OBの大勢と同じく長編・短篇を問わず寡作ではあるが、独特の世界観とアプローチに強いこだわりを持った癖のある作風で、マニアックかつカルト的な支持を得ている。
同業者やミステリ界隈からの評価に関わらず長い間無冠であったが、2011年に『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞・第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。
目次 |
[編集] 作風
根幹にあるのはエラリー・クイーンやピーター・ディキンスンのような、ロジカルな謎解きと、事件・トリックの構築性に厳格な本格ミステリである。しかし物理トリックは破天荒で、プロットには意図的な落差が存在するため、読後の印象は一般的なミステリとは異なる。
シリーズキャラクターとしてはピカレスク的側面の強い銘探偵・メルカトル鮎と腐れ縁の売れない推理作家・美袋三条、力量はありつつも頼りない名探偵・木更津悠也と複数の意味で優秀なワトソン役の推理作家・香月実朝、更に便宜的な意味での探偵役には深甚な心的外傷を抱える現代的モラトリアム青年・如月烏有がいる。
プロットにおいては、人工的な意匠と関係性、非日常性を誇張した舞台設定、そしてほぼ例外なくカタルシスと両立しないカタストロフが訪れることを大きな特徴とする。
麻耶独自の特色としては、様々な予備知識を要する独特の仕掛けが挙げられる。登場人物の人名や台詞、固有名詞、小道具、あるいは本筋と関与しない点景などの細部に至るまで小ネタを多用しており、作品によってはそれが展開や解決の糸口にもなりうるガジェットの役割も果たす。そのネタの範囲はクラシック(作中の言及やタイトルの引用からバルトーク・ベーラやヨハン・シュトラウス2世を好むと思われる)、刑事ドラマ(『隻眼の少女』に登場する刑事4名の下の名前は『特捜最前線』のレギュラー刑事から全て引用)、アニメ(代表的なものでは『機動武闘伝Gガンダム』から東方不敗マスター・アジアの台詞を引用、『美少女戦士セーラームーン』から怪人名やキャラ名を引用など)、漫画(代表として、『きんぎょ注意報』、『こどものおもちゃ』などの少女漫画から固有名詞を引用している他、『エースをねらえ!』から登場人物の関係性を敷衍させたり、闇雲A子の名は恐らく陸奥A子からの発想である等)、特撮(『兄弟拳バイクロッサー』『仮面ライダーBLACK』『鳥人戦隊ジェットマン』からキャラ名の引用、また『美少女仮面ポワトリン』『超人機メタルダー』『ウルトラマンA』など、実は一番ネタが膨大な分野)、推理小説の先行作(某作では事件の根幹に関わる重要な役割を果たした)など多岐にわたる。
また『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』では全編小栗虫太郎(ことに『黒死館殺人事件』)へのオマージュと関連した名探偵の存在・謎解きの様式への問題提起を行い、『夏と冬の奏鳴曲』では解決を明示しないという大胆な手法で本格ミステリの枠組みそのものを問い、『メルカトルと美袋のための殺人』や『名探偵 木更津悠也』では、それぞれ名探偵と事件/名探偵と助手の関係性について顛倒を試み、『貴族探偵』ではいわゆる安楽椅子探偵へのアンチテーゼを打ち出すなど、ミステリ小説の構造自体に対する独特の問題意識が強い。
[編集] 作品リスト
[編集] 単行本
- 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
- 1991年5月 講談社 ISBN 4-06-205343-8
- 1993年6月 講談社ノベルス ISBN 4-06-181693-4
- 1996年7月 講談社文庫 ISBN 4-06-263297-7
- 夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)
- 1993年8月 講談社ノベルス ISBN 4-06-181700-0
- 1998年8月 講談社文庫 ISBN 4-06-263891-6
- 痾
- 1995年5月 講談社ノベルス ISBN 4-06-181846-5
- 1999年1月 講談社文庫 ISBN 4-06-263970-X
- あいにくの雨で
- 1996年5月 講談社ノベルス ISBN 4-06-181907-0
- 1999年5月 講談社文庫 ISBN 4-06-264581-5
- メルカトルと美袋のための殺人(短編集)
- 1997年6月 講談社ノベルス ISBN 4-06-181966-6
- 2000年8月 講談社文庫 ISBN 4-06-264951-9
- 収録作品:「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」「化粧した男の冒険」「小人間居為不善」「水難」「ノスタルジア」「彷徨える美袋」「シベリア急行西へ」
- 鴉
- 1999年4月 幻冬舎ノベルス ISBN 4-87728-940-2
- 2000年10月 幻冬舎文庫 ISBN 4-344-40036-4
- 木製の王子
- 2000年8月 講談社ノベルス ISBN 4-06-182141-5
- 2003年8月 講談社文庫 ISBN 4-06-273829-5
- まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事
- 2002年6月 祥伝社文庫 ISBN 4-396-33048-0
