首都高速中央環状線

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首都高速C2号標識

首都高速中央環状線(しゅとこうそくちゅうおうかんじょうせん、Central Circular Route)は、東京都の、品川区大井ジャンクションから渋谷区中野区豊島区板橋区北区足立区葛飾区経由して江戸川区葛西ジャンクションに至る、首都高速道路路線である。

首都高の都心環状線の外側に位置する環状線である。副都心とのアクセス、および各放射線の中央付近を接続する役割を担う。また、都心から約8km圏内の、渋谷新宿池袋などの副都心エリアを環状に連絡するとともに、放射道路を相互に連絡する、首都圏3環状9放射の一番内側の環状道路(外環道圏央道とともに3環状の一つ)と位置づけられている。

事業計画の路線名は、都道首都高速5号線(一部)・6号線(一部)・葛飾江戸川線・板橋足立線・目黒板橋線・品川目黒線・高速葛飾川口線(一部)に指定されている。

東側区間中央環状王子線中央環状新宿線中央環状品川線からなる。

山手トンネル(内回り西池袋入口付近)
王子北出入口付近の中央環状線(王子線)
日暮里舎人ライナーとの交差部分
1号線とのJCT予定部分(左側ガードレールを設置している箇所が合流加速車線予定部分)
東京都葛飾区にあるかつしかハープ橋

目次

[編集] 概要

現在、西側区間を形成する中央環状新宿線大橋JCT-西新宿JCTおよび南側区間を形成する中央環状品川線が建設中である。2007年12月22日に中央環状新宿線の西新宿JCT-熊野町JCTが開通し、残りの部分も2009年度に開通予定である。また2013年度には中央環状品川線が開通予定であり、これをもって全線が開通する。

2008年度より、首都高では現在の均一料金から距離別料金への移行が予定されていたが、この際に都心環状線の慢性的な渋滞を緩和することを目的として、中央環状線を利用した場合は料金を割り引くことが検討されている。日本経済新聞は割引額を50-100報道したが、公式には未発表である。

[編集] 路線番号

C2

[編集] 東側区間

東側区間は、中央環状線の中でも最も早く開通した区間である。大半の区間が荒川堤防上に建設されており、用地買収の必要がなかったことは早期開通にとって有利であったが、水防を最優先として他目的の利用を極力抑える河川行政との調整は容易でなかったとされる。

堤防上に建設された背の高い高架道路であるため、視界を遮るほどの遮音壁はほとんど設置されていない。道路西側は荒川、東側は高層建築物が少ない市街地が広がっている。密集市街地にネットワークを形成している首都高速道路では例外的な、きわめて開放的な眺望を得られる区間である。

河川の堤防上に収めるため、広い用地を要する4方向のジャンクション(タービン型、クローバー型等)は設置されていない。全てのジャンクションは中央環状線から分岐するだけの3方向ジャンクションである。このため、6号線(三郷線向島線)は中央環状線と交差するのではなく、一旦合流してから分岐する構造である。このことは、深刻な渋滞の原因になった。一方、交差する7号小松川線は、中央環状線とはジャンクションを設けず、互いに素通りすることになった。

川口線は当初、本区間を介してのみ他の首都高速道路と連絡していた。また、6号線は途中一部区間を本区間と重複している。このことは、東北自動車道常磐自動車道を利用する交通が本区間に集中することを意味しており、箱崎JCTと併せて首都高速道路最大の渋滞発生箇所となっている。中央環状王子線の開通でいくぶん緩和したが、中央環状線未開通区間を含む3環状道路の整備による抜本的改善が待たれている。

7号小松川線との交差箇所には、7号小松川線京葉道路方面と中央環状線堀切JCT方面を接続する連絡路(ジャンクション)を新設することを目指している。7号線は箱崎ジャンクションのみで首都高各線と連絡しているため箱崎を先頭とする渋滞が多発しており、この連絡路の完成により渋滞緩和が期待されている。

また、1号上野線の延伸の本区間との接続があるため、当該部分はジャンクションの増設を想定した構造で建設されている。しかし、調査・検討中であり、この接続構造は利用されないままになっている。

[編集] 中央環状王子線

中央環状王子線は、飛鳥山トンネルを除くほぼ全区間が、内回りを上、外回りを下にした上下2段の高架橋となっており、既存道路幅に収めることで用地買収を最小限にとどめている。

