風光る (渡辺多恵子)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

風光る』(かぜひかる、Kaze Hikaru[1])は、渡辺多恵子による日本の漫画作品。『月刊フラワーズ』(小学館)にて連載中。単行本は2014年4月現在、35巻まで刊行中。新選組をテーマとしている。

第48回(平成14年度)小学館漫画賞受賞。

※以下「しんせんぐみ」の漢字表記は、「新選組」。

あらすじ[編集]

幕末青春グラフィティ。

幕末京都で、壬生浪士組(後の新選組)に入隊志願した神谷清三郎。だが、実は彼は男装した少女・富永セイであった。父と兄と3人で診療所を営んでいたが、長州の反幕派の浪人により診療所は燃やされ、父と兄は殺されてしまう。セイも火傷を負うが、たまたま近くを訪れていた沖田総司に助けられる。壬生浪士組に志願しようとしていた兄の意志を継ぎ、また父と兄の仇を討つため、彼女は性別を偽り壬生浪士組に入隊したのだった。

登場人物[編集]

※年齢は30巻(慶応3年)時点にして、数え年。総司の生年は天保15年である。 声の記述はドラマCD版

新選組隊士[編集]

神谷清三郎 / 富永セイ(かみや せいざぶろう / とみなが セイ)
声 - 日高のり子
主人公。15歳→19歳(現在)。父と兄の仇討ちの為、男装して壬生浪士組へ入隊した。本懐を遂げた後、いつしか総司に恋心を寄せ、彼の側にいたいと願う一番隊隊士。かつては、総長・局長・副長の小姓を務めていた。美人で、隊内では非常に人気者。体の身軽さと素早さを利用した、我流の剣術を編み出している。剣の腕前は並みの隊士以上。言動は男っぽいが、普段は優しく思いやりのある性格。
名前の由来は、生命を寿ぐ(=言葉によって祝福する)意味。実は野暮天女王。負けず嫌いで、たまに後先を省みない。恋愛以外においては勘が鋭い。
  • 嘉永2年(1849年)・元御家人 富永玄庵と、リン(旧姓・神谷)の第二子(長女)として誕生。
  • 嘉永5年(1852年)・4歳の冬に母を亡くす。
  • 嘉永6年(1853年)・5歳の春に沖田宗次郎と出会う。
  • 安政3年(1856年)・8歳の暮れ、玄庵を訪ねてきた松本良順と出会う。
  • 安政5年(1858年)・10歳の頃に左京区頂妙寺に引っ越す。
  • 文久3年(1863年)・春に父と兄を尊皇攘夷派浪士に殺害され、千寿庵で治療を受ける。
  • 文久3年(1863年)・性別を偽り、敵討ちのため壬生浪士組(のち新選組)に入隊。
沖田総司
声 - 松田洋治
もう1人の主人公。壬生浪士組副長助勤→新選組一番隊組長。20歳→24歳(現在)。セイの世話役兼直属の上司。池田屋事変以降セイに恋心を寄せ、1年後自覚した。甘味好き。 隊内トップクラスの腕前にして、勘が非常に鋭い。普段は明るく天然ボケ(?)で子供好き。常に笑顔な反面、時にはひどく他人に厳しく冷たい。幼い頃は泣き虫だった。寝ながら話を聞ける。口調は「です、ます調」。色恋沙汰には鈍感で、野暮天王。考えることが苦手。4年後、小花経由で結核に感染し、現在療養中(※池田屋で昏倒した原因は、熱中症である)。
  • 天保15年(1844年)・沖田勝次郎ナオの第三子(長男)として誕生。
  • 嘉永5年(1852年)・9歳の時に試衛館の下働きとなる。島崎勝太(=近藤勇)・土方歳三と出会う。
  • 嘉永6年(1853年)・10歳の時、5歳のセイと出会い、その時の光景が原風景となる。その後、試衛館の門人となる。
  • 文久3年(1863年)・20歳で元服上洛浪士組に参加。
斎藤一
声 - 関智一
壬生浪士組副長助勤→新選組三番隊組長→御陵衛士。24歳。その実、正体は会津容保直々に派遣された隠密の監察官。セイから兄のように慕われ、彼女に恋心を抱いている。祐馬とは同門かつ友人関係であり、総司と同等の実力者でもある。常に無表情で真面目で冷静沈着な反面、セイの生肌を見ると動揺し、頭から水をかぶる(通称・斎藤一式修行法)。時々ポーカーフェイスが崩れる。2年後、セイが女だと気付き嫁がせようと決意するも、様子を見守る。総司とは何だかんだで仲が良い。幹部の中では、数少ない月代姿である。
近藤勇
声 - 大川透