- 2009年3月 祥伝社ノン・ノベル ISBN 978-4-396-20864-6【春(倉知淳)・夏(我孫子武丸)冬(有栖川有栖)との合本版】
- 名探偵 木更津悠也(短編集)
- 2004年5月 カッパ・ノベルス ISBN 4-334-07564-9
- 2007年5月 光文社文庫 ISBN 978-4-334-74243-0
- 収録作品:「白幽霊」「禁区」「交換殺人」「時間外返却」
- 螢
- 2004年8月 幻冬舎 ISBN 4-344-00664-X
- 2006年1月 幻冬舎ノベルス ISBN 4-344-00922-3
- 2007年10月 幻冬舎文庫 ISBN 978-4-344-41035-0
- 神様ゲーム
- 2005年7月 講談社ミステリーランド ISBN 4-06-270576-1
- 貴族探偵
- 2010年5月 集英社 ISBN 978-4-08-771352-7
- 収録作品:「ウィーンの森の物語」「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「こうもり」「加速度円舞曲」「春の声」
- 2010年5月 集英社 ISBN 978-4-08-771352-7
- 隻眼の少女
- 2010年9月 文芸春秋 ISBN 978-4-16-329600-5
- メルカトルかく語りき(短編集)
- 2011年5月 講談社ノベルス ISBN 978-4-06-182778-3
- 収録作品:「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」
- 2011年5月 講談社ノベルス ISBN 978-4-06-182778-3
[編集] 単著未収録
- 名探偵の自筆調書 其の6(講談社『IN・POCKET』1997年8月号)
- 愛護精神(講談社『メフィスト』1997年9月号) ※メルカトルシリーズ
- ホワイト・クリスマス(祥伝社『小説NON』1998年2月号)
- 氷山の一角(角川書店『血文字パズル』2003年2月) ※メルカトルシリーズ
- ヘリオスの神像(東京創元社『ミステリーズ!』Vol.04~05) ※木更津シリーズ
- 二つの凶器(夕刊フジ2005年6月7日~7月1日「犯人をさがせ!! 読者に挑戦状」) ※木更津シリーズ
- バッド・テイスト(oeuf 75号)
- 少年探偵団と神様(文藝春秋『オールスイリ』2010年11月) ※神様シリーズ
- 白きを見れば(集英社『小説すばる』2011年3月号)
- 失くした御守(新潮社『小説新潮』2011年3月号)
- バレンタイン昔語り(文藝春秋『オールスイリ2012』2011年12月) ※神様シリーズ
- メルカトル鮎 悪人狩り 第一話 囁くもの(講談社『メフィスト 2011 Vol.3』2011年12月)※メルカトルシリーズ
- おみくじと紙切れ(光文社『宝石 ザ ミステリー』2011年12月) ※木更津シリーズ
- 転校生と放火魔(新潮社『小説新潮』2012年2月号)
[編集] アンソロジー等採録作品
- 名探偵の饗宴(「水難」→『メルカトルと美袋のための殺人』)1998年4月 朝日新聞出版 ISBN 4-02-257246-9
- 不透明な殺人(「ホワイト・クリスマス」・初出:『小説NON』1998年2月号・単著未収録)1999年2月 祥伝社文庫 ISBN 4-396-32676-9
- 21世紀本格(「交換殺人」→『名探偵 木更津悠也』)2001年12月 光文社 ISBN 4-334-07449-9
- 本格ミステリ2002(「トリッチ・トラッチ・ポルカ」→『貴族探偵』)2002年5月 講談社ノベルス ISBN 4-06-182251-9
- 血文字パズル(「氷山の一角」・単著未収録)2003年3月 角川書店 ISBN 4-04-426906-8)
- 収録作家:有栖川有栖・太田忠司・若竹七海
- 赤に捧げる殺意(「氷山の一角」収録・単著未収録)2005年4月 角川書店 ISBN 4-04-873592-6)
- あなたが名探偵(「ヘリオスの神像」・初出:『ミステリーズ!』Vol.04,05・単著未収録)
- 2005年8月 創元クライム・クラブ ISBN 4-488-02383-5
- 2009年4月 創元推理文庫 ISBN 978-4-488-40053-8
- 天使と髑髏の密室(「トリッチ・トラッチ・ポルカ」→『貴族探偵』)2005年12月 講談社文庫 ISBN 4-06-275278-6
- 気分は名探偵(「二つの凶器」・初出:夕刊フジ2005年6月7日~7月1日「犯人をさがせ!! 読者に挑戦状」・単著未収録)2006年5月 徳間書店 ISBN 4-19-862167-5
- 本格ミステリ2009(「加速度円舞曲」→『貴族探偵』)2009年6月 講談社ノベルス ISBN 4-06-182654-9
- 9の扉(リレー小説・麻耶は「バッド・テイスト」を担当、2009年7月 マガジンハウス ISBN 4-83-872004-1)
[編集] ゲーム
- 『TRICK×LOGIC』
- Season1・事件ファイルNo.3「雪降る女子寮にて」
- Season2・事件ファイルNo.7「ライフリングマーダー」
[編集] 日本国外での刊行
[編集] 中国大陸
- 独眼少女 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司) - 隻眼の少女
《鸦》 黄涓芳译 新星出版社 2011年5月第一版
[編集] 中国台湾
- 鴉 (2007年12月、尖端出版 〈逆思流〉、黄涓芳(黃涓芳)訳、ISBN 9789571037233) - 鴉