香港上海銀行・香港本店ビル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
香港上海銀行・香港本店ビル
香港上海銀行・香港本店ビル 
施設情報
所在地 香港の旗 中華人民共和国香港特別行政区
状態 完成
建設期間 1983年 - 1985年
用途 事務所
地上高
屋上 178.8m
最上階 178.8m
各種諸元
階数 44 階
延べ床面積 99,000 m2
関連企業
設計 ノーマン・フォスター

香港上海銀行・香港本店ビル(ほんこんしゃんはいぎんこう・ほんこんほんてんびる、Hong Kong and Shanghai Banking Corporation Headquarters)は、イギリスロンドンに本拠を置く世界最大級の銀行金融グループ、香港上海銀行HSBC)グループにおける香港中華人民共和国香港特別行政区)及び環太平洋を管轄する部署の本部ビルである。中国語では香港上海滙豐銀行總行大廈と表記する。

イギリスの建築家ノーマン・フォスター(Sir Norman Foster)により設計され、1985年に完成した。現在香港を代表する超高層建築であると共に、世界的にも著名なハイテク建築の一例として知られている。香港島北部の中心市街地、中環(Central)の皇后大道中(Queen's Road Central)1號に位置する。

概要[編集]

香港上海銀行・香港本店ビル
夜の様子
香港上海銀行の獅子像

現在の建物が建つ前にも香港上海銀行の本店が1865年以来この地に存在しており、第3代目の建物であった旧社屋は現行の建物を建築する為に取り壊されてしまった。この土地は中環(Central)の皇后大道中(Queen's Road Central)1號と言う場所であり、女王の名前を冠した通りの1番地である事は、イギリス統治時代の香港では領土の真中心を意味した(現在でも、香港の中心地である事に変わりはない)。中環地区が現在の様に、香港の政治経済交通要衝になったのは、立法評議会議事堂が設置された事と、香港上海銀行の本店が建設された事によるものが大きい。特に1933年から1935年にかけて建てられた第3代目の本店ビルはシカゴ派の影響を受けた高さ70mの超高層ビルで、当時極東で一番高いビルであり、1941年末から1945年までの日本軍による統治時代には香港占領地総督部の本部が置かれていた。

1983年にイギリスの建築家、ノーマン・フォスターが香港上海銀行からの依頼を受け設計、建設を開始した。設計の際の条件として完成後何十年を経ても陳腐化しない建物、と言うものもあったとされる。1985年に竣工し、高さ178.8m、44階建てで、完成当時は中環地区で最も高いビルとなった。また、この建物は現在フォスターの最も代表的な作品としても知られている。

香港上海銀行新社屋には莫大な建設費が投入されたが、同時に建設当時の考えられる最先端の建築技術をふんだんに使用している。超高層ビルとしては世界初となる吊り構造を採用した(その為、このビルの床に立つと時々揺れるような感覚に陥る事がある)。またガラスを多く利用している点では、現在のミニマリズム建築にも通じる。自然を多く取り込めるようにするなどの点は、エコロジーを目標とした超高層ビルとして後にフォスターが設計する事になる、ドイツフランクフルトに建設され1997年に完成したコメルツバンクコメルツ銀行タワー(Commerzbank Tower: 300.1m)へと繋がる建築思想をも伺える。更に香港らしいエピソードとして、建物を設計する際には風水師による指南も行われたとする説もある。

香港では建物側面の鉄骨の組み方の特徴から、『蟹ビル』と言う愛称で呼ばれる事もある。香港ドル紙幣発行銀行3行の内、香港上海銀行が発券している香港ドル紙幣にもこの建物が描かれている(最新の紙幣では『ぼかし』部分にあたる)。

地上階の皇后像廣場(Statue Square)側にある一対の『獅子』は、香港上海銀行が設立されてから代々受け継がれてきたものである。

なお総本部にはイギリスのロンドン、ドックランズ地区に2002年に完成したノーマン・フォスター設計の8カナダスクエア8 Canada Square:199.5m)が、アジア本部には中華人民共和国の上海市浦東新区の陸家嘴地区へ1999年日本森ビルが建設した、HSBCタワー(英語:HSBC Tower、中国語:上海滙豐大厦、中国語旧称:上海森茂国際大厦:203.4m)があてられている。

この建物にインスパイアされた建築として、1991年に竣工した東京都文京区本郷にあるノーマン・フォスター設計のセンチュリータワーがある。

施設[編集]

地上階にはATMコーナーが設置されている。窓口はエスカレーターを上がり3階である。セキュリティの関係上、一般顧客は指示された階以上へは上がる事は出来ない。また、業務に関係する箇所の写真ビデオカメラでの撮影は禁止されている。店内には、建物に関する概要を記した英語と中国語(繁体字)のパンフレットが設置、配布されている。展望施設は設置されていない。

風水[編集]

右:HSBCと左:中国銀行、中央は長江センター

香港上海銀行新社屋を設計する際に、フォスターは風水師の指南を仰ぐよう、施主の香港上海銀行側から申し受けたとされている。地上階のピロティや、ここにあるゆるやかな段差は、建物を貫通する『の道』を遮らないようにする意味合いがあるとされる。また側面の鉄骨を当初下向きに設計した所、風水師の指摘により上向きに修正されたと言う。

屋上にある窓拭き用のゴンドラ大砲に見立てられ、中国銀行タワー(中銀大廈:Bank of China Tower)が建設されてから、この建物へ向けて増設されたと言う。これは1990年に完成した中国銀行タワーの不吉とされる鋭角部分が、香港上海銀行へ向けられているとする指摘があり、これに対抗する為である。しかしこれら風水に関わる各文言は、非科学的である上に公式に発表されたものではないため、都市伝説の域を出ていない。

画像[編集]

周辺施設[編集]

交通[編集]

  • MTR港島線・荃灣線、中環(Central)駅
  • MTR機場快綫・東涌線、香港(Hong Kong)駅から徒歩5~10分程度
  • 香港トラム(電車)
  • スターフェリー(天星渡輪)・新中環埠頭から徒歩5~10分程度
  • その他、バス(巴士)、ミニバス(公共小巴)、マキシキャブ(公共小巴)など利用

関連項目[編集]

外部リンク[編集]