鹿せんべい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
鹿せんべいは白地の証紙で十文字に束ねられている
奈良の鹿は販売中の鹿せんべいを食べない

鹿せんべい(しかせんべい)は、奈良市奈良公園周辺に生息している野生の鹿へ観光客が与えるために奈良公園内の売店にて販売されている餌である。

概要[編集]

一般財団法人奈良の鹿愛護会の登録商標となっている。奈良の鹿愛護会では証紙を販売し、製造、鹿せんべいの販売は別である。公式のせんべいは鹿のマークが入った証紙でせんべいを束ねているが、一部で非公式の鹿せんべいも販売されており、これらは無地の紙でせんべいが束ねられている。公式の鹿せんべいの売上金は同会の活動資金になっている。証紙は万が一食べられても鹿の体に害のない様、100%パルプ、大豆インクで出来ている。せんべいの材料は、ぬかと小麦粉が主成分であるため、材料的には人間が食べても害はないが、人間が食べる食品として作られておらず、あくまでも鹿の餌であるため、鹿の健康を害しないように味付けもされていなく、保存料等の添加物も入っていない。また消費期限も設けていないため、人間は食べない方が無難である。ちなみに人間が食べた味は香ばしいだけで、口の中にぬかの粒が残るため後味が悪い[1]。2014年4月以降、消費税の増税後は値上がりこそしなかったものの、増税前と比べて一回り小さくなったり、薄くなったりした[2]。英語表現では、店によってまちまちであるが、「Deer Snack」(直訳して鹿のお菓子)といった表現がされている。

与え方[編集]

通常、鹿は売店で客がお金を払うのを見計らって群がってくる。ここで鹿せんべいを束ねている紙をはがすのに手間取ると、軽く頭突きをしてきたり、服やカバンを口で引っ張って催促してくる場合がある。特に食べ物の少ない冬季は、鹿せんべい販売所の周辺には他の季節よりも多くの鹿が群がって鹿せんべいを買う客が来るのを待っているので、時には十頭を超える鹿に囲まれることもある。なお、奈良公園の鹿は裸で積んであっても販売中の鹿せんべいを狙わない。

一枚ずつ鹿に与えながらゆっくり後ろに下がって行くと一頭一頭に与えることができる。ちなみに、束ねた紙も鹿に与えることができる。この際、すぐに与えずに高い場所で見せると、鹿は軽く会釈するように頭を上下に振る。この動作を見たらせんべいを与える。あまりにじらすと鹿は怒って角で突いてきたり前足で蹴ったりすることがある。鹿せんべいがなくなったら、ぱっと手を開き、無くなったことを伝える。半分を残して鞄などにしまっても、鹿は匂いでまだ残っていることに気付くので無意味である。が、とことん無視しつつ早足で移動すれば、そのうちにほとんどの鹿があきらめて去る。

イベント[編集]

鹿せんべい飛ばし大会が1993年以来、毎年若草山の山開きの日(春分の日)に行われている。参加料は300円。大会では大会用の特製サイズのせんべいが使われ、「投げたせんべいを鹿が食べてしまった場合、その鹿の右前足までの距離を記録とする」、「計測済みのせんべいは鹿が食べるのでそのままにしておく」などのルールがある。

2008年までの大会公式最高記録は2008年度の59.0m。2008年8月の夏休み特別イベントでの臨時開催では74.55mの記録も出ている。

恒例のように若草鹿之助のライブがある。

  • テーマソング:鹿せんべいツイスト

歴史[編集]

  • 1791年に出版された『大和名所図会』の春日の茶屋では、茶屋の客が鹿に平面状の餌(せんべいらしきもの)を与えている風景が描かれている。

脚注[編集]

  1. ^ もがみ (2005年11月18日). “鹿せんべいって人も食べられる?”. エキサイト. 2014年5月14日閲覧。
  2. ^ 浜田知宏 (2014年4月12日). “奈良の鹿せんべい小さく薄く 消費増税でシカたなく?”. 朝日新聞. 2014年5月14日閲覧。

外部リンク[編集]