本区間の開通以前は、東北自動車道や常磐自動車道から都心方面へ向かうには6号向島線を経由するか、別料金の東京外環自動車道を迂回して5号池袋線へ向かうしかなかった。本区間の開通により新たなルートが形成され、6号向島線や箱崎・堀切JCTの渋滞緩和が図られた一方、以前から渋滞が激しかった5号池袋線の交通量をさらに増加させ、渋滞を悪化させることになり、中央環状新宿線の開通に期待を持たせる格好となった。

[編集] 中央環状新宿線

中央環状新宿線は、3号渋谷線との接続部である大橋から山手通り地下を通り、4号新宿線との接続部である西新宿を経由して、熊野町ジャンクションに至る路線である。2007年12月22日に北側6.7km(西新宿ジャンクション - 熊野町ジャンクション)が開通した。2009年度までに南側(大橋ジャンクション - 西新宿ジャンクション)が開通予定。中央環状新宿線の開通によって、4号新宿線、3号渋谷線および都心環状線の大幅な渋滞解消が見込まれている。

導入空間である山手通りの拡幅整備も同時に行われており、中央環状新宿線工事が地上掘削を行わない一部区間では、先行して整備を完了している。また、都営地下鉄大江戸線と重複する区間では大江戸線が下側に建設されているため、中井駅中野坂上駅では駅舎建設時に、道路部分の構造物も構築済みである。

2007年6月には、中央環状新宿線のトンネル部分の名称について首都高公式ウェブサイトアンケートが実施され、そのアンケートの結果を元に検討を行い、トンネル名称を「山手(やまて)トンネル」とすることを同年7月13日に公式発表した。

[編集] 高架から地下構造への変更

当初は、中央環状新宿線は全線を2段式の高架構造(熊野町JCT-飛鳥山トンネルの区間と同一)で建設する予定であったが、沿道からの反対運動に遭い、地下構造で都市計画決定された。

従来、首都高速道路は基本的に高架構造で建設されており、トンネル構造は皇居周辺の一部区間や水底トンネルなどに限られていた。しかし、東京湾アクアラインの建設を通じて、長大な道路トンネルをシールド工法で建設する技術が実用化され、中央環状新宿線を地下構造で建設する目処が立った。さらに、飛鳥山トンネルをNATM工法で建設する際に、中央環状新宿線を見据えて経験を積んだ。

中央環状新宿線以後に建設や計画が進んでいる首都高速道路は、地下構造を採用したものが多くなっており、中央環状新宿線は本格的な地下道路の先駆けとなった。

[編集] 要町付近の地下化

高松出入口東京メトロ有楽町線要町駅は、中央環状線が高架で建設されることを想定した設計ですでに建設されていたため、当初は要町通り前後は高架とし、西武池袋線椎名町駅手前で地下に降りる案が立案された。

しかし、これも高架区間近隣住民の反対に遭ったため、まず椎名町駅より南の区間のみ先行して都市計画決定を1990年に行い、要町付近は先送りにされた。その後、要町駅の一部と高松出口を撤去することで要町付近も地下構造とする案で合意し、残りの区間の都市計画が1993年に決定された。

高松出口は要町交差点に近接しているため、本線のトンネル入口を作る空間が確保できなかった。このため、高松出口を撤去して空間を作り、内回り線の出口機能は椎名町駅と要町交差点の間に新設する西池袋出口が代替することになった。工事期間中は高松出口を仮設高架橋に切り替え、西池袋出口開設の前日に閉鎖された。

要町交差点内には、将来山手通りを立体交差化することを想定して、要町ボックスと呼ばれるトンネルが設置されていた。これを中央環状線に転用することにしたが、一般道路の設計だったので、そのままでは幅員が狭いなどの問題があった。そこで、要町駅の一部を取り壊して要町ボックスを拡幅する工事が行われた。また換気管がないため、要町駅のさらに下(要町駅は改札階の下に2層のホームを有する深い駅である)に、換気管を推進工法で増設した。

