麦飯

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麦飯(むぎめし)は、大麦のみ、または大麦とを混ぜて炊きとしたもの。米の乏しい畑作地帯ではこれにさらになどの他の雑穀を加えたり、粟と大麦のみで作るような麦飯もかつては見られた。麦ご飯(むぎごはん)ともいう。

目次

[編集] 概要

米飯とは異なる独特の香りと、やや固めで粘りけの少ない食感をもつ。

調理に際しては米との比率を好みによって調製する。麦を多くするほど米に由来する飯の粘り気が少なくなり、固い食感となる。麦は炊き上げるのに米よりも多くの水が必要なため、麦の量が増えるにしたがって米のみの場合よりも水を多めにする。

大麦は世界的には粗挽きにしてに炊く、炒ったものを粉にして熱湯やで練る、発芽させて麦芽とし、これを乾燥、粉砕してパンの材料や醸造原料とするという利用法が主体で、米と同様にまるままの粒の状態で炊飯する食べ方は、日本以外ではほとんどみられない独特のものである。

[編集] 歴史

日本では近現代になるまで、都市部以外では米だけの飯は神饌的な位置づけであって祝祭時のみのものとされ、日常食は米に他の穀物野菜海草などを加えて共に炊飯したもの、あるいは米以外の穀物のみを炊飯したものであるのが普通であった。麦飯はそうした日常食のひとつであったが、今日では健康食品、あるいは麦とろご飯牛タン定食水軍鍋など特に麦飯と相性のよい食味を持つ献立に添えて好んで食べられるように変化した。健康食品として食べられるのは、大麦は米と比べて食物繊維タンパク質ビタミンを多く含むためである。

日本の近代史においては、白米のみの飯を兵食の主食とした陸軍日露戦争で多数の脚気による戦病死者を出したのに対し、麦飯を採用した海軍では脚気の発生をほぼ完全に阻止したことが知られる。日本の刑務所でも近代の懲役刑の導入とともに麦飯が導入されており、米:麦=7:3の比率のものが主食とされている。かつては、精麦が不十分だったため炊きあがった麦飯は独特の臭いを持っていたことから、刑務所に収監されることを「臭い飯を食う」と言う表現ができた。

大麦は米に比べて煮えにくいため、もともとは精白大麦、すなわち丸麦をいったん単独で煮てから冷ましてそのまま一晩放置し、翌日これを水から上げ、研いで洗った米を加えて炊いた。近代になると米と同じ速さで炊ける加工品が登場すると、これらを使って炊くことが普及していった。

[編集] 精麦の種類

大麦を炊飯用に加工したものを精麦と呼び、さまざまなものがある[1]

押麦
大麦の外皮を剥いてから、水と熱を加えて2つのローラーで押したもの。麦とろに良く用いられる。
切断麦
黒条(中央の線)を縦に半分に切り、水と熱を加えて2つのローラーで押したもの。さらにビタミンB1ビタミンB2を強化した「ビタバァレー」もある。「ビタ」はビタミン、「バァレー」は大麦(Barley)のことで、脚気予防のため開発された。
米粒麦
黒条から縦に半分に切り、米粒状に剥いたもの。押麦や切断麦は水洗いの際に浮きやすいのに対し、米粒麦は米と混ざりやすくなっている。

[編集] 脚注

[編集] 関連項目