壬生浪士組局長→新選組局長。34歳。温厚で新選組の父親的存在。多摩の豪農生まれで、幼い頃から武士になりたがっている。16歳で天然理心流三代目・近藤周斎の養子となり、四代目を襲名している。作者曰く「天然の誑し」。をよく囲っては、よく騙されている。拳骨が入る程口がでかい。非常に寛容な性格。総司の(生涯)大好きランキングNo.1。
土方歳三
声 - 上川隆也
壬生浪士組副長→新選組副長。33歳。多摩の豪農生まれ。オカマとナメクジとホモが大嫌い。新選組の母親的存在で、局中法度を作った張本人。別名・鬼副長。実は端整な女誑し。総司の(生涯)大好きランキングNo.2。幼少時は女顔だった。もともと酒好きではない。
芹沢鴨
声 - 逆木圭一郎
壬生浪士組局長→新選組局長。豪快で酒乱な一方、面倒見がいい英雄気質。暴走し出すと止まらない。文久3年9月、愛妾()と共に総司らによって粛清される。
山南敬助
声 - 田中秀幸
壬生浪士組副長→新選組総長。享年33。博学かつ温厚な性格で、明里とは愛し合っていた。セイが女であることを知っている。
禁門の変における六角獄舎での囚人の対応や、天狗党の乱における慶喜の対応により、幕府を見限る。その後、隊を脱走し切腹する[2]。明里には自身を馬謖に例え、手紙に遺している。
永倉新八
声 - 大内厚雄
壬生浪士組副長助勤→新選組二番隊組長。29歳。左之助と共に遊里によく通っていた。元々はかなり立派な武家生まれ。
井上源三郎
壬生浪士組副長助勤→新選組六番隊組長→三番隊組長。39歳。試衛館からの同志の中では一番年上。周囲からはお爺ちゃん扱い。
藤堂平助
声 - 佐藤仁志
壬生浪士組副長助勤→新選組八番隊組長→御陵衛士。24歳。試衛館に入る前からの先輩(山南)を慕っている。土方・伊東・斎藤が東下した際に再会するまで山南の死を知らされていなかった。
原田左之助
声 - 岡田達也
壬生浪士組副長助勤→新選組十番隊組長→四番隊組長。28歳。幹部唯一の既婚者。結婚するまでは女好きで、何かにつけては遊里に通っていた。槍遣いにして、1児の父親。腹の一文字傷は、昔勢いでつけた痕。
伊東甲子太郎
新選組参謀、33歳。美しいものを愛している。まつ毛がある。自他共に認める美形で長身。土方が大好き。博学かつ策士であり、勤王思想家。剣の腕も高い。隊士の取り入れ役を兼ねるため、花香太夫を囲っている。天狗党の乱以降、慶喜のことが大嫌い。
反近藤派、尊皇派を集めて、御陵衛士を作り新選組から離脱した。茨木、中村が自刃することになったことから近藤らへの復讐を誓う。
中村五郎
伊東甲子太郎が江戸で徴募した、新入隊士の一人。初対面でセイを女子と見抜き、恋心を抱いている。その後、伊東にも傾倒していく。一番隊仮隊士→十番隊隊士→御陵衛士。
慶応3年6月12日、新選組の幕臣取り立てを機に茨木司佐野七五三之助富川十郎、新入隊士6名とともに京都守護職邸へ離隊を嘆願する。その2日後、新入隊士全員を離隊させ、自分たち4人は伊東への嫌疑を断つために自刃した。
三木三郎
伊東甲子太郎の弟。九番隊組長→御陵衛士。兄とは似ても似つかないほど酒太りした体型(幼い頃は共に美男子兄弟だった)。幼い頃から兄を尊敬しているも、兄からは邪険にされている。
内海次郎
伊東と共に入隊した、彼の右腕兼ツッコミ役。登場する際はほぼ伊東と一緒。伊東の行動・言動には呆れながらも、縁を切れずにいる。伊東曰く「口は悪いが勘が良い」。十番隊隊士→御陵衛士。
加納鷲尾
伊東とともに入隊した同志の一人。大島流槍術の達人。三木の世話役で、いつも伊東に邪険にされる彼の肩を持ち、毎朝の挨拶は欠かさない。
山崎烝
新選組監察方→五番隊組長。近藤派で、様々な人物に変装して町を探っている。伊東派の動きにも目を光らせている。
谷三十郎
新選組七番隊組長。生真面目で、誰に対しても容赦がない。過去の諸事情によって以来、重度の人間不信である。最期は、かつて粛清した友の妻子により仇討ちに遭う。
谷万太郎
新選組の監察方隊士。谷三十郎の弟で、外見・性格共に兄とは似ても似つかないほどおっとりしている。兄を尊敬している。
相田 & 山口(そうだ、やまぐち)
一番隊の隊士二人組(隊内では最古参)。2人よく一緒にいる。時には組長代理も務める。当初からずっとセイのことが好きだが、最終的には総司とセイの恋を見守る。総司を尊敬している。