[編集] 中落合の換気塔の位置の変更

1990年の都市計画決定では、中落合の換気塔は路外に設置することとしていた。これは、関越自動車道と結ぶ高速練馬線とのジャンクションを視野に入れてのことであったが、住民の激しい反対運動がおき、国会でも質疑に取り上げられた(第118回国会・建設委員会ほか)。そのため改めて換気塔を路内に入れることとし、1991年4月に都市計画変更された。なお現在の構造でも決して中落合でのジャンクションの建設は不可能ではない。中央環状新宿線の中落合付近の前後の開削区間では、上下線が相互に乗り入れられる構造となっている。これは将来、もしも中落合付近でジャンクションを建設する場合は、上下線のうち一方を一時的に他方に乗り入れさせて対面通行とし、残りの路線を切り崩して分岐が作れるようにとの配慮のためである。

[編集] 富ヶ谷以南のルート変更

大橋JCT-富ヶ谷出入口は、地上の山手通りが神山町交差点で急カーブしておりシールド工法では山手通り内に収まらないため、1990年の都市計画では東大駒場キャンパスを縦断して南へ直進する線形で計画された。その後、技術開発によりシールド工法でも山手通り内で建設できることになり、この区間でも山手通りの下を通るよう1999年に都市計画変更された。このとき、すでに当初計画に沿った用地買収(地下にトンネルを建設する権利の取得)が始まっていたが、すでに支出した用地費が無駄になっても、変更した方が割安になると説明された。

[編集] 中央環状品川線

中央環状品川線は、湾岸線から中央環状新宿線に接続する路線である。中央環状品川線が整備されると、現在建設中の中央環状新宿線と合わせて中央環状線の全線が完成する。2004年11月に都市計画決定、2006年6月に事業化された。2006年11月に着工。当初の予定では2015年度開通予定だったが2013年度に早まった。大部分は、山手通りと目黒川の地下を通る。

事業期間を短縮するため、内回り本線は東京都の街路事業、外回り本線と五反田出入口、大井JCTは首都高の有料道路事業として建設される。このため、厳密には内回り本線は有料道路ではないが、接続する道路が全て首都高の有料道路であるため、内回り本線のみを無料通行することはできない。中央環状新宿線や3号渋谷線から内回り本線を経由して湾岸線へ直通する場合、途中に東京高速道路のような乗継所は設置されない。五反田入口利用車も料金はここで支払うため、利用者にとっては内回り本線は首都高の有料区間の一部としか認識されない構造になる。

中央環状品川線は1号羽田線2号目黒線と交差するが、ジャンクションは整備されない。これは、非常に工費や工期がかさむ出入口や途中のジャンクションの整備よりも、環状ネットワークを早期に完成させることを優先に設計されたためである。また、中央環状新宿線と比較して、本線の起伏が小さく、途中の出入口も1か所だけであることなどから、換気所の数は計4箇所に留まっている。

[編集] 中央環状品川線の建設技術

中央環状新宿線では中間に設置した縦坑からそれぞれシールドマシンを発進させていたが、中央環状品川線では大井JCT付近から発進したシールドマシンが大橋JCTまで直接到達する。各換気所間をそれぞれ別のシールドマシンで掘削する場合と比べ、シールド工事自体の日数は長く掛かるが、換気所の掘削を待たずに地上の大井JCTから発進することで、全体の工期は短縮できる。また、シールド工事に伴う建設発生土の搬出や資材の搬入を、埋立地にある大井JCTに集約することができ、沿道環境への負荷削減を図っている。しかし、大型のシールドマシンで長距離を掘削することは容易ではなく、耐久性などの点で技術が進歩したために実現した工事計画である。

五反田出入口は、地上から発進したシールドマシンが地中で本線トンネルに合流する工法で、地上掘削を伴わない接続工事を予定している。これは首都高速では初の施工例であり、技術提案を含む競争入札が行われた。

これらの技術は大深度地下の利用を目指して、ゼネコン各社が開発してきたものである。そして中央環状品川線の建設は、将来の建設が計画されている外環道東京区間を視野に入れた技術実証の場にもなっている。外環道東京区間は、中央環状品川線よりさらに大きな断面のシールドトンネルを、さらに深い場所に、さらに長距離で建設する計画だからである。

