鳴子温泉 (小惑星)

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鳴子温泉
9107 Narukospa
仮符号・別名 1997 AE4
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯
軌道要素と性質
元期:TDB 2456200.5 (2012年9月30.0日)
軌道長半径 (a) 2.8650357 AU
近日点距離 (q) 2.2805231 AU
遠日点距離 (Q) 3.4495483 AU
離心率 (e) 0.2040158
公転周期 (P) 1771.3054713 日
(4.85 年)
平均軌道速度 0.20323993 度/日
軌道傾斜角 (i) 006.80914 度
近日点引数 (ω) 013.47806 度
昇交点黄経 (Ω) 126.21790 度
平均近点角 (M) 072.78668 度
前回近日点通過 JED 2455842.3682097
(2011年10月7日)
次回近日点通過 JED 2457613.6736810
(2016年8月13日)
物理的性質
直径 13.20
絶対等級 (H) 19.07 ± 1.7 km
アルベド(反射能) 0.0255 ± 0.005
発見
発見日 1997年1月6日
発見者 小林隆男
他のカタログでの名称
1997 AE4
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鳴子温泉[1] (なるこスパ、9107 Narukospa) は、小惑星帯にある小惑星の1つ。

1997年1月6日小林隆男によって発見された。

名称[編集]

宮城県大崎市(旧鳴子町)の鳴子温泉に因み、2009年10月4日付の小惑星回報で命名が公開された。地球外で「鳴子」の名がつくのは、火星のクレーター「鳴子イタリア語版」 (Naruko) に次いで2つ目[1]

小惑星「鳴子温泉」の命名は、この火星のクレーター「鳴子」の命名とも関わりがある。火星のクレーター"Naruko"[注釈 1]は2008年1月18日付で国際天文学連合(IAU)によって承認されたが[3]米国地質調査所 (USGS. 太陽系天体の地形名も管理する機関である) によって「かつて日本にあった町」とのみ説明される "Naruko" が大崎市域の旧鳴子町を指すかは不分明であった[注釈 2]。このため、大崎市生涯学習センターの遊佐徹[注釈 3]が調査を行い、最終的にIAU火星命名委員長ブラッドフォード・スミスから、確かに大崎市域の旧鳴子町が命名の由来であるという回答を得ることになった[2][3][5]

広島県廿日市市在住のアマチュア天文家・佐藤健(東亜天文学会会員)は、火星地形の命名事情に詳しいことからこの調査に協力した[2]。佐藤は小惑星発見者の小林と長年の交友があり、佐藤は小惑星に鳴子温泉に関する命名を小林に提案[1]。2009年7月、小林が申請を行った[1]

なお、同じく温泉地に名の由来を持つ小惑星「道後温泉」は"Dogo Onsen"であるが、「鳴子温泉」は"Narukospa"である。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 火星の小規模な(直径60km以下の)クレーターの名は、地球にある人口10万人未満の小さな町村名から採ることとなっている[2][3]
  2. ^ 火星の地名は、IAUがUSGSに候補リストの作成・選定などを委託している。ここで挙がった候補を、IAUの火星命名タスクグループおよび惑星系命名ワーキングループが審査し、IAUが正式名称として採用することになる[2]
  3. ^ 大崎市生涯学習センターは天文台とプラネタリウムを設けており、遊佐はそこで天文学の普及にあたっている。小惑星番号で次となる (9108) Toruyusaに命名されている[4]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 「narukospa」小惑星の名に”. 大崎生涯学習センター (2009年10月22日). 2017年2月5日閲覧。
  2. ^ a b c d 「鳴子」が火星の地名に 火星の小クレーターに「Naruko」と命名”. 大崎生涯学習センター (2008年7月). 2017年2月5日閲覧。
  3. ^ a b c 宮城県の地名「鳴子」が、火星のクレーターに”. アストロアーツ (2008年8月7日). 2017年2月5日閲覧。
  4. ^ (9108) Toruyusa”. MPC Database. 小惑星センター. 2017年2月5日閲覧。
  5. ^ 火星の「鳴子」も温泉地?”. アストロアーツ (2009年6月24日). 2017年2月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]