その他[編集]

声 - 佐久間レイ
花家(はなや)」の天神。源氏名は、さと乃(祇園)→明里(島原)。祐馬や山南とは恋仲だった。セイの恋人役かつ姉的存在。
山南によって身請けされ、表向きにはセイに囲われている。正一と共に、屯所近辺に住んでいる。セイと総司との恋を応援している。
松本良順
幕府典医であり、玄庵の知り合い。蘭方医学の権威であり、南部のメース(オランダ語で師匠)。近藤、総司や家茂からの信頼も厚い。新選組の主治医(1人目)。セイを実の娘として大切に思っている。
南部精一郎(なんぶ せいいちろう)
会津侯典医。松本良順の弟子で、セイが女だと知っている。彼も新選組の主治医(2人目)。
坂本龍馬 / 才谷梅太郎
尊攘派中心人物。短筒を所持しているが、撃っても当たらない。温厚でドジ。
一橋慶喜 / 浮之助
禁裏守衛総督兼摂海防禦指揮→15代将軍。頭の切れるおちゃらけた男で、家茂とは仲はあまり良くないように見えたが、お互いに和解した。偽名を使ってよく女遊びする。家茂の死後、将軍へ就任。
徳川家茂
14代将軍。人柄がよく、家臣からも非常に愛されている。甘味好き。21歳にして病死。正妻(和宮)との仲は良好。
深雪(みゆき)
大阪の遊里に置かれた、売れっ子太夫。もとは武家出身であったが、元治の変によって妹と共に売られた。近藤勇により身請けされるも、妹のために彼を騙す。最終的には、妹に手の平を返され、手切れ金をもらい、近藤の元から去った。(本来)妹思いの優しい性格。
(コウ)
深雪の妹であり、身請けされる直前まで太夫だった。源氏名は御幸(ごこう)。セイと同い年であり、どことなく彼女に似ている。彼女も近藤に身請けされた(※女中→妾)。
松平容保
会津藩主で、事実上新選組の雇い主的存在にして名付け親。
春 /
龍馬の情婦で、船宿「寺田屋」で働く。龍馬の情報を掴む特命を受け、潜入したセイと知り合い、彼女とは結構気が合う様子。後者は本名で、諸事情により町医者の娘→寺田屋養女に。前者はその際に登勢が改めたものであり、「お龍」は龍馬と2人の時か、彼に危険が迫った時の女将との合図のみに使われる。
登勢
寺田屋の女将で、春の養母。龍馬の協力者の一人。肝が据わっている。
富永玄庵(とみなが げんあん)
セイと祐馬の父親。祐馬と共に、尊皇攘夷派浪士の襲撃に遭った。元江戸府内直参の臣にして蘭医。医学に1本気な人であり、愛妻家。良順より10歳上だった。
富永祐馬(とみなが ゆうま)
声 - 関智一
セイより7歳上の兄。壬生浪士組へ入隊志願し、武士になることを望んでいた。佐幕思想が強い。父親と共に、尊皇攘夷派浪士に襲撃された。斎藤一に似ている。
まさ
原田左之助の妻で、旧姓は菅原。実家は名字帯刀の名家。出会って七日目で左之助と想いが通じ合い、結婚。1児の母親。
