騎乗停止

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騎乗停止(きじょうていし、英語:suspension)とは競馬において反則を犯した騎手に対して与えられる制裁である。騎乗停止になる理由は様々であるが、危険度が高いなどのの場合には長期間の騎乗停止ということもあり得る。

本項では主に日本の事例を記述する。

目次

[編集] 中央競馬における騎乗停止の概要

中央競馬所属の騎手の場合には、競馬の開催は毎週土曜日日曜日に行われるのが原則であるため、例えば2日間の騎乗停止を課されると翌週の土曜日と日曜日の競馬には騎乗できない。また、平日に行われる地方競馬での地方馬と中央馬の交流競走も騎乗停止期間中は騎乗できず、また日本国外での騎乗も出来ない(騎乗停止中は海外遠征の届出が許可されないため)。競走中の事由による騎乗停止の場合、開催日4日間などの騎乗停止となるが、開催日4日間の騎乗停止の場合は「土・日~土・日」の期間が騎乗停止となるため、実質的に1週間は中央・地方・日本国外全ての競走に騎乗できない事になる。

また、同一騎手が同一競走、または同一開催週に複数回の騎乗停止規則に抵触する走行があった場合はその分期間が延長されてしまう。

その例として、吉田豊2009年5月10日に開催されたNHKマイルカップにおいて、サンカルロに騎乗したが、
  1. 第4コーナーで外側に斜行した際、アイアンルックの走行を妨害
  2. 直線走路でダイワプリベールの走行を妨害
という同一競走において2度の走行妨害を行ったとして、同年5月16日から6月7日の合計開催日8日間(1開催相当 前者は5月24日まで、後者は5月25日からそれぞれ開催日4日間ずつの扱い)の騎乗停止を受けた。サンカルロは8位入線→最下位・18着降着となった。

1976年までは騎乗停止は次の競走から即刻適用されていたが、1977年以降は翌日からの騎乗停止とし、前日発売の競走に騎乗している場合は翌日の騎乗は可能としていた。さらに1994年からは騎乗停止をファンに広く伝えるために騎乗停止の開始日を翌週の土曜日からとした。ただし、粗暴な行為、あるいは油断騎乗(楽勝ペースでゴールに駆け抜けようとした際に追う動作を緩め、敢闘精神に著しく欠ける騎乗があった場合や不注意行為があった場合他)による騎乗停止は発覚の当日もしくは翌日からの適用となる場合がある。

なお、故意的に騎手を落とした場合、自ら競走を中止した場合、もしくは重大な不祥事(逮捕起訴)があった場合は、長期もしくは無期限の騎乗停止、最悪の場合は騎手免許剥奪となる。

[編集] 基本的な騎乗停止期間

  • 2004年までは馬の癖などでの軽減、あるいは重過失や故意の落馬などによる増加はあったが、基本開催日6日間の騎乗停止であった。
  • 2005年からこれが大幅に変更され、基本的な騎乗停止は制裁を受けた次週最初の開催日からの開催日4日間。馬の癖などによるものは同2日間。重過失や故意の落馬など悪質な場合は同6日(またはそれ以上)。
    • ただしごく軽微と判断したものは1日間のみとすることもある。
  • 2012年からは「馬の癖によるもの」の中で「予測が難しい急激な動き」や「大きく逃避して制御が難しい」ものについては戒告にとどめ、また不注意騎乗による走行妨害では「馬の動きが小さいなどの考慮すべき理由があると判断したもの」については騎乗停止2日間に短縮されることとなった[1]

[編集] 中央・地方間の騎乗停止の相互適用

他の主催者から騎乗停止処分を受けた場合、所属している主催者からも騎乗停止の処分が下されることがある(中央競馬の場合、日本中央競馬会競馬施行規程第147条17号)。主催者毎に開催日数が異なることと、騎乗停止の処罰の基準が異なるため、要因が同じでも騎乗停止期間が異なる場合がある。なお、騎乗停止期間は、すでに出馬投票が終了して騎乗が決定している競走がある場合、そのまま騎乗することとなり、騎乗停止期間の開始が、翌開催日からに持ち越される。

[編集] 日本国外の競馬で騎乗停止を受けた場合

日本国外で騎乗停止が課された場合であっても、騎手の国籍に関係なく騎乗停止が課される(JRAの騎手の場合には、日本中央競馬会競馬施行規程第147条18号が適用)。日本国外の関係機関から日本中央競馬会 (JRA) または地方競馬全国協会 (NAR) への報告により騎乗停止の日数が決定される。JRAの騎手では、福永祐一騎手が2002年12月15日に行われた香港カップエイシンプレストンで出走した際、外側に斜行したため12月16日から実効4日間の騎乗停止処分を受けた。これに伴い、JRAは12月16日以降の最初の開催日である12月21日から4日間の騎乗停止処分を行った。ただし、騎乗停止処分後も引き続き日本国外で騎乗する場合には、日本国外で騎乗停止を消化すれば、JRAならびに地方競馬の各主催者での追加の処分は行われない。

イギリスでは動物愛護の観念からレース中に馬に対してを叩くのは7回までという決まりがある。それ以上叩いた場合には4日程度の騎乗停止が課される。しかし7回では競馬にならないという声もあるため、勝負どころで騎乗停止覚悟で鞭を連打する騎手も多くいる。イギリスでは日本の地方競馬などと同様、連日競馬が開催されているため、せいぜい4日と考えている騎手も少なくない[要出典]。日本人騎手では、武豊騎手がゼンノロブロイで出走したインターナショナルステークスで、上記の処分を受けている。この時、武は引き続き海外遠征を行っており、騎乗停止処分を消化したためJRAでの処分は行われなかった。2009年シャーガーカップに出場した内田博幸騎手も同様の処分を受け、こちらは8月22日から8月30日まで開催4日間JRAでの騎乗停止処分を受けた。

香港では2004-2005シーズン(香港は開催周期が日本と異なる)より騎乗停止延期制度が導入された。これは、香港では大レースの直前に騎乗停止を受けた場合、意図的に異議申し立て(アピール)をすることが度々起きた。当時は異議申し立てをすると2週間の執行猶予が行われていたためにこのようなことがあった。そこで、大レース直前に騎乗停止を受けた場合には、裁定委員の裁量により延期をすることができるようになった。このため、大レースでの騎乗が確実に行われるため、騎手・馬主双方にメリットがある。その代わり、異議申し立てを行った場合の猶予期間が1週間に短縮され、さらに保証金も以前の倍額に増額した。2006年12月に行われたインターナショナルジョッキーズチャンピオンシップに参加した武豊が落馬事故の原因となったため6日間の騎乗停止処分を受けたが、日本の大レースである有馬記念騎乗を控えていたために、裁定委員の裁量により、有馬記念翌日の12月25日からの執行に延期された。なお、2011年12月に行われた香港スプリントに参加した池添謙一がケアレスライディング(進路妨害)により3日間の騎乗停止処分を受けたが、JRAでの騎乗停止処分を消化した期間である12月26日から1月5日まではJRA主催のレースは行われないため、実効0日の処分を受けた例がある。

フランスでも同様の制度がある。

[編集] 主な騎乗停止処分例

[編集] 脚注

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  1. ^ 走行妨害における騎手制裁の見直しについて - JRA公式サイト 2011年12月8日

[編集] 参考文献

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