風水街都 香港

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風水街都 香港』(ふうすいがいと ホンコン)は、川上稔の代表作、『都市シリーズ』の作品。電撃文庫より発売されている。

概要[編集]

  • 異世界の香港を舞台としたファンタジー小説。
  • この作品から、本格的に「都市シリーズ」と呼ばれる作品が始まる。
  • 過剰な設定と伏線のため、発売時から現在に至るまで「難解過ぎる」とする評が多い。
  • 文庫イラストはさとやす。今作以後、都市シリーズのイラストは全てさとやすが担当することになる。
  • 後に新装版となり、表紙とあとがきが変更された。

用語[編集]

風水五行(チューンバスト)
火風地水金の五行から、遺伝詞を再生/破壊する術。
神形具から自分の遺伝詞を送り込み、周囲の流体に干渉する。これを用いる者を風水師/五行師と呼ぶ。
またその他の手段として、風水紋章と呼ばれるものを用いて風水を行う場合もある。
神形具(デヴァイス)
風水五行を行うための道具。五行師が五行をもって作り上げる。
楽器と武器が組み合わさったようなデザインであることが多い。
匪天(ひてん)
異族の中でも、天使と人間のハイブリッドのことを指す。
第四神罰戦で化学兵器により免疫機構を破壊された天使達が、抵抗力を持つため人と交わり生み出した。
多くの匪天達は、香港島に存在する香港洞に居住している。
喪失技巧(デステクノ)
香港では、陰陽と時虚遺伝詞、そして竜を呼ぶ法のことを指す。
これらの資料は全て第五神罰戦で失われている。
才能家(タレント)
基本を無視した風水五行を行える者のこと。

香港の歴史[編集]

  • 1842年、南京条約、第一神罰戦。
  • 1895年、第二神罰戦。
  • 1925年、第三神罰戦。
  • 1958年、第四神罰戦。
  • 1973年、第五神罰戦。
  • 1997年、香港返還。

登場キャラクター[編集]

師団側[編集]

アキラ
熾天の匪天。香港一の風水師で、香港商店師団の衛生課巡査。本名は李・良月(リ・リャンユエ)。
ダブルリーの妹。
ガンマル
五行師。本名はローガン・マルドリック。欧州五行総家であるマルドリックの次男。
ジェイガンの弟。右手はある事情で義手である。神形具『非皇』を持つ。
リン
香港商店師団捜査課巡査長。風水師で、アキラの上司。本名は奉・鈴(ホウ・リン)。
フェイを探している。
コウガ
中国系ヴァンパイアと日本人のクォーター。香港商店師団捜査課巡査。本名は山城・孔臥。
リンの部下である。生まれと育ちは日本。不死。
将軍
香港商店師団特殊車両部隊大隊長。第四神罰戦の英雄と呼ばれる。
元々は五行師だが、現在は妻との遺伝詞交換で得た風水能力を主に使用する。
正体は“もうひとりの李・琥”であり、妻は“もうひとりのルナ・アズエル”。
かつて1842年に降りた後、現代ではなく1958年に帰り、未来を修正しようとした。

アークスRDC側[編集]

ダブルリー
熾天の匪天。元アークスRDC特務部。本名は李・リード。
アキラの兄。
ジーニアス
智天の匪天。元アークスRDC総務部。本名はジーニアス・エライアス。
ジェイガンの子を身篭っている。
フェイ
座天の匪天。元アークスRDC警備部。本名はフェイ・ガーランド。
全身を義体化し、感情喪失機構を付けて記憶を封じている。
ジェイガン
死人。五行師。本名はジェイガン・マルドリック。
ガンマル(ローガン)の兄で、生前の字名は弟と同じ“ガンマル”である。

故人[編集]

李・ルナ
熾天使。風水師。アキラとダブルリーの母親。旧姓はアズエル。
第五神罰戦で、“新・ある風水師の手記”を記す
李・琥、黄・大全とともに1842年に降り、香港の運命を知る。
自分の寿命と香港の寿命を入れ替え、飛翔歌を残してきた。
李・琥
五行師。アキラとダブルリーの父親。
第五神罰戦でルナ・アズエル、黄・大全とともに1842年に降りる。
香港の運命を知り、自分の寿命と香港の寿命を入れ替えた。
黄・大全
大天の匪天。アークスRDCの創始者。香港の裏の王と呼ばれていた。
第五神罰戦でルナ・アズエル、李・琥とともに1842年に降りる。
香港の運命を知り、自分の寿命と香港の寿命を入れ替えた。
1997年に死亡(143歳)。

既刊[編集]