古川清衛門(ふるかわ せいえもん)
会津肥後守の御抱刀工、会津11代兼定。その後、土方が終世佩用することになる兼定を鍛ち、セイに合う刀身の拵も鍛えた。歳三より2歳下で、見た目は若い。おっとりとした恥ずかしがり屋。隊内に衆道を流行させた。
キン
声 - 松浦チエ
「花家」の遊女で、約2年後天神に昇格した。源氏名は小花(こはな)。元々は町方出身。僧家出身として武家に嫁ぐも、島原に身を売る。元夫は承之助(しょうのすけ)、娘はユキ。総司とは月一で添い寝しつつ、彼に恋心を抱いていた。さらに2年後に結核に罹り、総司に看取られる。
サエ
ツネとは、試衛館へ来る前からずっと一緒だった女性。試衛館では家事をしていた。自分より1歳上の総司に求婚するも、断られて懐剣で自殺未遂する。
その後商家に嫁ぎ、総司への想いを吹っ切るため、再び彼に会う。後に元気な女児を儲けた。男勝りで真っ直ぐな性格。
近藤ツネ
近藤勇の妻。それほど美人顔ではなく、年齢的にも嫁き遅れ寸前だった。一橋家の祐筆を務めていたこともある才女。娘はタマ
正一(まさいち)
京の町に住む少年。通称・正坊(まあぼう)。
池田屋事変で逃げ延びた倒幕派志士の情報を知り、その際にセイと知り合う。禁門の変で両親を失い、養父母のもとで暮すも、彼らに懐かず折檻され逃げ出す。一時声が出なくなる心の病気に罹っていた。山南の死後は、里と共に暮す。里を慕い、セイを敵視(?)している。
大坂屋与兵衛(おおさかや よへえ)
西洋伝方写真処主人。人々のポトガラヒーを撮る職人。妻子持ち。

ドラマCD[編集]

2001年12月22日に、ドラマCDが発売された(※現在3巻まで)。キャストのほとんどが演劇集団キャラメルボックスの所属である。

スタッフ[編集]

  • 脚本:真柴あずき
  • 音響監督:高橋秀雄
  • 音響効果:佐藤一俊
  • 録音調整:成田一明
  • 録音助手:榎本慎一
  • 録音スタジオ:スタジオマウス
  • 音響製作:マウスプロモーション
  • 音響製作担当:谷美也子
  • 音楽:亀山耕一郎
  • 音楽コーディネーター:早川治久
  • プロデューサー:原田宗一郎、加藤長輝
  • Aプロデューサー:牧陽子
  • 企画協力:古川麻子
  • デザイン:渡邉智子
  • 製作:BLUE PLANET

備考[編集]

少女漫画でありながら、少々残虐な描写が多々ある(斬り合い、血の描写、身体の切断シーンなど)。

書誌情報[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『Shojo Beat』掲載タイトル
  2. ^ 脱走も切腹も無理強いではなく、自分の意思