[編集] 出入口など

  • 出入口番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間の名称は仮称。
  • 接続路線名の「(間)」を付記しているのは他の道路を介して接続している間接接続。
出入口番号 施設名 接続路線名 起点から
(km)
備考
- 大井JCT (B)湾岸線 - 2013年度開通予定
- 五反田出入口 都道環状六号線 -
- 大橋JCT (3)渋谷線 - 2009年度開通予定
- 富ヶ谷出入口 都道環状六号線 - 西新宿方面出入口
2009年度開通予定
- 初台南出入口 - 大橋方面出入口
2009年度開通予定
- 西新宿JCT. (4)新宿線 中央道高井戸方面 16.8 東北道・西池袋方面開通
2009年度開通予定
C24 中野長者橋出入口 (間)甲州街道 18.2 大宮・東北道方面出入口
C25 西池袋出入口 (間)目白通り
(間)要町通り
21.6 中央道・高井戸方面出入口
C26 西池袋出口 23.7 大宮・東北道方面からの出口
C28 高松入口 大宮・東北道方面への入口
- 熊野町JCT. (5)池袋線 銀座東池袋方面 24.0
- 板橋JCT. (5)池袋線 大宮関越道方面 25.1
C29 新板橋出口 中山道 25.8 中央道・関越道方面からの出口
C31 滝野川入口 25.7 中央道・関越道方面への入口
- 王子南出入口 明治通り 28.4 事業中
C34 王子北出入口 王子千住南砂町線 29.0 東北道・湾岸線方面出入口
- 江北JCT. (S1)川口線 東北道安行方面 30.9
C35 扇大橋出入口 (間)尾久橋通り 31.4 安行・東北道方面出入口
大宮・東池袋方面は出入不可
C36 32.4 湾岸線方面出入口
- 本木JCT 高速1号線(2期)(広域道路) 33.4 計画中
C37 千住新橋出入口 (間)国道4号日光街道 34.4 大宮・東北道方面出入口
C38 35.4 湾岸線方面出入口
- 小菅JCT. (6)三郷線 常磐道三郷方面 36.7
C40 小菅出入口 平和橋通り 37.2 湾岸線・銀座方面出入口
- 堀切JCT. (6)向島線 銀座箱崎方面 37.8
C41 四つ木出入口 国道6号水戸街道 38.7 東北道・三郷方面出入口
C42 39.6 空港中央・東関道方面出入口
C43 平井大橋出入口 蔵前橋通り 41.5 東北道・三郷方面出入口
- 小松川JCT (7)小松川線 京葉道路方面 43.7 事業中
C44 船堀橋出入口 新大橋通り 45.4 空港中央・東関道方面出入口
C45 清新町出入口 船堀街道 47.5 東北道・三郷方面出入口
- 葛西JCT. (B)湾岸線 49.9

[編集] 主な橋梁とトンネル

[編集] 歴史

[編集] 高速中央環状線

[編集] 中央環状新宿線

[編集] 中央環状品川線

中央環状線は、1987年の東側区間の全通から、2002年の北側区間の全通まで、15年間開通がない。これは、バブル経済の発生およびその崩壊により首都高への投資計画が大幅に狂ったためである。1986年の投資計画では、中央環状王子線の開通は1993年、中央環状新宿線の開通は1996年、そして中央環状品川線の開通は1999年を予定していた。しかしバブル経済による地価の異常上昇、それに続くバブル崩壊による首都圏への公共投資の極端な抑制は、その時期に建設が計画されていた中央環状線の開通を当初予定より大幅に遅らせる結果となった。

[編集] 交通量

平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)

  • 江戸川区北葛西2丁目 : 96,702
  • 足立区本木1丁目1 : 94,170
  • 北区堀船1丁目 : 48,890

[編集] 備考

小菅ジャンクション-堀切ジャンクションは、6号三郷線・6号向島線と中央環状線とが完全に重複している。本来なら2車線+2車線で4車線必要だが、この区間は外回りは改良により4車線化されたものの、内回りは3車線しかなくボトルネックとなっている。しかも、6号線同士と中央環状線同士を結ぶ動線は平面上で交差しており、4車線であっても織り込みが発生する。このためこの区間の混雑は激しく、湾岸線の辰巳ジャンクション-葛西ジャンクションに次いで首都高第2位の混雑区間となっている。

中央環状新宿線が開通し、熊野町ジャンクション-板橋ジャンクションも同様に5号池袋線と完全に重複し、2車線+2車線が3車線に減らされてしまう。この区間も激しい渋滞が発生する恐れがある。

したがって、中央環状品川線の整備による全線開通までには、熊野町ジャンクション-板橋ジャンクション(内回り・外回り)の改良、小菅ジャンクション-堀切ジャンクション(内回り)の改良、小松川ジャンクション(京葉道路方面と堀切ジャンクション方面)などを整備することが、渋滞対策として計画されている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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